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2007年5月13日
SBK(世界スーパーバイク選手権)の第6ラウンドが、イタリアのモンツァにおいて本日5月13日にレース1(日本時間19時00分)とレース2(日本時間22時30分)の決勝戦を迎えるが、ここでは、今年のMotoGPに匹敵する時速322キロのトップスピード記録が生まれた前日までの2日間の予選とスーパーポールの状況を紹介する。
■中冨伸一選手が骨折、本日のレースは欠場
フィリップ・アイランド戦とドニントン戦で転倒した加賀山選手は順調に体調が回復し、まだ体調は万全ではないもののその後のレースには問題なく参加しているが、今回のモンツァではチームYZFヤマハの中冨伸一選手が2日目の予選中に転倒し、足のつま先を骨折するという怪我を負っている。
中冨選手は2日目の第2予選中にフロントを失い転倒してグラベルに突入したが、幸いその時には本人に大きな怪我はなく、すぐに走行を再開しているが、セッション終盤に他のライダーにグラベルに押し出されて再び転倒し、そこで落下してきたバイクの下敷きになった足の指を2本骨折した。
この怪我の影響から中冨選手は本日のモンツァの両レースを欠場する事が正式に決定しており、5月25日から開催される次戦のイギリスのシルバーストーン戦からの復帰を目指すようだ。
■初日の第1予選概要とモンツァの特徴
第6ラウンド初日となった5月11日のモンツァは晴天に恵まれ、気温27度、路面温度43度、湿度41%の環境の中、ドライ・セッションとなった第1予選が14時15分より行われている。
この初日に暫定ポールを獲得したのは、前回のアッセンでポールポジションを獲得しているテンケイト・ホンダのジェームス・トスランド(1分45秒953)だった。トスランドはセッション中にマシントラブルで何度か走行を中断しているが、最終的なタイムに大きな影響はなかった様子だ。
2番手はヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手(1分46秒316)、3番手はモンツァを得意とするアルト・エボリューション・ホンダのカール・マガリッジ(1分46秒462)、4番手につけたのはカワサキのレジス・ラコーニ(1分46秒548)だった。
ちなみに、モンツァのサーキットレコードは2006年にトロイ・ベイリスが記録した1分46秒815、ベストラップは2006年にトロイ・コーサーが記録した1分46秒058。
■主要ライダーの多くが初日に苦戦
初日に昨年度チャンピオンであるドゥカティーのトロイ・ベイリスは多くの周回数を重ねる事に専念し、リアまわりのセッティングに若干苦しみながらの7番手(1分46秒918)、アルスター・スズキの加賀山就臣選手はコーナーの進入がうまくできないというセッティング上の問題が解決できずに9番手(1分46秒972)、モンツァは近年殆ど走った経験のないというランキング2位につけるアルスター・スズキのマックス・ビアッジはブレーキング・ポイントなどのコース学習に1日を費やして11番手(1分47秒205)、昨年度のモンツァのポール・シッターであるヤマハ・イタリアのトロイ・コーサーはブレーキトラブルに見舞われて12番手(1分47秒321)、チームYZFヤマハの中冨伸一選手は19番手(1分48秒384)で第1予選を終えている。
■エンジンパワーが不可欠のロングストレート
モンツァ・サーキットは、そのコースレイアウトの殆どが4本のロングストレートで占められており、それらを3つのシケインと高速コーナーが結ぶという超高速サーキットだ。先週のMotoGPにおける中国グランプリでの上海サーキットと同じく、エンジンパワーとストレート加速に強いマシンがレースをリードすると言われている。モンツァの最長ストレートは上海の1200メートルにも匹敵する1193メートルだ。
また、メインストレート終端のシケインにも代表されるが、ロングストレートでの加速後のハードブレーキング・ゾーンもこのサーキットの特徴の1つであり、マシンのブレーキング性能や、ライダーのブレーキング・ポイントも見極め能力もラップタイムに大きく影響する。今回の予選の2日間でも、例年通りブレーキング・ポイントを見誤った多くのライダーが最初のシケインでコースアウトを喫した様子だ。
■スーパーポールに向けてマシン改善を急ぐ強豪ライダーたち
モンツァは基本的には追い抜きが難しいサーキットであり、予選とスーパーポールにおける上位グリッドの獲得がレースでの好成績には不可欠と言える。この事から、あまり初日の第1予選でタイムを伸ばせなかった主要ライダーたちの多くは、揃ってセッティングを晩には見直し、2日目の予選とスーパーポールに向けての調整を急いだという。
■SBKモンツァ予選総合結果
以下に、前述した初日の第1予選と、翌日2日目の午前11時5分から気温26 度、路面温度37度、湿度47%の中で行われた第2予選の総合結果を示す。なお、この中の上位16名のみが、決勝のスターティング・グリッドの4列目までを1ラップのみのタイムアタックで争うスーパーポールに進出できる。
1) レジス・ラコーニ FRA カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 1分45秒593
2) ジェームス・トスランド GBR ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分45秒953
3) 芳賀紀行 JPN ヤマハ・モーター・イタリア Yamaha YZF R1 1分46秒097
4) マックス・ビアッジ ITA チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラ Suzuki GSX-R 1000 K7 1分46秒155
5) ロベルト・ロルフォ ITA ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分46秒173
6) トロイ・コーサー AUS ヤマハ・モーター・イタリア Yamaha YZF R1 1分46秒277
7) トロイ・ベイリス AUS ドゥカティ・ゼッロクス・チーム Ducati 999 F07 1分46秒361
8) カール・マガリッジ AUS アルト・エボルーション・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分46秒462
9) ミッシェル・ファブリツィオ ITA D.F.X.コルセ Honda CBR 1000RR 1分46秒475
10) ジョシュア・ブルックス AUS アルト・エボルーション・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分46秒686
11) マックス・ノイキルヒナー GER スズキ・ジャーマニー Suzuki GSX-R 1000 K6 1分46秒705
12) ルーベン・ザウス ESP チーム・ステリルガルダ Ducati 999 F06 1分46秒775
13) フォンシ・ニエト ESP カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 1分46秒827
14) 加賀山就臣 JPN チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラ Suzuki GSX-R 1000 K7 1分46秒875
15) マルコ・ボルチアーニ ITA チーム・ステリルガルダ Ducati 999 F06 1分47秒267
16) ロレンツォ・ランチ ITA ドゥカティ・ゼッロクス・チーム Ducati 999 F07 1分47秒301
(以下はスーパーポール出場圏外)
17) ヤコブ・シュムルツ CZE チーム・カラッチ・ドゥカティ・SC Ducati 999 F05 1分47秒666
18) スティーブ・マーチン AUS D.F.X.コルセ Honda CBR 1000RR 1分47秒676
19) マウロ・サンチーニ ITA カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 1分48秒005
20) 中冨伸一 JPN チームYZFヤマハ Yamaha YZF R1 1分48秒093
21) アレッサンドロ・ポリータ ITA チェラーニ・チーム・スズキ・イタリア Suzuki GSX-R 1000 K6 1分48秒785
22) ディーン・エリソン GBR チーム・ペデルチーニ Ducati 999 RS 1分50秒307
23) ルカ・モレリ ITA チーム・ペデルチーニ Ducati 999 RS 1分50秒691
24) ロベルティーノ・ピエトリ ITA Team Giesse Yamaha YZF R1 1分50秒710
25) Marek Svoboda CZE ヤマハ・Jr・プロ・SBK・レーシング Yamaha YZF R1 1分52秒373
■SBK史上最高のトップスピードをファブリツィオが記録
この2日目の予選中、総合9番手タイムを記録したDFXコルセ(ホンダ)のミッシェル・ファブリツィオは、SBK史上最高となる時速322キロのトップスピードをマークしている。これは先週のMotoGPクラスの800ccマシンにおけるドゥカティー以外の主要メーカーのマシンとほぼ同等の最高速度だ。
なお、ドゥカティーのツインSBKマシンに乗るトロイ・ベイリスがこの日に記録したトップスピードは時速315キロだった。
■新型エンジンの性能をいかんなく発揮するラコーニ
2日目にモンツァの予選総合トップタイムを記録したのは、今回から新しいエンジンを投入した事により、モンツァでのストレート加速競争に自信が持てるようになった様子のカワサキのレジス・ラコーニだ。
「新しいエンジンはトップスピードがいいですね。このサーキットでは不可欠な性能ですよ」とラコーニ。
■2日目の予選でも好調なトスランドと芳賀選手
レギュレーション上、標準のソフトタイヤしか装着できないこの時点で昨年のコーサーが記録したベストラップ(1分46秒058)を上回ったのは、暫定ポールのラコーニと予選総合2位につけたジェームス・トスランドの2名のみだ。
また、第1予選で2番手タイムを記録していた好調の芳賀選手は、トスランドに続き予選総合3番手につけている。
■順調にタイムを上げるビアッジとコーサー
第1予選から順位を大きく挽回したのは、初日はコース学習に徹していたアルスター・スズキのマックス・ビアッジだった。地元イタリアに向けての赤を主体としたスペシャルスーツに身を包んだビアッジは、初日の11番手から2日目の予選総合4番手にまで大きくポジションを上げる事に成功している。
1日目に12番手と苦戦していたヤマハ・イタリアのトロイ・コーサーも、午前のセッション中に納得のいくセッティングを見つけて総合5番手に浮上した。
■マシントラブルに苦しむベイリス
第1予選を7番手で終えていたドゥカティーのトロイ・ベイリスは、2日目の予選ではマシントラブルに見舞われて走行を数回中断し、最終的に総合予選順位も初日と同じ7番手となった。この日もベイリスは若干セッティングに苦しみ、「暴れるマシンと格闘した」と述べている。
■加賀山選手はアッセンに引き続き点火系システムの開発
前回のオランダ戦に引き続き、将来に向けての点火系システム(イグニッション)の開発をレースウイーク中のタイムアタックと並行して行う加賀山選手は、初日の9番手から順位を6つ落として総合予選順位は15番手となったが、午後のスーパーポールへの出場権は無事に獲得している。
■スーパーポール直前のフリー走行でラコーニが転倒
スーパーポールを目前に控えた2日目午後のフリー・プラクティスにおいて、第2予選で暫定ポールを獲得していたカワサキのレジス・ラコーニが転倒、足をバイクに絡めて痛めるというアクシデントが発生した。
ラコーニは足に激しい痛みを訴えたものの、幸い骨折などの深刻な怪我はなく、スーパーポールには無事に出場したが、この騒ぎによりタイムアタック用の予選タイヤを選択する時間が無くなってしまった様子だ。また、心理的にも激しくアタックできる状態ではなくなってしまったと後にラコーニは語っている。
■SBKモンツァ戦スーパーポール結果
終日好天に恵まれた2日目のモンツァ・サーキットの、スーパーポールが行われた16時の気温は30度、路面温度は49度まで上昇し、湿度は35%だった。以下に、総合予選トップ16人のライダーにより争われたスーパーポールの結果を示す。
1) 芳賀紀行 JPN ヤマハ・モーター・イタリア Yamaha YZF R1 1分44秒941
2) トロイ・ベイリス AUS ドゥカティ・ゼッロクス・チーム Ducati 999 F07 1分45秒345
3) マックス・ビアッジ ITA チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラ Suzuki GSX-R 1000 K7 1分45秒415
4) トロイ・コーサー AUS ヤマハ・モーター・イタリア Yamaha YZF R1 1分45秒430
5) ジェームス・トスランド GBR ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分45秒824
6) カール・マガリッジ AUS アルト・エボルーション・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分46秒232
7) レジス・ラコーニ FRA カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 1分46秒437
8) 加賀山就臣 JPN チーム・アルスター・スズキ・コロナ・エクストラ Suzuki GSX-R 1000 K7 1分46秒696
9) ミッシェル・ファブリツィオ ITA D.F.X.コルセ Honda CBR 1000RR 1分46秒753
10) ロベルト・ロルフォ ITA ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分46秒758
11) ジョシュア・ブルックス AUS アルト・エボルーション・ホンダ Honda CBR 1000RR 1分46秒948
12) ロレンツォ・ランチ ITA ドゥカティ・ゼッロクス・チーム Ducati 999 F07 1分47秒067
13) フォンシ・ニエト ESP カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R 1分47秒145
14) マックス・ノイキルヒナー GER スズキ・ジャーマニー Suzuki GSX-R 1000 K6 1分47秒146
15) ルーベン・ザウス ESP チーム・ステリルガルダ Ducati 999 F06 1分47秒553
16) マルコ・ボルチアーニ ITA チーム・ステリルガルダ Ducati 999 F06 1分47秒721
■予選の重要性を再認識した芳賀選手がポール獲得
モンツァ2日目のスーパーポールを制し、今季初のポールポジションを獲得したのは、前回のオランダでは予選で失敗し、追い抜きの難しいアッセンでの4列目からのスタートに苦しみながらも2位表彰台を獲得したヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手だ。
芳賀選手にとってポールポジションは、ホンダのジェームス・トスランドより1回多いSBK通算4回目となる。
アッセンの経験から1列目スタートの重要性を改めて認識したという芳賀選手は、「ポールが獲得できてとても嬉しいです。ただ、もっと重要なのは明日の結果ですし、本当に喜べるのはその結果次第ですね。今週はずっと調子が良かったので自分もチームも明日のレースには自信があります。レース用のセッティングとタイヤの問題は解決しているので、あとはレース前にサスペンションを少し調整するだけです。」とコメントし、レースでの勝利に向けて高い自信を示している。
なお、芳賀選手は午前中にラコーニが記録したベストラップを大幅に更新し、1人だけ1分44秒台に突入するという驚異的なタイムを今回記録しており、2位につけたベイリスを0.53秒も引き離してモンツァでの好調さをアピールした。なお、芳賀選手のタイムアタック時の1ラップあたりの平均速度は時速198.792キロだった。
■2番手はベイリス「モンツァは特に難しい」
今週は予選で若干苦しんだものの、スーパーポールでは芳賀選手に続く2番手タイムを記録したドゥカティーのトロイ・ベイリスは、モンツァは難しいサーキットなのでタイムアタック時には緊張していたと語る。
「今回は全てうまくいきました。スーパーポールは常に難しいものですが、モンツァは特に大変です。ここは特殊な部類のサーキットですから緊張しますよ。今週は浮き沈みが激しくて途中で走行を中断したりもしましたが、最終的にはこの位置に戻る事ができました。」と、モンツァでは過去3回ダブルウインを記録しているベイリス。
またベイリスは、「今週はずっと暴れるマシンと格闘している感じですし、明日もまだマシンの調整は少し必要ですが、このサーキットで重要となる1列目が獲得できて良かったです。明日は厳しい1日になりそうですね。ずっと第2区間のタイムに苦しんでいますが、第1区間と最終区間はかなり他のライダーよりも速いので、常にホームストレートに戻ってくる時にはみんなに追いついていると思います。ここでは全員が速いから明日のレース展開にはドラマが期待できそうです。」と語り、まだレースに向けてのセッティングに関して、完全に納得のいく状態ではない事を明かした。
■週末を通して着実に順位を上げたビアッジは1列目を確保
初日はコースレイアウトの学習に努め、2日目に入ってからは順調にタイムを上げ始めたマックス・ビアッジは、最終的に本日の決勝に向けて1列目となる3番グリッドを獲得している。
SBK参戦後、初めての地元レースで1列目スタートを確保したビアッジは、「今回でスーパーポールはまだ6回目ですが、走る度に慣れてきますし、緊張する事もありません。予選タイヤを良く理解する事ができましたから、タイムアタックには自信を持って挑む事ができます。予選タイヤのグリップの良さには驚かされますね。」と、ピレリの予選タイヤとスーパーポールにはすでに慣れたと語った。
また、翌日のレースについては「モンツァでの走りには戦略が必要ですし、スリップストリームを利用して戦うタイプのサーキットです。高速コーナーでフロントまわりの感触がまだ良くないので、限界を探るのが難しい状態ですが、あと少しの調整でその問題は解決できると思います。ここではバイクの加速力が重要になりますし、ブレーキングポイントをしっかり把握していないと簡単に0.1秒単位でタイムをロスしてしまいますが、こういう類のバトルは面白いのでレースが楽しみです。」とコメントした。
■コーサーは初日の問題を午前に解決して4番グリッド
この日は初日に抱えたブレーキの問題を解決し、フロントまわりのセッティング改善に成功したヤマハ・イタリアのトロイ・コーサーは、昨年はポールポジションを獲得したモンツァで今年も1列目を確保する事に成功している。
「今日は調子が良くなりましたね。午前のプラクティスでいいセッティングが見つかったのでタイムを縮める事ができました。今週は最初のシケインで何度もオーバーランをしていたので、スーパーポールの時は少し慎重に走りましたが、1列目に並べて良かったです。バイクの調子はいいので明日が楽しみです。」とコーサー。
■1列目を逃したトスランド「自分に腹が立つ」
初日の予選ではトップタイム、2日目午前の予選では総合2番手タイムを獲得していたテンケイト・ホンダのジェームス・トスランドだが、スーパーポールのタイムアタックでは多くのライダーがミスをする最初のシケインで大回りを喫し、2列目となる5番手まで順位を落とす結果となった。自分に腹が立つとトスランドは語る。
「あんなミスをする自分に腹が立ちます。最初のシケインでブレーキングが遅すぎて切り返しポイントを逃したのが原因です。明日については楽しみとくらしか今は言えませんが、いいレース用のセッティングがあるので、2列目からのスタートでも絶望するほどの事ではありませんよ。明日に向けての準備はできています。」とトスランド。
■加賀山選手「エンジンパワーに不足感」
予選の総合順位が15番手と低迷したアルスター・スズキの加賀山就臣選手は、スーパーポールでは2列目となる8番グリッドまでポジションを挽回したが、リアまわりなどのマシンの安定性についてはまだ不満が残る状態のようだ。
また、加賀山選手のマシンは点火系システムを並行して開発している関係からか、モンツァで不可欠とされるエンジンパワーが、まだ完全には出し切れていない様子も以下のコメントからうかがえる。
「すごい長時間を通して働き続けていますが、かなりの時間を点火系システムの開発作業に費やしました。ここは高速コーナーがたくさんあるので、いいタイムを出すにはコーナーの進入をうまくやる必要があるんですが、今はまだリアの安定感に不安があってバイクが滑りますし、感触も気に入りませんから改善作業はこれからも続けます。今日のマシンはエンジンパワーに不足感もあって、他の速いライダーたちにその面で負けている気がしますので、もっと加速性能が欲しいところです。モンツァはいいエンジン性能と加速性能がないとスリップストリームから抜け出しても前のライダーを抜けませんからね。明日は長くて大変な一日になりそうですし、まだ体調も100%とは言えませんが、2レースとも全力で戦うつもりです。」
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