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2007年5月18日
今年のMotoGPシーズン中の最も忙しい期間となりそうな本格的なヨーロッパ・ラウンドのスタートに向けて、序盤の4戦中に3勝を記録するという絶好調のドゥカティー・マルボロ・チームは、本日から開催されるフランスGPの舞台となるルマン・サーキットに到着している。
■ランキングトップのままヨーロッパに入るストーナー
開幕戦のカタールと第3戦のトルコ、および前回の中国で圧倒的な勝利を記録し、本人を含め「この状況を予想していた人は誰もいないだろう」と述べるケーシー・ストーナーは、ランキング2位につけるフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシと15ポイントの差を開いて、ポイントリーダーのままヨーロッパ・ラウンドを開始する事になった。
■従来の走りを取り戻し、ヨーロッパでの成績挽回に燃えるカピロッシ
また、昨年の今頃は現在のストーナーと同様にランキングのトップに立っていたロリス・カピロッシは、今年は開幕戦での不調がたたり現在はランキング8位につけているが、トルコでは表彰台を獲得し、前回の中国では予選でクリス・バーミューレンと接触して5列目からのスタートになるという不運はあったものの、激しい追い上げを見せて6位でレースを完走しており、そのアグレッシブな走りを完全に取り戻した状態でヨーロッパに戻る事ができた様子だ。
■スッポ監督「ルマンはヤマハサーキット」
ドゥカティーのMotoGPプロジェクトの責任者であるリビオ・スッポ監督は、今回のルマンは前回までの中国やトルコとは異なる古いタイプのサーキットであり、2005年以前にはヤマハやロッシが強さを発揮したコースである事から、ドゥカティーにとって戦いは簡単ではないと語る。
「フランスに向かう上での心構えも以前とは何も変わっていません。各レースを順番に迎えながら、自分たちができる最高の仕事をするよう心がけるのみです。」とスッポ監督。
「ルマンは決して簡単な場所ではありません。ヤマハが伝統的に得意とするサーキットであり、昨年のバレンティーノ・ロッシはエンジンがレースの途中に壊れるまでは大変な速さ(super fast)でした。それに彼は前回の上海でもすごい強さを見せつけましたからね。」
「ドゥカティーとブリヂストンタイヤの調子は非常にいいし、ケーシーの走りも素晴らしいです。また、ロリスは去年のルマンでは見事なレース運びで2位を獲得していますから、今年も先月のトルコの時のように表彰台争いを再び見せてくれる筈です。」
「まだ今年のシーズンは本当に始まったばかりですから、地に足を着け、真剣に頑張り続けるだけです。」
■ストーナー「ここまではまさに夢の実現だった」
ランキングのトップにつけ、シーズン序盤は夢のような出来事だったと語るケーシー・ストーナーは、今の成績にうかれる事なく、レースでは過去に表彰台を獲得した事のないルマンでも着実に作業をこなし、今後の戦いにも全力で取り組んでいきたいとコメントしている。
「今シーズンのここまでは、まさに夢の実現といった感じでした。」とストーナー。
「今後もチームで頑張り、自信過剰になったりしないで真剣に作業を続けていけば、きっと努力は報われる筈です。中国はとても大変なレースだったにもかかわらず、またしても全てが完璧に進みましたので、ルマンではどんな事が起こるのか楽しみに待ちたいと思います。」
「今までルマンでは常に4位くらいでした。実際、ここまでの過去4年間の成績は4位が3回です。
「ルマンで絶対に忘れてはならないのはブレーキング性能に優れたマシンです。また同時に、いくつかのロングストレートに向けてストップとスタートを繰り返すコースレイアウトですから、低速コーナー出口からの立ち上がりに優れたバイクも必要です。さらにルマンにはライダーの並び順位を決定づけるようなシケインがいくつかありますので、勇気を持ってブレーキングを遅らせるような走りが必要です。」
「いつもプラクティスの時はうまく走れるんですが、レースだと思い通りにいかなくなっていました。今年はその流れを変えられるんじゃないかと思います。」
■カピロッシ「個人的にルマンは好きではないがマシンは好調」
トルコから走りに勢いを取り戻したロリス・カピロッシは、昨年のコメントと同様にルマンのストップ・アンド・ゴーのレイアウトはあまり好みではないと語っているが、好調のチームメイトであるストーナーの走りから、ドゥカティーのデスモセディチGP7とブリヂストンタイヤの今年の性能には自信を示しており、ルマンでもドゥカティーのパッケージは高い性能を発揮してくれる筈だと語る。
「今年はあまり幸運なシーズンのスタートとは言えませんでしたが、これからのレースは全て楽しみですよ。どれもポイントを取り返すチャンスに必ずなりますからね。」とカピロッシ。
「ケーシーはGP7が勝てるマシンである事を証明してくれましたし、今年はブリヂストンタイヤの調子もすごくいいので、これからの数戦ではいい走りを見せる自信があります。自分たちはこの調子で頑張り続けるだけですから、再び楽しんで走れるようになったバイクの感触をさらにこのまま高めていきたいと思います。」
「去年はいいレースができたにしても、やはりルマンはあまり好きなサーキットではありません。ストップ・アンド・ゴーが中心のコースレイアウトですし、それほどテクニカルでもありませんから、あそこをMotoGPバイクで走ってもそんなに楽しめないんです。むしろ250ccとか125ccクラスに適したコースだと思います。」
「ただ、GP7はルマンでも性能を発揮してくれると信じています。このサーキットでは加速性能とブレーキング性能の2つが最も重要ですが、今の自分たちのバイクはどちらの面も強いですからね。」
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