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2007年7月12日
アッセンのレース直後に慌ただしくミサノ・サーキットに向かい、ワールド・ドゥカティー・ウイーク(WDW2007)の会場に到着したドゥカティーMotoGPチームは、4日間のイベントの中でホットサンド1万5千食、3.6トンのビールと4.2トンのワイン、1.2トンのソーセージを胃袋に収めた熱狂的なイタリアの観衆に大歓声をもって迎え入れられた。
■カピロッシを越える大声援にたじろぐストーナー
地元イタリア人ライダーのロリス・カピロッシの後に舞台に登場した現在のポイントリーダーであるケーシー・ストーナーは、カピロッシの登場時の倍以上とも思える爆発的な大声援を受け、ドゥカティーの地元イタリアでの圧倒的な支持の高さを実感した様子だ。
■万全の体制でドイツからのシーズン後半戦に挑むポイントリーダー
シーズン序盤の多くのヨーロッパの厳しい評論家たちの予想を打ち破り、明日(7/13)のドイツGPから始まる2008年シーズンの後半戦を、コンストラクター、チーム、ライダーという全ての部門でランキングトップのまま迎える事になったドゥカティー・マルボロチームは、800ccとなったデスモセディチGP7とブリヂストンタイヤという今期絶好調のパッケージに高い自信を抱き、シーズン終盤に向けて本格化するタイトル争いに万全の体制で挑もうとしている。
■スッポ監督「後半戦は得意のサーキットが楽しみ」
ドゥカティーMotoGPのチーム監督であるリビオ・スッポは、セパンやもてぎなどの得意とするサーキットが待つ後半戦に向けて高い期待を示している。ストレートの短い今週のザクセンリンクに対しても苦手意識は特にないようだ。
「まだ年間ランキングをリードした状態でシーズンの後半を迎えられる事になりました」とスッポ監督。
「残りの9レースも大変に楽しみです。これからは自分たちのマシンのパッケージに合うサーキットがいくつかありますので期待が持てますね。」
「ザクセンリンクは大変に奇妙なサーキットです。非常に狭い場所が何ヶ所かあり、ストレートもあまりありません。ただ、ここでは過去にいい走りが常にできていますから、今回のレースでも高い成績を獲得する自信は強く持っています。」
■ストーナー「今もセッティングを学びながら戦っている」
昨年は最終日午前のウォームアップ中にザクセンリンクの高速12コーナーで転倒し、怪我を一切負わなかったにも関わらずドイツの医師から出場許可がおりずに悔しいレース欠場となったケーシー・ストーナーだが、ザクセンリンクは125cc時代に初めて表彰台を獲得したサーキットであり、彼が良い思い出を持つサーキットだ。
「まだどんなレースでもバイクのセッティングを学びながら戦っています。ちょっと変わった特徴を持つサーキットでは特にそうですね。」とストーナー。
「ドゥカティーとブリヂストンはここまでにどんなサーキットでも好調でしたから、ドイツでもしっかり作業に集中して今までに行ってきた事を再現したいと思います。」
「ザクセンリンクは自分にとって初の表彰台を獲得した場所ですし、当時の125ccバイクではすごく楽しめるサーキットでした。ただ、MotoGPバイクの場合、うまく走るにはちょっと難しいコーナーがここにはいくつかあります。」
「ここはタイヤの側面のグリップがとても重要なんです。ずっと側面を使って走り続けるような長いコーナーがいくつもあって、さらにできる限りアクセルを開け放した状態で走らなきゃいけませんからね。」
「それにコーナーの上り下りが激しいのが大変です。いくつかの高速左コーナーの丘を下っていく時なんかはちょっと怖いですよ。サスペンションが下がりきってしまわないように注意して、それからまた上り坂、さらにまた下るって感じです。」
「12コーナーは頂上に到達したらリアが浮くような感じになりマシンが横を向いてしまいそうになるので、あそこではトラクションがしっかり得られるようにしておく必要があります。」
■カピロッシ「マシンの改善状況が成績に反映できていない」
ムジェロから新型エンジンを投入したにもかかわらず、その後に不安定な天候が続いた事から新しいマシンのセッティングを進める事ができず、さらに過去数戦はレース中のメカニカル・トラブルにも見舞われて「今の自分は厳しい立場にある」とコメントしていたロリス・カピロッシは、今後も冷静さを保って問題解決に取り組んでいきたいと語った。
「ザクセンリンクはとても好きなサーキットです。低速できついコーナーがとても多いので、MotoGPバイクでは若干奇妙に感じる事もありますけどね。」とカピロッシ。
「多分990ccマシンよりも800ccで走った方がさらに楽しめると思います。今の新しいバイクの方が少し挙動が機敏ですから、コーナー進入時とコーナリングの最中でもっとスピードが出せるでしょうからね。」
「最初の区間はちょっと低速すぎる印象ですが、続く6コーナーと7コーナーの付近はすごく面白い場所ですよ。また、12コーナーはすごく迫力があり、ブラインドコーナーになっている上に、時速200キロ以上の速度が出るんです。それから急こう配の坂を下ってから13コーナーに向かいます。」
「ドニントンと言いアッセンと言い、ここまでの数戦は難しいレースウイークをすごしてきましたが、時々何かが思い通りにいかなくなるのもレースです。どんな状況でも冷静さを保ち、改善の方向性を探り続ける事しか、答えを見つける方法はありません。」
「ここまでの何戦かの間にマシンの改善はいくらか進みましたが、今のところその内容をレースの結果に反映する事ができていない状態です。」
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