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2008年8月25日
8月24日に行われたバレンシア市街地コースにおけるF1第12戦ヨーロッパGP決勝レースの3位は、第7戦カナダGP以来の表彰台を獲得したBMWザウバーのロバート・クビサだった。今回のクビサの表彰台はシーズン序盤に好調さを見せたBMWザウバー勢にとっては今年8回目の事だ(レースの全結果と概況はこちら、マッサのペナルティーに関する決着内容はこちらの記事を参照)。
■飛来したビニール袋に運転を邪魔されたクビサ
今回のレースを3番グリッドからスタートしたクビサは、レースの序盤には飛来したビニール袋が車の底に付着して一時的にハンドルが利かなくなるという珍しい問題には苛まれ、その時点にはマクラーレンのヘイキ・コバライネンとフェラーリのキミ・ライコネンに背後に迫られる形となったが、その後に問題が解消してからは他のドライバーにポジションを最後まで脅かされる事なく3位のまま57周回を走りきり6ポイントを獲得。ランキングの4位をそのままキープした。なお、8番グリッドからスタートしたチームメイトのニック・ハイドフェルドは9位となり、惜しくもポイント獲得を今回は逃している。
■クビサ「ものすごく危険な状態になり3秒ロスした」
レース中にビニール袋が車両の底に付着した時にはハンドルがうまくきれなくなり、恐ろしい思いをした事からしばらくは自信を持って攻め込む事ができなくなったと、クビサはその時の心境を明かしている。
「スタートはすごくうまくいきましたが、1コーナーで縁石を踏み越えてしまいルイスと接近しました。2コーナーではルイスを交わすつもりでしたが、そこでフェリペが非常に早めにブレーキをかけるのが見えたんです。下手をすれば彼の車に追突する危険性があったので、そこでブレーキを激しくかける事になってしまいました」とクビサ。
「その後の数周はルイスよりも少し遅いペースで安定した走行を重ねましたが、しばらくして突然白いビニール袋がコースを横切るのが目に入ったんです。それを避けきれずにいたら車の下に入ってしまい、次の2つのコーナーではうまくハンドルが切れなくなってものすごく危険な状況に陥りました」
「運良くビニール袋の大部分が外れてくれたので助かりましたが、次の区間を攻め込む自信がかなり下がってしまい、そこで3秒ほどロスしています。最終的には3位になりましたが、昨日の予選結果が今日の成績には不可欠だった事を実感しましたね」
■ウィリーランプ「ビニール袋の付着によりダウンフォースが低下していた」
BMWザウバーのテクニカル・ディレクターを務めるウィリー・ランプは、ビニール袋が飛来した時のクビサとのやり取りについて「それほど大きな動きのないレースだったが、今回のレース中に一番やっかいな思いをしたのはロバートが無線である問題について連絡してきた時だった。計測データを確認したところ、車の底に付着したビニール袋により彼の車がダウンフォースを失っている事が判明したが、ピットストップ時にそれを取り除いてからは全ての調子が戻ってくれた」と説明している。
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