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カピロッシ「いい時にはいいバイク」
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インテリマーク編集部
  2008年6月3日

リズラ・スズキ勢は今回のイタリアGPでは開幕初日から好調な滑り出しを見せ、ウェットのフリー・プラクティス2ではクリス・バーミューンがトップタイムを記録、2日目の予選ではロリス・カピロッシが今期のスズキにとっては初の1列目となる3番グリッドを獲得しており、レースに向けてカピロッシは地元での優勝を狙うと豪語したが、決勝当日の午後は路面温度が50度にまで上昇した事が災いしてグリップ不足に陥り、2名揃ってレースウイーク中の好調さをレース中には発揮する事ができなかった。
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■路面温度の上昇に苦しんだスズキ勢、序盤は良かったカピロッシだが・・・
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3番グリッドからの好スタートを見せたカピロッシは1コーナーにも3番手のまま進入、ロッシとヘイデンを背後に従えて前を行くペドロサとストーナーを追ったが、マシンに問題を抱えたヘイデンが後退した後の3ラップ目以降は上昇した路面温度の影響から一気にタイヤのグリップが減少、ストーナー、ロッシ、ペドロサの先頭集団3名にはついて行けなくなりドヴィツィオーゾならびにロレンソと共に2番手集団を形成した。
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ロレンソが転倒した後の10ラップ目にはサンカルロ・ホンダ・グレッシーニのアレックス・デ・アンジェリスが稲妻のごとくカピロッシの横を通過して単独の4番手となり、その後はドヴィツィオーゾと5番手を争う事になったカピロッシをTECH3コンビの2台が14ラップ目までにゆっくりと追い抜いた。結局カピロッシはドヴィツィオーゾは抑えきったものの、優勝を狙っていた地元ムジェロでのレースを7位で終えている。
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■レース開始時は最後尾近くに後退したバーミューレン、その怒濤の追い上げ

その一方、11番グリッドからスタートしたクリス・バーミューレンは、そのままのポジションのままオープニングラップの1コーナーに進入しようとしたものの集団に飲み込まれ、さらにははじき飛ばされて最後尾付近の17番手に一気に後退。ここから持ち前の激しい追い上げを見せるバーミューレンは、エリアス、ギントーリ、メランドリを交わし、5ラップ目にはド・プニエとの一進一退のバトルを展開しながらコーナーで違いに接触、そこでブレーキ・レバーがバーミューレンにあたったド・プニエが転倒し、背後のメランドリもそれに巻き込まれてリタイアした後はホプキンスとヘイデンを交わし、さらに上位集団の中でロレンソが転倒した事から8ラップ目にバーミューレンは10番手にまでポジションを挽回している。
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トップ10入りを目標になどはしていないと述べるバーミューレンだが、後方集団から抜け出すまでのタイムロスは大きく、その前方9番手を走行していた中野真矢選手との距離がすでに大きすぎた事から、バーミューレンは10番手のまま残りの15周回を走りきり、そのままの順位でチェッカーを受けた。


■カピロッシ「スズキのマシンはいい時はいい」
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地元ムジェロでの勝利を狙ったが、路面温度の変化によりパッケージの耐久性に変化が生じて念願叶わなかったロリス・カピロッシは、フルレース周回を走りきる中で時々発生する耐久性の問題を課題として再認識し、スズキと共にその解決に向けて今後も取り組みたいとコメントしている。

「とても悔しいです。今週はスタッフとベストを尽くしてきましたから、今日はもっと上の結果が狙える筈でした」とカピロッシ。

「先頭の3名とはできる限り長い間一緒にいようと頑張りましたが、ストレートで少しずつ離されてしまい、各コーナーでそれを挽回できるように本当に激しいブレーキングが必要だったんです」

「その後はグリップが悪くなり始めましたが、可能な限り高い順位で完走できるようにできる限りの攻めの走りをしたつもりです」
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「今日の結果には全く満足できていませんから、これからスズキと一緒に真剣に作業を続けたいと思います。実際、自分たちのバイクはいい時はいいんですが、フルレース周回を走り切った上で高い結果を狙えるようにするには、時々いくつかの取り組むべき課題が浮上するんです」

「今週の良かった点はチームの全員が本当に必死に頑張ってくれた事です。彼らはバイクを良くしようと全ての力を出し切ってくれていますからね」


■バーミューレン「次戦に向けて今回の事から多くを学んでおきたい」

オープニングラップでポジションを大きく後退したものの、レースの前半中に落としたポジションを全て取りかえしたクリス・バーミューレンも、チームメイトのカピロッシと同様にこの日の路面温度の上昇には苦戦したと以下の通りコメントした。
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「今日は路面温度が高くなったので本当にレースは厳しいものになりましたね」とバーミューレン。

「レースウイークを通して路面コンディションが変化する難しい状況でしたからドライでのテスト時間があまり取れていなかったし、この高温路面では期待通りのグリップが得られていません。おかげでレース中はずっとバイクのコントロールに苦戦しました」

「スタートはうまくいったんですが、その直後に集団に取り囲まれてしまい、その団子状態の中から押し出されて17番手にまで下がってしまったんです。だから10位という結果については自分では良くやったと思いますけどね。すごくたくさんのライダーを交わしていく事になりましたが、ここではあんまりそれが楽じゃないんです」

「今日の自分たちの問題をしっかり認識して、そこから来週のバルセロナに向けて多くの事を学んでおけるようにしたいと今は思っています」


■デニング監督「リズラ・スズキのみ路面温度の極端な悪影響」
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イタリアの風をチームに感じるとレースウイークの初日は上機嫌だったリズラ・スズキのポール・デニング監督は、過去数年の傾向としてもある事だが、リズラ・スズキ勢のみが極端に路面温度の上昇に悪影響を受けている事を解決すべき課題として捉えている様子だ。

「今日は自分たちの期待通りには全く事が進まなかったのは明白でしょう」とデニング監督。

「両方のライダーが同じ問題に最初から苦しみました。要するにグリップ不足ですが、今日はなぜ耐久性の面がそこまで早い段階でダメになったのか、迅速に原因をつきとめて理解するつもりです」

「今週は不安定な気象条件の影響からレース当日と同じ路面コンディションでのテストができていませんでした。しかしながら、ライバルたちにとっても条件は同じだった訳ですし、彼らは自分たちほど今回の路面温度の上昇に悪影響を受けていた様子はありません」

「これからスズキのエンジニアやブリヂストンのスタッフと共に頑張り、走行条件の変化の中でもバイクの一貫した性能を維持できるようにしていきたいと考えています」

「ライダーは2名共に今日も全力を出し切って戦いました。レースの最後の最後までロリスは常に激しいバトルを繰り広げていましたが、最終的には今日の本来到達できる筈だった成績には辿り着けていません」

「今回良かったのは、次のレースウイークが数日後に始まる事です。カタルーニャでは今回の出来事を忘れて、正しい方向に進んでみせますよ!」

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