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2007年5月18日
レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンとダニ・ペドロサは、本日から始まる本格的なMotoGPのヨーロッパ・ラウンドに向けてフランスのルマンに戻り、初日のフリー・セッションの走行開始を待っている。
■ヘイデンの母国GPに向けてルマンからのヨーロッパ転戦を開始
今回のレースウイークからは、2ヶ月の短い期間に7回のグランプリが開催されるという忙しい期間に突入する。この間に各チームはフランス、イタリア、スペイン、イギリス、オランダ、ドイツでの6レースを行いながらヨーロッパ各地を移動し、その直後にはニッキー・ヘイデンが2連覇を昨年までに達成している得意のアメリカGPを迎える事になる。
■ヘイデンは中国でのアクシデントによりランキングは9に後退
昨年度の最高峰クラスチャンピオンのヘイデンは、開幕からここまでの4レースを通してセッティングに不調を抱えており、今シーズンはまだ一度も表彰台を獲得できていない。その上、前回の中国ではオープニング・ラップの1コーナーで後続のライダーに追突されて大きく順位を後退し、現在はランキングの9位と低迷している。
■アメリカGPに向けてポジションを挽回しておきたいヘイデン
しかしながら、第4戦の中国は残念な結果に終わったものの、ヘイデンは第3戦のトルコからは復調の兆しを見せており、マシンの感触も徐々に高まっている事から、今回のルマンから始まるヨーロッパ・ラウンドでは昨年と同様に安定して表彰台を獲得し、ランキングの高いポジションに復帰してから、母国のラグナ・セカを迎えたいと考えているようだ。
■ペドロサは今回のルマンでグランプリ100戦目
ヘイデンのチームメイトのダニ・ペドロサにとって、2001年の日本の鈴鹿でのデビューから数えて、今回のルマンがグランプリ100戦目となる。ここまでに125ccクラスで1回の年間タイトル、250ccクラスでは2年連続の年間タイトルを獲得しているペドロサは、過去に高い成績を残しているルマンで、昨年に引き続き今年も表彰台を狙う。
■ヘイデン「悲しくてもバイクレースは大好きなスポーツ」
ニッキー・ヘイデンは、前回の中国GPと同じ期間に行われていたAMAのダートトラックレースで、10歳のいとこをレース中の事故で失っている。厳しいシーズン序盤に飛び込んできた悲しい事故に辛いオフウイークを過ごしたヘイデンだが、それでも自分はバイクに乗って早くレースがしたいと語る。
「自分のためにもチームのためにも、今は本当にいい成績を残さなきゃいけない時ですから、フランスでも当然全力を尽くします。」とヘイデン。
「ルマンは自分の好きなサーキットとは言えませんが、これは多分ここで一度もいい成績を残していない事が原因でしょうね。1回でも調子良く走れれば、どんなサーキットでも楽しめるようになると思いますから、今週はその流れを変えてみたいです。」
「自分の納得のいくバイクを仕上げて勝利を狙うには、まだ今後も作業を続けなければいけませんが、チームのスタッフがしっかり自分をサポートしてくれていますし、ホンダも躍起になってマシンの改善を急いでいます。ミシュランについても同様です。」
「今年は色々と厳しい状況です。さらに中国では日曜日にいとこの子がAMAフラットトラック選手権(ダートトラック競技)の事故で亡くなった事を知り、瞬時に多くの記憶を走馬燈のように思い浮かべました。あまりに身近な辛い出来事でしたが、彼に捧げられるように、今週は確実に高い成果を上げていきたいと今は考えています。」
「まだその事故から時間が過ぎて間もない状態ですが、それでも今の自分の気持ちは早くバイクに乗りたいというのが正直なところです。大好きなスポーツですからね。」
■ペドロサ「ミシュランのためにも頑張りたい」
昨年のルマンではレース終盤をリードしながら、途中でタイヤトラブルを抱えて3位でチェッカーを受けているダニ・ペドロサは、ルマンを本拠地とするミシュランのためにも、今回のフランスGPでは高い結果が残したいとコメントした。
「ルマンは過去にいいレースをする事ができたサーキットですから、今回も同じような走りができればいいなと思います。」とペドロサ。
「ルマンを800ccマシンで走るのは今回が初めてですから、今回の最大の目標は、特にギアの調整ですが、バイクの正しいセッティングを見つける事です。ここは低速コーナーからの激しい加速を強いられる場所がたくさんありますから、それぞれの場所で最高の駆動力を確保する事が重要になるんです。十分にドライ路面で走れるように、天気が持ってくれる事を祈りたいですね。」
「去年はルマンでポールポジションを獲得しましたが、レースでは少しタイヤにトラブルを抱えて最後までトップを維持する事ができませんでした。でも、ミシュランが彼らのホームレースに向けてすごく頑張っている事は間違いありませんから、彼らのためにもチームのためにも、ここではいい成績を残したいと思っています。」
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