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2008年8月25日
INGルノーF1チームのフェルナンド・アロンソは、今期2度目の母国スペインでのグランプリ開催となった8月24日のバレンシア市街地サーキットにおいて、熱狂的な地元ファンが見守る決勝レースのオープニングラップ中、5コーナーへの進入時に前方の車を避けて減速したところ、背後を走行していたウィリアムズの中嶋一貴選手に追突される形となりR28のリアを大破、すぐにピットに戻って修復を試みたがそのままリタイアする結果となってしまった(レースの全結果と概況はこちら、マッサのペナルティーに関する決着内容はこちらの記事を参照)。
■スペインの観衆が悲鳴をあげた序盤の接触事故
前日の予選が予想外の苦戦となったアロンソは今回のレースを12番グリッドからスタート、中嶋選手はその1つ手前の11番グリッドからスタートしていたが、スタートのあまりうまくいかなかった中嶋選手はポジションを序盤に落としており、その後は4コーナーから5コーナーに差し掛かるまで、この2台とトロ・ロッソのセバスチャン・ブルデー、ならびにトヨタのティモ・グロックなどの集団が、10番手付近のポジションを激しく争っていたが、今回の事故はその序盤の混戦の中で発生した。
■アロンソのリタイア後、中嶋選手は最終的に15位完走
減速したアロンソのリアに追突してフロントウイングを壊した中嶋選手は、1ラップ目を終えると同時にピットストップ、マシンを修復して最後尾からコースに復帰しており、レース終盤には追い抜きの非常に難しかった今回の市街地コースで果敢にホンダのルーベンス・バリチェロを交わして最終的には15位完走を遂げている。
■アロンソ「特別なレースだったので本当にがっかり」
初日のフリー・プラクティス中には好タイムを残し、期待して挑んだ予選ではQ2敗退、レースではオープニング・ラップ中のリタイアという最悪な結果に終わり、第4戦のスペインGPに引き続き今回も地元での完走を遂げる事ができなかった失意のアロンソは、すでに気持ちを次戦以降の戦いに切り替えたようだ。
「昨日の予選の後、今週のレースが難しくなる事は覚悟していました」とアロンソ。
「スタートしてから中嶋に接触されてリアウイングを失った後、メカニックたちは全力で自分をレースに復帰させようと頑張り続けましたが、自分のレースはすでにそこで終わっていました」
「今年2度目のホームグランプリですし、自分にとっては特別なレースでしたから本当にがっかりです。今週ここに自分を応援に来てくれていたファンの人たちにとってもひどく残念な結果になりました。今はもう次戦とシーズンの残りの戦いに集中していきたいです」
■中嶋選手「まわりのバトルが激しく、接触を避ける事は不可能だった」
オープニンラップで地元期待のアロンソに追突する形となってしまった中嶋選手は、その当時はまだ周辺のバトルが激しく、接触を避ける事は無理だったとコメントしている。
「スタートがうまくいかなかったので、その原因を究明していく必要がありそうです」と中嶋選手。
「オープニングラップの4コーナーと5コーナーではアロンソの背後につけていましたが、目の前でかなり激しいバトルが起きていたので、コーナー進入時に彼を避ける事ができませんでした」
「その後は安定した走りを維持するよう心がけ、いい走行ペースで走れるようにはなりましたが、バリチェロの背後につかまってからは彼を追い抜くがなかなかできませんでした。最終的に追い抜きに成功してからのペースは上がりましたが、すでに手遅れでしたね」
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