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■250ccクラスのレース内容
●250cc午後決勝
やや風は強いものの朝から透き通るような青空に恵まれたこの日、フィリップ・アイランドの午後の250ccクラス決勝レースにおいて圧倒的な強さを誇ったのは、ポールポジションからホールショットを奪ったフォルツナ・アプリリアのホルヘ・ロレンソだった。
■序盤から圧倒的な速さで逃げるロレンソ
シグナルが消えると同時にポイントリーダーのロレンソはオープニングラップの1コーナーにトップで進入し、その背後ではランキング2位につけるコプロン・チーム・スコットのアンドレア・ドヴィツィオーゾが7番グリッドからの好スタートを見せて2番手に浮上し、マステルMapfreアスパルのアルバロ・バウティスタが3番手、ランキング3位につけるマステルMapfreアスパルのアレックス・デ・アンジェリスがその後方4番手につけた。
先頭集団のトップでロレンソが快調に飛ばして逃げるのを、ドヴィツィオーゾ、バウティスタ、デ・アンジェリス、エミー・カフェラテのトーマス・ルティー、ジレラのマルコ・シモンチェリ、7番手につけるレプソル・ホンダの青山周平選手、2ラップ目にはチームメイトのミカ・カリオを交わして8番手に浮上したKTMの青山博一選手が追う。コプロン・チーム・スコットの高橋選手は11番手を走行。
■2ラップ目にミカ・カリオが転倒
青山兄弟に交わされて9番手に後退し、レプソル・ホンダのフリアン・シモンからの追撃を受けていたミカ・カリオは2ラップ目を終える前に大きなハイサイドを喫し転倒。カリオは高く宙に打ち上げられて地面に激しく落下し、ここでレースの続行を断念しているが、幸い骨折などの大きな怪我は負っていない。
■ロレンソは3ラップ目には単独走行に
3ラップ目に入るとロレンソは後続集団から大きくリードを奪い、早くも単独トップに。その後方ではバウティスタがドヴィツィオーゾを交わして2番手に浮上。3番手となったドヴィツィオーゾの後ろには4番手のシモンチェリが迫り、デ・アンジェリスは5番手に後退している。ペースの伸びないデ・アンジェリスは青山周平選手にも交わされて6番手に後退。
■好調なスタートを見せたシモンチェリが後退を開始
序盤に好調な走りを見せるシモンチェリはドヴィツィオーゾからも前を奪って一時的に3番手に浮上するが、6ラップ目までにはドヴィツィオーゾ、周平選手、デ・アンジェリス、ルティーなどに交わされて7番手に後退。
■周平選手がバウティスタとドヴィツィオーゾを交わし2番手に
ロレンソがトップを快走する7ラップ目、青山周平選手が熾烈な2番手争いを演じていたドヴィツィオーゾとバウティスタを続け様に交わして2番手に浮上し、2位集団のトップに躍り出た。
8ラップ目のメインストレートでバウティスタは周平選手の前に出るが、周平選手は1コーナーのブレーキングでこれを抑えて2番手を死守する事に成功。ひるんだバウティスタはドヴィツィオーゾにも交わされて4番手に後退。
■4コーナーでバランスを崩す周平選手
周平選手、ドヴィツィオーゾ、バウティスタの3台の競り合いとなった4コーナー、ここで周平選手は突如マシンのバランスを失い曲がりきれずにコーナーを直行してしまう。バウティスタはドヴィツィオーゾを交わして2番手に再浮上し、ドヴィツィオーゾは3番手に。周平選手は転倒は免れたものの、11番手付近にまで順位を落とす結果となった。
■ロレンソの10秒後方に5台の2位集団
先頭のロレンソが2番手のバウティスタから10秒以上の大差を開いた10ラップ目以降のレース中盤、2位集団をバウティスタ、ドヴィツィオーゾ、ルティー、青山博一選手、シモンの5台が形成。7番手を走るデ・アンジェリスは2位集団にはついていけずに、徐々に後退していった。
■2番手のバウティスタの追撃にかかるルティー
13ラップ目にドヴィツィオーゾはルティーに交わされ4番手となり、博一選手はシモンに交わされて6番手に。16ラップ目に入るとこの2位集団は、2番手を争うバウティスタとルティー、4番手を争うドヴィツィオーゾとシモン、単独6番手の博一選手の3つに分割されるが、レース終盤にこの5台は再び接近して激しく順位を入れ替え始める。18ラップ目に博一選手はシモンを交わして5番手に。
■ドヴィツィオーゾと博一選手に交わされルティーが5番手に後退
19ラップ目のメインストレートでドヴィツィオーゾは3番手のルティーに並びかけ、20ラップ目の1コーナーでは抑えられたものの続く6コーナーでルティーを交わし3番手に浮上。博一選手も後退してきたルティーを交わして4番手に順位を上げた。
■バウティスタを追い上げる博一選手
ここでドヴィツィオーゾは博一選手とルティーの2台に交わされて5番手に後退し、2番手を行くバウティスタの背後には3番手となった博一選手が迫っている。この時点の上位ライダーの順位は先頭がロレンソ、その18秒後方には2番手のバウティスタ、3番手の青山博一選手、4番手のルティー、5番手のドヴィツィオーゾ、6番手のシモンという2位集団の5台がつけている。
■ルティーが再浮上、バウティスタを交わして2番手に
残り5周の21ラップ目、博一選手を交わしたルティーが4コーナーを抜けたところでバウティスタを交わし2番手に浮上。3番手に後退したバウティスタの背後には博一選手を交わした4番手のドヴィツィオーゾが迫る。22ラップ目にはバウティスタがルティーを交わして再び2番手につけ、ドヴィツィオーゾも同じくルティーを交わし3番手につける。
23ラップ目、2番手を争うバウティスタとドヴィツィオーゾの背後では博一選手とルティーが4番手を争うが、ルティーがやや強引に博一選手のインを奪った事により、博一選手は後続のシモンにも前を奪われ6番手に後退してしまう。
■終盤の2番手争いはバウティスタとドヴィツィオーゾ
レース残り2周となる24ラップ目のメインストレート通過時点の順位は、先頭がロレンソ、大きく遅れて2番手のバウティスタ、3番手のドヴィツィオーゾ、4番手のルティー、5番手にはシモンを交わした青山博一選手、6番手にシモン、さらに大きく遅れて7番手のシモンチェリ、8番手にはコースアウト後に順位を挽回した青山周平選手、9番手にデ・アンジェリス、10番手に高橋選手、11番手にはジレラのロベルト・ロカテリが続いた。
■最終ラップを前にドヴィツィオーゾが2番手に
7コーナーでドヴィツィオーゾがバウティスタを交わして2番手に浮上。
最終ラップの25ラップ目、ロレンソが余裕の単独走行で通り抜けた後の1コーナーに2番手のドヴィツィオーゾと3番手のバウティスタが先を争って進入し、その背後ではルティーと青山博一選手が4番手を奪い合っている。6番手にはシモンが続く。
■激しく前を奪い合うバウティスタとドヴィツィオーゾ
1コーナーをドヴィツィオーゾから奪ったバウティスタは2番手に立ち、3番手となったドヴィツィオーゾの背後には博一選手を交わしたルティーがつける。
4コーナーの進入、ドヴィツィオーゾはバウティスタから再び前を奪って2番手に浮上。3番手となったバウティスタはドヴィツィオーゾの真後ろにつけて食い下がり、その後方には4番手のルティー、5番手の博一選手、6番手のシモンの3台が続いている。
■最終ラップの9コーナー、バウティスタが2番手に
トップのロレンソが余裕の単独チェッカーを受けた頃、そのはるか後方の9コーナーではバウティスタがドヴィツィオーゾから前を奪う事に成功して再び2番手に浮上。3番手となったドヴィツィオーゾはバウティスタの背後につけて最終コーナーまで猛追を続けるが、最後のメインストレートでバウティスタのスリップにつく事はできても、横に並びかけて距離を縮める事はできない。
■ロレンソは20秒の大差でオーストラリアGPを圧勝
オーストラリアGPで勝利を飾ったのは、後続から結果的に約20秒の大差を広げる余裕の走りを序盤から見せたフォルツナ・アプリリアのホルヘ・ロレンソだった。
■2位はバウティスタ、ドヴィツィオーゾは結局3位に
熾烈な2番手争いを制して2位表彰台を最後に獲得したのはマステルMapfreアスパルのアルバロ・バウティスタ。ランキング2位につけるコプロン・チーム・スコットのアンドレア・ドヴィツィオーゾは悔しい3位表彰台に終わっている。
4位はKTMの青山博一選手、5位はエミー・カフェラテのトーマス・ルティー、6位はレプソル・ホンダのフリアン・シモンが獲得した。
■次戦のマレーシアで250ccタイトルの2連覇を決めそうなロレンソ
この結果、シーズン残り2戦の段階でポイントリーダーのロレンソ(287)がランキング2位のドヴィツィオーゾ(242)から合計45ポイントの差を開く事となり、最終戦のバレンシアを待たずして、次戦のマレーシアGPにおいロレンソが2年連続の250ccタイトルを決める可能性が極めて高くなった(全ライダーの順位は結果表を参照)。
・決勝レース時の気温は18度、路面温度は29度、湿度は50%。路面状況はドライ。
・フィリップのサーキットレコード(250cc)は2004年にS.ポルトが記録した1分33秒381
・フィリップのベストラップ(250cc)は2004年にS.ポルトが記録した1分32秒099
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