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2007年4月22日
本日のトルコ・グランプリの決勝レースに向けて、昨日の4月21日のイスタンブールサーキットではMotoGPクラスの予選が行われている。この日は前日の湿った冷たい路面とは異なり、朝から陽射しに照らされたアスファルトは十分に温められたようだ。
ここでは、この日の午後のMotoGPクラスの予選の内容と、走行後の各ライダーのコメントを紹介する。
■午前中にリズラ・スズキのジョン・ホプキンスが転倒
2月のIRTAテスト中のカタールで右手首を負傷し、手術を断って今もその痛みが癒えないジョン・ホプキンスは、この日の午前中のフリー・プラクティス3で軽い転倒を喫している。幸い、ホプキンスのどこにも新しい怪我はなく、右手首をさらに痛めるような最悪の事態は発生しなかった。
なお、怪我ではないが、プラマック・ダンティーンのアレックス・バロスはこの日は風邪をこじらしたために不調だったようだ。
■好調のドゥカティーを尾行するわらにもすがりたいライダーたち
初日のイスタンブールではドゥカティーのケーシー・ストーナーとロリス・カピロッシがワンツータイムを記録し、パワーサーキットに分類されるイスタンブールでその好調な走りを見せたが、今回の予選ではその2名の背後につき、ドゥカティー勢が最後のタイムアタックを開始するのをひたすら待ったライダーたちが何人かいたようだ。
一般的に、好調のライダーの背後につけてそれを目標として追いかけるように走った場合、タイムアップを狙うライダーは通常よりもタイムを伸ばす事が多い。ただし、果敢なケーシー・ストーナーには、彼らの行為はあまり気分のいい姿として映らなかった様子だ。これを意識しすぎたストーナーは、最後に自分のタイムに悪影響を及ぼしてしまう。
なお、今期の開幕戦でも、不調だったロリス・カピロッシが好調のストーナーの背後につけて走ったが、あれは仲の良いチームメイト間で事前に了承を得ての事だった。
■MotoGPクラスの予選開始
MotoGPクラスの予選開始時の気温は20度、路面温度は34度、湿度は14%。空は青く晴れ渡り、明るい陽射しの降り注ぐドライ・セッションとなっている。
■カワサキのオリビエ・ジャックが最初にアタックを開始
セッション開始直後、初日に6番手タイムを記録していたカワサキのオリビエ・ジャックがタイムシート上のトップに立つと、続けてホンダLCRのカルロス・チェカ、ドゥカティーのケーシー・ストーナーがトップタイムを塗り替えていった。まだこの段階の各ライダーのタイムは1分54秒台の後半だ。
■ロッシが最初に54秒前半に突入
セッション開始から10分、初日の2番手タイムを記録したドゥカティーのロリス・カピロッシが1分54秒617でトップに立ったが、そこから3分以内にフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシが1分54秒487でカピロッシのトップタイムを上回り、ロッシはそこから続け様の2周目には1分54秒301で自己のタイムを更新した。
■レースタイヤで伸び悩む多くのホンダ勢
セッション開始から20分、タイムシート上の先頭からロッシ、ストーナー、カピロッシ、レプソル・ホンダのペドロサ、カワサキのランディー・ドピュニエ、リズラ・スズキのジョン・ホプキンスが名を連ねる中、この時点ではレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンを始め、このレースウイーク中にタイムに伸び悩んだ多くのホンダのライダーが上位に上がってこれない。この時点ではトルコGPを2年連続で制覇しているグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリは14番手、ヘイデンが15番手、コニカミノルタ・ホンダの中野真矢選手は16番手につけている。
■カワサキのド・ピュニエが初の53秒台に突入し後半戦を開始
セッション開始から30分が経過し、残り時間が30分となった直後、誰よりも最初に予選タイヤを装着したカワサキのド・ピュニエがイスタンブールの800ccマシンでは史上初となる1分53秒台を記録し、ロッシを追い抜きタイムシート上のトップに立った。
■セッション折り返し時点のタイムと順位
まだ殆どのライダーがレースタイヤのみで調整を続けている折り返し時点の各ライダーの順位とタイムは、トップがド・ピュニエの1分53秒706、2番手タイムはロッシの1分54秒301、3番手タイムはストーナーの1分54秒443、4番手タイムはリズラ・スズキのクリス・バーミューレンの1分54秒478、5番手タイムはカピロッシの1分54秒481、6番手タイムはペドロサの1分54秒488、7番手タイムはホプキンスの1分54秒593、8番手タイムはグレッシーニ・ホンダのトニ・エリアスの1分54秒626、9番手タイムはプラマック・ダンティーンのアレックス・ホフマンの1分54秒744。
10番手タイムはジャックの1分54秒754、11番手タイムはフィアット・ヤマハのコーリン・エドワーズの1分54秒759、12番手タイムはプラマック・ダンティーンのアレックス・バロスの1分54秒777、13番手タイムはチェカの1分54秒803、14番手タイムはTECH3ヤマハのシルバン・ギュントーリの1分55秒400、15番手タイムはメランドリの1分55秒567、16番手タイムはヘイデンの1分55秒584、17番手タイムはチーム・ロバーツのケニー・ロバーツ・ジュニアの1分55秒775、18番手タイムは中野選手の1分55秒842、19番手タイムはTECH3ヤマハの玉田誠選手の1分56秒106。
なお、この時点で予選タイヤを使用したタイムを刻んだのはトップのド・ピュニエのみであり、他のライダーは全てレースタイヤのタイムだ。
■ド・ピュニエ「お尻が痛い」
ド・ピュニエは前日の転倒で強打したかかとの痛みをこの日も抱えているが、2日目に入りさらに痛み出したのは同様に強打したお尻の方だという。右手首に痛みを抱えてピットでは患部を冷やし続けるホプキンスと同様に、ド・ピュニエもこの日は痛みを無視しての全力の戦いとなった様子だ。
■レースタイヤで好調のブリヂストン勢
ここまでのレースタイヤでの状況は、2番手につけるロッシと6番手のペドロサの2名を除き、トップのストーナーから10番手のホフマンまでは全てブリヂストンユーザーだ。翌日のレースに向けてのタイヤの仕上がりは、初日からここまでを通してドゥカティーやスズキのブリヂストン勢が好調と言える。
■初日と同じく割ってはいるロッシとペドロサ
なお、今週のミシュラン勢のレースタイヤでの動きとしては、ロッシのみが常にブリヂストン勢がひしめく上位集団に割って入り、それより少し低いポジションでペドロサが追うという光景が繰り返されているようだ。全体的にホンダ勢のタイムが振るわないのも同じだ。
■マシンに問題を抱えたド・ピュニエが再びトップタイムをマーク
セッション残り15分、1本目の予選タイヤを一部のライダーが装着し始めた段階での上位5人の順位とタイムは、再びトップに立ったド・ピュニエが1分53秒706、2番手に浮上したペドロサが1分54秒110、3番手のロッシが変わらず1分54秒301、4番手のジャックが1分54秒315、5番手のチェカが1分54秒376。
なお、ド・ピュニエはこの時にエンジンの出力が低下し、フロントまわりが暴れるという問題がマシンに発生しており、この後からはあまりタイムを伸ばす事ができていない。
■浮上する玉田選手と最後尾に追いやられる中野選手
この時にダンロップを履く玉田選手は1分14秒983を記録して順位を14番手まで回復。また、午後のセッションでの最後のセッティングに試行錯誤を重ねる中野真矢選手は、最後の調整を加える前のマシンで記録したタイムの1分55秒842のまま最後尾となる19番手まで後退している。
■突如4位に急浮上する中野選手、再びトップに立つロッシ
セッション残り12分、ロッシが1分53秒092を記録して再びトップに立ったのと同時に、若干期待の持てるセッティングを見つける事ができたという中野真矢選手が1分54秒180を記録して突如最後尾から4番手まで急浮上した。
■失速するストーナーと浮上するヘイデン
セッション残り10分に突入した瞬間、1本目の予選タイヤの感触が良くなかったというストーナーがコーナーを大回りして失速。最終アタックを前に緊迫した空気がドゥカティーのピットに流れた時、ここまで不調のニッキー・ヘイデンが1分54秒278を記録して6番手に浮上。
■トップのロッシが初の52秒台に突入
セッション残り4分、バレンティーノ・ロッシがイスタンブールの800ccマシンで初の52秒台となる1分52秒795を記録し、昨年のトニ・エリアスの990ccマシンでのコースレコード(レースタイヤ)を0.1秒上回り、タイムシート上のトップにつけた。中野選手が9番手まで追いやられたこの時、玉田選手は1分54秒206を記録して10番手にまで浮上している。
■調子を上げる中野選手が53秒台に
セッションの残り最後の1分に入ると、中野選手は2本目の予選タイヤを装着して1分53秒988という今回のレースウイーク中の彼のタイムでは難しく見えた53秒台に突入し、8番手に順位を挽回。ドゥカティーのロリス・カピロッシは1分53秒559を記録してトップのロッシに次ぐ2番手に。
■終了ぎりぎりに1列目に飛び込むエドワーズとペドロサ
チェッカーが振られるセッション残り0分、コースが所々で渋滞の様相を見せる中、エドワーズ、ペドロサ、ストーナーの3名が各区間の自己ベストを更新しながら一斉にコントロールラインに向かい、一気にそれぞれの自己ベストタイムを記録した。
■ホプキンスにつかまりタイムをロスしたペドロサ
なお、好調に区間タイムを次々と最速タイムで更新していたペドロサは、コース中盤でジョン・ホプキンスにつかまりポールポジションを逃す結果に終わっている。エドワーズはうまく渋滞を避ける事に成功し会心のアタックができたようだ。
■ストーナー「尾行されたのを意識しすぎた」
ストーナーは最終アタックの前に周囲のライダーを振り払っておきたかったようだが、結局アタックを開始するまで数人のライダーに尾行され続けた事から、それを意識しすぎてペースを落とし、タイヤの温度を下げて万全な状態で最後のアタックが開始できなかったと悔やんでいるようだ。ストーナーは「タイムアタックを軽く見た自分のミス」と述べている。実際、カワサキのオリビエ・ジャックも、ドゥカティーの2名が走り出すのを多くのライダーが彼らの後ろにつけて待つ光景を「ちょっと変な雰囲気」に感じていたという。
結局、最後に好タイムでコントロールラインを抜けた3名はロッシのトップタイムを更新する事はできなかったが、ここまで2位につけていたカピロッシのタイムを全員が揃って上回り、エドワーズが2番手タイムの1分52秒944、ペドロサが3番手タイムの1分52秒971、ストーナーは52秒台には届かず1分53秒375の4番手タイムとなった。この結果、カピロッシは5番手に後退。
■去年は苦手意識を持ったトルコでロッシがポールポジションを獲得
トルコGPでポールポジションを獲得したのは、セッション最後の4分の間にトップを守りきったフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシだった。1列目2番グリッドはロッシのチームメイトのコーリン・エドワーズが獲得し、フィアット・ヤマハチームは昨年にマシンの不調で苦しんだトルコの予選での雪辱を果たす結果となっている。1列目最後の3番グリッドにはレプソル・ホンダのダニ・ペドロサが確保し、スペインで表彰台を獲得したメンバーと同じこのトップ3名のみが、トルコでの1分52秒台を800ccマシンで記録した。
■初日とセッション前半の流れを覆し1列目は全員ミシュランユーザー
また、この1列目の3名は全てミシュランユーザーであり、今年の予選タイヤの仕上がりにおいてはミシュランがブリヂストンよりも優勢だったと言えるが、レースタイヤは初日の結果の通りブリヂストンの方がエッジ部のグリップ力に今回は優れていると噂されており、翌日の決勝レースではまた予選とは違った上位争いが展開される事になりそうだ。
■990cc時代の記録が簡単には更新できないイスタンブール
なお、今回のトルコでは、予選タイヤにおける990時台のベストラップレコードである2005年のセテ・ジベルナウがホンダのマシンで記録した1分52秒334を800ccマシンで上回るライダーは1人もいなかった。
■ドゥカティーの2名とヘイデンは2列目
2列目の4番グリッドと5番グリッドは、初日のレースタイヤでのワンツータイムを記録していたドゥカティーのストーナーとカピロッシのドゥカティーコンビが獲得し、2列目最後の6番グリッドは、最後に1分53秒613を記録して不調の中でも勝負強さをアピールする事に成功したレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンが確保している。
■スズキとカワサキは3列目に
3列目はリズラ・スズキのジョン・ホプキンスとクリス・バーミューレン、およびカワサキのランディー・ド・ピュニエという3名のブリヂストンライダーに占められ、不調が心配された午前のセッションから復調の兆しを見せたコニカミノルタ・ホンダの中野真矢選手は最終的に4列目となる12番グリッド、ダンロップTECH3ヤマハの玉田誠選手は5列目15番グリッドを獲得してトルコでの予選を終えた。
■2007年トルコGP、MotoGPクラス予選結果
以下に、MotoGPクラス2日目午後の予選結果を示す。
1) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分52秒795
2) コーリン・エドワーズ USA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分52秒944
3) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分52秒971
4) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 1分53秒375
5) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 1分53秒559
6) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分53秒613
7) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分53秒637
8) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分53秒706
9) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分53秒771
10) トニ・エリアス SPA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分53秒835
11) オリビエ・ジャック FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分53秒847
12) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 1分53秒988
13) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分54秒082
14) マルコ・メランドリ ITA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分54秒143
15) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分54秒206
16) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 1分54秒221
17) アレックス・ホフマン GER プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分54秒421
18) ケニー・ロバーツJr USA チーム・ロバーツ KR212V 1分54秒527
19) シルバン・ギュントーリ FRA ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分54秒845
■各ライダーのコメント
以下に、予選結果順に上位4列目12番グリッドまでのライダーのコメントを紹介する。
■1列目
●ポールポジション)バレンティーノ・ロッシ フィアット・ヤマハ YZR-M1
このサーキットでポールポジションがとれてすごく嬉しいです。ここは今までは好きと言えるサーキットじゃありませんでしたからね!
以前のここではすごく辛い状況を過ごしましたから、なんだか今年は別のサーキットを走っているような気分ですよ。とても楽しめてるんです!自分のM1はかなり戦闘力が高いですね。ここを以前よりも楽しく攻められるし、今回試した新しいエンジンの仕様変更も、全体の性能アップに重要な役割を果たしました。
昨日はいくつか問題を抱えていましたが、チームがすごく頑張ってくれたおかげでいい解決策を見つける事ができました。コーリンと自分がそろって1位と2位ですからね。
タイヤの調子はすごくいいです。それに今日は明日の決勝レースに向けていいフロントタイヤを見つける事ができていますから、リアの最終的な決定を明日の午前中に行う予定です。
予選タイヤを履いた時にはバイクから流れるような感触が得られたんです。おかげでいいタイムを出す事ができました。最初のアタックは他のライダーたちより数分早いタイミングで行いましたが、2本目の予選タイヤを履いた時にはもう少しタイムを縮められる事は分かっていました。
いずれにしても、1列目の3人のタイムはものすごく接近しているので、明日のバトルもまた激しくなると思います。いい天気に恵まれる事を祈って明日を楽しみにしたいですね。
●2番グリッド)コーリン・エドワーズ フィアット・ヤマハ YZR-M1
昨日抱えていた問題の事を思えば、本当にチームには深く感謝しなければいけないと思います。チームは分度器を持ち出して数学的な計算を行い、この問題をいつものように、まるで魔法のように解決してくれたんです!
今年のミシュランの予選タイヤは接着剤でも塗ったようなすごい粘着力ですよ。おかげで本気で攻めの走りができます。
最後のアタックの一箇所ではコース上がすごく混んでいて誰かと接触するかと思いましたが、ひたすら前に進む事だけを考えて、何とか空いてる方に出る事ができました。全くミスのない周回になったと思います。
明日もまだレースペースの改善に向けて少しやる事が残っています。0.2秒を縮められればいいんですが、0.3秒ならさらに言う事はないでしょうね!第3区間でタイムをロスしていると思いますので、あの部分に集中して作業を行うつもりです。
今年のここまでに使っていた『定番』のフロントタイヤを今回はあえて使っていません。このコースだとちょっと限界が早く来すぎる感じでしたからね。今のタイヤでも全然悪くない感じですから、明日はリアまわりの最終決定をしたいと思います。
また2名揃って1列目を獲得できたので、チームにとってこれは最高の結果でした。明日もこの前と似たような結果になる事を期待してますよ!
●3番グリッド)ダニ・ペドロサ レプソル・ホンダ RC212V
セッションの終盤にはみんながすごい渋滞の中を走っている状態でした。多くのライダーが一斉にタイムアタックを開始した感じになっていたので、自分だけがその影響を受けたわけではありませんよ。
最後のアタックの前に減速して、なんとか空いている場所を走ろうとしたんですが、前方にホプキンスが現れてしまい、そのまま最後まで彼の後ろを走る事になってしまいました。あれがなければもう少し速かったとは思いますが、明日のレースで重要になる1列目は確保しました。
それに去年のグリッドに比べればかなりいい位置ですよ。あの時は後ろから数えた方が早かったですからね。明日はいいスタートを切って逃げ切りたいです。ここは第1コーナーが難しいんですよ。
バイクのセッティング状態はすごくいいし、ミシュランタイヤも好調ですから、明日はいいレースができるといいですね。
■2列目
●4番グリッド)ケーシー・ストーナー ドゥカティ デスモセディチGP7
レースのセッティングには自信がありますし、レースでどのタイヤを使えばいいかも分かっていますから、今日の午後はセッティングの調整に時間をあまり費やす必要がありませんでした。トップ集団でのバトルも期待できると思います。
もう全てのタイヤのテストはできていましたし、どれをどう使えばいいかも分かっていたので、予選のアタックを始める前の少しの間はピットの中にいました。余分に走って無意味に体力を消耗したりリスクを余計に背負うような事は避けたいですからね。
1本目の予選タイヤはあまり調子が良くなくて、それほど自信を持って走れませんでした。大回りをしてしまったりして、全力で走る事ができていません。
2本目の予選タイヤはかなりましでしたが、運悪く最後のアタックの前に2〜3人のライダーを振り払っておく事ができなかったんです。あの人たちはずっと自分の背後について、こっちがアタックを開始するのを待ってたんですよ。
彼らを意識しすぎてペースを下げたりしたからだと思いますが、タイヤの温度が下がってしまい、最終アタックを開始した時にはタイヤがひどく暴れる感じになっちゃったんです。走っているうちに状態は少し良くはなりましたが、あれはアタックを気軽に考えていた完全なる自分のミスです。
●5番グリッド)ロリス・カピロッシ ドゥカティ デスモセディチ GP7
午後はセッティング変更を少し施しました。リアのグリップ不足の解消もそうですが、主目的はより高いフロントの安定性確保です。ピットを出てからすぐに1分54秒台で走れる事ができましたから、レースでのペースも悪くはならないと思いますよ。
予選では2本の予選タイヤを使用しました。新型タイヤと、もう一方はより標準的なタイヤです。最初に新しい方を試しましたが、かなりの性能の高さを感じましたね。第2区間のコーナーではものすごく好感触が得られて、いつもより早いタイミングで3速ギアに入れたんですが、ちょっとカーブの中で速度が出すぎてあやうく転倒するところでした。そこで0.7秒はタイムをロスしたと思います。
すごく嬉しかったのは今日はずっとライディングを楽しめた事ですよ。レースも楽に走り切れそうです。ブリヂストンはいい仕事をしてくれましたね。去年のここで抱えていた多くの問題が解決されていますから、明日はトップ集団で戦えると思います。
結果の予想はしたくありません。また楽しんで走る事だけを考えて、結果がどうなるかはその時に様子を見たいです。
●6番グリッド)ニッキー・ヘイデン レプソル・ホンダ RC212V
今年の予選の中では最高位になりました。トップに近いところからスタートできるので良かったですよ。
前回のヘレスの時のようにスタートを成功させて、そのままポジションを維持したいですね。今の自分のレースペースは自分が望む速さではありませんから、明日も作業を続けなきゃいけません。
ここまでにバイクにはいくつか変更を加えて何点か改善を進める事ができましたから、チームには深く感謝しています。みんな今週を通してものすごく頑張ってくれていますし、長時間働き続けて色々変更を加えてくれました。
今日はミシュランの予選タイヤが好調で助かりました。バイクのギア比を変更してトップスピード重視のセッティングにしたんですが、まだあまりその効果が得られていません。まだこの点については多くの取り組みが必要でしょうね。
とにかく、明日はここでいいスタートを決めてトップの連中と戦いますよ。
■3列目
●7番グリッド)ジョン・ホプキンス リズラ・スズキ GSV-R
トルコGPでスタートしたかったグリッドの位置とは全然違いいますが、3列目の最初のグリッドからでもすごくいいスタートはできると思います。
今日は2回のセッションを通してレース用のセッティングに真剣に取り組みました。朝は軽く転倒をしましたが、そこからの挽回は早かったですよ。明日のレースにむけてのいいセッティングは見つけましたから、先頭集団の中で走れる筈ですしね!
ここは走行ラインを外れると路面が滑りやすく追い抜きが簡単じゃないので、いいスタートが絶対必要な場所です。数箇所にいいブレーキングポイントがあって、そこなら追い抜きは可能かもしれませんが、でもやっぱり難しいでしょうね。
とにかくトップ集団の中に入り、そのまま表彰台目指して頑張ります!
●8番グリッド)ランディ・ド・ピュニエ カワサキ・レーシング ZX-RR
まだかかとは痛みますが、むしろもっと痛いのはおしりです。でも、その中でも自分の全力は出し切ったと思います。
午前にはバイクに小さな調整をいくつも施し、明日に使いたいと思っていたソフトタイヤを選択してずっと同じフロントタイヤとリアタイヤで走りました。すごく調子良く走れていましたが、午後には路面温度が上がったせいでかなり滑り出しました。それが硬めのタイヤに変えた理由ですが、それでもまだ少し滑る感じなので、実際明日にどちらを使うかはまだはっきり決めていません。
1本目の予選タイヤはとても好調でしたが、残りの2本にを履いた時にはいくつか問題が出てしまいました。原因は良くわかりませんのでこれからチェックしますが、エンジンのパワーが落ちてフロントがひどく暴れるようになったんです。
いずれにしても、バイクの感触はいいし、レースのペースにも自信はありますよ。
●9番グリッド)クリス・バーミューレン リズラ・スズキ GSV-R
ここまでの2戦に比べたら相当にいい予選結果でしたね。また、予選結果以外にも、レース用のセッシングについてもかなり大きな進展が得られました。
レースウイークを通してずっとバイク全体の調子は上がりました。今回はいつもとは違うアプローチでこのグランプリに挑みましたが、そのおかげでこの2日間を通して10位以内に入れたんだと思います。
バイクの調子はいいし、チームもすごくうまくマシンに手を入れてくれました。かなりの周回数をブリヂストンのフロントとリアの両方を酷使して走りましたが、ずっと性能は安定しているみたいなので明日もその作業を続けるつもりです。
今回は3列目からスタートできるのでやる事は多少楽になりそうですよ。ただ、表彰台を狙うには素速くトップ集団のところまで抜けでないといけないでしょうね。
■4列目
●10番グリッド)トニ・エリアス ホンダ・グレッシーニ RC212V
今回のレースで10番グリッドスタートはかなりのハンデですよ。でも、スタートで頑張って、落ち着いてできる限り順位を挽回していきたいと思います。
ペース自体はいいのでとても気分は明るいです。今はそれが重要ですからね。ハードブレーキングが必要な箇所で、できる限りたくさんのライダーを交わしたいと思います。自分ならできる筈です。
チームはすごく頑張ってくれましたし、タイヤ選択に関しても明確なアイデアがあります。今日は予選タイヤをうまく使い切れなかった事がとにかく残念ですね。
●11番グリッド)オリビエ・ジャック カワサキ・レーシングZX-RR
予選ではもっと高い順位を期待していましたが、予選タイヤの側面のグリップ力がレースタイヤの時の期待感からするとちょと低い感じがして、希望していたほどタイムは上がりませんでした。それに多くのライダーがドゥカティーの2名がアタックを開始するのを待って後ろにつけていたので、ちょっと変な雰囲気でしたね。
風のせいでいい走行ラインやマシンの正しいバランスを見つける事が難しかったです。今朝はサスペンションの調整をいくらか行い、今までとは違うタイヤも試しましたが、明日のレースでどれを使うかは天気次第と言ったところでしょう。
いいスタートさえできれば、間違いなくトップ10入りは狙えると思いますよ。
●12番グリッド)中野真矢 コニカミノルタ・ホンダ RC212V
今朝はマシンのセッティングを大きく変更しています。サスペンションの調整を変えて、タイヤに合わせてスプリングやそのスプリング比を変更しました。
色々試した午前のバイクの感触はあまりいい状態ではありませんでしたが、午後の途中にはだいぶ期待の持てる感じになってきました。完璧な状態とは言いませんが、大きく前進ができた事は確かです。
明日の午前中のウォームアップ・セッションでも少し変更を加えるつもりです。あまり抜本的な事を今はしませんが、まだもう少し性能を上げられる筈ですからね。
今もまだコーナースピードが自分の思い通りに十分に出せない状態ですし、これが今の自分たちの課題です。でも100%の力を出し切って走りますし、トップ10入りを狙えるようにしたいと考えています。
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