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トルコGP前日、中野選手とベルナルデッレ技術監督に聞く
インテリマーク編集部
2007年4月21日

前回のヘレスでのレース後に、中野選手のライディング・スタイルにさらにマシンを合わせられるようにセッティングの抜本的な改善策に取り組み出したコニカミノルタ・ホンダチームは、そのレース翌日に行われた雨の合同テストではウェット用のセッティングを試し、高い満足度が得られたようだ。
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■さらなる改善策に取り組み出したコニカミノルタ・ホンダ

再びドライとなった昨日のイスタンブール初日、チームと中野選手はフロントまわりに新しいパーツを導入し、フロントフォークの調整に集中した様子だ。1日目は残念ながらバイクが白煙を噴くなどメインマシンの調子が悪く、午後には中野選手の転倒もあり、別のセッティングを試験していたスペアマシンではタイムを最終的に挽回する事ができなかったが、新しいセッティングで限界まで攻め込む姿勢からは、今後のセッティングの方向性を、今回のイスタンブールから改めてチームとライダーが共に追求している様子がうかがい知れる。
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■中野選手とベルナルデッレ技術監督にインタビュー

ここではコニカミノルタ・ホンダチームのご厚意により、今回からさらなる新しい取り組みを開始した中野真矢選手とコニカミノルタ・ホンダチームの技術責任者であるジュリオ・ベルナルデッレ氏に、イスタンブールでの走行開始の前日に本サイトからのインタビューにお答え頂いた。以下にその内容を紹介する。
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■中野選手インタビュー
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お父様が前回のヘレスにいらしてましたね。今でもお父様にはマシンのセッティングに関する事など、技術的な相談をしたりしますか。

父とは普段からセッティングに関する議論をしますね。ピットボックスの中でどんな事をやっているかについてもよく話しますし、レースの直後なんかにも同様の議論をしたりします。アマチュアとしてバイクに乗り始めた時は、父は自分の個人メカニックを担当していましたからね。
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お父様はヘレスを楽しんでいらっしゃいましたか?
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ええ、父はヘレスの雰囲気が本当にすごく気に入ったようです。スペインGPはシーズンの中でも民族古来のお祭りみたいな雰囲気のあるものですからね。父は前からずっとヘレスに来たがっていたんですが、今年になってやっと実現したんですよ。
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この3週間の休暇はリラックスして過ごす事ができましたか。写真
中野選手はオフウイーク中にはレースの事を忘れて過ごすタイプでしょうか。


ヘレスの後には東京に戻って、ホンダさんが招待してくれた東京モーターサイクルショーに伺いました。その他にはもてぎの全日本選手権に行く機会があって、多くの旧友やファンの方たちとお会いしています。すごくいい雰囲気の中、とても楽しい時間を過ごす事ができました。

おかげでこの3週間はものすごくリラックスできましたが、ちょっとバイクから離れるのには長すぎる期間なので、自分のエンドューロ系バイク(ツアラーなど)に乗る事にしました。これもかなり楽しめましたね。

また、休み中でも体調を整えるために、自分の体力トレーニングを怠る事は決してありませんよ。


ここまでの2戦は予想通りの結果とはいかなかったように思いますが、焦りのようなものを感じたりはしませんでしたか。

シーズン序盤のここまでの2レースを10位で終えましたが、これは全く自分の希望通りとは言えない結果でした。結果が出せない時はだいたい色々な噂が飛び交ったりしますが、今の状況については把握できていますし、ここまでの結果の原因も理解しています。
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スポンサーとチームには申し訳なく思っています。ただ、チームや自分の力は信じていますし、一度自分のスタイルを見つける事さえできれば結果を上げる事は必ずできますから、前向きな思考パターンを忘れずに、今後のレースにもこのまま集中していくつもりです。

開幕からの2回のレースウイークを通して一番厳しかったのはどんな事でしょうか。また、今後に希望が持てる点はどんなところですか。

ここまでの2レースはどちらも同じような問題に苦しめられました。ただ、ヘレスで1日ウェットのテストを行った時の結果はとても良かったんです。速く走れましたし、自分のバイクに自信を持つ事ができました。
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あの時のセッティングはレイン・コンディションにすごくマッチしていたので、ドライでも同じような感じに仕上げたいと思っています。バイクの可能性や自分の力に不安はありませんよ。

一番希望を持っていい点は、バイクの性能が常に一貫した状態にある事です。基本的にいいマシンですし安定していますから、今の自分たちに必要なのはそれらの特長をさらに高めて強みにしていく事です。これが今の目標ですね。


今回のイスタンブールサーキットにはどのような印象をお持ちですか。

写真すごく新しくて難しいサーキットです。ここで最初に走ってからすでに2年が経ちましたが、まだ色々発見する事の多いコースです。

カタールとヘレスのレース経験を通して、解決すべき問題は以前よりもクリアになってきたのではないかと思いますが、今回の最初の午前のセッションではまず何から取りかかる予定ですか。

金曜日のセッションでは、まずフロントフォークまわりの作業から開始します。自分が好感触を得られていない部分について、チームとさらに理解を深めていく必要がまだありますからね。

日本のファンにメッセージを頂いてもよろしいですか。

インテリマークの「2007シーズン中に最も見たいシーン」のアンケートの回答として、自分の項目がトップになっているのを見ましたが、日本のファンの方たちからのものすごく応援して頂いているのを実感しましたし、その方たちのためにも、本当に激しく攻めていきたいと思いました。

表彰台の一番高いところに乗れる日が来たなら、その勝利は長い間ずっと自分を応援してくれている全ての日本のファンに捧げるつもりです。


■ベルナルデッレ技術監督インタビュー

写真ヘレスの後に、チームは中野選手のライディングスタイルにより合うように、バイクのセッティングの方向性を変える決断を下しましたね。ここまでに分かった点を教えて頂きたいのですが、チームが描いていたセッティングの目標と、中野選手のニーズの最も大きな違いはどんな部分なのでしょうか。

ヘレスで行ったような決断は何も特別な事ではありませんよ。少なからずGPシーズン中には今回のようなケースは発生するんです。

1つ確実なのは、今年はシンヤとドライ用のレースセッティングとの相性があまり良くない感じがする事ですね。これが解消できるように、今回のイスタンブールからはフロントまわりに別のパーツ類を試していく予定です。


写真シャシーやサスペンションのセッティングだけでは問題の解決ができないようなケースが発生する場合、これはまだ新しいRC212Vが発展段階にあるという事も、理由の1つとして言えるのでしょうか。

ホンダのRC212Vはまだ始まったばかりの若いプロジェクトですから、これからまだ多くの新しい部品が将来的に開発されてくる事は間違いないと思います。

主にどんな部分についてホンダには支援を求める事になりそうですか。

ホンダとの共同体制下においては、バイクの構成要素の全てがその対象になり得ますが、作業が順調に進んで行けば、シャシーとサスペンションのパーツ類に関してにさらなる議論をする事になるでしょうね。

ミシュランとはどのような事を協力していく事になりますか。
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ミシュランとは主にレースタイヤに集中して共同作業を進めます。一般的に言える事ですが、日本人ライダーは特にフロントタイヤの感触を非常に重要視する傾向にありますが、これは彼らのライディング・スタイルと無関係ではありません。

この面から考えても、ミシュランと作業を一緒に進める事で、非常にいい結果が生まれる筈ですよ。
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今回の中野選手のお言葉にもありましたが、当ウェブサイトでアンケートを行った結果、2007年シーズン中にファンが最も期待しているのはロッシのタイトル奪還でもペドロサのタイトル争いでもなく、コニカミノルタ・ホンダが初の勝利を獲得する事でした。チームに熱い声援を贈る日本のファンに向けてメッセージを頂いてもよろしいでしょうか。

私たちを応援してくださる全ての方々には、私たちがシンヤの実力をMotoGPで出し切れるよう全力で取り組んでいる事を知っていて欲しいと強く願っています。私たちのその目標が達成できた時には、シンヤが表彰台や優勝を、1回のみのレースではなく、何度も狙う事ができるようになるのは間違いありません。


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