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２００７年３月２９日
コニカミノルタ・ホンダの中野選手にとって、今回のスペイングランプリはレースウイークを通して、多くの意味で厳しい戦いとなったようだ。
■協議を重ねるコニカミノルタ・ホンダ
初日午後のフリー・プラクティス２ではサスペンションのセッティング変更後に中野選手はフロントの感触が得られなくなり、その時のタイムは１９番手と低迷している。状況を重く見たチームと中野選手はこの直後に議論を重ねており、この結果、チームはマシンのセッティングはIRTAテスト当時のものに戻す事を決定し、中野選手にはコーナーの進入速度を抑える事でアクセルを開けるタイミングが遅れるのを防ぐようにした方が良いとのアドバイスが出されている。
■２日目に効果は出たものの３日目午前に転倒
翌日の予選では７番グリッドを獲得するまでにタイムを挽回し、初日に検討された対策の効果は早くも表れたかに見えたが、やはりコーナリング速度を下げたくない中野選手は、レースを午後に控えた最終日午前のウォームアップ中にコーナーへの進入速度を上げようとしてフロントを失い転倒。
その影響からか、中野選手は午後のレース序盤にはあまりペースを上げる事ができず、終盤からの追い上げを強いられる結果となったが、フロントタイヤのチャタリングに苦しむ中で最終ラップのコントロールライン近くでバロスを交わし、最終的には開幕戦のカタールと同じ１０位でチェッカーを受けた。
■現在のセッティングでは中野選手の希望を実現できない
レースを終えたチームは、現在のマシンのセッティング内容では、中野選手の希望するコーナリングやライディング・スタイルを実現できない状態にある事を認め、今後はフロントタイヤとマシンのセッティングを見直す一方、ミシュランとホンダにも協力を求めたいとしている。
■コニカミノルタ・ホンダチームオーナー ジャンルカ・モンティロン
コニカミノルタ・ホンダのチームオーナーであるジャンルカ・モンティロンは、中野選手のコーナーへの進入速度に見合った深さのリーンアングルが現在のパッケージでは実現できていない事が、現在の最大の課題であるとコメントしている。
「一般的にライダーは、転倒してからすぐに調子を取り戻してもう一度激しく攻めるのは難しいものですが、今回のシンヤがその状況でした。」とモンティロン。
「先頭集団での争いを期待していただけに、今回の結果には満足は出来ませんが、明日のテストが今後の役に立ってくれる筈です。」
「今までとは全く違ったセッティングを試してみる必要があるかもしれませんね。シンヤがコーナー進入時にマシンを傾けられないのが今の最大の問題ですが、私たちのテクニカルパッケージの現状では、シンヤに思い通りのライディングをさせる事ができていないんです。」
「多分、彼がライディングスタイルを少し変えることも必要でしょうし、同時にパートナーであるホンダとミシュランとも、一緒に解決策を見つける必要があるのかもしれませんね。」
１０位）中野真矢 JPN コニカミノルタ RC212V
午前の転倒から立ち直り、レースの後半にはいいリズムをつかみかけたという中野真矢選手だが、その後はフロントのチャタリングに見舞われて、他のライダーについていくのがやっとの状態だったという。
「今日も難しいレースでした。」と中野選手。
「朝のウォームアップで転倒したのは、コーナーの進入時のスピードを上げようとしてフロントを失ったからです。レースではスタートはうまくいったんですが、転んだばかりだったので序盤は激しく攻めるのが難しい感じがしていて、それで順位を少し落とすことになりました。」
「バイクにいい感触が持てるようになってからは、もう一度激しく攻めようとしたんですが、今度はフロントにチャタリングが出始めてしまい、なんとか最終ラップにはバロスを交わして１０位にはなれましたが、他のライダーについていくのがやっとの状態でした。」
「終盤にはいいペースに戻りましたが、コーナー進入時のスピードがもっと欲しいところです。エンジンは全体的に調子が良くて安定していますが、シャシーからはもっといい感触が得られないとだめでしょうね。」
「浮き沈みの激しい週末でしたが、チームは何とかしようと頑張ってくれていますし、これから一緒に問題解決に取り組むつもりです。ポイントを取れたのは重要でしたが、出来るだけ早く自分の好みのバイクに仕上げないと、もっと激しく攻められないと思います。」
■コニカミノルタ・ホンダ技術監督 ジュリオ・ベルナルデッレ
チームの技術責任者であるジュリオ・ベルナルデッレ監督は、現在のチームのマシンのセッティングが中野選手のライディング・スタイルには合っていない事を深く理解しており、早急に対策を取りたいとコメントしている。
「最初の１０周はシンヤはバイクに自信が持てない様子でしたが、レースの終盤は激しく攻められるようになって調子も上がりました。」とベルナルデッレ監督。
「シンヤは依然としてコーナー進入時のスピードをもっと上げたいと考えており、現在のマシンのセッティングが彼のライディングスタイルにぴったり合うものでないことは分かっています。」
「この点については、すぐに作業を進める必要がありますし、そのためにはフロントタイヤとマシンセッティングを見直さなければなりませんが、ミシュランには、もっとシンヤに合ったタイヤの準備を依頼できる可能性もあります。ミシュランとは既に話をしていますが、ただ、これには時間がかかります。」
「明日もこのままここでテストを続けて、マシンをさらに改善できるようにリアタイヤをいくつか試すつもりです。」
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