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第3戦トルコMotoGPクラス決勝、突っ切るジャック
インテリマーク編集部
2007年4月22日 【4月23日午前掲載】
写真第3戦トルコGP最終日
MotoGPクラス
のレース内容
・全ライダー走行結果表は、以下の各リンク先をご覧下さい。
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■MotoGPクラスのレース内容

MotoGP午後決勝レース
MotoGPクラスの決勝レースは、オープニングラップから多重衝突事故が発生するという波乱のレース展開となってしまった。
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■好調な走りで1コーナーに向かうフィアット・ヤマハペア

シグナルが消えると同時に1列目2番グリッドから勢い良く加速する好スタートを見せたのはフィアット・ヤマハのコーリン・エドワーズだったが、1コーナーの進入までにポールポジションからスタートしたチームメイトのバレンティーノ・ロッシがその前を奪い、ホールショットを決めた。
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オープニングラップの前半、先頭からロッシとエドワーズ、ドゥカティーのケーシー・ストーナーとロリス・カピロッシが順番に駆け抜け、それを2列目6番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデン、3列目7番グリッドからスタートしたジョン・ホプキンスが追う。

■タイヤの温まらないエドワーズが後退し、ロッシは高速コーナーでミス
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タイヤの温まらないエドワーズがカピロッシとストーナー、およびホプキンスの3名にほぼ同時に抜かれて5番手に後退した直後の高速11コーナー、ロッシはこれを曲がりきれずにオーバーランを喫し、すぐにコースには復帰したがエドワーズの後ろ5番手までポジションを後退。ロッシはすぐにエドワーズに並びかけようと加速する。

■ドゥカティー勢がトップに立った瞬間、ジャックが重大なミス
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このフィアット・ヤマハコンビの揃っての後退によりストーナーが先頭に立ち、続くハードブレーキング区間の12コーナーに一斉にトップグループ入りを狙うライダーたちが進入したが、ここで11コーナー付近から激しく加速してアレックス・バロスとクリス・バーミューレンを交わしたカワサキのオリビエ・ジャックがブレーキングポイントを見誤るという重大なミスを犯した。

■4台が激しく多重クラッシュ

勢いがついたまま行き場を失い、すでに減速に入っている前方5番手付近のエドワーズのバイクに猛スピードで追突した。
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マシンの破片が飛び散る中、この衝撃でエドワーズは激しく前方に身体とバイクを投げだされた。ジャックがこの反動で宙を舞ったのとほぼ同時に、後続のペドロサがバランスを失ったジャックのマシンに追突。さらにはペドロサのマシンが倒れ込むところにバーミューレンのマシンが飛び込み、4名の全員がアスファルトに叩きつけられてから12コーナー外側に押し出されている。

■衝撃の激しさを語るペドロサとバーミューレンのマシン

ペドロサのマシンの上にはバーミューレンのマシンが完全に飛び乗っており、その衝撃のすごさを物語っていた。

■カワサキ「エドワーズや他のライダーに申し訳ない」

写真レースは序盤から4台のバイクが玉突き衝突してグラベルに飛び込むという最悪の事態となった。尾てい骨からアスファルトに落ちたオリビエ・ジャックは痛みのため身動きが取れなかったが、直後にこの事故の原因が自分のミスである事を認めている。カワサキのコンペティションマネージャーであるミハエル・バルトレミーは、「コーリン・エドワーズや、この転倒に巻き込まれた他のライダーたちに申し訳なく思う」と語った。

■ジャックは尾てい骨の周辺を打撲

また、幸い打撲以外にどこも骨折する事はなかったジャック本人は「まだ少しふらふらする感じですが、週末を通してバイクを仕上げてくれたチームの事を思うとさらに気分が悪くなります」とレース後に述べている。

■重大な怪我は免れたエドワーズ
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リタイア後のピット内では自力で歩行し、最初に無事な姿を見せたエドワーズは、「それほどひどい怪我はしていませんが、ひざにはすごい衝撃があり今は腫れあがっています。タイヤが温まった後にはいいレースができそうだっただけに残念でなりません。」と語った。

■首を固定されたペドロサ「中国は大丈夫」

一度はグラベルの中で立ち上がったものの、首から胸と左の鎖骨を強打した激痛のために担架を目の前に用意されても全く身動きが取れなかったダニ・ペドロサは、すぐにクリニカ・モバイルに運ばれてレントゲン検査を受けたが、幸いどこにも骨折は見つからなかった。
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首にカラーを装着して固定し、怪我の経過観察をしばらくは受けるペドロサは、「今日はチャンスだと思っていたのですごく残念です。最終区間のブレーキングエリアで内側から追突されて転倒し、胸と首に今は痛みがあります。明日のテストには参加しませんが、中国は大丈夫の筈です」とコメントしている。

■レースに復帰し好調に加速していくバーミューレン

この不幸な4名のうち、ハンドルが曲がりカウルの壊れたバイクで1人だけリタイアする事なくレースに復帰する事ができたのはクリス・バーミューレンのみだった。「誰かがエドワーズを押し出した時に自分はバロスを交わした直後で、ペドロサが目の前にいて逃げ場はもうどこにもありませんでした。」とバーミューレン。
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この後バーミューレンは調子の上がらないミシュラン勢を交わし、すぐにポイント圏内に到達する。

■ギュントーリや中野選手も事故の影響で順位を後退

なお、4台の衝突を辛うじて避けたTECH3ヤマハのシルバン・ギュントーリは、コースを外れてグラベルを走行し、タイムを10秒ほどロスしたものの、そのまま転倒する事なくコースに復帰した。同じく後続の10番手付近を走っていたコニカミノルタ・ホンダの中野真矢選手もこの事故との接触を避け、トップ10圏内のポジションを失っている。
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■独走態勢に入るストーナーと、後方から追い上げるロッシ

この後に先頭のストーナーは後続を大きく引き離して単独走行に入り、それを追う2番手のカピロッシの背後にホプキンスとトニ・エリアスが迫り、4周目にその2台の間に入り込んだロッシは最終区間のシケインでホプキンスをほぼ押し出すような位置からインを奪い取り、3番手にまで順位を挽回。ここでバランスを崩しかけたホプキンスはエリアスにも交わされ5番手に後退した。
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この時点での順位は先頭からストーナー、2番手にカピロッシ、3番手にロッシ、4番手にエリアス、5番手にホプキンス。ホプキンスの後方の6番手には、ヘイデンを交わしたグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリが迫る。
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■2番手に浮上したロッシから強引にポジションを奪うエリアス

9ラップ目、ロッシはトップのストーナーの2秒後方を行くカピロッシの背後につけると、コースの中間付近でその前を奪い取り2番手に浮上、前方のストーナーの追撃態勢に入った。また、カピロッシを交わしたエリアスは昨年と同様にロッシの背後を追い続け、10ラップ目の12コーナーのブレーキングでロッシのインを強引に奪い、数回接触してロッシをシケインの外側に追い出すような形で2番手のポジションをロッシから奪い取った。トップのストーナーと2番手はエリアスはここから最後まで逃げ続ける。ロッシは3番手を走行。
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「エリアスは自分にとって小悪魔」と昨年は語ったロッシだが、相性の良いブリヂストンタイヤを得て走りにひたすら熱中する今回のエリアスも、ロッシにとっては悪魔的な存在だったようだ。

■メランドリのアタックを受け、12コーナーで災難の続くホプキンス

13ラップ目にホプキンスは最終シケインでカピロッシを交わして4番手に浮上したが、カピロッシを交わして切り返している最中のホプキンスの反対側にメランドリが強引に飛び込み、狭いシケインの中でホプキンスが2台のマシンに挟まれ行き場を失いかけるという危険な目にあっている。
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■突如ペースを落とすロッシ

エリアスとの接触の後、ロッシのマシンは急激にペースを落とし、15ラップ目の最終区間ではホプキンス、メランドリ、カピロッシの3台にほぼ同時に交わされ、16ラップ目にはプラマック・ダンティーンのアレックス・バロスとヘイデン、20ラップ目にはランディー・ド・ピュニエにも交わされて9番手に後退した。ロッシの失速は原因不明のトラブルがリアタイヤに発生したためであり、ミシュランは究明調査を急ぐようだ。
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■ロッシは最後まで10番手を走行

21ラップ目、オープニングの事故から復帰して好調にブリヂストンタイヤで飛ばすバーミューレンが11番手にまで順位を回復する中、ロッシはその前を走るプラマック・ダンティーンのアレックス・ホフマンに交わされ10番手となり、この順位のままチェッカーを受けた。

■ミシュラン勢全体が何らかの不調を訴えた今回のトルコ
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なお、今回リアタイヤにトラブルを抱えたのはロッシだけではなく、ケニー・ロバーツ・ジュニアや中野選手など、多くのミシュラン勢がタイヤに何らかの不都合を感じた様子だ。

■今期2勝目を達成し、ポイントリーダーに返り咲くストーナー
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最終ラップまでトップのまま逃げ切ったドゥカティーのケーシー・ストーナーは、開幕戦に続き今期の2勝目を獲得。今期初の2位表彰台を獲得したのはロッシと接触後に2位のポジションを最後まで守ったグレッシーニ・ホンダのトニ・エリアス。最終的に3位表彰台を獲得したのは、最終ラップの11コーナーで一度はバロスに交わされたものの、続くハードブレーキングエリアでバロスから前を奪い返したドゥカティーのロリス・カピロッシだった。4位はアレックス・バロス、5位にはマルコ・メランドリが入った。

■最後にヘイデンを交わし、へとへとのホプキンスは6位
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18ラップ目の最終コーナーで13ラップ目と同様の形でメランドリに接触され、バランスを崩したホプキンスは、その隙にバロスとヘイデンにも交わされたが、最終ラップではヘイデンを抜き返して6位を獲得している。また、ホプキンスのチームメイトのクリス・バーミューレンは、オープニングラップの玉突き事故からの復帰後に順位を11位まで挽回し、今回のレースにおけるファーステストラップを記録して無事にポイントを獲得した。
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この結果、ポイントランキングのトップには61ポイントのストーナーが返り咲き、ロッシは10ポイント差のランキング2位に後退している。

■予選の結果を覆し、レースはブリヂストン勢が圧勝

結局トルコでは7位のヘイデンと10位のロッシを除くトップから11位までをブリヂストンユーザーが独占しており、ロッシのタイヤトラブルなど、ミシュランにとっては課題の多いレース結果となった。
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16人のライダーが完走する中、ミシュランを履くコニカミノルタ・ホンダの中野真矢選手は13位、ダンロップを履くTECH3ヤマハの玉田誠選手はその1.6秒差の14位でトルコ・グランプリを終えている。なお、多くのチームはこのままイスタンブールに残り、翌日にはテストを行う予定だ。

■MotoGPクラス結果一覧

以下に、トルコ・グランプリの決勝レース結果を示す(各ライダーのコメントは名前のリンク先の記事を参照)。

1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ GP7 42分02秒850(22周)
2) トニ・エリアス SPA ホンダ・グレッシーニ RC212V 42分09秒057(22周)
3) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ GP7 42分10秒952(22周)
4) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 42分10秒985(22周)
5) マルコ・メランドリ ITA ホンダ・グレッシーニ RC212V 42分11秒139(22周)
6) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 42分13秒036(22周)
7) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 42分13秒089(22周)
8) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 42分17秒584(22周)
9) アレックス・ホフマン GER プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 42分18秒892(22周)
10) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 42分21秒849(22周)
11) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 42分29秒099(22周)
12) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 42分32秒396(22周)
13) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 42分39秒772(22周)
14) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 42分41秒390(22周)
15) シルバン・ギュントーリ FRA ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 42分42秒187(22周)
16) ケニー・ロバーツJr USA チーム・ロバーツ KR212V 43分12秒186(22周)
-) コーリン・エドワーズ USA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 -分-秒-(0周)
-) オリビエ・ジャック FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR -分-秒-(0周)
-) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V -分-秒-(0周)



決勝時気温は23度、路面温度は38度、湿度は13%。路面状況はドライ。
・イスタンブールのサーキットレコード(990cc)は2006年にT.エリアスが記録した1分52秒877。
・イスタンブールのベストラップレコード(9900cc)は2005年にS.ジベルナウが記録した1分52秒334。



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