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2008年8月25日
8月24日に行われた57周回のヨーロッパGP決勝レースにおいて、レース序盤から第2スティントまではスターティング・グリッドを1つ落とす5番手のポジションを維持していたフェラーリのキミ・ライコネンは、残り12周の所で行った2回目のピットストップ時に給油ノズルが外れていない状態でピットレーンに復帰しようとした事からチームの作業スタッフに軽傷を負わせるアクシデントを招き、その時のタイムロスによりポジションを6番手に落とした直後の46ラップ目にはエンジンブローが発生、白煙をコース上にまき散らしながら今期3度目となるノーポイントでレースを終える結果となってしまった(レースの全結果と概況はこちら、マッサのペナルティーに関する決着内容はこちらの記事を参照)。
■今回のノーポイントによりランキング3位に後退したライコネン
なお、ポイントランキングを争うチームメイトのフェリペ・マッサが今回優勝、マクラーレンのルイス・ハミルトンは2位表彰台を獲得した事から、今年はタイトル2連覇を狙うライコネンはランキング3位に後退、順位を1つ落としている。
■ライコネン「まだタイトル獲得の可能性は消えていない」
まだ年間タイトルの可能性が消えていない事を強調するライコネンは、2回目のピットストップ時に負傷したスタッフが無事(左足のつま先に小さな骨折のみ)だった事に安堵の気持ちを示しながら、次戦以降はここ数戦あまり好調ではない予選での成績を上げられるように準備を進めておきたいとのコメントを残した。
「こういう結果の後にあまり言う事はないです。今週が自分の期待通りじゃなかった事は間違いありませんよ」とライコネン。
「ただ、この悪い結果を経験した今でも、年間タイトルの可能性が消えたとは思っていません。まだ今シーズンは6レースありますし、残り60ポイント獲得のチャンスがある訳ですからね。ここまでにも状況が短期間のうちに変わるのを見てきました。以前よりも今の状況の方が難しいにしてもね」
「今日はスタート時にポジションを落としてしまい、最初のスティントでは前方の何台かに前を阻まれましたが、その後に前が開けてからは攻め込む事ができるように、ラップタイムも良くなりました」
「2回目のピットストップの時は自分がミスをして、発進してはいけない時にピットを離れようとしてしまいました。幸いピエトロ・ティンピーニ(負傷した作業スタッフ)が深刻な怪我を負わなくて本当に良かったと思っています。彼が一刻も早く回復して元気になってくれる事を祈っています」
「いずれにしても、エンジンが壊れた以上、今回の結果はどうする事もできませんでした。今からは次戦の準備に集中し、予選での成績が上げられるようにしておきたいと思っています」
■ドメニカリ代表「次戦までには信頼性の問題を解消したい」
前回のハンガリーGPでのマッサのエンジントラブルに続く今回のライコネンのエンジンブローにより、その信頼性が再び問われる事になったフェラーリ・エンジンだが、今年からフェラーリの代表を務めるステファノ・ドメニカリはこの問題について「今回はキミが信頼性の問題に見舞われ、貴重なポイントを失う事になり非常に残念だった。これからエンジン故障の原因を調査し、直ちに対応を取る必要がある。非常に深刻な問題である事は明らかであり、信頼性の欠如により失った結果を残りのレースで挽回できるよう全力をつくす。車の開発を最大限に進め、信頼性を向上した上で次戦には挑みたい」と、今後に向けての方針を語った。
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