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2007年3月29日
24歳の誕生日を翌日に控えた地元のスペイン・グランプリで、グレッシーニ・ホンダのトニ・エリアスは、スペインの観衆の熱狂的な声援を受け、その期待に十分に応える走りを地元のファンに見せつけている。
■ペドロサと同様に地元観衆を沸かせたエリアス
エリアスは3列目スタートとなった残念な予選の翌日、3月25日の決勝レースでは安定した速いペースを維持し、ドゥカティーのケーシー・ストーナー、ホンダLCRのカルロス・チェカ、チームメイトのマルコ・メランドリを順番に交わすと、14ラップ目には4位を争うレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンとジョン・ホプキンスのバトルに加わった。
■表彰台まで1.5秒の4位、ブリヂストン勢ではトップ
ホプキンスの転倒後、エリアスは昨年度チャンピオンのヘイデンを交わし、レース終盤に向けては3位を走行するフィアット・ヤマハのコーリン・エドワーズの背後にまで迫る勢いを見せ、最終的にはエドワーズから1.5秒差の4位を獲得している。
表彰台は惜しくも逃したものの、エリアスの地元に声援に押されての勢いは、15戦ぶりの表彰台を目前にしたエドワーズを怯えさせるのには十分な走りだったようだ。前回のカタールではレース中盤から全くタイヤが持たなくなり、次々と順位を落として落ち込んでいたエリアスだけに、今回のタイヤの持久力と追い上げ型のレースの内容には、本人も非常に満足している様子だ。エリアスの今回の成績はブリヂストン勢の中ではトップだ。
■ブレーキングとブロックのメランドリ
また、レース当日の午前のウォームアップではトップタイムをマークし、レースでの好成績を期待していたエリアスのチームメイトのマルコ・メランドリは、ヘレスのレースでもカタールの時と同様に思うようにトップスピードが得られず、ブレーキングで挽回を試みたものの、早めにフロントタイヤを使い果たし、同じ集団を走行していたストーナーやチェカのペースにはついて行けなくなっている。
■ヘイデンの後方で8位をキープ
ストーナーとチェカは、前方の5位を走行していたペースの上がらないヘイデンを追い抜いたが、メランドリは最終的に、ヘイデンの後ろで8位をキープするのが精一杯だったようだ。
4位)トニ・エリアス SPA ホンダ・グレッシーニ RC212V
昨シーズンのポルトガルでの初優勝の時と同じく、勢いのある走りを今シーズンは第2戦目から地元で見せる事に成功したトニ・エリアスは、開幕戦のカタールとは異なり、今回は序盤を大事に走って、後半のペースにつなげたようだ。
「今日は本当に満足ですね。」とエリアス。
「チームとの作業もはかどりましたし、カタールのレースの時と比べればかなり成長できたと思います。」
「スタートがあまり良くなくて、タイヤも最初はなかなか温まりませんでしたが、安定したペースで走ることを心がけて、出来る限り順位を挽回する事だけを考えていました。」
「先頭集団のペースはすごかったですね。でも、他のライダーが問題を抱え始めた頃にも自分はそのままのペースを維持できていたので、ストーナー、チェカ、メランドリ、それからヘイデンを交わすことが出来たんです。」
「ブリヂストン勢の中ではトップでしたから、とてもいい結果ですよね。チームと一緒に頑張りましたが、まだまだ改善はできますよ。」
8位)マルコ・メランドリ ITA ホンダ・グレッシーニ RC212V
期待外れの8位に終わったマルコ・メランドリは、レース翌日から2日間の日程で行われたヘレスの合同テストで、開幕戦から抱えていたマシンの課題解決に取り組んだようだ。
「もっといい結果が出せると思っていたので今回の成績にはがっかりです。」とメランドリ。
「今朝のウォームアップでは本当に速く走れて自信があったんですが、レースでは残念ながらカタールの時と同じ問題が発生して苦しみました。順位を挽回するのには激しいブレーキングが必要でしたから、それでフロントタイヤを使いすぎてしまったんです。」
「明日もここでテストがありますから、今までとは違う解決方法を何点か試してみます。特にトルコのレースに向けて、フォークまわりの作業に取り組む予定です。トルコは自分にとっていい思い出のサーキットですからね。」
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