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2007年5月18日
本日の5月18日よりルマンで開催されるフランスGPには、2名のフランス人がカワサキから出場することを多くの地元ファンが楽しみにしていたが、オリビエ・ジャックが中国GP初日に負った右腕の怪我の回復が間に合わなかった事から、今回の最高峰クラスにおける地元フランス人ライダーは、ジャックのチームメイトのランディー・ド・ピュニエと、TECH3ヤマハチームのシルバン・ギュントーリの2名となった。
■ジャックの欠場により、カワサキの地元勢はド・ピュニエのみ
なお、今回カワサキ・レーシング・チームは、オリビエ・ジャックの代役として、現在SBKのカワサキPSG-1チームで活躍するスペイン人ライダーのフォンシ・ニエトを起用しており、地元フランス人のド・ピュニエのみではなく、250ccクラス以来となる久しぶりのグランプリ復帰を果たすニエトの動向にも注目が集まりそうだ。
(オリビエジャックのコメントはこちらの記事を参照。フォンシ・ニエトのコメントはこちらの記事を参照。)
■ド・ピュニエにとって最悪のレースとなった1年目のルマン
昨年のド・ピュニエは、最高峰クラスにおける予選での自身最高位となる4番グリッドを獲得し、期待に満ちてレースを開始したが、オープニングラップの第1シケインで後方からの激しい走りでシケインに進入してきたバレンティーノ・ロッシに押し出される形となって、地元のレースを1周もする事無く無念のリタイアを喫している。
■250cc時代のルマンでの走りを今年は最高峰クラスでも再現
250cc時代のルマンでの高い戦績とは異なり、期待もむなしく最高峰クラスでは悔しい地元レースの1年目を終える事になったド・ピュニエは、2年目の今年は前回の中国までに大きく進化を遂げたカワサキのNinja ZX-RRと、シーズン序盤から好調なブリヂストンタイヤの性能に大きな期待を抱いており、週末のレースでは自身の最高峰クラスでのレース最高位である8位よりも高い成績を狙うとしている。昨年の雪辱をかけてホームのレースに挑むド・ピュニエの戦闘意欲は非常に高い。
■ド・ピュニエ「今年はあんな事が起きないように祈るのみ」
フランスでの戦いが楽しみで仕方がないというランディー・ド・ピュニエは、不幸な昨年のレースを振り返りながら、今年こそは地元のファンの期待に沿う活躍を見せたいとその意気込みを語る。
「今週のルマンのレースは本当に楽しみで仕方がありません。」とド・ピュニエ。
「ストップ・アンド・ゴーが特徴なので自分のライディング・スタイルに合っているサーキットではありませんが、常にここでは速く走れています。自分の地元のファンの前でのレースですから、彼らの応援が自分を加速させてくれるんです。」
「ここでの250cc時代の過去4年間は表彰台を獲得しています。去年のMotoGPクラスでの最初のレースには、あんまりいい思い出はありませんけどね。」
「去年に獲得した予選の4位は自分のここまでのMotoGPクラスにおけるグリッドの最高位でしたから期待は本当に大きかったんです。でもレースでは1コーナーでロッシがこっちにぶつかってきました・・・今年はあんな事が起きないように祈るだけです!」
「前回までの2戦でカワサキのマシンはすごい進化を遂げましたから、フランスには自信を持って挑みますよ。ブリヂストンタイヤの性能についても同様ですから、ここでは自分のMotoGP経歴における最高位が狙える筈です。チームはとても頑張っていますから、このレースウイークではもう一段階進化したNinja ZX-RRを見る事にもなるでしょうね。」
「いつもそうですが、とにかく今回も全力で走り、地元ファンの前でMotoGPクラスでの最高のポジションを目指したいと思います。」
■バルトレミー「フォンシにはレースを楽しんで欲しい」
カワサキのコンペティション・マネージャーであるミハエル・バルトレミーは、今回のオリビエ・ジャックの欠場と、フォンシ・ニエトの起用に至るまでの経緯を簡単に説明している。
「オリビエには、私たちはできる限りの時間を怪我の回復に使って欲しいと思っていますし、彼がルマンでのレース出場を見合わせるという決断に至った理由はそのためです。」とバルトレミー。
「彼はレースへの出場を希望していますが、傷口はまだ安定していませんし、腕の動きも完全ではないので、レースは物理的に不可能だと私たちは判断しました。従って、彼はフランスには参戦できませんが、その代わりに次戦のムジェロに向けて体調を万全にする事ができる筈です。」
「オリビエがレースには出場できない事が判明した時点で、私たちは代役ライダーの起用を少しの間検討しましたが、実際のところ候補はたった1人しかいませんでした。フォンシはすでにカワサキ・ファミリーの一員ですし、彼にとっては今回がMotoGPクラスでの最初のレースには違いありませんが、彼はすでにグランプリをよく知り、パドックでも顔の知られたライダーです。」
「金曜日の最初のセッションまでに彼にとっての十分な準備期間はほとんどありません。当然厳しいものはありますが、彼が素速く最高峰クラスのレースで必要とされる戦い方に適応してくるのは間違いありませんので、彼がNinja ZX-RRと共にルマンでのレースを楽しんでくれる事を祈っています。」
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