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2008年8月25日
8月24日に行われたF1第12戦ヨーロッパ・グランプリの決勝レース、初のバレンシア市街地コースにて最初のチェッカーを受けたのは、自身にとって100戦目となるグランプリを通算6回目のポール・トゥ・ウインで飾ったフェラーリのフェリペ・マッサだった。
ここでは速報として、ヨーロッパGP決勝レースの結果と概況、ならびにレース終了後のポイントランキングを紹介する。
■ヨーロッパGP決勝レース結果
気温は26度から30度、路面温度は43度から45度、晴天のドライ・コンディションの中で行われたヨーロッパGP決勝レースの結果(一部FIAにて審議中)は以下の通り。
1) フェリペ・マッサ BRA フェラーリ F2008 1:35:32.339(57周)
2) ルイス・ハミルトン GBR マクラーレン・メルセデス MP4-23 1:35:37.950(57周)
3) ロバート・クビサ POL BMWザウバー F1.08 1:36:09.692(57周)
4) ヘイキ・コバライネン FIN マクラーレン・メルセデス MP4-23 1:36:12.042(57周)
5) ヤルノ・トゥルーリ ITA トヨタ TF108 1:36:23.023(57周)
6) セバスチャン・ベッテル GER トロ・ロッソ STR3 1:36:24.964(57周)
7) ティモ・グロック GER トヨタ TF108 1:36:40.329(57周)
8) ニコ・ロズベルグ GER ウィリアムズ FW30 1:36:43.796(57周)
9) ニック・ハイドフェルド GER BMWザウバー F1.08 1:36:54.516(57周)
10) セバスチャン・ブルデー FRA トロ・ロッソ STR3 1:37:02.133(57周)
11) ネルソン・ピケ BRA ルノー R28 1:37:05.056(57周)
12) マーク・ウェバー AUS レッドブル RB4 1:35:42.553(56周)
13) ジェンソン・バトン GBR ホンダ RA108 1:35:53.740(56周)
14) ジャンカルロ・フィジケラ ITA フォース・インディア VJM01 1:36:04.448(56周)
15) 中嶋一貴 JPN ウィリアムズ FW30 1:36:19.117(56周)
16) ルーベンス・バリチェロ BRA ホンダ RA108 1:36:29.660(56周)
17) デビッド・クルサード GBR レッドブル RB4 1:37:07.559(56周)
-) キミ・ライコネン FIN フェラーリ F2008 1:16:24.280(45周)
-) エイドリアン・スーティル GER フォース・インディア VJM01 1:10:47.935(41周)
-) フェルナンド・アロンソ ESP ルノー R28 -(0周)
■予選結果と全く同じ顔ぶれとなった表彰台
独走勝利を飾ったマッサに次ぐ2位はマクラーレンのルイス・ハミルトン、3位は第7戦カナダGP以来の表彰台となったBMWザウバーのロバート・クビサが獲得しており、市街地コースでの追い抜きの難しさを象徴するように、上位3名の順位は前日の予選結果と全く同じとなっている。
■マッサのレース結果については審議中、ペナルティーによる順位変動の可能性あり
なお、表彰台の上の順位はここに紹介した通りだが、マッサは2回目のピットストップを終えてピットレーンに復帰しようとする際、先にピットレーンを通過中だったフォース・インディアのエイドリアン・スーティルの存在に気付かず横並びとなり、結果的にはスーティルを先行させたものの、あわや接触という場面を招いている。
FIAはこの時のマッサの挙動が危険行為にあたるかを(日本時間の8月24日23時30分現在)審議しており、これによりマッサが何らかのペナルティーを受ける事があれば、レース結果が2位のハミルトンと逆転する可能性もある事から、最終的なレース結果についてはFIAによる審議結果の公式発表を待つ必要がある。
■ポイントランキング
ヨーロッパGP終了直後のポイントランキング(暫定)は以下の通り。
●ドライバーズ
1) ルイス・ハミルトン [GBR] [マクラーレン・メルセデス] 70
2) フェリペ・マッサ [BRA] [フェラーリ] 64
3) キミ・ライコネン [FIN] [フェラーリ] 57
4) ロバート・クビサ [POL] [BMWザウバー] 55
5) ヘイキ・コバライネン [FIN] [マクラーレン・メルセデス] 43
6) ニック・ハイドフェルド [GER] [BMWザウバー] 41
7) ヤルノ・トゥルーリ [ITA] [トヨタ] 26
8) フェルナンド・アロンソ [ESP] [ルノー] 18
9) マーク・ウェバー [AUS] [レッドブル] 18
10) ティモ・グロック [GER] [トヨタ] 15
11) ネルソン・ピケ [BRA] [ルノー] 13
12) ルーベンス・バリチェロ [BRA] [ホンダ] 11
13) ニコ・ロズベルグ [GER] [ウィリアムズ] 9
14) セバスチャン・ベッテル [GER] [トロ・ロッソ] 9
15) 中嶋一貴 [JPN] [ウィリアムズ] 8
16) デビッド・クルサード [GBR] [レッドブル] 6
17) ジェンソン・バトン [GBR] [ホンダ] 3
18) セバスチャン・ブルデー [FRA] [トロ・ロッソ] 2
●コンストラクターズ
1) フェラーリ 121
2) マクラーレン・メルセデス 113
3) BMWザウバー 96
4) トヨタ 41
5) ルノー 31
6) レッドブル 24
7) ウィリアムズ 17
8) ホンダ 14
9) トロ・ロッソ 11
■レースの概況、スペイン地元のファンが悲鳴をあげたオープニングラップ
多くのレース関係者の事前の予想とは異なり、今回のレースは多重クラッシュなどの大きな事故は一度もなく順調に流れ、レッドフラッグの提示やセーフティーカーの導入は全57周回を終えるまで全くなかったが、オープニングラップ中には地元スペインのファンにとっては悲痛とも言える接触事故が発生している。
■5コーナー通過時に中嶋選手がアロンソに追突、アロンソはリアを大破しリタイア
レース開始直後、ポールポジションからスタートしたマッサがホールショットを奪って2番手につけたハミルトンからのリードを広げる中、11番グリッドからのスタートに出遅れたウィリアムズの中嶋一貴選手は12番グリッドスタートのルノーのフェルナンド・アロンソの背後となったが、オープニングラップの4コーナーから5コーナーにかけてのコーナーを通過中にアロンソが前方の車との接触を避けて減速したところに中嶋一貴選手が追突。その後に中嶋選手はフロントウイングを交換してレースに復帰しているが、アロンソはマシンのリア周辺を大破しており、ピットに戻って修理を試みたがそのままリタイアする結果となった。
■全ドライバーが1回目のピットストップを終えた時点のポイント圏内順位
全てのドライバーが1回目のピットストップを終えた31ラップ目時点のポイント圏内の順位は、トップがマッサ、2番手がハミルトン、3番手がクビサ、4番手がマクラーレンのヘイキ・コバライネン、5番手がフェラーリのキミ・ライコネン、6番手がトヨタのヤルノ・トゥルーリ、7番手がトロ・ロッソのセバスチャン・ベッテル、8番手がレッドブルのマーク・ウェバー。
■ライコネンに不運、2回目のピットストップ時に事故が発生
前評判とは異なり、バレンシア市街地コースは追い抜きがドライバーにとって非常に難しかった事から、上位7名の順位変動は2回目のピットストップを迎えるまで実質的にはほとんど発生しなかったが、フェラーリのキミ・ライコネンは44ラップ目に行った2回目のピットストップ時に給油ノズルが抜けていない状態で発車した事からチームスタッフをリアタイヤに巻き込む事故を起こしており、ここでタイムをロスした事から、ライコネンはトゥルーリの背後となる6番手からコースに復帰して1つポジションを落とした。
■コース復帰直後のライコネンにさらなる不運、エンジンブローによりリタイア
また、ライコネンはそのコースに復帰した直後にはさらに大きな不運に見舞われており、ここで突如エンジンが白煙を噴き上げスローダウン。ライコネンは前回のハンガリーGP決勝レース終盤のチームメイトと同じくエンジンブローにより残り12周のところでリタイア、ヨーロッパGPをノーポイントで終えている。
■中嶋選手はレース終盤にバリチェロを交わして15位完走
そのほか、全ドライバーが予定のピットストップを全て終えた時点で、フォース・インディアのエイドリアン・スーティルがコーナーを曲がり切れずにタイヤバリアに衝突してリタイアした事と、終盤に中嶋選手がホンダのルーベンス・バリチェロを交わして15番手に浮上した事を除けば、レース結果はほぼそのまま確定する形となった。
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