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カワサキ「なんで最後尾を争ってるの?」
インテリマーク編集部
2007年3月30日

カタールの開幕戦でリタイアを喫し、ノーポイントに終わったカワサキ・レーシング・チームのランディー・ド・ピュニエは、第2戦目のスペイン・グランプリではリスクを負う事を自制し、まずは今シーズン最初の完走を13位で終えている。
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■レースウイーク初日に問題を抱えたカワサキ

2月のIRTAテストではヘレス・サーキットで好感触を得ていたカワサキ勢は、期待を持って今回のスペイン・グランプリに挑んだが、レースウイーク初日の金曜日にプレシーズン中には発生していなかったマシンの問題に直面したようだ。

■転倒のリスクを避ける事も重要
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この状況を受け、依田一郎レーシング・ディレクターは2人のライダーのレースでの目標を変更しており、まずは転倒などのダメージを避ける事を第1優先とし、その上で、できる限りの成績を狙うという方針を打ち出している。これは、カタールで転倒したランディー・ド・ピュニエに、トップ10入りを狙う事も重要だが、まずはリスクを避けて完走できる走りを狙うように話した時と、それほど方針に大きな違いはないとも言えるだろう。


■それでも果敢にバトルを繰り広げたド・ピュニエ

しかしながら、ド・ピュニエはレースウイーク中にマシンの改善を大きく進められた事に自信を示しており、レースでは激しい攻めの走りを見せ、果敢にトップ10入りを争っていた。最終的には中盤にミスを2回犯した事からその9位争いのバトルから後退する事にはなったが、13位で今年最初の完走を果たしている。
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■目前でロバーツ・ジュニアのトラブル

なお、ド・ピュニエはケニー・ロバーツ・ジュニアがマシントラブルを起こしてストールしかかった時に真後ろを走行しており、ロバーツとの衝突を避けた事による1秒のタイムロスさえなければ、さらに上の順位が狙えたようだ。


■全くいいところのなかったジャック
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ド・ピュニエが激しい争いを中間の集団で見せる中、全くいいところがなかったのがド・ピュニエのチームメイトのオリビエ・ジャックだ。ジャックはレースウイークを通してIRTAテストの時以上にリアのトラクション不足に苦しみ、レース中はTECH3ヤマハのシルバン・ギュントーリ、玉田誠選手、およびスズキのテストライダーである秋吉選手に交わされて、最後までそれを追い続けている状態だった。
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■バルトレミーはジャックとは異なる見解

最終的には、転倒してからレースに復帰した事から最後尾につけたリズラ・スズキのジョン・ホプキンスの前でチェッカーを受けたオリビエ・ジャックは、「マシンの不調からあまり上の成績は期待していなかった」と述べているが、カワサキ・レーシング・チームのコンペティション・マネージャーであるミハエル・バルトレミーは、今回のジャックが見せたような戦いへの姿勢は望んでいない様子だ。


13位)ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング ZX-RR

レース残り数周のところで、マシントラブルによりコースを横切る形で失速したケニー・ロバーツ・ジュニアを避け、それがきっかけとなりストレートの加速でロリス・カピロッシにも抜かれる事になってしまったランディー・ド・ピュニエは、今期初の完走を終え、レースウイーク中に抱えていたマシンの問題を早期に解決したいとコメントしている。
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「順位も維持できていましたし、レースの序盤は他のライダーよりも速いペースでした。でも、ここは追い抜きが難しいんです。」とド・ピュニエ

「ミスはもうしたくなかったんで、他のライダーたちの背後についていたんです。残り10周までは集団について行けたんですが、リアタイヤが消耗してからはミスをしてしまい、タイムをロスしました。」

「そこからもう一度激しく攻めて、再び集団に追いついたんですが、残り4周のところで何が起こったのかは知りませんがロバーツのバイクが止まってしまい、それを避けるのにまた1秒くらいタイムをロスしたんです。それでカピロッシに追いつくチャンスを与える結果になり、カピロッシのバイクはこっちよりパワフルでしたから、バックストレートで彼を抑える事ができませんでした。」

「良かったのは、バイクの性能が少し上がっている事ですね。でも、今週に抱えた全ての問題に対して、これから解決策を見つける必要があります。」


18位)オリビエ・ジャック FRA カワサキ・レーシング ZX-RR

レース3周目の段階でタイヤが全くグリップしなくなったというオリビエ・ジャックは、レースウイーク中の状況からあまり高い成績が望めないのは分かっていたが、それでも残念な結果だったと述べている。

「厳しいレースウイークになりました。」とジャック
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「今回のレースでは、あんまり上の成績は期待していなかったものの、それでも少しがっかりです。」

「スタートはうまくいったんですが、たった3周で完全にグリップがなくなり、どのコーナーでもリアタイヤはホイールスピンばかりしていました。コーナーの出口でどんどん順位を落とし、周回を終える毎に状況はひどくなるばかりでした。また、自分もいくつかミスをしています。ブレーキングで挽回しようとしたんですが、それは無理でした。」

「スライド・コントロールはすごく良くできていて、乗っていて楽しめましたが、ラップタイムの観点から言えば、まだ十分に効率的とは言えない状態です。最終的にタイヤはボロボロでしたが、なんとか完走だけはできたという感じですね。」

「今週は何が原因でここまで最悪だったのか分かっていませんが、幸いここではまだ2日間テストができるので、そこで問題を整理したいと思っています。」


■カワサキ・コンペティション・マネージャー ミハエル・バルトレミー

転倒後にレースに復帰したリズラ・スズキのジョン・ホプキンスを数えなければ、実質の最後尾である今回のオリビエ・ジャックの成績について、カワサキ・レーシング・チームのコンペティション・マネージャーであるミハエル・バルトレミーは厳しい見解を述べている。
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「まだ私たちのNinja ZX-RRに改善の余地がいくつかある中で、今日のランディーはリスクの少ない走りで彼の成長を見せると共に、今シーズン初のポイントを獲得しています。」とバルトレミー

「ただ、ランディーはなんとか数ポイントを稼ぐ事ができましたが、オリビエにはそれも難しい状況だったようです。これからチームで彼とはしっかりと話し合い、なぜ今日はランディーと同じようなラップタイムで走れなかったかを、調査したいと思います。カワサキは最後尾に近い成績を取るためにここに来ている訳ではありません。ですから、もし何か問題があるのなら、解決策を見つける必要があるんです。」

「ここでは、2人合わせてもう少し良い結果で終われる可能性もあった事は確かです。ええ、今週にいくつか問題を抱えていたのはその通りです。ただ、パッケージが完璧であろうとなかろうと、ここには戦いに来ている訳ですし、どのレースにおいても、可能な限りの最高の成績を収める事が託されているんです。」


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