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2007年8月19日
終日の晴天に恵まれた8月18日のブルノ・サーキットでは、MotoGPチェコ・グランプリ2日目午後のセッションとして、各クラスの予選が行われている。
ここでは、MotoGPクラス予選後の続報、ならびに各ライダーのレースに向けての詳細コメントなどを紹介する(予選中のアクシデントや時系列的な内容はこちらの記事を参照の事)。
■転倒者や怪我人の情報
予選のセッション終盤にトップのストーナーの区間タイムを次々と更新しながらも、攻め込みすぎた右コーナーでマシンを倒し込み、そのまま起き上がる事なくアスファルトを滑走したリズラ・スズキのジョン・ホプキンスの転倒はあったものの、今回のブルノでは他に目立つ大きな転倒者も怪我人も発生していないが、深刻なのは1日目の午前のセッション終盤に突然首まわりに激痛を訴えたグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリだ。
■2日目に入っても首の激痛が回復しなかったメランドリ
この日の2日目のセッションへの参加を希望していたメランドリだが、首と左肩の激痛はこの日の朝になっても回復しなかった事から、メランドリは午前のフリー・プラクティス3をキャンセルし、昨日に引き続きクリニカ・モバイルで検査と、予選出場に向けての治療を朝から開始していた。
■痛みの原因は椎間板ヘルニア
検査の結果、メランドリの首の痛みの原因は、7つある首の骨のうちの5つ目と6つ目の骨の間にある椎間板のヘルニアである事が判明しており、メランドリは今回の予選に向けて多くの治療を短時間に受けたものの、その痛みが一切回復しなかった事から、この日の予選を含むチェコGPの残りの全てのセッションの欠場を決定しており、レースへの出場を断念している。
■メランドリ「ミサノまでに回復したい」
メランドリは来週火曜日の8月21日にイタリアで精密検査を受け、その後にリハビリを開始してミサノからの復帰に備えたいとしている。
「欠場が決まり本当にがっかりです。気持ち的にはコースに戻りたいんですが、あまりにも痛すぎます。」とメランドリ。
「ブレーキング中にかかる圧力が神経をずらしているので、腕の全ての筋力と感覚がなくなるんです。クリニカ・モバイルでは色んな事を試してもらいましたが、どれも効果があまり得られませんでした。」
「火曜日にはこの症状の専門家に診てもらいますので、どんな治療方法が一番いいのかをそこで決めます。ミサノまでには回復したいですね。チームの拠点からすぐ側に位置するサーキットですから、自分たちにとってはすごく重要なレースなんです。」
■チェコGP予選結果
気温25度、路面温度32度、湿度33%のドライ・セッションとなったMotoGPクラスの予選結果を以下に示す。
1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 1分56秒884
2) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分57秒164
3) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分57秒179
4) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分57秒567
5) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分57秒599
6) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分57秒640
7) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 1分57秒665
8) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分57秒699
9) コーリン・エドワーズ USA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分57秒702
10) シルバン・ギュントーリ FRA ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分57秒732
11) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 1分57秒969
12) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 1分58秒143
13) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分58秒204
14) トニ・エリアス SPA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分58秒264
15) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分58秒399
16) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分59秒386
17) カーチス・ロバーツ USA チーム・ロバーツ KR212V 1分59秒446
18) イバン・シルバ SPA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分59秒721
-) マルコ・メランドリ ITA ホンダ・グレッシーニ RC212V -分-秒-
ブルノのサーキットレコード(990cc)は2006年にロリス・カピロッシが記録した1分58秒157、ベストラップレコード(990cc)は2006 年にバレンティーノ・ロッシが記録した1分56秒191。トップスピード記録は2004年にマックス・ビアッジが記録した311.239km/h。
■ストーナーが3連続ポール
今回のブルノでも初日の午前から好調にタイムを伸ばし続けるドゥカティーのケーシー・ストーナーが3戦連続となるポールポジションを獲得している。
■セッションの前半はメカニカル・トラブル
ストーナーのマシンは予選の開始時に小さなメカニカルトラブルに見舞われ、走行を開始するまでに20分の時間をロスしているが、その後コースに出てからは僅か4周でセッション前半のトップに立っていたレースタイヤが好調のチームメイト、ロリス・カピロッシに次ぐ2番手タイムを記録し、セッション後半に入ってからはさらにタイムを上げ続けた。
■セカンド・マシンで予選を戦ったド・ピュニエ
カワサキのランディー・ド・ピュニエもストーナーと同様に予選開始直後からメインマシンのメカニカル・トラブルに見舞われており、残りのセッションを全てセカンドマシンで戦って2列目5番グリッドの好位置を確保している。
■予選タイヤに苦しむウエスト、新人に厳しい今期のタイヤルール
なお、ド・ピュニエのチームメイトのアンソニー・ウエストは、まだ慣れないMotoGPクラスの予選タイヤでの走りに苦労しており、結果は6列目16番グリッドと低迷したが、レースタイヤでのペースはこの日の午前中に大きく改善する事ができたとして、日曜日のレースでの挽回には自信を示している。
今期はタイヤ・レギュレーションの影響により、予選タイヤでの走行をフリー・プラクティス中に練習する事は、ダンロップを履くTECH3ヤマハチーム以外のライダーは難しい状況にある事から、まだ5回しかMotoGPクラスの予選に参加していないウエストにとっては辛い面があるようだ。
■ファナリ「ウエストにとって予選はまだ5回目」
なお、ウエストのチーフ・メカニックであるカワサキのフィオレンツォ・ファナリはコメントしている。
「彼は予選をまだ5回しか経験していませんからね。予選タイヤをあまり経験した事のないライダーはグリップレベルのすごさにみんな驚きますし、うまく性能を引き出すにはライディング・スタイルの変更も必要です。特に経験の少ないウエストにとっては簡単ではありませんが、ラグナでも低いグリッド位置からスタートしてレースでは高い結果を残しましたから、今回もレースは期待できる筈です。」
■路面温度と共に上昇するレプソルの2名
初日はミシュラン勢が全体的に低温路面に比較的苦しむ様子を見せたが、この日の予選開始時の路面温度は記録上は32度とあまり高くはなかったものの、予選中の実際の温度は1日目よりもかなり高くなっており、セッティングに大きな変更を加えなくともグリップレベルが増したようだ。
ストーナーの圧倒的な強さには今回のブルノでもあまり変わりはないようだが、初日はそれほど目立つ事のなかったミシュランを履くレプソル・ホンダの2名が、午後の予選のセッションに入ると同時に好調な走りを見せ、揃ってトップのストーナーに並び1列目のグリッドを獲得している。
特にヘイデンはセッション前半のレースタイヤ装着時のペースも高いため、レースに向けては自身にとって今期初となった1列目スタートを有効活用し、高い結果を狙いたいとしている。
■苦しい2日目を過ごしたバレンティーノ・ロッシ
ミシュランを履くレプソル・ホンダ勢が調子を取り戻す中、調子がなかなか上がってこないのが同じくミシュランを履くヤマハ・ワークス、フィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシだ。
ロッシはこの日の午前中も路面温度の低さに苦しみ、いくつかの問題がマシンに発生した事から多くの追加作業を強いられており、フリー・プラクティス3の結果は12番手と低迷している。
■午前のウォームアップまで続くフロントまわりの改善作業
予選では2本目の予選タイヤに好感触が得られて最終的に6番グリッドを獲得しているロッシだが、不調の原因となっているフロントまわりのセッティングについては、まだ翌日午前のウォームアップでも大幅な改善作業が必要とされる様子だ。
■ミサノから投入される新型エンジンのテストは雨?
なお、ホンダのエンジン性能の向上により、ヤマハはトップエンド・パワーの低迷が若干目立つ形となってきており、エンジンまわりの抜本的改善が急がれる状況だが、ニューマチック・バルブを搭載した新エンジンのテストを本格的に開始する予定のブルノ合同テストは、現在のところ2日間を通して雨になりそうな雰囲気だ。
■新型RC212Vに期待感を高めるコニカミノルタ・ホンダ
新型マシンのセッティングに1日目は苦しんだコニカミノルタ・ホンダだが、2日目はフロントまわりのチャタリングは解消できていないもののマシン全体のバランスが非常に良くなり、中野選手はホンダ・サテライト勢の予選トップとなる4列目11番グリッドを獲得している。完璧なセッティングに到達するまでにはまだ時間が必要だが、レースに向けてはさらに改善が進むだろうと、チームは期待感を示しているようだ。
■ベルナルデッレ「セッティングの方向性は見つかった」
コニカミノルタ・ホンダの技術責任者であるジュリオ・ベルナルデッレは「今日は天候とミシュランの硬めのタイヤに助けられた事もありますが、全体的なセッティングの方向性を見つける事もできています。今回はサスペンションとミッション、およびジオメトリの調整を行いました。新しいパッケージは以前の標準マシンと比べて性能がかなり高くなっているので、今後はさらに大きく改善が進むと思いますが、完璧なセッティングに辿り着くにはまだ時間が必要です。納得のいくセッティングを完成させる上で今回は時間が短すぎましたが、バイクのバランスは全体的に良くなりました。レースタイヤでシンヤが59秒台を記録できたのが今回は重要でしたね。恐らく明日は更にタイムを縮める事ができると思います。」とコメント。
■各ライダーのコメント
以下に、1列目から4列目までのMotoGPクラスの各ライダーのコメントを紹介する。
■1列目
●ポールポジション)ケーシー・ストーナー ドゥカティ デスモセディチ
今日もまた本当にうまく行きました。
予選の最初はリア・ブレーキに小さな問題が見つかり、セッションに参加するまでに約20分の時間をロスしてしまいました。でも、一度この問題を解決してからはレースタイヤで数周走っただけでものすごく速くなり、全てとても順調といった感じでした。
ポール・ポジションは嬉しいおまけでした。今回もまたレースウイークを通して好調でしたし、1回のセッションを除けば全てトップタイムを記録できています。今は何をやっても、物事がとてもうまく行きそうな雰囲気ですね。
今回は大きく改善が進みました。今日はコーナーから脱出する際の問題点も解消されたようです。昨日は2台のバイクに異なるセッティングを施して、それぞれ交互にテストをしましたが、今は両方とも同じセッティングに直してあります。方向性を1つに固めたので、後はその流れにだけ沿うように作業を進めてきました。
バイクの調子は本当にいいみたいです。もちろん完璧とは言えませんが、レースに向けてはすごくいい状態です。
シーズンが終わるまでに、まだ可能な限り勝利回数を増やしたいと思っています。レースに勝つのは簡単ではありませんから、流れをしっかり確認しながら戦い続けるつもりです。
●2番グリッド)ニッキー・ヘイデン レプソル・ホンダ RC212V
今週は全てのセッションでトップを争うような事はありませんでしたが、自分たちの希望通りのペースにはだいぶ近づきました。結果から見る印象よりも実際の調子はもう少しいいかもしれませんね。
午後は温度が上がってくれたおかげでタイヤの調子が良くなり、タイムを縮める事ができました。タイムアタックの周回はかなり楽しんで走れましたね。1本目の調子が良かったので2本目の時にはさらに激しくプッシュして走り、コンマ数秒を削る事ができています。面白かったですよ。
午後はずっとバイクのジオメトリに変更を加えながら作業しましたが、それで調子があがったんだと思います。
明日がどうなるかは分かりませんが、今シーズンのここまでに1列目を確保できたのは今回が初めてですので、とにかくスタートを成功させるように頑張って、高い結果につなげたいと思っています。
●3番グリッド)ダニ・ペドロサ レプソル・ホンダ RC212V
予選で大きく順位を上げる事ができました。ミシュランの予選タイヤはすごく調子が良かったです。もちろん1列目が確保できて本当に嬉しいですよ。レース中にトップ集団の中のポジションを確保しやすくなりますからね。
午後は路面温度が上がったおかげで思い通りのいい走りができるようになりました。ただ、まだセッティングに関しては今晩と明日の午前中も作業を続ける必要があります。レースタイヤの選択もまだですが、今日経験した内容を活かして最終決定をするつもりです。
明日はいいスタートが不可欠ですから、トップ集団の中で戦えるようないいセッティングをこれから見つけて、優勝を狙えるようにしておきたいです。
大変な戦いになりそうですが、今からレースの開始が待ちきれません。
■2列目
●4番グリッド)ジョン・ホプキンス リズラ・スズキ GSV-R
今日は自分たちの頭に描いていた予選の終わり方じゃありませんでした。でもまあ率直に言えば、ブルノはとにかく狙っていきたいサーキットの1つですから、それで少しプッシュしすぎちゃったって感じですね。
ただ、多分これでメカニックたちには余計な作業を増やしてしまったと思いますから、彼らは嬉しくないでしょうね。みんなごめんね!
今週はすごく多くの作業をこなしてきました。今日はいくつか実験的な事を試しましたが、結局元のセッティングに戻す決断をして、それがうまくいきました。ここまでの状況にはすごく満足できています。レースに向けてのタイムも一貫性も悪くありません。あとコンマ1秒はさらに縮めておきたいですが、レースに向けての準備は整ったと思います。
明日はいい位置からスタートできますね。1列目ではありませんが、ポールポジションの真後ろですからね!いいスタートを決めて、後はケーシーにくっついていきたいと思います。彼が猛烈なペースで走るのは確実ですから、ずっと背後につけて、最後にはその前に出られるように頑張ります!
●5番グリッド)ランディ・ド・ピュニエ カワサキ ZX-RR
予選では期待したような順位は得られませんでしたが、今週はずっと調子がいいのでレースに向けては楽観的です。
予選の時にはいくつか問題が発生してしまい、通常のペースが午前の時ほど速くなくなってしまいましたが、バイクに調整を加えてからは調子が上がり、セッションの終盤までにはすごくいいタイムが刻めるようになりました。
今日は1列目が取れると思っていたので予選の結果には当然がっかりですが、2列目も決して悪くはありません。いいタイヤといいセッティングがありますし、このサーキットも好きですから、レースはうまくやりたいですね。
●6番グリッド)バレンティーノ・ロッシ フィアット・ヤマハ YZR-M1
午前はものすごく多くの問題が発生しました。特にタイヤですが、ここまで路面温度が低くなると自分たちは十分なトラクションが得らなくなるんです。これにはかなり苦しみましたね。コーナー出口ではホイールスピンが頻発してものすごくタイムが落ちました。
その後はエンジニアたちが、午後にはもっとトラクションが得られるようにとセッティングを頑張ってくれて、実際に状況はかなり改善されましたので、いい仕事をしてくれたチームのみんなに感謝したいです。
午後にレースタイヤを履いた時にはすごくいいリズムをつかむ事ができて、感触も大きく改善されました。ただ、まだ完璧とは言えませんし、明日の最後のセッティング作業に向けて色々と理解を深めておく必要があります。特にフロントですね。現時点ではフロントが極端に押し出されすぎる感じがあるので、この問題を解消しておきたいです。
予選タイヤについては、残念ながら1本目を履いた時にブレーキングでミスをしてしまいその周回を無駄にしました。2本目はすごくうまく走れましたが、右側面がちょっと柔らかすぎてタイヤが最後まで持ってくれませんでした。この影響で最終区間のタイムがいくらか落ちています。また、第1区間では遅い4〜5人のライダーを追い抜く必要もあったので、そこでもコンマ数秒をロスしました。
いずれにしても、2列目は悪くありませんし、6番グリッドはだいたい自分たちの今回の予想通りだったとも言えます。
明日のレースに使うタイヤはまだ決めていません。路面温度が高くなる場合のいいタイヤは選んでありますが、今日の午前中みたいに温度が冷えた時には別のタイヤを選ぶ事になります。
午前のウォームアップでもセッティング作業をさらに続ける必要があります。今年はウォームアップ中の作業が常に難しいんですよ。本当にいいタイヤは本番のために取っておく必要があるので、実際にレースで使う物とは異なるタイヤで作業を進めなければいけませんからね。
とにかくあとはフロントまわりの状況を改善できるように全力を尽くすしかありません。自分の最大限の走りがレースでできるようにするには、どうしても解決しておく必要があるんです。
温度が高い時の方が自分たちのタイヤは調子がいいので、今日の午後のようないい路面温度になって欲しいですね。厳しいレースになる事は分かっていますが、レースタイヤでの走行ペースはすごくいいので、いい結果を狙って戦えると思います。
■3列目
●7番グリッド)ロリス・カピロッシ ドゥカティ デスモセディチ
バイクの状態には本当に満足できています。エンジンの電子制御システムの調整が今日は大きく進みましたからね。自分自身のリズムも悪くありません。
すごく速いペースをすでにつかんでいるケーシーは除きますが、予選タイヤで今日速かった全員が明日のレースでも速いとは思いません。ただ、他の何人かのライダーたちが自分と同じような速いペースで走れているのも事実です。
レースタイヤの調子はすごくいいです。でも明日のウォームアップまではタイヤの最終決定を行わないつもりです。
午後には最初の2本の予選タイヤで2回のいいタイムを記録しましたが、3本目を履いた時には1つのコーナーで危険を冒してミスをしてしまい、そこでマシンの制御ができないような状態に陥りました。最後にタイムを更新できなったのはそれが理由です。
いずれにしても結果には満足ですし、今回は表彰台が狙えると思います。
●8番グリッド)クリス・バーミューレン リズラ・スズキ GSV-R
今週は全てのセッションを通して改善が進みましたから、予選の時には間違いなくここまでの最高の状態でした。
レース用のセッティングとタイヤ選びが大きく前進しました。予選の結果は期待していたほど高くはありませんでしたが、先頭集団の中に入り込めるチャンスは十分にあると思います。
レースタイヤの決定は明日行いますが、今回の選択肢には満足できています。いいレースができる筈ですから本当に楽しみですよ。
今週のチームのすごい頑張りには本当に心から感謝したいです。特にメカニックの人たちは最初からいい状態のバイクを準備してくれましたからね。彼らの努力に報いられるよう、明日は全力で高い結果を狙っていきます。
●9番グリッド)コーリン・エドワーズ フィアット・ヤマハ YZR-M1
午前中に数ミリ前後の小さな変更をバイクに加えたら、状況ががらりと変わりました。このスポーツがどんだけ神経質なものかを物語ってますよね!感触がすごく良くなったので、午前のセッションが終わってからは上機嫌でした。
午後にも同じ方向性で作業を進めた結果、自分の思い通りにプッシュする事ができました。ただ、1分59秒台の前半よりタイムをあげる事はできていません。
自分たちのバイクはドニントンやアッセンのように舗装がなめらかなサーキットではすごく調子がいいようですが、ここみたいに少しでこぼこしたコースの時にはフロントがどうも落ち着かない感じがするので、今後はこの点を自分たちの改善課題にしておく必要がありそうです。タイムへの影響はコンマ2秒かコンマ3秒程度ですが、タイムが接近している時には大きいですからね。
いずれにしても、結果は3列目ですし良い位置とは言えませんが、絶望的という程ではありませんよ。明日は全力を尽くして集団に飛び込み、いいレースがしたいです。
■4列目
●10番グリッド)シルバン・ギュントーリ ヤマハTech3 YZR-M1
●11番グリッド)中野真矢 コニカミノルタ・ホンダ RC212V
昨日よりもかなり良くなりましたね。正直に言えば、新しいパーツを使って完璧なセッティングを見つけるのには時間がかかりますから、もっと難しい状況になる事も予想していました。今日はフロントとリアのバランス・セッティングが大きく改善されたので、かなり気分良く走れるようになっています。
エンジンの改善点が乗っていてすごく分かります。加速がスムーズですし、エンジン・ブレーキが改良されていますから、おかげで総合的に乗りやすいバイクになりました。
今の唯一の問題はフロントにまだ少しチャタリングが発生している事です。エンジン性能が良くなったおかげでコーナー脱出時の速度は上がりましたが、チャタリングのせいでコーナーへの進入とコーナリング中の速度が制限されます。要するに、まだコーナーでは思い通りにプッシュする事ができていない状態ですが、違うタイヤを使用する等、まだ明日に試せる事がいくつかあります。
明日は天気が良くなって路面温度が今日と同じくらいになって欲しいです。その方が自分たちにとっては好都合なんです。
●12番グリッド)カルロス・チェカ ホンダLCR RC212V
今日は温度が上がりタイヤの調子が良くなりました。レースの日は暑いでしょうから更に良くなるでしょうね。
レースタイヤではトップ7に入っていましたが、最後の予選タイヤを履いた時にはタイムを更新する事ができませんでした。コース上が混雑していた上に、今日はコーナーの中間部分であまり速度が出せていないのが原因です。
多くの調整を試み、若干の改善は得られましたが、まだ完璧と言えるセッティングには到達していません。トップスピードとエンジンのレスポンスはかなり良くなっていますが、まだいくつかの改善策が必要です。
いいレースタイヤは選択できたと思いますので、トップ10以内には入りたいですね。
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