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2007年4月26日
白熱と波乱のレースとなったトルコ・グランプリの翌日の4月23日、コニカミノルタ・ホンダの1チームを除くMotoGPクラスの各チームはこの日もイスタンブール・サーキットに留まり、5月4日から開催される次戦の中国グランプリと、その後の5月18日から始まるフランスのル・マンを皮切りとした本格的なヨーロッパラウンドの開始に向けての合同テストを行っている。
■やっと好天に恵まれたシーズン開幕後の合同テスト
ここまでのシーズン中の合同テストは、開幕戦のカタールと前回の第2戦目のヘレスのそれぞれの翌日にも行われているが、カタールでは砂嵐、ヘレスでは初日が豪雨という悪天候に見舞われており、思い通りのテストメニューをこなす事ができなかったチームが多かった。
3回目にしてようやく好天に恵まれた今回のトルコの合同テストでは、良好な路面コンディションを利用して、多くのチームがタイヤやマシンの開発テストを嬉嬉として行ったようだ。理想的な路面コンディションが得られたこの日、多くのライダーが前日までのレースウイーク中の課題を解決し、予選時やレース時のタイムを上回るラップタイムを記録している。
■時間を惜しんで中国以降の戦いに備える各ライダー
新タイヤレギュレーションの施行された今年、ミシュランとブリヂストンを履くライダーたちは、少しでも次のグランプリの前に、事前に新しいタイヤを試すチャンスを得たいと考えている。この日はロッシとヘイデンを除くほとんどのライダーが予選タイヤとレースタイヤの両方を何本も試し、中国での戦いに備えたようだ。
■前日の多重事故に巻き込まれた3名はテストをキャンセル
なお、今回のテストはチームとして参加しなかった中野真矢選手以外にも、3名のライダーが走行をキャンセルしている。
予定のテストに参加できなくなったのは、前日の多重クラッシュで尾てい骨を強打し、ひどい打撲を負ったカワサキのオリビエ・ジャック、そのジャックに後方から追突されてひざを負傷し、痛みと腫れのひかないフィアット・ヤマハのコーリン・エドワーズ、およびこの事故が目の前で発生して巻き込まれる形となり、首と胸を強打して5日間は首をカラーで固定する事になったレプソル・ホンダのダニ・ペドロサだ。
幸い、3人ともにレントゲン検査の結果は骨折などの致命的な怪我は見つかっておらず、次戦の中国GPまでには揃ってレースに復帰できる予定だという。
■アレックス・ホフマンは肋骨の痛みに耐えて走行
レース中の事故には巻き込まれなかったが、決勝当日の午前のウォームアップで転倒し、肋骨を強打しながらも目標のトップ10以内の9位でトルコ・グランプリを終えたプラマック・ダンティーンのアレックス・ホフマンは、胸の痛みに苦しみながらも今回のテストには参加している。
シートに正しく座れないほどの痛みがあったというホフマンだが、この日のテストではレースタイヤで土曜日の予選時の自己ベストタイムを上回っている。
■テスト中にストーナーが軽く転倒
また、この日は前日のレースの優勝者であるドゥカティーのケーシー・ストーナーが転倒しているが、幸い最終コーナー付近の低速部分であったために、本人に全く怪我はなく、その後もすぐに続けてテスト走行を再開している。
「頭を打ってさらに中国に向けて速くなった気がする」とストーナー。
■チェカは鈴鹿8耐の参戦を検討し日本へ
今年からホンダに移籍したカルロス・チェカは、ホンダからの打診を受けて、この夏に例年通り開催される鈴鹿8時間耐久ロードレースへの出場を検討しており、この日のテスト後は日本に飛んでJSBマシンでの走行テストを行っている。チェカは8耐への出場に興味を示しており、ホンダの申し出を真剣に検討している様子だ。
なお、出場を検討中のチェカ以外にも、今年の鈴鹿8耐にはホンダのトップライダーが多くエントリーする可能性があるようだ。イギリスのロードレース情報誌であるMCN(www.motorcyclenews.com)は、昨年はロッシとのタイトル争いを優先して8耐出場を見送ったニッキー・ヘイデンや、SBKで現在のランキングトップにつけるジェームス・トスランドにも、今年はホンダからの出場要請がありそうだと報じている。
■トルコ合同テスト、走行結果一覧
以下に、気温24度、路面温度40度、湿度14%の良好な走行日和となったイスタンブール・サーキットでの4月23日の合同テストの結果を、各ライダーの自己ベストタイム順に示す。
1) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分53秒1(68周)
2) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分53秒200(69周)
3) トニ・エリアス SPA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分53秒3(74周)
4) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ GP7 1分53秒34(41周)
5) マルコ・メランドリ ITA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分53秒4(85周)
6) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分53秒5(68周)
7) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分53秒6(52周)
8) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ GP7 1分53秒61(51周)
9) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 1分53秒63(27周)
10) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分53秒7(-周)
11) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分53秒85(106周)
12) ケニー・ロバーツJr USA チーム・ロバーツ KR212V 1分53秒9(84周)
13) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分54秒0(66周)
14) アレックス・ホフマン GER プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分54秒240(32周)
15) シルバン・ギュントーリ FRA ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分54秒5(68周)
参考までに、990cc時代の記録では、イスタンブールのサーキットレコードは2006年にトニ・エリアスが記録した1分52秒877、ベストラップレコードは2005年にセテ・ジベルナウが記録した1分52秒334。
先週のレースウイーク中の800ccマシンでの最新の記録は、ポールポジションレコードがバレンティーノ・ロッシの1分52秒795、サーキットレコードはクリス・バーミューレンの1分54秒026。
■ヘイデンとロッシはレースタイヤ
今回の各々の自己ベストタイム記録時に予選タイヤを装着していた事が正式に判明しているライダーは、この日のトップタイムをマークしたリズラ・スズキのクリス・バーミューレン、プラマック・ダンティーンのアレックス・バロス、ドゥカティーのケーシー・ストーナーとロリス・カピロッシ、グレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリ、ホンダLCRのカルロス・チェカなど。
レースタイヤのみで走行した事が判明しているのは、11番手につけたレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンと、13番手のフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシの2名だ。
■好天に恵まれて調整が進んだ各チーム
今回のテストでは、先週のレースウイーク中のタイムを、レースタイヤでも予選タイヤでも大幅に上回るライダーが続出している。良好な路面コンディションに恵まれ、どのチームも中国GP以降の戦いに向けて、マシンやタイヤの調整が順調に進んだ様子だ。
■新型予選タイヤの開発が進むブリヂストン
予選タイヤでこの日のトップに立ったクリスバーミューレンは、レースウイーク中の予選タイヤでの記録を約0.7秒、この日の2番手タイムを予選タイヤで記録したアレックス・バロスも同様に自身の予選中のタイムを約1秒近く上回っており、ブリヂストンの新型予選タイヤが中国以降の戦いに向けて、さらに高い完成度を示してきた事がうかがえる。
また、ここまで予選でのタイムに苦しみ、レース中の激しい追い上げでに大幅に順位を挽回するという戦いを繰り返してきたバーミューレンにとって、今回記録したトップタイムは次戦以降の戦いに大きな期待が持てる結果と言えるだろう
■膨大な距離を走り込み、今後に明るい兆しのヘイデン
フルレースの5回分という106周の膨大な距離をこの日に走り込んだニッキー・ヘイデンは、自身のレースウイーク中の記録を約0.5秒上回る53秒台にレースタイヤで突入しており、ホンダワークスとの懸命な努力により、ここまでに苦しんだRC212Vのフロントまわりの調整が改善の兆しにある事を証明して見せたようだ。
■ミシュランと共に前日のトラブルの原因を究明するロッシ
前日のレースではミシュランのリアタイヤに問題を抱えてペースを落とし、2位から一気に10位まで順位を下げる事になったフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシは、この日はミシュランの技術者と共にセッションの大半をタイヤのテストに使用し、レース中のタイヤトラブルの原因究明と、中国のレースにに向けての準備を行っている。
レースタイヤのみのテストを行ったこの日のロッシのタイムの1分54秒0であり、ほぼ本人のレース中の自己ベストと同タイムだった。
■各チームごとのテスト内容
以下に、各チームのライダーおよび関係者のコメントなどを紹介する。
■ル・マンに向けての準備に取り組んだプラマック・ダンティーン
多くのチームが次戦の中国GPに向けての準備を進める中、プラマック・ダンティーンのアレックス・バロスとアレックス・ホフマンの2名は、中国GP後の本格的なヨーロッパラウンドの初戦となるル・マンに向けての調整を中心に行ったようだ。
■バロス「今後もトルコと同等の成績が狙える筈」
前日のレースでは目標の表彰台まであと1つの4位を獲得し、ついにチームオーナーのルイス・ダンティーンの期待に応える事ができたアレックス・バロスは、レースタイヤと予選タイヤの両方で自身のレースウイーク中のラップタイムを約1秒縮めた今回のテストの結果を受けて、今後もトルコと同等の成績が狙えるだろうとコメントしている。
「今日はすごく嬉しかったですね。今回よりいい結果なんて、そう簡単には望めませんよ!」とバロス。
「今日は新しい種類のタイヤを使って多くの周回を走りましたが、すごく期待の持てる結果が得られました。自分のドゥカティーGP7で昨日のレースのラップタイムを1秒くらい縮める事ができたんです。」
「引き続きチームの戦闘力の高さを今回のテストでも見せつける事になりましたから、このテストの結果は自分たちにとって非常に重要だったと思います。より自信もやる気も高まりましたし、全てが正しい方向に向かっています。」
「この調子で作業を進めていけば、間違いなく昨日の4位と同じくらいのいい成績が今後も狙える筈です。」
■ホフマン「痛かった」
この日のテストでは、前日の転倒の打撲の痛みからあまり全力で走る事ができなかったとしながらも、レースタイヤで土曜日の予選時のタイムを上回ったアレックス・ホフマンは、一刻も早く体調を元に戻して次戦の中国に挑みたいと述べた。
「トルコのテストでは、残念ながら全力で走る事ができていません。」とホフマン。
「痛みがかなり激しくて、普通にシートに座っている事さえ難しい状態でした。それでも今回コースに出た理由は、少しでも次のヨーロッパ戦の最初のレースのル・マンに備えて重要な事を試しておきたかったからです。」
「今日のコースはすごく路面条件が良くて、ブリヂストンのレースタイヤにさらに自信を深める事になりました。今日のレースタイヤでのペースは1分54秒台前半ですから、レースウイーク中の予選の時のタイムを上回った事になります。」
「基本的なセッティングに関して言えば、特に大きなセッティングの変更はしていません。それぞれの種類のタイヤに合わせて微調整を行った程度です。」
「今回はあまり走行ができなかったにもかかわらず、いくつかとても重要なデータを収集する事ができましたから、できる限り早く体調を元通りに戻して次戦の中国には挑みたいです。」
■ドゥカティーは祝賀パーティー直後のテスト
ストーナーの開幕戦に続く2勝目と、カピロッシの表彰台復帰をレース後に遅くまで祝ったドゥカティーチームにとって、そのすぐ翌日からテストを再開するのは厳しい話だが、中国GPでも優勝を狙うストーナーはこの日も変わらず熱心にタイヤテストとエンジンマッピングの調整を行い、レースタイヤでは1分53秒54、予選タイヤでは総合4番手タイムの1分53秒34を記録している。
また、チームメイトのロリス・カピロッシは、この日はマシントラブルを抱えて作業時間を大きくロスしたようだ。
■ストーナー「恵まれた好天を有効に使いたかった」
朝は起きるのが大変だったというケーシー・ストーナーは、この日はセッション全体の半分が過ぎた頃に軽い転倒を喫しているが、怪我もスケジュールへの影響も全くなく、中国に向けての準備は万全に整った様子だ。
「昨日のレースの後ですから、今日はベットから抜け出すのが中々大変でしたが、今日も頑張らなきゃいけないけないと思っていました。中国でも同じ結果を狙いたいですからね!」とストーナー。
「今日は予選タイヤとレースタイヤの両方のテストを行い、どちらにもいい情報が得られました。他にはエンジンマッピングに関する多くの作業もこなしています。シーズン中のテストでこんなにいい天気だったのは今回が初めてでしたから、有効に使いたいですからね。」
「今日ひとつ失敗したのは馬鹿みたいに転んだ事です。コース終盤の部分で激しく攻めすぎて、低速コーナーで転んでしまいました。そんなに大きな転倒ではなかったんですが、頭をぶつけた衝撃で中国ではさらに速く走れるようになった気がします!」
■カピロッシ「トラブルが今日で良かった」
この日に発生した電気系のトラブル以外は全て好調だったとするロリス・カピロッシは、ブリヂストンが今回持ち込んだ新型タイヤに好感触を示し、次戦の上海が楽しみだと語った。
「今日はいいテストでしたね。気象条件は理想的でしたし、昨日の状況と良く似ていました。」とカピロッシ。
「特に電子制御系の部分ですが小さなテクニカル面でのトラブルがあり、テスト作業に少し影響が出てしまいましたが、これが昨日は発生しなくて今日で良かったですよ!」
「今回は今までとは異なるフロントフォークを試しましたが気に入りました。中国でも同じのを使ってみる事になると思います。」
「リアのレースタイヤも何本かテストしましたが、ここでは以前からすごく好調でしたが今回はさらに快調でしたね!また、新型の予選タイヤを数本試した結果、土曜日の予選で使ったものよりも性能がいい事が分かりました。」
「今は本当に上海のサーキットに戻るのが楽しみで仕方ないくらいです。」
■レース中の問題を解消したホンダLCR
予選を16位で終えた後もフロントまわりの感触を改善する事ができずに、高速の11コーナーで速度を上げる事ができなかったトルコGPでの戦いを12位で終えたカルロス・チェカは、この日にレース中に抱えていた問題をいくつか解消する事に成功しており、予選タイヤではレースウイーク中なら7番グリッドが獲得できていたタイムを記録している。
■チェカ「テストの後は日本で鈴鹿8耐マシンの試乗」
最大の課題だったフロントまわりの感触を改善して上機嫌のカルロス・チェカは、このテストの後には日本に向かい、今年の鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦するかどうかを決めるJSBマシンの試乗テストを行っている。
「今日は昨日のレースでいい結果を出せなかった理由の何点かを解決する事ができましたので、非常に満足です。」とチェカ。
「基本的にはタイヤのテストに集中し、特にフロントまわりにいい感触が得られるようになりました。予選タイヤでのラップタイムもすごく良くて、これがレースウイーク中なら7番グリッドが取れたタイムです。」
「今回は次戦の中国GPに向けての作業に集中しました。いいベースセッティングがあるにしろ、中国は得意のサーキットとは言えませんからね。何ヶ所から面白い部分もありますが、あそこは2輪用というよりはF1用のサーキットですよ。」
「これから何日かは日本に行って、鈴鹿8耐に出場するかどうかを検討する事前テストに参加します。このチャレンジも楽しみですから、今回のホンダの申し出を真剣に考えたいと思います。」
■レプソルホンダからの参加はヘイデン1名のみ
前日の多重事故で負った怪我の治療のために急遽スペインに飛んだダニ・ペドロサがテストをキャンセルしたため、この日のレプソル・ホンダチームはニッキー・ヘイデンの1名のみが精力的にテストに取り組んだようだ。
テストでは全く時間と努力を惜しまず黙々と作業を進める事でも有名なヘイデンは、今回のイスタンブールでも106周という他のライダーのほぼ倍にあたる膨大な周回数をこなし、タイトル防衛にかける意気込みが少しも衰えていない事をまわりにアピールしている。
■ヘイデン「まだ完璧とは言えないが大幅に改善は進んだ」
ニッキー・ヘイデンはこの日もRC212Vのマシン開発作業を継続し、シャシーのセッティング調整とミシュランタイヤのテストをホンダ・ワークスのスタッフと共に行っている。
前日のレースではフロントタイヤの消耗に苦しみ7位に終わったが、タイヤの耐久性強化に向けての改善策も、今回のテストでは見つける事ができたという。
「今日の自己ベストタイムの1分53秒8はレースタイヤで出しています。レースウイーク中のタイムを大きく上回りましたので、これはいい兆候だと思いますよ。ほとんど土曜日に予選タイヤで出したタイムと同じくらいの速さですからね。」とヘイデン。
「もちろん月曜日に出したタイムに大きな意味がないのは分かっていますが、いくつかの点で自分たちの改善が進んだのは事実ですよ。すごく有益な情報もいくらか集まりましたしね。ただ、目の前の壁を全て取り壊したという感じではまだありませんけど。」
「本当に真剣に取り組んだのは、フロントタイヤをもう少し長く持たせるためのセッティングです。レースではフロントタイヤを酷使しましたからね。この点についてもいい成果が今回は出せたと思います。」
■チーム・ロバーツは課題のリアまわりのセッティング改善に集中
チーム・ロバーツは今回のトルコからKR212Vに新型シャシーを投入したが、週末を通してリアのスイングアームのセッティングに苦しみ、レースではまったくミシュランのリアタイヤからグリップが得られず、レースの残り5周はリアまわりが振動を続けるという不運に見舞われた。
レースを最後尾の16位で終えたチーム・ロバーツとケニー・ロバーツ・ジュニアは、今回のテストでもレースウイーク中に引き続き、リアのサスペンションのセッティング改善に取り組んだという。
■タイヤテストを中心に行ったロッシとフィアット・ヤマハ
前日のレースをミシュランタイヤのトラブルにより不本意な10位で終えたバレンティーノ・ロッシは、この日は忙しい一日を過ごしたようだ。
タイヤトラブルの原因究明のためのデータ収集に加え、レース中の多重事故でひざを負傷し今回のテストを欠場しているチームメイトのコーリン・エドワーズの分の作業もこなしたロッシは、この日の記録は前日のレース中とほぼ同等のタイムに留めたが、精力的に66周を走り込んで全ての作業を終えた結果、次戦の中国に向けての有益な情報を多く収集する事ができた様子だ。
■ブリビオ監督「収集したデータを活用して上海に挑みたい」
フィアット・ヤマハのチーム監督であるダビデ・ブリビオは、今回は大事をとって負傷したエドワーズを休ませ、中国GPに向けての早期回復を優先したという。また、ロッシが行ったテストの結果にブリビオ監督は大変満足しており、上海でのレースへの期待を示している。
「今日はコーリンに休養させる方を選択しました。昨日の不運な転倒の影響でまだ痛みがあるようですし、ひざのひどい腫れも引いていませんからね。」とブリビオ監督。
「深刻な怪我という訳ではありませんが、彼と話し合って次戦の中国に向けて身体を休めてもらう事にしました。この結果、コーリンの作業分を含めた膨大な仕事をバレンティーノがこなす事になりましたけどね。」
「今回はいくつな事を試して、昨日のトラブルを検証しているミシュランを助ける意味で多くの情報を集めました。その後は中国GPに向けて多くのタイヤをテストしています。自分たちにとっても色々学習になりましたし、次回のレースに向けてのいい方向性もつかめたと思っています。」
「これからヤマハとミシュランで共同して今回集めた情報を元に作業を進めますから、上海ではいいレースができる事を期待したいですね。」
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