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2007年4月4日
SBK(世界スーパーバイク選手権)の今シーズン第3戦となったイギリスのドニントンパークの第1レースで転倒し、右手の小指に大怪我を負って事故当日に緊急手術を受けたドゥカティー・ゼロックスチームのトロイ・ベイリスは、レース翌日の4月2日には手術後の全ての検査を終えて、その日の午後遅くには自宅のあるモンテカルロに向かったようだ。
■好調なレースウイークに過酷な最終日
ドニントンでの金曜日初日の3月30日には38歳の誕生日を迎え、翌日にはポールポジションを獲得して順調なレースウイークを過ごしていたトロイ・ベイリスだが、4月1日のレース1ではトップを独走中の6周目にコピスコーナーでハイサイドを喫して激しく転倒し、バイクの下敷きとなった右手小指の第2関節までを切除するという、非常に過酷な最終日を迎えてしまった。
事故直後にベイリスはサーキットのクリニカ・モバイルに連れて行かれて一度検査を受けたが、直ちに手術が必要と判断したクリニカ・モバイルの医師は、彼をイギリス国内の近くの病院に移している。
■今後2回の再検査を受け、バレンシアの出場可否を判断
ベイリスは手術した小指以外にも、足の付け根付近を転倒時に強打している事から、4月2日に病院を離れる前には念のためにその部分も専門医に診てもらい、その日の午後遅くには退院して自宅のあるモンテカルロに向かったという。
ベイリスは現在自宅で休養に入っており、今週の金曜日には病院で再検査を受ける予定になっているが、4月13日から開催されるSBKバレンシア戦に出場するためには、FIMのレギュレーションに従って来週の木曜日にさらなる検査を受け、そこでレースへの出場を許可してもらう必要があるようだ。
■ベイリス「バイクには乗れる気がする」
トロイ・ベイリスは、4月2日の午後遅くに退院した直後、以下の通りドゥカティー・ゼロックスのプレス担当者にコメントしている。転倒した瞬間は指の痛みを特に感じていなかったとの事だ。
「転倒は一瞬の事だったので、手がハンドルバーか何かの下敷きになっていたかどうかは良く覚えていません。」とベイリス。
「完全に停止した時の事で唯一覚えているのは、足のももの付け根あたりが痛かった事です。手には痛みを感じていませんでした。」
「あの時はジェームスとの差をさらに開こうとして、コーナー加速に入っている状態で転倒しました。リアが暴れて滑ったんです。普通あそこではそんな事にならないように注意するんですが、コピス(コーナー)は少し登り勾配になっていて、その頂上付近でバランスが元に戻った時にバイクが違った方向を向き始めてしまい、今回は考える間もありませんでした。」
「間違いなくバレンシアまでには元気になっていますよ。(事故の)翌日に言うのもなんですが、ここまで全て順調に進んできましたし、回復のために使える時間もまだたくさんありますからね。」
「今でもバイクに乗れる気がしています。まあ、実際に試してみるまでは分かりませんが。でも、うまくいけば1週間半も過ぎれば元気なトロイを見てもらう事になる筈ですよ。」
■ゼロックス・ヨーロッパ デビッド・ミッチェル氏
SBKドゥカティー・チームのタイトル・スポンサーを務めるゼロックス・ヨーロッパのマーケティング責任者であるデビッド・ミッチェル氏は、チームとの2年契約を結んでいるベイリスに対し、以下のお見舞いの言葉を送っている。新任のミッチェル氏がベイリスと対面したのは、今回のドニントンパークが初めての事だという。
「ゼロックス社を代表し、トロイの体調が心配な私たちの心からの気持ちを、ここに表明いたします。」とミッチェル氏。
「日曜日はひどい事故でしたが、私たちの気持ちは常にトロイと共にあります。一日も早い彼の回復を願わずにはいられません。チームや彼の全てのファンと一緒に、できる限りに早い彼のサーキットへの復帰を、私たちも待ちわびたいと思います。」
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