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SBKタイトルをトスランドが獲得、芳賀選手は僅差の2ポイント
インテリマーク編集部
2007年10月8日

2007年度SBK(世界スーパーバイク選手権)の年間タイトルが、10月7日に行われた今シーズンの最終ラウンド、マニクール戦の第2レースで決定した。2007年度のチャンピオンは、2004年度のドゥカティー時代に続く2度目のSBK年間タイトルに輝いたジェームス・トスランドだ。
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■レース1でのタイトル決定が確実と見られていたトスランド

前回のバレルンガ戦(写真下)終了時点の年間ポイントランキングは、テンケイト・ホンダのジェームス・トスランドがトップの396ポイント、アルスター・スズキのマックス・ビアッジが2位の367ポイント、ヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手が3位の363ポイント、昨年度の覇者であり今期は2連覇が確実とシーズン開始時には予想されていたドゥカティーのトロイ・ベイリスは341ポイントの4位でマニクール戦を迎えている。
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ポイントリーダーとして最終戦を迎えたトスランドは、今回の予選でポールポジションを獲得(写真下は今回のマニクール予選終了時)しており、この時点でビアッジから29ポイント差、芳賀選手からは33ポイントの差を大きくつけた事から、10月7日には午後のレース2を待たずして最初のレース1でトスランドがタイトルを決めるものと大方が予想していた。
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■大波乱のレース1、トスランドが序盤に最後尾へ後退

しかしながら、7万5000人の観客が見守るレース1は予想外の事態が発生した。トロイ・コーサーが最高のスタートを見せてホールショットを奪う中、ポールポジションからのスタートに出遅れて3〜4番手付近に下がったトスランドは、1コーナーの外側から2番手につけようとしたドゥカティーのロレンツォ・ランチのリアに軽く接触。
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ランチはそのままリアが流れ、宙を舞いながら激しく転倒。直後にトスランドは転がるランチとのさらなる接触を避けてグラベルに逃げた事から、オープニングラップで最後尾まで後退するという大波乱の最終ラウンド幕開けとなった。

■レース1は芳賀選手が圧勝
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その後はすぐに芳賀選手がトップに立ち、最後まで後続を引き離しながらレースをリード、後続のトロイ・ベイリスを2.7秒引き離してレース1での勝利を飾った。2位はトロイ・ベイリス、3位はトロイ・コーサーが獲得している。
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■タイトル決定戦はレース2に持ち越しに

最悪のレース序盤を過ごしたトスランドはその後に激しい追い上げを見せ、このレースでの7位を確保する事には成功したが、今回優勝した芳賀選手がレース1の6位となったマックス・ビアッジを11ポイント追い抜いてランキングの2位に浮上し、合計405ポイントのトスランドから17ポイント差の合計388ポイントにまで迫った事から、タイトル決定戦は午後のレース2に持ち越された。
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■ランチはトスランドと握手し、その後レース2をキャンセル

なお、ランチはレース終了後にトスランドと笑顔で握手を交わしたものの、右肩と肘、ならびにひざを強打により打撲したため、午後のレース2への出場はキャンセルしている。
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■レース2も楽じゃなかったトスランド

芳賀選手と17ポイント差にはなったものの、トスランドが余裕の逃げ切り年間タイトルを決めると思われたレース2だが、芳賀選手のレース1に続いての活躍により楽なタイトル決定とはならなかったようだ。この時点で年間タイトル獲得の可能性があったのはトスランドと芳賀選手の2名だけだ。
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■芳賀選手が最終戦ダブルウインを達成

芳賀選手はレース1に引き続きレース2でも最初からレースをリードしてそのまま後続を寄せ付ける事なくダブルウインを達成。この結果、芳賀選手の今シーズンのポイント獲得数合計は413ポイントとなった。
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■ベイリスとのバトルを諦め安全策に切り替えるトスランド
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レース2では特にレース中のアクシデントは発生しなかったものの、トスランドはペースが上がらずトロイ・ベイリスとの5位争いに終始。最後にトスランドは無理をせずにベイリスを先行させ、年間タイトル圏内である6位を安全に確保する事を優先した。
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レース2は芳賀選手が後続から3.5秒の差で優勝。2位はSBKルーキーイヤーにして年間ランキング3位となったマックス・ビアッジ、3位表彰台はカワサキのフォンシ・ニエトが獲得している。
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■ホンダにとって5年ぶりの勝利となるトスランドのタイトルが決定

6位のポジションのまま最後までレース2を走りきったテンケイト・ホンダのジェームス・トスランドは、ランキング2位となった芳賀選手と僅か2ポイント差の415ポイントで、SBKにおける自身2度目の年間タイトルを決めた。ホンダがSBKで年間タイトルを決めたのは、現MotoGPヤマハのコーリン・エドワーズが2002年にVTR1000SPで年間チャンピオンになってから5年ぶりの事だ。
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■芳賀選手が自身3度目のランキング2位に

また、アッセンでのテクニカル・トラブルや、ミサノでのビアッジからの接触による転倒など、年間タイトルまであと一歩の2ポイントという結果からは大変に悔やまれるノーポイントのレースが2回あったものの、今シーズンを通して強さを誇ったヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手は、自身のSBK経歴における3度目のランキング2位という快挙を成し遂げた。
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■ヤマハは逆転のマニュファクチャーズ・タイトル

さらに芳賀選手の今回のダブルウインは、ヤマハに逆転のマニュファクチャーズ・タイトルをもたらしている。


■上位ライダーのランキング結果
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なお、最終ラウンドで芳賀選手にランキング2位を奪われたアルスター・スズキのSBK1年目となるマックス・ビアッジ(397pt)はランキング3位、昨年度チャンピオンであるドゥカティーのトロイ・ベイリス(372pt)がランキング4位、ヤマハ・イタリアに移籍1年目のトロイ・コーサー(296pt)はランキング5位、ドゥカティーの1年落ちのマシンで戦ったステリルガルダのルーベン・ザウス(201pt)が6位、ドゥカティー・ワークス2年目のロレンツォ・ランチ(192pt)はランキング7位に終わった。

■加賀山選手はランキング13位、中冨選手は15位
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前戦のバレルンガでの怪我により最終戦をキャンセルする事になったアルスター・スズキの加賀山選手はランキング13位、チームYZFヤマハの中冨伸一選手はSBK参戦2年目をランキング15位で終えた。


■トスランド「SBKでの全ての経験をMotoGPに持っていきたい」
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自身2度目のSBKタイトルを決めたテンケイト・ホンダのジェームス・トスランドは、シーズン中盤にはマシン・トラブルなどの不運により苦戦を強いられる事もあった今シーズンを、過去7年の彼の経歴の中で、最も面白いSBKシーズンだったとコメントしている。

「やっとですね!」とトスランド。

「年間ランキングは開幕戦のカタールからトップできましたが、なんともすごいシーズンになりましたね。SBKでの戦いを経験した過去7年間の中でも最高の年間シーズンだったと思います。」
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「まずライディングのレベルがすごかったですね。シーズンを通してベイリス、コーサー、ビアッジ、芳賀など、全員とのバトルを楽しむ事になりました。自分の限界ぎりぎりまで力を出し切って、最終的に2ポイント差で年間タイトルを勝ち取る事ができたなんて、本当に信じられないほどに素晴らしいです。」

また、来期はTECH3ヤマハからMotoGPに参戦する事が決定しているトスランドは、今回までのSBKでの全ての経験を大切にして新天地のMotoGPに挑みたいとしている。
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「自分の最後のスーパーバイク戦でポールポジションと年間タイトルを決める事ができて本当に最高ですよ。このためにずっと頑張ってきたんですし、自分にとっては本当にすごく価値のある出来事です。」

「自分のSBKでの戦いをずっと応援してきてくれた人たちに、自分の望むこういう形で恩返しができましたね。これで高い意欲を持ってMotoGPに向けて出発できますし、SBKでの今回のレースまでの全ての経験を持ってMotoGPに挑みたいと思います。」


■芳賀選手「悔しいけど満足!」
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自身3度目の年間ランキング2位となり、惜しくもタイトルには届かなかったヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手は、2ポイント差は悔しいものの今シーズンの内容には満足しており、来期もトロイ・コーサーと一緒にマシン開発ができる事が楽しみだと述べた。

「レース1では後方(オープニング・ラップの1コーナー)で何が起きたのか良く分かりませんでしたが、チームがピットボードで状況を知らせてくれたので、そこからはできる限り後続との差を開いて他のバトルに巻き込まれないように頑張りました。」と芳賀選手。

「レース2ではバイクのセッティングを(レース1の時から)何も変更していません。ただひたすら全力で走っただけです。」
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「年間ランキングが2位だったのは残念ですよ。たった2ポイントでしたからね!でも、自分的には満足できていますし、今年のシーズン中は全てのライダーとのバトルを楽しむ事ができました。」

「成績だけ見れば、シーズン終盤の過去数戦は本当に調子が良かったですね。来年はもっと頑張らなきゃと思います。それに今年はトロイと一緒に仕事ができてとても良かったです。ここまでトロイとはうまくやっていますから、来年も彼と一緒にバイクの開発を進められる事がとても楽しみです。」

「チームの全ての頑張りに感謝しています。それにジェームスの年間タイトル獲得を祝福したいです。」


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