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トルコGP翌日 非公式テスト情報

2006年5月2日

近年稀に見る白熱したバトルのトルコGP決勝翌日の5月1日、以下の8人のライダーがイスタンブールサーキットに残ってテストを続けている。レース当日と同じく天気予報は外れて雨は免れたが、路面温度は21度と寒い一日だったようだ。



以下に、参加ライダーと当日のテストタイム(非公式)を示す。

■イスタンブールGP翌日 非公式テストタイム

1.ケーシー・ストーナー 1分52秒42(55周)
2.ニッキー・ヘイデン 1分52秒90(86周)
3.マルコ・メランドリ 1分53秒(81周)
4.玉田誠 1分53秒22(82)
5.コーリン・エドワーズ 1分53秒31(60周)
6.ケニー・ロバーツ 1分53秒6(75周)
7.バレンティーノ・ロッシ 1分53秒61(72周)
8.ダニ・ペドロサ 1分56秒36(48周)

■次戦への期待が高まるホンダ、データ収集中心のヤマハ勢

日曜日の決勝と同様にホンダLCRのケーシー・ストーナー、レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンが好調だ。ホンダ勢は今回レースタイヤのテストを中心に行っている。

レース中に1分52秒台を出したのはロッシを追い上げていたトニ・エリアス(21周目)のみだったが、今回はケーシーとニッキーの二人がレースタイヤで52秒台を記録している。

また、マシンの振動問題解決に悩むキャメル・ヤマハ勢は、2日目の雨で試せなかったドライ路面でのマシンの改善状況を確認している。中国GPまでになんとか解決策を得たいキャメル勢はデータ収集に余念がない。

■中国GPに向けて振動問題の解決を急ぐキャメルヤマハ

トルコGPではロッシが最後に4位まで追い上げたものの、IRTAテスト終盤から悩まされ続けているグリップが高くなるとマシンに振動が発生する問題について根本的な解決策が見出せないキャメル・ヤマハチームは、事態を重く見て解析用データの収集を前回のカタール後の非公式テストに続けて行ったようだ。



レースウイーク中のセッションだけでは解決できない大きな問題だけに、今回の合同テストをチームは最大限に有効活用したい筈だ。

この日コーリン・エドワーズはレース中の自己ベストである1分54秒513を1秒上回る1分53秒31を記録している。トルコGPで悩んだレースセッティングについては解決の兆しにあるようだ。

バレンティーノ・ロッシはレース中の自己ベストの1分53秒238をこの日上回る事はなかったが、チーム監督のダビデ・ブリビオは、テストの目的は達成しており、中国GPは期待を持って迎えたいとコメントしている。

■トルコGP表彰台のホンダ3名はテストでも好調

トルコGP初日午前と同じく、今回のテストでもトップタイムをマークしたホンダLCRのケーシー・ストーナーは、ミシュランのレースタイヤ(フロント)を試して自身の自己ベストを1.8秒上回る1分52秒42を記録している。ケーシーはこのタイムを同じタイヤで19周走行した後に記録しており、レースシミュレーションも万全のようだ。

「今日は2台目のバイク(スペア)をレース用バイクのセッティングに近づける作業をしました。あとはミシュランタイヤをテストしています。」とケーシー。

「先週のプラクティスでは試せなかった事をいくつかテストしました。新しいセッティングも試してますし、2台のバイクで部品を交換したりもしましたが全てうまくいったようです。」

「マシンが希望通りになったところでレースタイヤを試しましたが、19周走ったところでファーステストを記録できて嬉しかったです。まだMotoGPバイクで経験の少ない事を考えると上出来ですね。」

レプソル・ホンダ・チームは今回二人ともテストに参加しており、ニッキー・ヘイデンは新しいミシュランのフロントタイヤとサスペンション、シャシーの組み合わせをテストして忙しい一日を過ごしたようだ。タイムは1分52秒90とケーシーのタイムには0.5秒ほど及ばなかったものの、テスト結果には満足している。

「作業には丁度いい日でした。昨日抱えたいくつかの課題も解決できましたしね。」とニッキー。



「サスペンションとスプリングの組み合わせを軽くテストして、ミシュランの新型タイヤも少しテストしました。いいセッティングも見つかりましたし、まだ上手く機能しない部分も見つけましたので価値のあるテストになりましたね。」

フォルツナ・ホンダはマルコ・メランドリのみがテストに参加したようだ。チームメイトのトニ・エリアスは低温状況でのテストを嫌ってキャンセルしている。

熾烈なバトルを制してトルコGPでの2度目の勝利を手にしたマルコ・メランドリはコースに出る度に自信を高めている。この日はより自分のライディングスタイルにあったミシュランのフロントタイヤを探っている。当日のタイムは1分53秒00。

「正直言うと、今朝コースに戻った時にはもうぐったりしてました。でも今日はいい日になりましたよ。」と、優勝祝いが夜遅くまで続いたメランドリ。

「ミシュランのリアとフロントの両方を試しましたが、期待の持てる結果が得られました。特にフロントがいいですね。ハードブレーキングをして昨日みたいなペースで走るとレース終盤にタイヤの挙動が変わってくるんですが、今日のタイヤは安定していて性能も落ちませんでした。」

「厳しい状況でグリップレベルの落ちないタイヤを探していますが、ここまでの感触は悪くありませんし、自分のライディングスタイルにもあっています。」

■玉田選手、フロントまわりの問題は解決の兆し

今シーズンが始まってからフロントまわりの接地感不足を訴えていたコニカ・ミノルタ・ホンダの玉田誠選手は、今回もミシュランのフロントタイヤをテストし、好感触を得てテストを終えている。玉田選手のレース中自己ベストは1分54秒896だったが、この日のテストで出した記録は1分53秒22。次戦となる中国GPへの意気込みも高い。

「今日は一日をタイヤテストに費やしました。結果は悪くありませんし、むしろ良かったと言えますね。」

「ミシュランと作業していていい開発の方向性が掴めました。10周くらい1分53秒5で走り、ベストラップは1分53秒22でした。ミシュランは今後に向けた解決策をいくつか持っていますので、今日の結果には満足しています。」

■レース結果を糧にするダニ・ペドロサ、1人ぼっちに悩むケニー

ニッキーのチームメイトのダニ・ペドロサは、レース最終ラップでの残念な転倒に落胆の色を隠せないものの、悔しい経験は今後の糧になると考えているようだ。テストでは低温路面にも関わらず、今後のレースに役立つセッティングを色々試している。

「先週中に考えたアイデアで、レース期間中に試すのは危なかった内容を今日はテストしました。レースの時より感じは良くなっています。」とペドロサ。

「ミシュランの新しいフロントタイヤも3本試しました。昨日はフロントに問題がありましたからね!」

「今日の天気も理想的とは言えませんし、タイヤが温まりにくい状況でしたが、それでもタイヤが機能してくれたのは本当に良かったです。ミシュランが分析するのにいいデータも集まりましたしね。」

「昨日の最終ラップで単独転倒した事については今も落ち込んでいます。本当ならデビューシーズンに表彰台を一つ増やせた筈ですしね。でも、もう済んだ事ですし、それも経験になると思います。」

前日のレースでは大半を1分56秒台で走り、予選中はコーナーの進入速度が得られず苦しんだケニー・ロバーツ・ジュニアは、この日レースタイヤで1分53秒6を記録し、独自シャシーの進歩を確認している。ケニーの今の悩みはテストライダーが自分以外にいない事のようだ。

「今は1秒速いペースで走れると思いますし、さらに改善もできますがあまり十分な時間がないんです。」とケニー。

「ここまでの2レースのうち1日ずつ雨で無駄にしたのが残念です。レースの時間と並行して大幅に開発を進めるのはほとんど不可能でしょうね。期待が持てるのはレースウイーク中に試せなかった別のセッティングで走ったら1分53秒7が出せた事です。昨日に比べれば大きな進歩ですよ。」

「ル・マンでは新しいシャシーを持ち込む予定で、それなら少なくとも今より0.5秒はタイムを改善できる筈ですが、チームメイトがいないのは少し困りものです。」


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