|
|
|
|
2008年6月1日
5月31日にムジェロ・サーキットで行われたイタリアGPの予選を制したのは、昨年のカタルーニャGP以来となる約1年ぶりのポールポジションを獲得したフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシだった。当然これは今期よりロッシがブリヂストンにスイッチしてから初の出来事であり、彼の最高峰クラスでの通算40回目、彼のグランプリ経歴では通算50回目、ヤマハにとっては今年5つ目のポールポジションだ。
■衝撃の地元ポールを衝撃的なヘルメットで獲得
前日のフリー・プラクティス中は通常通りのヘルメットを着用していたロッシだが、この日の午後の予選からは毎年の恒例となったホーム・グランプリ記念のスペシャル・ヘルメットを着用している。ロッシがポールポジションからすでに約1年間も遠ざかっていたという事実も衝撃的だが、今年のスペシャル・ヘルメットはそれにも増して衝撃的なデザインだ。
■今回のスペシャル・ヘルメットもアルド・ドルディ作
ロッシの顔写真をそのままヘルメットに印刷するという今回の奇抜なムジェロ・スペシャル・ヘルメットをデザインしたのは、イタリアでは人間工学の権威として知られ、現在のレーシングスーツの基礎を築いた人物とも言われているアルド・ドルディ。ドルディは去年のムジェロでロッシが着用したハートマークのスペシャル・ヘルメット(写真下)、同じく昨年のオランダGPでロッシが乗ったYZR-M1の新型FIAT500発売記念スペシャル・カラー、ロッシ以外では昨年のトニ・エリアスがホームのカタルーニャで乗ったRC212Vのガウディー・スペシャル・カラーをデザインしている。
■午前のフリー・セッション終了時は予選が不安だったロッシ
予選前のこの日の午前中に行われたフリー・プラクティス3は、セッション開始時にはドライ宣言がなされたものの、途中で雨が降り出した事から殆どのライダーが路面が再び乾くまでしばらく走行を見合わせるという不安定な気象条件だった。このプラクティスでロッシは3回のフリー・プラクティスを通しての総合6番手タイムを記録しているが、マシンのセッティング状況は予選を午後に迎える段階のものとしてはあまり納得のいくレベルではなかったらしい。
■結果は990cc時代のムジェロ・ポールレコードを0.8秒以上も更新
そこで昼食時、ロッシのチーフ・エンジニアでありGP界のスーパー・メカニックとしても名高いジェレミー・バージェスと、彼のスタッフがマシンに最後の微調整を加えており、この結果、予選に入りロッシの前に用意された時のYZR-M1は、彼が予選を制するのに十分な仕上がりになっていたとロッシは語っている。この日の3本目の予選タイヤでロッシが記録したタイムは、990cc時代に記録されていたムジェロのベストラップ・レコードを0.8秒以上も上回る1分48秒130の新ポール・レコードだった。
■ロッシ「今年もパーティーができる事を願う!」
17戦ぶりのポールポジションをブリヂストンにスイッチしてから6戦目にして獲得する事に成功したバレンティーノ・ロッシは、昼食時にマシンの調整を施してくれたチーム・スタッフへの感謝の気持ちと、今回のスペシャル・ヘルメットに関する感想などを予選後に以下の通り語った。
「とにかく素晴らしい予選でした。ずっとポールポジションを再び取りたいと思っていましたし、実にもう1年近くが経過していましたからね!当然、明日はここから勝利を狙っていきます」とロッシ。
「正直言うと、午前のプラクティスが終わった時にはセッティングにいくかの点で問題を抱えていたのですごく不安でした。それに自分も走行リズムがうまくつかめていなかったんです。でも、チームの全員が昼食の間にすごい作業を施し、とても重要な調整をマシンに加えてくれたおかげで、午後に入ってからは自分の思い通りの感触とスピードが得られるようになりましたから、彼らには本当に感謝しています」
「今の段階でもレースタイヤでは速く走れていますが、まだ最終的なタイヤの選択はこれからです。明日の気象条件を確認してから決定する予定です」
「ブリヂストンを履いてから初のポールポジションですから本当に嬉しいですね。48.1秒は本当に速いラップタイムだと思いますし、この結果からも彼らの予選タイヤがどれだけいい状態になったかが分かります」
「1列目にイタリア人が2名も入った事についても良かったと思います。今は明日のレースにたくさんの人が来てくれる事と、また全員でお祝いのパーティーができる事を願っています」
「自分のヘルメットについてですが、これは正直に言わなければいけませんが、今回のはアルド・ドルディのアイデアです。でも、今までの自分のヘルメットの中でも最高のものだと思っていますよ!これは絵じゃなくて、ここのロングストレート終端でブレーキをかけている時の本物の自分の顔写真なんですが、すごくファニーですよね!」
|
|
|
|
|
|
|
|
|