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2007年9月23日
9月22日の午後、栃木県のツインリンクもてぎにおいて、気温32度、路面温度45度、湿度45%の晴天のドライ・コンディションの中、MotoGP日本グランプリの最終予選が行われている。
ここでは、予選後の1列目から4列目までの各ライダー、および日本人ワイルドカード参戦ライダーの本日の決勝レースに向けてのコメントを以下に紹介する(予選結果および時系列的な予選の詳細レポートはこちらの記事を参照の事)。
■1列目
●ポールポジション)ダニ・ペドロサ レプソル・ホンダ RC212V
ポールポジションを獲得できて本当に嬉しいです。1列目をしばらく逃していましたからね。今日はチームにとって本当に全てが順調でした。
今日はレースタイヤの選択作業を中心に行いましたが、今週はここまでにどんな路面状況でも速く走れる感じです。
レースタイヤの最終決定には明日の天候がどうなるかを見る必要はありますが、今の調子はすごくいいし、同じタイヤで多くの周回数をここまでに走り込んでいるので、明日のタイヤの耐久性についても問題がない事を期待しています。
レースに向けての準備はすごく好調ですが、決勝で何が起こるかは分かりません。気象条件が変わりそうな気配ですし、以前に1コーナーのアクシデントもここでは発生していますからね。
きれいに1コーナーを抜けて、ホンダのホーム・サーキットでいいレースができる事を願っています。
●2番グリッド)バレンティーノ・ロッシ フィアット・ヤマハ YZR-M1
かなり好調ですよ。昨日のトラブルの後にこの結果が獲得できて本当に嬉しいですね。ひどく苦戦しましたが、まわりのみんなの必死の頑張りで今日はものすごく状態が良くなりました。
何個所かに調整を施してからはスロットルをうまく使えるようになり、タイヤからグリップも得られるようになりました。実際、今日はタイヤの状態が本当に良くなっていたので、自分の思い通りにM1を操れていいリズムをつかむ事ができています。
特に午前中の進歩が大きかったです。午後にも新しい事を試しましたが、それはあまりうまくいきませんでしたけどね。
今の段階ではペドロサのリズムの方が自分よりも若干良さそうですね。だからまだ数点試す事は残っていますが、自分たちがすごく好調なのは間違いありませんし、レースで重要な鍵となる1列目の確保はできました。
2本目の予選タイヤで2周回できたので、今回の予選タイヤにはとても満足できています。ミシュラン新しいタイヤを持ち込んで2周目にアタックするようアドバイスしてきたんですが、実際にそれがうまくいったので、これはすごい励みになりましたね。
今はレースが本当に楽しみです。この暑さの中では厳しいレースになるでしょうが、全力で戦って展開を見たいと思います。
●3番グリッド)ニッキー・ヘイデン レプソル・ホンダ RC212V
チームにとにかく感謝の気持ちを伝えたいです。彼らは今朝は最初からものすごく大きな改善を進めてくれましたし、おかげで昨日よりもずっと楽に走れるようになりました。
ただ、今日の2本目の予選アタックについては完璧に納得できている訳ではありません。最初の2区間はすごく順調でしたが、最後の区間で小さなミスを犯してしまい、十分にタイムを出し切れませんでした。
それで1本目の予選タイヤの時からそれほど大きくタイムを2本目で縮める事ができませんでした。まわりのライダーたちの勢いもありましたしね。
いずれにしても、1列目に並べた事は嬉しいです。これで4回連続ですし、バイクやタイヤ、それに他の全ても順調に機能してくれていますから、今は明日のレースが楽しみで仕方がありません。
まわりのライダーたちも速そうですから、明日は難しいレースになるでしょうね。自分たちのパッケージからそれに十分戦える何かを引き出せるよう願っています。今日の午後にはレースタイヤでもいいラップタイムを何回か刻んでいますから、明日が楽しみです。
■2列目
●4番グリッド)ランディ・ド・ピュニエ カワサキ ZX-RR
すこし残念ですね。1列目に入りたかったし、可能だったと思います。
最終ラップを全力でアタックしてすごく順調だったんですが、チェカが自分の前に現れてコンマ何秒かをロスしてしまい、結局それはだめでした。でも、このポジションなら問題ない事を願いたいですね。
ブリヂストン勢の中で一番高いグリッドを獲得できたのでとても嬉しいです。今週はスタッフ全員がここまでに素晴らしい仕事をしてくれているので、バイクはとても乗りやすく感じますし、レースタイヤも好調ですから、明日はうまくいく事を願っています。
●5番グリッド)トニ・エリアス ホンダ・グレッシーニ RC212V
難しい予選でしたが、セッションの終盤には正しい方向性をつかむ事ができました。
5番グリッドには満足しています。今週は予選でいいポジションを確保する事を第1目標として作業を進めてきましたし、自分たちにはそれがすごく重要でした。
チームが順調に仕事を進めてくれているので、明日のウォームアップでもさらにもう少し改善が進められるように頑張ります。このサーキットは好きですから自信はありますし、自分の体調を考えれば今日の結果についても喜ぶべきでしょうね。
まだ左足の痛みには苦しんでいますが、ここの暑さのせいで余計にそれが辛い状況と言えますね。
●6番グリッド)アンソニー・ウエスト カワサキ ZX-RR
明日はここまで暑くはなって欲しくないです。レースが全体を通してすごく大変な事になるでしょうからね。
ここまでの何戦かは正しいセッティングを見つけるのにひどく苦しみましたが、今回の内容には満足できていますから、明日はいいレースができると思います。
自分は早い段階で予選タイヤを履いたので、セッションの残り数分のところでは他のライダーたちがもっとタイムを縮めてくると思っていました。でも、実際にはほとんどのライダーのタイムはそれほど伸びなかったので、結局2列目に残る事ができましたね。
レースをスタートするには最高の場所ですから本当に嬉しく思っています。
■3列目
●7番グリッド)コーリン・エドワーズ フィアット・ヤマハ YZR-M1
今日は新しいタイヤの面で本当に重要な進歩がいくつか得られました。それの使い方もそうですし、ベースセッティングの面でも改善が進んだと思います。少しだけバイクの組み直しも行い、そのおかげで色々な部分の調子も上がりました。
午後の序盤は本当に難しい状況でしたね。可能な限り激しく攻めて走ったのにペースが2秒も落ちてるんですよ!それで違うタイヤを装着してみたんです・・・レースで使う予定のものですが、そしたら突然大きくタイムが縮んだんです。
ここのコースはタイヤやセッティングの変化にものすごく挙動が敏感ですから、とにかくその鍵を見つけ出す必要がありますね。
1本目の予選タイヤは問題ありませんでした。そして2本目でもっと速く走れていると思ったところで、コース上の他のライダーたちに出くわしたんです。彼らは別にペースを落とさせるような事はしなかったんですが、自分の集中力の鋭さが若干そこで途切れてしまい、少しタイムをロスする事になってしまいました。
チームのスタッフに大きく感謝しています。自分が走っている時にもピットの中で必死に頑張ってくれていましたし、今日はすごくいい仕事をしてくれました。
●8番グリッド)ロリス・カピロッシ ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ
チームの頑張りには感謝しなければいけないと思います。今週もまたエンジン出力まわりの特性が自分の乗り方に合わずに苦しみましたが、スタッフのみんながすごく状況に機敏に反応し、注意深い仕事を進めてくれたおかげで、若干の進歩を得る事はできましたからね。
小さなセッティングの変更を何回も繰り返し、最終的には自分の納得のいくペースをレースに向けてつかむ事ができました。もちろん自分のリズムはそれほど速くはありませんが、48秒台前半はそんなに悪くはないです。
明日のレースでは問題のないリズムだと思っています。
●9番グリッド)ケーシー・ストーナー ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ
今日は何をやってもバイクからいい感触が得られませんでした。
かなりイライラしました。というのは、2本目の予選タイヤのアタックではタイムが縮まると思ったのに、セッティングに加えた変更の影響でブレーキングが難しくなってしまい、それで最後のシケインに入った時にギアが戻せず、最終コーナーで大失敗してコンマ5秒以上をロスする事になったからです。
タイヤはそんなに悪い状態ではありませんが、正直朝に試したセッティングならものすごく調子が良かったんです。なのに午後のセッションに入った途端にそのセッティングが正しく機能しない状態になり、その問題を見つけるのにひどく苦しみました。
もう少し改善できる事は確かですから、午前のウォームアップでは別の方向性で解決策を探るつもりです。明日の朝にそれができれば3列目からのスタートはそれほど大きな問題にはならない筈です。
普段からいいスタートを決めて何人かを交わしていますし、それで先頭に抜け出す事ができていますからね。
■4列目
●10番グリッド)マルコ・メランドリ ホンダ・グレッシーニ RC212V
納得のいくレースペースで走る事はできていますが、明日は残念ながら少し低めのグリッドからスタートする事になってしまいました。予選タイヤの装着時にバイクがはね回る感じになり、バイクの性能を引き出して走る事ができなかったんです。
このサーキットでは前の方の列からスタートする事が重要ですから、この結果には本当にがっかりですね。満足できているとはとても言えませんが、でも頑張り続けます。
明日はウォームアップの時間を最大限に活用して、バイクの調子をさらに上げられる何かを見つけたいと思っています。それさえできれば、後はレースでいいスタートを決めるだけです。
ここのコースは好きですが、明日のレースは大変でしょうね。
●11番グリッド)ジョン・ホプキンス リズラ・スズキ GSV-R
今週はフリー・プラクティスでの調子がすごく良かったし、順調にここまで来たと思います。ブリヂストンとは明日に向けて最良のセッティングが見つけられるように、一緒に頑張ってきました。
午後には予選タイヤを装着時にいくつか問題を抱えてしまい、全力を出し切る必要に迫られました。最初のアタックでは最終コーナーでミスをしてしまいコンマ何秒かをロスしましたが、あれさえなければ1つか2つは前のグリッドにつけた筈ですよ。
レースに向けては過去何戦かと特に違いはありません。頑張っていいスタートを決めて、まわりの誰も逃がさないようにするだけです。他に負けないペースで走れるのはもう分かっていますからね!
●12番グリッド)中野真矢 コニカミノルタ・ホンダ RC212V
今日は大変な1日でした。まわりのラップタイムも急激に良くなりましたからね!
予選タイヤの1本目は第1区間と第2区間でいいタイムを出す事ができましたが、続く第3区間と第4区間の下り坂でブレーキングの安定性に問題を抱えてしまたんです。それで高い速度のままコーナーに進入するのが難しくなり、全体のラップタイムに影響が出てしまいました。
明日はバイクのフロントのセッティングを何点か変更して、ブレーキングの性能改善を行うつもりです。
もてぎではいいスタートを決める事が重要です。ここは追い抜きがかなり大変ですからね。
■日本人ワイルドカード
●5列目13番グリッド)秋吉耕佑 リズラ・スズキ GSV-R
今日は1日を通してラップタイムを上げ続ける事ができましたから、明日はトップ10が狙える筈ですよ。
今週は本当に楽しく過ごす事ができました。本当はもう少し上のグリッドが良かったんですけどね。800ccマシンでは予選タイヤのテストをあまり経験してこなかったので、どこまで速く走っていいのか今ひとつ分からなかったんです。多分もっと速く走れたんでしょうね!
●7列目19番グリッド)柳川明 カワサキ ZX-RR
まだ完全にマシンの性能を引き出す事ができていませんし、今日のランディやアンソニーのようにはいきませんでした。自分のライディング・スタイルをこのバイクに合わせる事が今もできていないんです。
例えば自分は硬めのサスペンション設定が好みなんですが、このバイクはそういうセッティングが適さないんです。だから昨日は「妥協が必要」って言ったんですよ!
レースに向けては柔らかめのフロントと、リアにはミディアムを選んでいます。予選タイヤは2本使い、それでタイムを1秒縮める事はできましたが、本当はスロットルをもっと大きく開けなきゃいけないんでしょうね。
ここの気象条件には慣れていますが、このバイクには慣れていないんですよ!でも、もちろん全力で戦います!
●7列目20番グリッド)伊藤真一 ダンティーン デスモセディチ
基本的なセッティングに関してもいい部分が見つかっていません。それにミッションの組み合わせ調整もあまり精度が出ていなかったので、明日にはもっとドゥカティーGP7の性能が引き出せるように頑張るつもりです。
ベースセッティングがさらに良く仕上がるように、午前のウォームアップを使って色々な部分を調整したいと思います。
もし明日のレースが雨なら、スタートをうまく決めていい結果を狙いたいです。自分はウェットが得意ですからね。ただ、濡れたアスファルトはリスクが高いですから、そういう不確定要素がレースの結果に色々な影響を及ぼす可能性はありますね。
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