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2007年9月21日
今期はレースウイークの初日からトップタイムを連発する事が恒例となっていたドゥカティー・ワークスだが、昨年までの990ccマシンでは絶好調だったツインリンクもてぎでの今年の1日目は、若干セッティングに苦しむ姿をケーシー・ストーナーとロリス・カピロッシの2名が揃って見せている。
■今期の傾向とは異なり初日のセッティングに苦しむストーナー
日曜日のレースで15位以上を確保し、ロッシの前でチェッカーを切る事のみを条件に年間タイトルが決まるケーシー・ストーナーは、日本GP1日目の午前中は好調のペドロサに続く2番手タイムを記録していたものの、午後にセッティングを変更してからは作業の方向性を見誤り、大きく改善を進める事ができなかったという。午後のセッションでストーナーが記録したタイムは1日目の5番手タイムとなる1分48秒444だった。
■カピロッシはエンジン出力特性の調整が課題
また、楽に速く走れたと述べるロリス・カピロッシは、今回も今シーズンを通しての課題であるエンジン出力特性の調整に取り組んだようだが、納得のいくセッティングには到達できていない様子だ。カピロッシのこの日のタイムは総合7番手となる1分48秒499。
■ストーナー「全般的に改善が必要」
翌日にはセッティングをこの日の午前の状態に戻し、作業をやり直すというケーシー・ストーナーは、2日目の作業には自信を示しながらも、1日目に抱えたのセッティング上の問題はあまり小さくはない事を明かしている。
なお、あまり機嫌の良くなかったストーナーは、午後のセッション序盤に自分の走行ラインをやや遅いペースで走行していたカルロス・チェカに対して、激しくキックをする仕草を繰り広げており、抗議の仕草を見せたチェカに対してさらにこぶしを振り上げるなどして怒りを顕わにしている。ちなみにチェカは、今シーズンのアメリカGPでもキックの鬼と化したジョン・ホプキンスから同様の攻撃を受けて悲しがっていたが、今回のストーナーの仕草に対してチェカは「なんで怒られたのか分からないが、落ち着いてタイトル争いに集中して欲しい・・・」とセッション終了後に述べている。
「今日はちょっとがっかりですね。いいセッティングを見つける事ができずに袋小路に入り込んでしまった感じでした。」とストーナー。
「午後はシャシーの調整で何とかしようと試みましたが、それもうまくいきませんでしたし、午前の時と全く同じセッティングに戻す時間も残ってなかったので、セッティングを色々調整するのにばかり時間を取られてしまい、あまりいい1日とは言えませんでした。」
「正直に言えば、自分たちの抱えている大きな問題は一部分だけではなく、全般的な改善が必要な状態です。だから明日は今日の午前中のセッティングからやり直して、今日とは別の方向性で作業を進めるつもりです。」
「午前のセッティングは決して悪くありませんでしたから、明日に改善を進める自信はあります。」
■カピロッシ「低速トルクが必要」
昨年までに日本GPでは2連覇を達成しているロリス・カピロッシは、もてぎでの課題は低速域でのトルク特性向上だとしている。
「今回のここでは全く今までとは異なるセッティングを試しました。」とカピロッシ。
「ホプキンスの後ろで一緒に4周か5周を走っていたうちの1人ですが、そんなに激しく攻めなくてもすごく速く走れました。いずれにしても、明日にもう少しセッティングを変更すれば、さらにタイムを縮めるチャンスはある筈です。」
「まだエンジン出力の特性に苦しんでいるので、難しい状況は変わりません。このサーキットでは低速域で大きなパワーを得る必要がありますが、自分たちはその面で十分とは言えませんし、走りに制限が生じています。この辺りの問題点を改善できるようにセッティングを調整し、もっとトルクが上がるように頑張ります。」
「また、今回はミッションの調整を若干行いました。チームの反応は素晴らしく、色々多くの事を試していますので、明日はさらに改善が進む事を願っています。」
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