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2007年5月18日
前回の中国GPで念願の初表彰台を獲得する事に成功したリズラ・スズキのジョン・ホプキンスは、昨年は表彰台圏内を走行中に転倒して大きく順位を後退する事になったルマンでも、中国に引き続いて連続となる表彰台を今年は獲得し、さらに高いランキングにつける構えだ。前回のレースでの3位により、合計39ポイントを獲得する事になったホプキンスの年間ランキングは現在5位にまで浮上している。
■昨年の転倒前の走りを再現し、表彰台を再び狙うホプキンス
昨年のルマンのレースでもホプキンスは好調な走りを見せていたが、今年の第2戦のヘレスと同様に3位を走行しながらコーナリング中に転倒し、15番手に後退してそのままチェッカーを受けている。今年は同様のミスを犯す事無く、好調のブリヂストンタイヤで昨年の転倒前の走りを再現してみせるつもりだ。
■予選に苦しみ続けるバーミューレン
ホプキンスのチームメイトのクリス・バーミューレンは、今年は予選での順位に苦しみながらも、レースでは毎回怒濤の追い上げを見せており、現在はランキング8位につけるドゥカティーのロリス・カピロッシ、およびランキング9位につけるレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンと同じ30ポイントを獲得してランキング10位につけている。
ランキング5位のチームメイトとのポイント差は僅かに9ポイントであり、長い残りのシーズンでのさらなる順位アップは今後も容易と見るバーミューレンは、今回のルマンでは今シーズンの課題としている予選での好成績を狙い、レースではスタート直後からトップ集団を追いかけたいと考えているようだ。
■レース中のアグレッシブな追い上げは折り紙付き
トルコではオープニングラップの転倒に巻き込まれて22秒をロスしたものの、最終的には2位表彰台から20秒遅れで11位のチェッカーを受け、中国では5列目15番グリッドからスタートして7位を確保するなど、バーミューレンのレースでのペースの高さはすでに折り紙付きだ。
実際のところ、バーミューレンの予選タイヤにおける課題はほぼ解決されつつある。バーミューレンはトルコGP翌日の合同テストではブリヂストンの予選タイヤでトップタイムをマークしており、前回の中国でも予選の最後のタイムアタック中にロリス・カピロッシとの不幸な接触さえなければ2列目以上のグリッドを確保できた可能性が高く、今回のルマンでは上位グリッドへの進出に期待が持てる状態だと言える。
■ホプキンス「やっと肩の荷が下りた」
初の表彰台を前戦の中国で獲得し、やっとプレッシャーから解放されたというジョン・ホプキンスは、今回のルマンでも昨年と同様の走りを再現し、連続表彰台を狙いたいとコメントしている。他のブリヂストンライダーたちと同様に、今年のタイヤのグリップ力には自信が持てるようだ。
「ルマンは本当に好きですね。スズキにも自分のライディング・スタイルにも合っていると思いますから、前回に引き続き連続表彰台を狙いたいところです。」とホプキンス。
「今年はブリヂストンタイヤがとても好調ですから、今シーズンのここまでのレースと同様に、自分たちが高いレベルで戦うのに必要なグリップ力を今回も提供してくれる筈です。」
「中国の結果で本当に自分の肩の荷が下りたって感じですから、今はとてもフランスが楽しみです。大好きなコースですし、ル・モンスター級のレースになるでしょうね!」
(訳注:“Le Monster race”とは、"Le Mans"と"Monster race"をかけた駄じゃれ。発音的には「ルマンスター」になる。個人スポンサーであるモンスター・エナジーの意味が含まれるかもしれない)
■バーミューレン「ここからはスズキの得意なサーキットが続く」
昨年は初めて経験したルマンのレースで10位を獲得しているクリス・バーミューレンは、今年は2度目となるフランスでさらに上の成績を狙おうとしている。まだ中国の予選でカピロッシと接触した時の足の痛みは消えないようだが、特にレースへの支障はない様子だ。
「中国の時のつま先がまだ少し痛みますが、こんな事ではへこたれません。」とバーミューレン。
「去年はあまりドライで走れる時間がありませんでしたが、それでもルマンは気に入りました。まだ予選は課題ですが、それが解消できれば表彰台のチャンスは訪れると思います。今シーズンのバイクとタイヤは素晴らしいし、今週はその性能が最大限に活きる事になるでしょうね。」
「チーム全員の意欲は今でも非常に高い状態ですが、これからの数ヶ月は長いレース期間が続きますので、それらをさらに高めて維持していく必要があります。この何連戦かの中ではスズキの得意なサーキットがいくつかありますから、いい結果が期待できそうですよ。」
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