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2007年8月23日
以下に、8月19日に行われたチェコGP終了後のMotoGPクラス全ライダー、およびチーム関係者のコメントを紹介する(チェコGPのレース詳細内容はこちらの記事を参照の事)。
■優勝)ケーシー・ストーナー ドゥカティ デスモセディチ
レースウイークを通して全てがうまくいきました。金曜日は少しだけセッティングに苦しみましたが、予選の頃までには調子がよくなり、何もかもが本当にうまく機能するようになりました。
バイクとチーム、それにタイヤは前回のレースから全く問題が発生していませんし、今回もまた勝利回数を増やすことができて本当に嬉しいです。午前中に1本のタイヤでレースの距離を走り終えていたので、タイヤの耐久性には自信がありましたが、本当に最高のレースができたと思います。
スタートがものすごくうまくいって、最初からジョンとの差を0.6秒確保する事ができて、すぐにその差は1秒まで開き、さらに1.2秒差になったところでまた1秒差に戻り、そこからは少し開いたりまた戻したりの繰り返しでした。
かなり自分も限界に近いところまで攻めて走りましたが、それでもジョンが離れずに追いかけてくるので驚きましたね。このまま追いつかれるのではないかと正直少し不安でしたが、8周目くらいまで一緒に同じくらいのペースで走り続けた後は、彼との距離が少し広がりかけたんです。そこからは自分の集中力が途切れないようにして、さらに差を広げられるように頑張りました。
まだ今後も勝利回数を増やしていきたいです。それがレースをする上での自分たちの目標ですし、できる限りのポイントを獲得しておきたいですからね。
今日は誰よりも優れたパッケージに仕上がっていた事は分かっていました。だからこそ、レースではひたすら最後まで攻め続けるべきだと思ったんです。今後も自分が狙うのはそういう走りですね。全てのレースで集中力を切らさずに走り続ければ、何かと後が少しずつ楽になっていく筈です。
明日はここで多くのタイヤやいくつか新しい事をテストする予定です。今でもすごくいいパッケージですが、さらに調子が上がるのなら最高ですからテストがすごく楽しみです。また、今回のテストは来年のマシンの開発に向けても役立つ筈ですから、もっと強くなれる事にも期待しています。
●ドゥカティーMotoGP監督:リビオ・スッポ
またもケーシーとチーム、それにブリヂストンは、今回も信じられないほどの活躍でしたね。
ケーシーは正しい方向性を持ってレースに向けての準備を進めてきました。彼はどのレースでも自分の最大限の力を発揮できるように努力していますので、もし全てが順調ならば、容易に勝つ事ができるのです。
現時点において彼は絶好調ですから、私たちの戦いをすごく楽にしてくれていますよ!それに彼は年間ランキングをリードしている事へのプレッシャーを実にうまく克服していますね。
今回またも素晴らしいレースウイークを過ごせた事をケーシーに感謝したいと思います。また、これはロリス(カピロッシ)や、私たちの技術パートナーであるブリヂストンやシェル・アドバンスに向けても同様です。
■2位)ジョン・ホプキンス リズラ・スズキ GSV-R
今日の結果には本当に大満足ですね。レースウイーク全体を通しても同じ事が言えます。
スタートラインを越えてから、すぐにダニとニッキーを連続して交わして2位に浮上しました。今回は3コーナーを越えるまでに2位に上がる事を目標にしていたんです。ケーシーがトップを走るのは分かっていたし、そのまま逃がしたくはありませんでしたからね。
彼にそのままついていこうと頑張りましたが、彼のペースはちょっと信じられない速さでした。こっちはフロントとリアの両方を、ブリヂストンのすごく高い限界性能のぎりぎりまで攻め込んでいたんですけどね。彼に追いつこうと必死でしたが、しばらくしてからは少しペースを落とし、確実に2位を取りに行く方向に頭を切り換えました。
今日はバイクもタイヤも絶好調でした。チームの素晴らしい仕事ぶりと最高のタイヤを用意してくれたブリヂストンには本当に感謝しています。また、すごい走りを見せたクリスの健闘も祝福したいです。彼とはこれで同ポイントですから、シーズン残りのレースに向けてチームにとっても励みになりますね。
今回の結果にはリズラ・スズキの全員が喜んでくれているのは間違いありません。みんなの努力が結果として実を結んだ事を本当に嬉しく思いますし、彼らが自分にしてくれた全ての事にまた表彰台で報いる事ができて良かったです。
最後に、今日の250ccのレース前に恐ろしい事故に遇った関口太郎選手のために心から祈ります。自分もチームも、彼が無事に早期の回復を遂げてレースに復帰できる事を願っています。
●リズラ・スズキ・チーム監督:ポール・デニング
今日はチームの全員にとって素晴らしい1日になりました。チームの全員とライダーが全力を出し切り、タイヤとバイクの性能を最大限に引き出した結果だと思います。
進歩を続けられるのは本当に素晴らしい事です。この流れのまま、シーズンの残りのレースを戦いたいですね。
今日のジョンのレースはクリスがラグナ・セカで見せたのと同じような展開でした。今シーズンは誰にも負ける事のない絶好調の他の1名のライダーを除けば、ジョンは圧倒的な勝利ペースでした。
クリスもまた、今回も強さをレースで発揮し、彼が素晴らしいレーサーである事を見せつけてくれました。
私たちは常時トップとの距離を大きく縮めてきていますから、今シーズンの終わりまでにどちらかが表彰台の頂点に上るのではないかと楽しみでなりませんよ。
■3位)ニッキー・ヘイデン レプソル・ホンダ RC212V
この表彰台にはすごく満足です。それに今週は納得のいく形で作業を進める事ができたと思います。昨日の午後はすごく大きな変更をフロント・フォークに加えましたが、おかげですごい好感触を得る事ができたんです。
レースの2周目には3番手を走りながら「彼(ジョン・ホプキンス)のリアをとらえて見せろよ!」と自分に言い聞かせましたし、そこからコーナーを3つ通り抜けるまでは絶好調だったんですが、次のストレートに差し掛かった時にはちょっと唖然としたというか、自分が叶わぬ夢を抱いていた事を実感させられました。
ですので、その後は自分のリズムを崩さないように走り続ける事にしましたが、今日はバイクと自分自身、それにタイヤの性能を最大限に引き出せた思っています。それほど大きく差をつけられたとは感じていませんし、いい仕事をしてくれたチームに感謝しています。今後も今の調子をこのまま持続できる事と、さらにもう少し強くなれる事に期待したいですね。
また、今回の表彰台をレプソル・ホンダでパーツ類を担当しているセドリック・ラプラエルに捧げたいと思います。彼は夏休みにスカイダイビング中の事故に遇い、今週はここに来れませんでした。セドリック、早く元気になって下さい。
チームは2日間ここに残ってテストを行う予定です。ホンダからの新しいパーツとミシュランからの大量のタイヤが届いていますので、上位のライダーたちとの差をそれで縮められるように頑張ります。
■4位)ダニ・ペドロサ レプソル・ホンダ RC212V
今日の自分たちには4位が精一杯でした。ランキング2位のライダーとのポイント差を少し縮められたのは辛うじて良かった事だと思います。
今日のレースについては少しフラストレーションが溜まっています。自分たちのパッケージ(マシン、タイヤ、他パーツなど)の性能を最大限に引き出す事ができませんでしたからね。
最初の数周はリアタイヤがあまり温まらなくてポジションを維持するのが難しい状態でしたから、それで数人のライダーに抜かれてしまいました。その後に4周か5周走ってからはタイヤがだいぶ温まりましたが、その時にはすでに先頭集団がはるか彼方でしたし、ニッキーとの差も開いていました。
レースは最後まで可能な限り激しく攻めて走りましたが、ラップタイムは伸びませんし、ペースも徐々に落ちていきました。パッケージからは期待通りの改良効果を引き出せなかった事が本当に残念でなりません。
翌日からの2日間のテストは真剣に頑張る必要があります。年間タイトルを狙って戦うのはすでに難しい状況ですが、今シーズンをまだ諦める気はありません。ランキング3位を維持できるようにするのと同時に、2位に上がれるように頑張ります。
■5位)クリス・バーミューレン リズラ・スズキ GSV-R
十分にいいスタートができていたんですが、1コーナーでは前の集団が壁になってしまい1つポジションを落としました。みんなが本当に速かったので、序盤に前へ抜け出すは難しかったですね。
前を走っていたコーリンが自分を巻き込むぎりぎりのところで転倒したので、そこでも少しタイムを落としましたが、それからはド・ピュニエに追いつき、彼を交わす事ができました。
ロリスを交わすのには苦労しました。ドゥカティーはストレートで本当に速いんですよ。でも、ちゃんと交わしましたけどね。後はひたすらバレンティーノに追いつこうと頑張り、そこから2周を走ったところで追い抜きました。
年間ランキングの面ではいいポイントが獲得できたと思います。まだランキングは4位ですし、次回以降にまた表彰台を狙いたいです。
今日はジョンが2位表彰台を獲得して本当によくやりましたね!ここ最近のジョンの大変な頑張りが報われる結果だと思います。特にアメリカのあの出来事の後ですしね!
■6位)ロリス・カピロッシ ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ
今日はチャンスを逃してしまい本当に残念です。
木曜日のタイヤ選びの段階でミスをしてしまいました。去年にすごくコーナーの進入時に調子が良かったタイヤのコンストラクション(構造)を信じて選んだんですが、残念ながら今日のレースでは序盤に性能を引き出せませんでした。
硬めのコンパウンドを選んでいたんですが、それがあまり良くありませんでしたね。コーナーの進入が遅くなり、最終コーナーでは2回くらい危険な目に遇いましたが、そんな状況の中でバレンティーノに交わされました。フロントがつんのめる感じでコーナーを大回りしたんです。
その後にバレンティーノを抜き返す事はできましたが、さらに前の集団に追いつく事はできませんでした。本来ならニッキー・ヘイデンと同じ位置で走れていた筈なので本当に悔しいです。
次のミサノのレースではもっと上の成績が狙えるようにします。今期2度目のホームGPですからね。とても楽しみです。
■7位)バレンティーノ・ロッシ フィアット・ヤマハ YZR-M1
今日は難しいレースになる事は分かっていました。過去2日間を通して、ここでは自分たちの調子があまり良くありませんでしたからね。ただ、今回の結果はその予想よりもさらに悪いですよ!
自分のリズムを維持できるようには頑張りましたが、たった7周か8周走っただけでタイヤがの右側が大きく滑り始めまて、そこからはスロットルを全く開けられなくなりました。
レースウイークを通して、トラクションを得るためにできることは全てやりました。タイヤが正しく機能するようにセッティングを何度も変更してきましたが、残念ながらレースではグリップが全然得られない状態でした。
そに今回使わざるを得なかったセッティングではコーナリング・スピードを犠牲にする他なかったんです。それで余計にタイムが落ちていますし、本当に難しい1日でした。
レースの序盤は1分59秒台で走れましたが、数周走ったところでタイヤの性能が極端に落ちてきて、後はそのままレースが終わるのを待つ事しかできませんでした。
序盤はカピロッシとの戦いが大変でした。いくつかの区間では自分の方が速かったのに、彼を追い抜くことができないんです。なぜならストレートで一気に離されるからです。最終的に一度は交わしましたが、そのまま後ろにつけられてしまい、彼を引き離す事ができていません。
あの時は可能な限り激しく攻めましたが、あまり速くは走れませんでした。遅すぎたという訳でもありませんが、その後にタイヤが終わってしまってからはバーミューレンに交わされ、次はロリスにも抜き返されてしまい本当に悲しかったです。今日は彼らに抵抗する事すらできませんでしたからね。
レースの終盤はド・ピュニエの前を最後まで維持できるように、限界まで攻めて走らなければいけませんでした。結果的に運良くそれは達成できましたが、少なくともいい走りと呼ぶにはほど遠い世界です。状況を少しでも良くできるようにライディング・スタイルを変えたりもしましたが無駄でした。
これから合同テストに入りますが、現実的に見て自分たちは極度にひどい状況です。まだ解決しなければならない異なるいくつかの問題を抱えていますし、翌日以降の2日間のテストではベストを尽くして作業し、今後のレースに向けて何か違う解決策を見つけなければいけません。
何が見つけられるかは分かりませんが、少なくとも非常に難しい場面になるのは間違いないでしょう。今は非常に厳しい状況に陥っています。シーズンの残りは6レースですが、正しい方向性を見つけていい結果が得られるように、最大限に頑張り続けるしかありません。
●フィアット・ヤマハ・チーム監督:ダビデ・ブリビオ
今日の結果についての適切な言葉がうまく見つかりません。
利用できるものは全て使って、できる限りの努力をチームはしてきましたが、バレンティーノにとっては大変に難しいレースになってしまいました。不幸にして午前に調子が良かったコーリンも転んでしまったので、これについても同様にひどく残念です。
これからチームはパッケージの改善作業を続けて、自分たちが現在おかれている状況を解決しなければなりません。ここでは2日間合同テストがありますから、新しいタイヤと新しいエンジン部品のいくつかを試す予定です。
当然私たちは諦めません。2名のライダーと共に2日間のテストを通して必死で作業を行い、次戦のミサノで再び挑戦します。
■8位)ランディ・ド・ピュニエ カワサキ ZX-RR
今回のスタートは今までの中で一番いいできだったと思いますが、狙っていた1列目を昨日の予選で逃していたので、それが少しハンデになりました。
昨日は硬めのレースタイヤを試しましたがあまり感触がよくなかったんです。今日使ったタイヤにもまだ少しグリップに問題がありホイールスピンが発生していて、追い抜きをするのが少しばかり危険な状態でした。
それでも全力を出し切って頑張り、ロッシがミスをするのをひたすら待ちましたが、やはり彼はいつも通りそういうミスは犯しませんでした。ただ、結果としていいバトルができましたし、8位という結果も悪くないと思います。
全体を通していいレースウイークが過ごせました。今は明日からの2日間のテストが楽しみですね。もう少し改善が進むでしょうし、次のレースに備えられると思います。
●カワサキ・コンペティション・マネージャー:ミハエル・バルトレミー
ランディーはレースウイークを通して非常に速かったですね。ものすごく好調に見えましたが・・・ええ、レースは厳しかったですね。
アンソニーについては、ブルノは彼にとって難しかったようですが、それでも全力を出し切ろうと頑張っていました。スターティング・グリッドの位置を考えれば、レースの結果はそれほど悪くなかったと思っています。ただ、彼が今週の内容に落ち込んでいるのは言うまでもありません。彼自身はもっと上の成績を今回も期待していましたからね。
しかしながら、両方のライダーがポイントを獲得してくれたのはカワサキにとっては良かったと思います。さらに、翌日からの2日間はここでテストができますから、チームとアンソニーにとってはいいタイミングでしょう。特に予選タイヤを使いこなす上での訓練に時間が使えますからね。ここまでにあまり彼は予選タイヤの練習を行うチャンスに恵まれていなかったんです。
全員がミサノまでに、より強くなっている事は間違いありませんよ。
■9位)アレックス・バロス ダンティーン デスモセディチ
今回の結果には満足できていません。このレースではもっと上の成績を期待していました。
スタートはうまくいきましたが、スターティング・グリッドの位置が悪すぎましたね。レースの序盤は前を行く集団についていく形となり、おかげであまりいいリズムをつかむ事ができていません。この結果、タイヤがあまり最適な状態に温まらず、温度が上がるまでに多くの時間をロスしました。
タイヤの温度が上がってからは2周くらい速いペースで走れましたが、すでに先頭集団はとても追いつけない所に遠ざかっていましたので、本当に残念なレース内容になりました。
ただ、今後のレースに向けては期待が持てますし、ミサノではいい結果が残せると思います。
●プラマック・ダンティーン・チーム監督:ルイス・ダンティーン
2日間のプラクティスセッションを終えた時点で、今回のレースが自分たちにとって難しくなる事を予想していましたが、実際にそうなりました。
バロスには本当に気の毒な状況でしたね。オープニング・ラップで集団にひっかかってしまい、そこから抜け出して前に出る事ができなかったんです。ただ、いずれにしても、バロスは低いスターティング・グリッドから9位にポジションを挽回するまでの間、レースを通して彼独特の前向きな明るい姿勢を見せてくれたと思います。
イバン・シルバにとっての状況はまた少し異なります。今回のシルバにとって重要だったのはドゥカティーGP7を学習する事でしたが、彼は腕に問題を抱えていたにもかかわらず、レースを完走して見せてくれました。
私たちのバイクの性能が非常に高い事は良く分かっていますから、落ち込む必要はないでしょう。逆にシーズンの終盤に向けての自信はさらに高まりましたし、まだ本当の力を発揮していけると信じています。
■10位)カルロス・チェカ ホンダLCR RC212V
こう言うのも少し変な感じですが、10位の結果には満足できています。
今週はチームが必死に頑張ってくれましたから、可能な限りの最大限の結果を達成することができたと思っています。これから2日間はテストもできますしね。
今回はギュントーリやエリアスと何度も抜き合って戦う事ができましたから、単独で走るのよりははずっと楽しめました。
エンジンの性能面ではいい状況になってきました。ただ、まだシャシーとタイヤの最適化は続ける必要があります。
■11位)トニ・エリアス ホンダ・グレッシーニ RC212V
レースを完走できて誇りに思いますし、本当に満足です。かなり疲れました。
ブルノは多くの方向転換が必要で体力を要求するサーキットですから、足がすごく痛くて苦労しましたし、自分の予想よりもかなり辛いレースになりましたが、今の自分の体調を考えれば11位は悪くない結果だと思っています。
ブルノから復帰する事が自分にとっては重要でしたし、その目標を達成できて本当に良かったです。バイクの調子はすごく良かったんですが、体調のせいであまり改良されたバイクの性能を引き出せるほどには激しく攻める事ができませんでした。
次のレースまでに2週間ありますから、さらに体調を可能な限り回復できるように頑張って、ミサノに備えたいと思います。自分のチームのホームレースですからね。チームの本部はミサノから数キロメートルしか離れていないサン・クレメンテにあるんですよ。
■12位)アンソニー・ウエスト カワサキ ZX-RR
週末の全体を通して苦しみ続けていました。正直、今回は自分にとって本当に難しいレースでした。
レースではスタートがうまくいって、数周でリズムにも乗れました。レースの中盤までには感触もかなり上がってきて、いくつかの区間では他のライダーたちよりも速く走れていたと思います。ただ、それ以外の区間では遅くて、トラクション不足とホイール・スピンの問題が発生していた事もあり、バトルをするのは本当に難しい状況でした。
自分にとってはかなり辛いレースでした。バイクにも自分自身にも、まだまだ改善作業が必要だと思いますので、明日もここに残ってテストをできるのが嬉しいです。今の自分に一番必要な事だったので本当にテストは楽しみです。
予選が自分にとっては難しいですね。予選タイヤを履いた時よりもレースタイヤの時のタイムの方が速いんです。まだ学ばなければいけない事は多いですね。でも、次のレースは楽しみですよ。ミサノはすごく良く知っているので、それが有利になるといいんですけどね。
■13位)シルバン・ギュントーリ ダンロップ・ヤマハTech3 YZR-M1
今週はすごくいいレースウイークでした。金曜日はタイムシート上のトップに立ちましたし、昨日の予選ではバレンティーノ・ロッシから僅か0.1秒差でしたから、ダンロップの予選タイヤの性能が格段に向上した事を証明できたと思いますしね。
レースではリアタイヤの選択がばっちりでした。ただ、レースの前半はフロントにも問題は一切発生せず、集団の中でいい戦いができていましたが、後半に入ってからはホイール・スピンが頻発するようになり、タイヤの左側面のグリップがなくなってしまったので、そこからは順位を落としています。
今週は自分の最大限の走りができたと思うので、自分のライディングにはすごく満足しています。今はミサノがすごく楽しみですね。
おそらく今の新タイヤルールの影響から、今後は各タイヤメーカーの力が均一になってくると思います。これは自分たちにとっては有利な状況ですから、ミサノでも今回と同じくらいの活躍ができるのではと楽しみでなりません。
チームとダンロップのここまでに注いできた大変な努力に感謝したいと思います。
●ヤマハTECH3オーナー:エルベ・ポンシャラル
チームにとっては本当に興奮できるレースウイークでした。金曜日にはシルバンがタイムシート上のトップに立ちましたが、これはチームにとっては大事件でしたね。
予選用のパッケージがすごく好調だったので、昨日の10番グリッドという予選結果は少しばかり残念でした。完璧な状態だったら、おそらくシルバンは5番グリッドくらいを狙えていた筈だからです。
シルバンはレースウイークを通して速いタイムを記録していましたが、これが実際のレースに入ってからは通用しない話である事は良く分かっていました。
シルバンは好感触が得られたタイヤでレースに挑み、序盤にはそれでいい戦いを見せていたんです。最初にチェカ、その後はウエスト、中野、バロス、エリアスを続けて交わした時には高い結果が期待できそうな雰囲気でしたが、最後の残り5周はグリップの低下に苦しむ事になり非常に残念でしたね。シルバンには申し訳なく思います。
彼はこの週末を通して力を最大限に発揮して見せたと思いますから、それに値する結果を今回のレースでは得られていないと思います。まあ、それも人生ではよくある事ですが。
ここでは2日間のテストがあります。ダンロップは大量のスリックタイヤとウェットタイヤをテスト用に持ち込んでいますから、次戦に向けて大きく進歩が得られる事に期待しています。
■14位)中野真矢 コニカミノルタ・ホンダ RC212V
レースウイークを通してずっとチャタリングの問題を抱えたままでした。
今朝のウォームアップでは硬めのフロントタイヤを試したりして、この問題を解決しようと頑張りましたが、若干チャタリングは小さくなったものの、数周を走り込むと問題がすぐに再発してしまいます。この影響でレース中も激しくプッシュして走る事はできませんでした。
エンジンがスムーズになりマシンの性能が上がっている事は明白ですが、この問題が解決できない限り、その性能を使う事が自分たちにはできません。
明日はチームにとって、このチャタリングの問題を解決する上で非常に重要なテストになります。シーズンの終盤戦に向けていい結果を得られるようにするには、この問題を解決してコーナリング性能とその速度を上げられるようにする必要があるんです。
●コニカミノルタ・ホンダ・オーナー:ジャンルカ・モンティロン
新型マシンのレースへの期待と今日の結果は少し異なりましたが、明日から始まる合同テストでは、チームは技術面での状況を確認し、現在抱えているチャタリングの問題を根絶するつもりです。
この問題がタイヤに起因するのか、それともマシンのセッティングに原因があるのか、理解をしていく必要があります。今日もシンヤ(中野選手)が激しく攻められなかったのは、この問題に走りを制限されているのが原因ですので、テストでは良い解決策を見つけたいと思っています。
今シーズンを通してずっと同じ問題を抱えていますが、明日は新型バイクでチームの全力を尽くして作業を行い、いくつか大きな進歩を遂げたいです。
ワークス・ホンダのニッキー・ヘイデンとダニ・ペドロサの両方がいい走りを見せたのは自分たちにとっては明るい材料ですし、今後の全てのホンダのマシンの未来にとっても期待が持てるものです。
月曜日の結果は年間ランキングのポイント加算にはつながりませんが、シーズンの最後の3分の1の戦いに向けての不可欠な情報を得る事ができるでしょう。
●コニカミノルタ・ホンダ技術責任者:ジュリオ・ベルナルデッレ
スタートはうまくいきましたが、シンヤが前を行くライダーたちと戦うのは不可能な状態でした。これはマシンのフロントまわりのチャタリングを解決できていないのが原因です。この影響でシンヤのコーナリング速度が特に第2区間と第3区間で落ちています。
ブルノはコーナリング速度が要求されるサーキットですから、彼のラップタイムがこの問題に大きく影響されてしまい、前の集団から引き離される結果に終わりました。
午前中は2種類のコンストラクション(断面構造)をフロント・タイヤにテストしましたが、チャタリングの問題には何の効果もありませんでしたし、他にはどうする事もできませんでした。
新型RC212Vが以前の標準仕様のマシンと比べて高い性能を持っているのは分かっていますから、ここブルノに明日も残ってテストができるのは幸運だったと思います。このチャタリングがサーキットの特性上の問題なのか、マシンに起因するものなのかを確認し、解決に向けて作業を進める事ができますからね。また、いくつかの異なる種類のミシュランタイヤでもテストし、この問題に効果があるかを確認する予定です。
明日のテストは非常に重要です。このテストの結果から残り3分の1のシーズンに向けて計画を立てる事になりますから、チームにとって本当に重要なんです。
■15位)カーチス・ロバーツ チーム・ロバーツ KR212V
いくつかの理由から、スタートしてから泥沼にはまり込みました。スタート・ダッシュは良かったのに、そこからすぐに(エンジンが)死んじゃった感じです。そこからは難しい状況に陥りましたね。オープニング・ラップに玉田とシルバを交わせたのに、その後は長い事彼らと一緒に走る事になりました。
現時点においては彼らのバイクの方が自分のマシンよりもかなり速いですよ。せっせと彼らの前に出てブロックを繰り返したりして必死に頑張りましたが、コーナーからの脱出とか上り坂では前に出られてしまうんです。ちょっとフラストレーションが溜まりますよこれは。
中野に近づくまでには4周か5周が必要でしたが、そこではかなりタイヤに苦しみました。中野に追いついてみて分かったのは、彼が自分と同じような問題を抱えている事です。こっちのマシンはそこからさらにチャタリングが悪化してしまい、マシンの横滑りが激しくなっていきました。
今回は自分たちの最大限の力を発揮して15位が精一杯でした。コーナーでタイムを稼ぐ事くらいしかできませんし、加速力とトップスピードが全然足りません。改良型エンジンが近いうちに提供される事を願っています。
●チーム・ロバーツ・監督:チャック・アクスランド
チームの全員が新しいエンジンパーツの(ホンダからの)提供を願っていますが、今日はそれよりもタイヤとシャシーの組み合わせが最大の問題点だったように思います。
カーチスが言うには、十分なグリップが得られずにフロントが滑って押し出される感じになり、ホイールスピンが頻発していたようです。
明日か火曜日には天気が良くなって、タイヤのテストができる事を祈っています。どのコンストラクションやコンパウンドが自分たちのバイクに最適なのかを確認する必要がありますからね。前回のテストでタイヤを試してからは状況も変わっていますから、現在のマシンに合う組み合わせを見つけておきたいところです。
また、いい機会ですので、新旧2種類のシャシーを交互に比較するテストもできれば行いたいと思います。これらの間には大きな違いがあり、当然新しい方が性能は良くなっていますが、まだ一度もしっかりと比較して確認する事ができていませんので、今回がそれを試すいいチャンスになります。
エンジンは以前のままですが、シャシーとタイヤまわりの作業を進める事で、ラップタイムは縮められる筈ですからね。
■16位)イバン・シルバ ダンティーン デスモセディチ
まず最初に言いたいのは、今回のレースには何も大きな期待を抱いていなかったにしても、この結果にはすごく落ち込んでいるという事です。
スタートはうまくいきましたが、レースの序盤は燃料が満タンなのでライディングに苦労しました。バイクの感触が全然違ってうまく馴染めなかったんです。それにあまりパワーのあるバイクに慣れていなかったので、8周目を越えたあたりから不幸にして腕上がりの症状にも見舞われました。
それでレースの後半に向けて力を温存する方向に作戦を切り替え、玉田をとらえて交わす事に全力を注ぎ、それはうまくいきました。また、もう1つこのレースで嬉しかったのは、ブリヂストンがいい仕事をしてくれて、レースの最初から終わりまで全く性能が落ちないタイヤを用意してくれた事です。
この機会を自分に提供してくれたプラマックとチームに、感謝の気持ちを伝えたいと思います。
■17位)玉田誠 ダンロップ・ヤマハTech3 YZR-M1
今回のレースウイークの内容には本当にがっかりです。前回のラグナ・セカで8位を取ったばかりでしたから、もっと上の成績を期待していました。
シルバンが使ったのとは別のタイヤを選択していて、午前のウォームアップでは自分のタイヤの方が調子よく思えていたのですが、レースでは数周を走り込んでから全く状況が異なってしまい、その後は全く激しくプッシュできなくなっていました。
グリップが全くないタイヤと格闘していた感じですね。どこを走っていてもホイール・スピンが頻発しました。
今回のレースの事はもう忘れて、ミサノでは納得のいくレースができるように願っています。ラグナ・セカの時と同じくらいの結果が欲しいところです。
■DNF)コーリン・エドワーズ フィアット・ヤマハ YZR-M1
1つ順位を上げる事ができたので、見た目的にはそんなに悪いスタートではなかったかもしれませんが、自分の感触的にはあまりいいスタートとは言えませんでした。
今回から試している新しいスタート・システムの調子はとても良かったですよ。ただ、スターティング・グリッド上で少しクラッチを早めにリリースしすぎてエンジンの回転数を下げてしまったので、すぐにマシンを立て直さなきゃいけませんでした。
とにかくその後は激しくプッシュしました。追い抜き箇所として利用できる得意な場所が数箇所あったので、ド・ピュニエに並びかけて前に出るチャンスをうかがっていたんです。3コーナーを抜けてから4コーナーに向かうところでド・ピュニエの様子を見ながら走っていたんですが、気がついたらフロントを失って地面の上に自分が転がっていました。
あんなに早い段階でフロントを失ってしまうなんて本当に久しぶりです。いつもなら追い抜きを失敗する程度で済むんですが、どうもタイヤが十分に温まっていなかったみたいで、たった2周で転んでしまいました。
完全に自分のミスですから、ものすごく落ち込んでいます。これから合同テストでいくつか重要な作業をこなしますので、ミサノではもっといいレースウイークが過ごせるようにしておきたいですね。
■欠場)マルコ・メランドリ ホンダ・グレッシーニ RC212V
ピットウォールの内側からレースを見るのは本当にフラストレーションが溜まりますよ。特にこのレースのために夏の間は骨折した足首の激しいトレーニングを続けてきた訳ですからね。
ラグナ・セカの後から首が少しずつ痛くなってきてはいたんですが、まさかそれが原因でブルノのレースを欠場しなければならなくなるとは思っていませんでした。
残念ながら金曜日の午前中に首の5番目と6番目の骨の間がヘルニアだと診断されました。それが神経を圧迫している事から、左腕と手のひらに力が入らないんだそうです。
今の目標はできる限り早く回復してミサノからレースに復帰する事だけです。
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