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2008年8月25日
初開催のバレンシア市街地サーキットにおいてF1での最初の勝利者となったのは、8月24日のヨーロッパGP決勝レースにおいて自身100戦目を迎え、通算6回目のポール・トゥ・ウインを飾ったフェラーリのフェリペ・マッサだった(レースの全結果と概況はこちらの記事を参照)。
■罰金は科せられたもののヨーロッパGPはマッサの完全勝利
なお、マッサが2回目のピットストップからコースに復帰する際、先にピットレーンを通過していたフォース・インディアのエイドリアン・スーティルと横並びとなり、コース出口に向けての進路を奪い合う形となった事を、レース終了後にFIAスチュワードがマッサによる危険行為として審議にかけた事から、そのペナルティーの行方によっては優勝が無効となる可能性も心配されていたが、結果的にこの件はマッサに1万ユーロの罰則金が課せられる事で決着し、レース結果には一切影響は発生していない。
■マッサはハンガリーでの雪辱を果たしたが、今回はチームメイトがエンジンブロー
マッサは今回の勝利により、前回のハンガリーGPにおけるレース終盤のエンジントラブルによるリタイアの雪辱を果たす事になったが、その一方でチームメイトのキミ・ライコネンは6位を走行していた今回のレース残り12周のところで激しくエンジンブロー、ノーポイントに終わっており、改めてフェラーリにとってはエンジンの信頼性が問われる結果となってしまった。
■マッサはハミルトンから6ポイント差のランキング2位に浮上
また、前回までのポイントリーダーであるマクラーレンのルイス・ハミルトンが今回のヨーロッパGPにおいて2位表彰台を獲得している事から、ポイントランキングのトップは現在も変わらずハミルトン(70pt)、マッサはライコネンを抜いてランキングの2位(64pt)に浮上した。チームメイトのライコネンは今回のノーポイントによりランキング3位(57pt)に後退しており、レースで3位表彰台を獲得したランキング4位につけるBMWザウバーのロバート・クビサ(55pt)に僅か2ポイント差まで迫られている。
■マッサ「勝利については言う事なし!スーティルは道を譲るべき」
今回のヨーロッパGPにおいて圧倒的な勝利をポール・トゥ・ウインで飾ったマッサは、その喜びを以下の通りコメントしている。
「このレースに勝てたのは本当に素晴らしい事だと思います。特に前回のブダペスト(ハンガリーGP)では残念な結果に終わっていましたからね。チームが今回のグランプリに向けてはすごい準備を進めてくれていたので、今週は初日からすぐに好調に走れました」とマッサ。
「昨日はポールを獲得し、そして今日は優勝、ならびにレース中のファーステストも記録しましたから、おまけが全部揃いこれ以上言う事はなしです。しかも自分の100戦目のグランプリですし、その全部がフェラーリ・エンジンですよ」
「スタートがうまくいき、レース序盤からすぐに最大限まで攻め込む事ができました。第2スティントでの車の調子は本当に素晴らしかったですよ。また、ソフトタイヤを装着した最終スティントでもいいラップタイムを簡単に出す事ができています。今回は自分のレース経歴の中でも非常に重要なレースでした。このまま頑張り続けないといけないですね」
「キミのリタイアについては本当に気の毒に思いますし、チームとしては信頼性の問題を非常に慎重に調査していく必要があります。ただ、チームがこの問題の解決策を用意してくれる事は、過去のこれまでの実績を見ても疑う必要はありませんよ」
またマッサは、罰則金を課せられる事となった2回目のピットストップにおけるエイドリアン・スーティルとの出来事について、本来であれば周回遅れだったスーティルが道を譲るべきだったとの主張を述べている。
「彼の立場で考えれば、あまりクレバーだったとは思えませんね。たとえ彼がピットレーンに先に入っていたとしても、自分を先に行かせる必要があったと思いますよ」とマッサ。
「彼とピットレーンで争うような形になった事を残念に思います。ぎりぎりまで接近してしまったので一度自分が後ろに下がる事になり、あそこでタイムを大きくロスしました。まだ後続との差が十分にあったので幸いでしたけどね」
「あの状況が発生したのは、自分がガレージから出発した時に、彼が横を通過したのが原因です。それでサイド・バイ・サイドになった訳ですが、自分はあの時にレースをリードする立場でしたし、彼は周回遅れだったんですよ。ただ、非常にレーンが狭く、壁がどんどん道を狭めながら迫ってきたので、あれ以上はリスクを冒したくはありませんでした」
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