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ワンメイク化を後押しする日本GP(MotoGP全クラス決勝レース内容)
インテリマーク編集部
2007年9月23日 【最新情報はブラウザのリロードをボタンを押して確認して下さい】
写真第15戦日本GP決勝日
・各クラス全ライダー走行結果表は、以下のリンク先をご覧下さい。
日本GP徹底事前情報
MotoGPクラス)予選後のライダーコメント
MotoGPクラス)レース後のライダーコメント
MotoGPクラス)もてぎ合同テスト内容
(1日目の各ライダー情報は本記事最後の関連記事一覧から参照してください)


125ccクラスWUP、250ccクラスWUP、
MotoGPクラスWUP

125ccクラス決勝、250ccクラス決勝、
MotoGPクラス決勝



現地天候および走行スケジュール
2007年全レース日程と結果
冬季プレシーズン全テスト結果
ポイントランキング


現地情報(天候、アクシデント、他概要)
■MotoGPクラスのレース内容
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MotoGP午後決勝
ドゥカティーのケーシー・ストーナーがフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシの前でチェッカーをうければ2007年度の年間タイトルが決定するMotoGPクラスの決勝レースは、この日の午前中に降り続いた雨がレース直前には収まり、レースの途中に路面が乾いて各ライダーが7ラップ目からタイヤをウェットからスリックに交換し始めるという、今年の雨のルマンと同様の大波乱のレース展開となっている。

この日のツインリンクもてぎの観客数は5万7千617名。


■雨が上がり、大波乱のレースの幕開け
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250ccクラスのレース中に小雨となったこの日の雨は、MotoGPクラスの開始時にはほとんど降りやんでおり、レースの開始時にウェット宣言がなされたものの、各チームは2005年からのフラッグ・トゥー・フラッグのレギュレーションに従い、路面が乾いた場合にライダーがピットインしてマシンを乗り換える際に必要なドライ・セッティングを施したスペアマシンをピット前に用意してレースの開始を待った。

■快調にダッシュを見せるペドロサ、ウエストはジャンプスタート

シグナルが消え、ウェット・セッティングを施したマシンが一斉に発進する中、最高のスタートを見せて最初に1コーナーに飛び込んだのは、今期2度目のポールポジションを獲得したレプソル・ホンダのダニ・ペドロサだった。ここで6番グリッドにつけるカワサキのアンソニー・ウエストは誰が見ても明らかなジャンプスタート。
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■バーミューレンのエンジンがストール

レッドシグナルが点灯してから消えるまでの時間が若干長めだった今回のスタートシーンだが、ウエストが自分のジャンプ・スタートに気がつき慌ててマシンを再び停止させたのとほぼ同じ頃に、17番グリッドにつけるリズラ・スズキのクリス・バーミューレンのエンジンが突然ストール。スズキのメカニックの一名が慌ててグリッド上に走り出てエンジンに再び火を入れた後、バーミューレンはやや遅れて前の集団を追った。
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■ストーナーは5番手、出遅れたロッシは8番手に後退

2番グリッドスタートのロッシが出遅れる中、ペドロサの背後の2番手につけたのは5番グリッドからスタートしたグレッシーニ・ホンダのトニ・エリアス、その後ろの3番手には、3番グリッドからスタートしたレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデン、4番手にはペナルティー宣告を待つ身のウエストが続いた。
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さらにその後ろには、ロッシの前でチェッカーを受ければ年間チャンピオンが決定するポイントリーダー、ドゥカティーのケーシー・ストーナーが5番手に続き、ランキング2位のフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシはオープニング・ラップで8位に後退。

■レギュラーライダーに割ってはいる怒濤の秋吉パワー
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2ラップ目にはトップを行くペドロサの背後にカワサキのウエストが2番手につけ、3番手に浮上したストーナーの背後の4番手には、オープニング・ラップ中に怒濤の走りでフィアット・ヤマハのコーリン・エドワーズを交わし、最終コーナーでヘイデンも交わしたリズラ・スズキからのワイルドカードライダーである秋吉耕佑選手が続いた。

■カーチス・ロバーツと柳川選手にマシントラブル
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ここでチーム・ロバーツのカーチス・ロバーツがピットイン。しばらくして走行を再開したが、すぐに再びピットインしてカーチスはリタイアしている。また、カワサキからワイルドカード出場している柳川明選手もリアブレーキに問題を抱えて早々にピットインしたが、その後レースを続行している。

■むなしくトップに立つウエストとそれを追うストーナー
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ウエストがペドロサを交わしてトップに立ち、ストーナーがペドロサを交わして2番手につけた3ラップ目、好調に順位を上げてきたグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリが4番手を走る秋吉選手を130R終端で交わし、その勢いのままヘアピンから90度コーナーにかけてペドロサも交わして3番手に浮上。
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■快進撃を見せるメランドリが2番手に

4ラップ目にカワサキのランディ・ド・ピュニエが秋吉選手を交わして5番手に浮上、ド・ピュニエはそのまま4番手を行くペドロサも交わし、この時点でトップ4をウエスト、ストーナー、メランドリ、ド・ピュニエのブリヂストン勢が独占。ミシュランを履くペドロサは5番手となった。
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■不運の重なったカワサキ勢とトップに立つメランドリ

ド・ピュニエがミスをしてコースアウトし、「自分に腹が立つ」と述べるウエストがジャンプスタートのピットスルーペナルティーを受けてカワサキ勢が揃ってトップ集団から消えた5ラップ目、V字コーナーからヘアピンにかけての加速でメランドリがストーナーから前を奪ってついにトップに立ち、後方からペースを上げるロッシは秋吉選手を交わしてペドロサの背後となる4番手につけた。
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■一部のライダーがドライ用マシンへの乗り換えを開始

先頭のメランドリは激しく加速を続けてストーナーを引き離し、2番手のストーナーは必死にそれを追うが、6ラップ目付近で路面には乾いた部分が目立つようになり、7ラップ目以降はホンダLCRのカルロス・チェカを筆頭にヘイデン、TECH3ヤマハのシルバン・ギュントーリ、ド・ピュニエ、エリアス、プラマック・ダンティーンから急遽の日本GP参戦となった伊藤真一選手、TECH3ヤマハの玉田誠選手が次々とピットインしてドライ用のマシンへの乗り換えを開始。
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■早すぎるピットインが裏目に出たチェカ

ちなみにチェカは一度ピットに早く入りすぎており、5ラップ目のこの時にはまだインターミディエットのセッティングをドライ用にスタッフが変更している最中だった。この影響でチェカはその後にもピットインをやり直しており、16番手だったポジションをさらに落とす事になっている。


■タイヤを交換せずに走り続けるトップ集団と一部ライダー
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10ラップ目にはドゥカティーのロリス・カピロッシとリズラ・スズキのクリス・バーミューレンもマシンを交換したが、上位を走る先頭のメランドリ、2番手のストーナー、3番手のロッシ、4番手のペドロサ、5番手の秋吉選手、6番手のエドワーズ、ピットスルーペナルティーにより7番手に後退したウエスト、およびトップ集団からはかなり離されているリズラ・スズキのジョン・ホプキンスとコニカミノルタ・ホンダの中野真矢選手などは、乾いた部分が多くなった路面にもかかわらずウェットタイヤのまま走行を続けている。
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■全くスピードが伸びなくなるストーナー
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12ラップ目にロッシは、ウェットタイヤの破損がひどくなりペースを落とすストーナーを交わして2番手に浮上。そのまま先頭を走るメランドリの追撃を開始。
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■マシン交換のタイミングが遅れるトップの5名

13ラップ目には秋吉選手、ウエスト、中野選手などがピットインしてマシンを交換。この時点でウェット用のマシンで走り続けていたのは先頭のメランドリ、2番手のロッシ、3番手のストーナー、4番手のペドロサ、5番手のエドワーズのみとなった。
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■絶好のタイミングでマシンを乗り換えたカピロッシ

14ラップ目にはペースが上がらずに苦しむストーナーの背後に4番手のペドロサが迫ったが、その背後を走るエドワーズのはるか後方には、10ラップ目にドライ用マシンに乗り換えたカピロッシがファーステストを連発しながら迫っている。
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■メランドリとストーナーがマシン交換

ペドロサはヘアピンでストーナーを交わし3番手に浮上。続く90度コーナーではロッシがメランドリを交わしてついにトップに浮上した。メランドリはここでロッシを追わずにピットイン。マシンをウェット用に交換している。ペドロサに交わされたストーナーもここでピットイン。

■ロッシとペドロサの2名のみがウェット用マシン

高速で飛ばすカピロッシをはじめとするドライ用マシンに乗り換えたライダーたちが着実にタイムを上げてくる中、先頭のロッシと2番手のペドロサだけが15ラップ目もウェット用マシンで走行。


■ロッシがピットイン、ピットインを目前にペドロサは転倒
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写真2台はこの周回で大幅にタイムを落とし、ロッシが16ラップ目を前にピットイン。ここで同様にピットインを狙っていたペドロサが最終コーナーでタイヤを滑らせてスリップダウン。激しい勢いでマシンと共にグラベルに飛び込んだ。

■骨折の疑いがあるペドロサ

この結果、マシンは転倒の衝撃でダメージを受け、前日までの2日間の全てのセッションをトップタイムで制覇していたペドロサは無念のリタイアに終わった。なお、ペドロサはこの時に左足の親指を強打、本人はこの部分を骨折した可能性が高いと現在訴えており、レントゲン検査をこれから受ける事になっている。その他にも昨年のマレーシアの転倒で4針縫った右ひざに打撲を負ったようだが、こちらは深刻な怪我ではなさそうだ。


■コースに復帰したロッシは5番手に、トップはカピロッシに
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ここでマシンを乗り換えたロッシがピットレーンを抜けてコースに復帰するが、この時に先頭に立ったカピロッシ、2番手のド・ピュニエ、3番手のエリアス、4番手のギュントーリがメインストレートを通過。ロッシはこの2番手付近に進入したが、タイヤの温まっていないロッシはギュントーリまでのライダーに前を奪われて5番手にポジションを落とす結果となった。ロッシの背後には6番手のストーナー。


■突然ピットに戻るロッシ「タイヤに深刻な問題?」
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ストーナーの1つ前となる5番手でチェッカーを受ければ年間タイトルの成立を阻止する事ができたロッシだが、ここでロッシにアクシデントが発生する。フロントタイヤに深刻な問題を感じたと訴えるロッシは16ラップ目に再びピットイン。後続のストーナーなど多くのライダーに前を奪われてしまう。

■問題が見つからず、走行を再開したロッシがコースアウト

メカニックのタイヤチェックを受けて何も問題がないとの判断を受けたロッシは、ポジションを大きく落としてタイヤを交換する事なくそのままコースに復帰するが、その後もタイヤが正しく機能するまで時間がかかった事から18ラップ目の90度コーナーに向けてのブレーキングでミスを犯し、フロントとリアを小刻みに跳ね上がらせながらコースアウト。グラベルに直行してしまう。


■トップだったロッシが15番手に後退
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ギュントーリがカピロッシのラップタイムを上回るファーステストを記録した直後の20ラップ目の順位は、ハイペースでトップを独走するカピロッシ、はるか後方につける2番手のド・ピュニエと3番手のエリアス、エリアスの背後に迫りつつある4番手のギュントーリ、さらに距離を上げて5番手のストーナー、6番手のメランドリ、7番手の秋吉選手。
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8番手のヘイデン、9番手のウエスト、10番手のプラマック・ダンティーンのアレックス・バロス。
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11番手のバーミューレン、12番手のホプキンス、13番手にエドワーズ、14番手の玉田選手。

コースに復帰したロッシは15番手、その後ろには16番手の伊藤選手、17番手の中野選手、18番手の柳川選手、19番手のカルロス・チェカが続いた。

■ファーステストを連発するダンロップタイヤ
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21ラップ目にギュントーリはまたもファーステストを記録し、表彰台圏内の3番手を走るエリアスの背後に近づいた。

■エリアスを襲うギュントーリ

22ラップ目、先頭のカピロッシと2番手のド・ピュニエがそれぞれのポジションを安全に確保する中、エリアスとギュントーリの3番手争いは激しさを増し、S字コーナーで一度ギュントーリがエリアスの前に出るが、すぐにエリアスはV字のブレーキングでギュントーリを交わし、そのまま3番手のままヘアピンに向かう。

■好調の秋吉選手にメカニカルトラブル
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ここで7番手を走行していた秋吉選手がメカニカル・トラブルによりピットイン。無念のリタイアとなった。

■ギュントーリの勢いを押さえつけるエリアス

23ラップ目にはエリアスがファーステストを記録してギュントーリの追撃を抑え、レースはついに24ラップ目の最終ラップを迎える。


■優勝は絶望的と見られた日本GP3連覇を達成したカピロッシ
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最終ラップに大きな順位変動や波乱は発生する事なく、余裕の単独トップでチェッカーを受けたのは、絶妙のタイミングでマシン乗り換えの判断をしたドゥカティーのロリス・カピロッシだった。

■ド・ピュニエが自身初の2位表彰台を獲得、エリアスも表彰台を確保
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カピロッシから10秒遅れてチェッカーを受けたのは、念願だったMotoGPクラスでの初の表彰台となる2位を獲得したカワサキのランディ・ド・ピュニエ。後ろを振り返って追いすがるギュントーリをけん制したトニ・エリアスは、アッセンでの大腿骨骨折からの復帰後初の表彰台となる3位を獲得している。
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■先週の玉田選手の予選4位に続きギュントーリが決勝で4位を獲得

TECH3ヤマハのシルバン・ギュントーリは惜しくも初表彰台を逃したが、4ストロークMotoGPでのダンロップタイヤの最高位となる4位を獲得した。ギュントーリに続いてチェッカーを受け、5位を獲得したのはグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリ。


■ケーシー・ストーナーが2007年度チャンピオンに決定!
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メランドリに続き6位を獲得したドゥカティーのケーシー・ストーナーは、フィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシが13位でチェッカーを受けた事から、母国GPとなる2週間後のオーストラリアを含む残り3戦を前に2007年度年間チャンピオンの座を獲得した。
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■結果として苦戦する事になった日本人ライダー
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日本勢では、TECH3ヤマハの玉田誠選手が12位、プラマック・ダンティーンの伊藤真一選手が15位、コニカミノルタ・ホンダの中野真矢選手が16位、カワサキから出場の柳川明選手が17位で完走。日本勢の中でトップにつけていた秋吉選手は残念なリタイアとなった。
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■ブリヂストンが今回も圧勝、深刻化するタイヤ問題

ちなみに、今回はトップのカピロッシから11位のクリス・バーミューレンのうち、ダンロップを履く4位のギュントーリとミシュランを履く9位のニッキー・ヘイデンを除く全てのポジションがブリヂストン勢に占められており、ますますタイヤルールに関する問題提議が深刻化する可能性が高い。
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■ロッシの「深刻な問題」はミシュランの仕様レベル?

また、レース後にヤマハ・ワークスは、レース中にロッシが訴えたミシュランタイヤの深刻な問題は、実際には問題ではなく、タイヤそのものの性能だった事を明かしている。
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■マレーシアGP後にワンメイク化を決定したいDORNA

なおDORNAは、ブリヂストンの使用を希望していると思われるバイクメーカーの数社から、現在使用中のタイヤでは勝負にならないとの申し出を受け、もてぎでのレースウイーク中にこのタイヤに関する検討会議を開いており、2008年度からのワンメイク化(レースで使用するタイヤを一社に限定するルール)を真剣に検討している。

MotoGP公式の発表によればDORNAは、仮に2戦後のマレーシアでも今の不均衡に見える状況が改善されなければ、ワンメイク化の方向でFIM、IRTA、MSMA、および全タイヤメーカーに提案を行い、2008年度からの施行を実現するための合意を得たいとしている。


■翌日以降はもてぎ合同テスト

レース翌日からの2日間、引き続きMotoGPクラスの各チームはツインリンクもてぎに滞在し、メーカー合同テストを実施する予定だ(全ライダーの順位は結果表を参照の事)。


決勝時気温は21度、路面温度は24度、湿度は90%。路面状況はウェット-ドライ。
・もてぎのサーキットレコード(990cc)は2006年にV.ロッシが記録した1分47秒288
・もてぎのベストラップレコード(990cc)は2006年にL.カピロッシが記録した1分45秒724


■250ccクラスのレース内容
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250cc午後決勝
雨が弱まった午後のツインリンクもてぎでの日本グランプリ250ccクラスの決勝は、地元の日本勢にとってはやや厳しいレース結果となっている。


■ホールショットはポールシッターの青山周平選手

ポールポジションからスタートしたレプソル・ホンダの青山周平選手はオープニングラップの1コーナーでホールショットを奪ったが、続く2コーナーではコプロン・チーム・スコットのアンドレア・ドヴィツィオーゾが周平選手から前を奪い、トップに浮上している。

■トップ集団につける青山博一選手と高橋選手
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その後のヘアピンでは6番グリッドスタートからスタートしたKTMの青山博一選手が弟を交わし2番手につけ、博一選手のチームメイトであるKTMのミカ・カリオも続けて周平選手を交わし3番手につけた。8番グリッドからスタートしたコプロン・チーム・スコットの高橋裕紀選手もミカ・カリオに続き、周平選手は5番手に後退。
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3ラップ目の順位は先頭からドヴィツィオーゾ、2番手に青山博一選手、3番手にミカ・カリオ、4番手に高橋選手、5番手に青山周平選手、6番手にはレプソル・ホンダのフリアン・シモンが続いた。
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■全くペースの上がらないロレンソ

シモンの後ろの5番手にはポイントリーダーのホルヘ・ロレンソがつけるが、全く走行ペースが上がらず、周回ごとに順位を落としていく。
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ロレンソが10番手に転落し、その後ろをトーマス・ルティーとランキング3位のアレックス・デ・アンジェリスが走る5ラップ目、先頭のドヴィツィオーゾと2番手につける青山博一選手がやや前に抜け出し、その後ろを3番手に浮上した高橋選手、4番手のミカ・カリオが追う。その背後には後方からの追い上げを見せるチーム・トースのエクトル・バルベラが近づいている。

■先頭集団は5台、トップはドヴィツィオーゾ
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6ラップ目にヘアピンでバルベラがカリオを交わし4番手につけ、高橋選手は90度コーナーのブレーキングで青山博一選手から前を奪い2番手に浮上した。5台となった先頭集団の順位はドヴィツィオーゾ、高橋選手、青山博一選手、バルベラ、カリオの順となり、チーム・スコットがワンツー体制を築いた。
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■高橋選手がトップに

7ラップ目、バルベラはV字コーナーで博一選手も交わして3番手に浮上。バルベラに背後に迫られた高橋選手は8ラップ目の2コーナーでドヴィツィオーゾのインを奪いトップに浮上。この直後、後ろにつけていたバルベラもドヴィツィオーゾを交わして2番手となり、ドヴィツィオーゾは3番手に後退。

■ファーステストを連発して逃げる高橋選手
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ロレンソがデ・アンジェリスに交わされて11番手を単独走行する10ラップ目、ファーストストを記録しながら逃げる高橋選手をバルベラは必死の加速で追うその後方では、カリオがドヴィツィオーゾを交わして3番手に浮上した。4番手に後退したドヴィツィオーゾの背後には青山博一選手が迫る。
写真
高橋選手はバルベラ、カリオ、ドヴィツィオーゾ、博一選手の4台を引き離し先頭で加速していく。12ラップ目にカリオはバルベラに交わされて高橋選手の背後の2番手に浮上し、ほぼ同時にドヴィツィオーゾは博一選手に交わされて5番手に後退した。

■高橋選手の背後に迫るミカ・カリオ

写真カリオがバルベラ、博一選手、ドヴィツィオーゾの集団から抜け出してトップの高橋選手を追う中、博一選手はバルベラを交わして3番手に浮上した。順位は先頭に高橋選手、2番手にカリオ、3番手に博一選手、4番手にバルベラ、5番手にドヴィツィオーゾ。

■バルベラの飛び込みにひるんだ博一選手が5番手に

13ラップ目の3コーナー、バルベラは博一選手のやや強引にインに入り、それに気がつくのが遅れた博一選手はラインを外し、ドヴィツィオーゾにも交わされて5番手に後退した。ここでファーステストを記録したドヴィツィオーゾはバルベラを交わして3番手に浮上。

■抜き返す博一選手

14ラップ目に博一選手は90度コーナーのブレーキングでバルベラを抜き返し4番手に復帰。バルベラは5番手に後退し、前の4台からやや引き離された。

なお、9ラップ目に5コーナーで転倒して20番手付近に順位を落としていたマステルMapfreアスパルのアルバロ・バウティスタは、ここで15番手まで順位を挽回。
写真
バルベラが遅れ始めた16ラップ目の90度コーナー、トップ3となった高橋選手、カリオ、ドヴィツィオーゾの3台が熾烈なブレーキング競争を見せるが、順位は変わらずセカンドアンダーブリッジには高橋選手がトップで向かった。高橋選手の背後にはドヴィツィオーゾとカリオが接近している。

■カリオとドヴィツィオーゾが高橋選手の前に浮上
写真
17ラップ目、ドヴィツィオーゾが4コーナーでカリオの前に浮上するが、続く5コーナーでカリオがすぐにドヴィツィオーゾから前を奪い返す。さらに続く130Rでカリオは高橋選手からも前を奪いトップに浮上、この時にドヴィツィオーゾもひるんだ高橋選手の隙をついて2番手に浮上した。高橋選手は3番手に後退し、その背後には4番手の青山博一選手が接近している。

■バルベラがトップ集団から脱落

バルベラは先頭集団から大きく遅れて5番手を単独走行。

■博一選手が2番手に

18ラップ目に入ると先頭の4台が熾烈な順位争いを見せる。3コーナーでドヴィツィオーゾがカリオから前を奪いトップに立ち、博一選手はS字で高橋選手から3番手を奪った。19ラップ目の90度コーナーでは再びカリオがドヴィツィオーゾからトップを奪い返し、V字コーナー付近では博一選手がそのドヴィツィオーゾを交わして2番手に浮上。順位はカリオ、博一選手、ドヴィツィオーゾ、高橋選手の順に。
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■高橋選手が痛恨のコースアウト

ここで4番手を走行していた高橋選手がコースアウト。すぐに走行は再開したもののバルベラに4番手を奪われ、距離を大きく離されて5番手に後退。トップ争いから脱落した。

2番手の青山博一選手はカリオから前を奪おうと必死の走行を見せるが、先頭集団からカリオがやや抜けだし、22ラップ目に博一選手は1コーナーで大回りを喫してドヴィツィオーゾに2番手を奪われてしまう。
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■博一選手が転倒

3番手に後退した博一選手はすぐにドヴィツィオーゾを追いかけて猛チャージをかけるが、続く3コーナーの進入でスリップして転倒。ダメージを受けたマシンを押して必死にコースに戻り8番手からレースを再開している。


■日本GPを制したのはKTMのミカ・カリオ
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最終ラップの23周目、先頭を行くKTMのミカ・カリオは2番手のドヴィツィオーゾを大きく引き離し、5秒の余裕を持って日本GPを制した。
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■ドヴィツィオーゾは2位表彰台を獲得

それを追うコプロン・チーム・スコットのアンドレア・ドヴィツィオーゾは2位表彰台を獲得し、今回不調のポイントリーダーであるフォルツナ・アプリリアのホルヘ・ロレンソが11位でチェッカーを受けた事から、残り3戦を前にしてそのポイント差を36ポイントに縮めている。
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悔しい4位に終わったコプロン・チーム・スコットの高橋選手と、壊れたマシンで完走を果たし8位に終わったKTMの青山博一選手のトップ争いからの脱落から、3位表彰台はチーム・トースのエクトル・バルベラが最終的に獲得した。また、レプソル・ホンダの青山周平選手は、兄の博一選手の1つ後方となる9位で日本GPを終えている。


■ワイルドカードライダーの結果

日本人のワイルドカードライダーは、Will access with Plus Myuの及川誠人選手が12位、Malossi&Spruce&Pro-Tecの宇井陽一選手は14位、Tec2&九州共立大学の濱本裕基選手は20位で完走。バーニング・ブラッド・レーシングの高橋巧選手は3周を走行して転倒リタイアしている。

(全ライダーの順位は結果表を参照の事)


決勝時気温は20度、路面温度は23度、湿度は95%。路面状況はウェット。
・もてぎのサーキットレコード(250cc)は2000年に中野真矢が記録した1分52秒253
・もてぎのベストラップ(250cc)は今回青山周平が記録した1分51秒327


■125ccクラスのレース内容
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125cc午後決勝
前日までの2日目の青空は雲に覆われ、午前中から雨となったツインリンクもてぎで行われた125ccクラスの日本グランプリ決勝、勝利を獲得したのはポール・ポジションからスタートしたポラリス・ワールドのマティア・パッシーニだった。


■先頭のパッシーニの背後につけた小山選手は徐々に後退

オープニングラップでホールショット奪ったパッシーニの後ろには2番グリッドからスタートした小山知良選手がつけたが、小山選手は2周目には7番手に後退し、その後もペースが伸びずに周回ごとに順位を落としていく。

■パッシーニ対アスパル勢の構図に
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4ラップ目にトップ集団はパッシーニと3台のバンカハ・アスパルの3台、ポイントリーダーのガボール・タルマクシ、ランキング2位のエクトル・ファウベル、セルジオ・ガデアの4台に絞られ、それをコプロン・チーム・スコットのマイク・ディ・メッリオが追う展開となりった。

■ガデアがトップ集団から脱落
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6ラップ目の最終コーナー、4番手を走行していたガデアがスリップして転倒。慌てて走行を再開したが、先頭集団からは脱落した。
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■レース中盤にファウベルが大きく後退

10ラップ目、先頭を逃げるパッシーニをタルマクシが追う中、トップ集団の中で3番手を走行していた筈のエクトル・ファウベルが大きくポジションを後退してトップ集団から離されて4位に。3番手にはディ・メッリオが浮上。
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■タルマクシから2番手を奪ったディ・メッリオが転倒

タルマクシがパッシーニついて行けなくなりペースを落とした15ラップ目、タルマクシから2番手を奪った直後のディ・メッリオが5コーナーで転倒。ディ・メッリオはすぐにコースに戻ったがトップ集団からは脱落した。
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■ディ・メッリオの転倒によりファウベルが表彰台圏内に

パッシーニは20ラップ目までに2番手のタルマクシから3秒の差を開いてトップを快走。ディ・メリオの転倒により3番手に浮上したファウベルはタルマクシの10秒後方を単独走行し、上位のライダーの順位はここから変わる事なく最終ラップの22周目を迎える事になった。


■パッシーニが優勝、2位はタルマクシ、3位はファウベル
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優勝はチームのピットに激しく手を振りながらチェッカーを受けたポラリス・ワールドのマティア・パッシーニ、ポイントリーダーであるバンカハ・アスパルのガボール・タルマクシは2位表彰台、タルマクシのチームメイトでありランキング2位のエクトル・ファウベルは3位表彰台を獲得した。

■小山選手は14位
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予選ではドライ・コンディションで好調だったKTMの小山知良選手は、残念なウェット路面となった母国レースで最終的に14位のポジションでチェッカーを受けている。
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この結果、タルマクシの総ポイント獲得数は229ポイント、ファウベルは220ポイントとなり、125ccタイトルを争うその差は残り3レースを前にして9ポイントとなっている。小山選手はランキング3位となる156ポイント。


■年間ランキングで小山選手の順位をおびやかすパッシーニ

今回優勝したパッシーニは急激に年間ランキングのポジションを上昇しており、小山選手と僅か12ポイント差のランキング4位に浮上した。

なお、ランキング6位につけるデルビのルーカス・ペセックは、このレースの中で2回転倒しているが、順位は12位で完走している。
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■ワイルドカードライダーの結果

日本人のワイルドカードライダーの順位は、DyDo MiU Racingの渡辺一馬選手が18位、Tec2&Ogiyaの水野那由大選手は20位、Project Myu FRSの富沢祥也選手が22位で完走を果たし、HONDA鈴鹿レーシングの浪平伊織選手とMetallico 18 Garageの柳沢 祐一選手は転倒リタイアに終わっている。

(全ライダーの順位は結果表を参照の事)


決勝時気温は19度、路面温度は22度、湿度は96%。路面状況はウェット。
・もてぎのサーキットレコード(125cc)は2006年にM.カリオが記録した1分57秒666
・もてぎのベストラップレコード(125cc)は今回M.パッシーニが記録した1分56秒954



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