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イルモアのチーム解体とMotoGP全体のスポンサー難
インテリマーク編集部
2007年4月30日

2007年シーズンからMotoGPへのフル参戦を開始する予定だったイルモアが、第2戦のスペインGPを前に、スポンサー難を理由にレースへの継続的な出場を保留する声明を発表してから約1ヶ月が経過したが、同チームは本日4月30日に今後の活動に関する声明を正式に発表している。
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■イルモアはチームを解体しV4エンジンの開発のみに集中

今回の発表によれば、この5月末をもってイルモアはMotoGPに参戦していたチーム体制を事実上解体し、V4エンジン開発以外の活動を全て休止する方向だが、チームオーナーであるマリオ・イリエンは、ここまでの活動を通してMotoGPの業界全体としてのスポンサー難の問題に直面し、色々考えさせられる部分も少なくなかったようだ。
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■たばこ離れ以後、解決できないMotoGP業界全体のスポンサー難

実際、スペインのたばこメーカーであるフォルツナ撤退後のグレッシーニ・ホンダチームにタイトルスポンサーが今年はつかなかったり、同じくフォルツナ撤退後にスポンサーの獲得ができなくなったTECH3ヤマハチームのタイトルスポンサーをタイヤサプライヤーとなったダンロップが直接務めるなど、社会的背景によるたばこスポンサーのモータースポーツ離れが進んで以来、F1業界などと比較するとMotoGP業界は今でも優良国際企業の誘致に苦戦している。


■現在の心境とスポンサー難の問題点を語るイリエン

ここでは、イルモア・チームの公式リリースより、今後のイルモアの活動方針と、マリオ・イリエンのここまでの心境を語ったコメントを紹介する。
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イルモアのチームオーナーであるマリオ・イリエンと、経営責任者のスティーブ・ミラーは、現在エンジンなどの開発に直接携わっている主要メンバー以外との雇用契約を来月5月末には全て解除し、冬季シーズン中の活動から開幕戦への出場に関わったオリジナルのチーム体制を事実上解体する旨を、本日の4月30日発行の公式リリース内で発表している。

■現在も目処のたたない2007年シーズンへの復帰
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スペインGP以降の参戦保留の申し入れをMotoGP運営元のDORNA(ドルナ社)に申請した当時、イルモアは今後もV4エンジンプロジェクトは継続し、スポンサー難などの財政問題が解決でき次第、グランプリには復帰する意向を明らかにしていたが、その後もスポンサーを獲得するには至らず、今回の発表に至ったという。

昨シーズンはポルトガル戦とバレンシア戦の2レースに出場してポイントを獲得、今期はフル参戦を表明して開幕戦に出場したMotoGPチームの解体を決意したマリオ・イリエンは、決してMotoGPの参戦自体を断念した訳ではなく、現在の最小限の活動に適した形にチームを再編した事を強調している。



■イリエン「スポンサー問題が解決するまでチームを最小化」

MotoGPのレース活動復帰に向けてのエンジン開発は継続するとイリエンは語る。
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「レース活動の継続を財政的に可能とするために、タイトルスポンサーと私たちのチームに適したパートナー探しを全力で行っていますが、レース活動の保留が決まった今の段階において、従業員やレーシングチームをフル体制で維持する必要性はありません。」とイリエン。

「なぜ私たちがレース活動を停止しているのか、多くの方に完全に理解していただくのは難しい事だと思います。実際、一部の人たちは私たちがMotoGPから撤退したのだとすぐに決めつけて意見を述べていました。しかしながら、私たちの熱意は今も変わらず脈打ち続けており、チームのために間違いなく財政面でのパートナーを獲得する事ができると私は強く信じています。」
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「私たちはチームを再編し、しばらくの間はエンジン開発のための最小限の部隊となります。」

■たばこスポンサー離れと環境ブーム

またイリエンは、昨年からのMotoGP参戦準備の活動を通し、MotoGP業界全体や、モータースポーツ全体のスポンサー難を肌身で感じる事が多かったようだ。4月12日にDORNAが各チームに向けて開催したスポンサー獲得のための公開討論会に出席したイリエンは、その感想を交えながら以下の通りコメントを追加している。
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「私は2週間前にバルセロナで行われたDORNAスポンサー会議(Dorna sponsorship workshop)に出席してきましたが、このスポーツを商業目的のスポンサーにとってより魅力的なものにするには、まだまだ将来にわたっての大きな取り組みが必要な事は明らかだと感じています。」

「このスポーツに直接関わっていない多くの(優良企業の)キーマンは、本当の意味でMotoGPが何であるかをあまり理解していませんし、企業を宣伝するのにどれだけ素晴らしい場所であるかも深く理解はしていません。また、その多くの方たちは、たばこスポンサーの撤退からこの業界が受けている打撃を過小評価しているようです。」

「その他にも、潜在的なスポンサーの多くが環境問題に近年深く興味を示している事も課題の1つと言えるでしょう。もちろん、私はプロのモータースポーツと環境問題は決して相反するものではないと強く信じている1人ですが、いずれにしても、調査を要する多くの問題に直面しているのは事実です。」

■スポンサー獲得後は同じライダー体制で復帰したい。
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イルモアは、今期のチームのライダーとしてMotoGPにエントリーされているジェレミー・マクウイリアムスとアンドリュー・ピットの2名との契約を現時点においては解除していない。なお、イリエンは、アンドリュー・ピットをSBKチームを運営するハンスプリー・テンケイト・ホンダに貸し出す事ができた事実を大変に嬉しく思っている様子だ。
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ピットは現在テンケイト・チームからWSSカテゴリーに、骨折した同チームのライダーであるフランス人ライダーのセバスチャン・シャルパンティアの代役ライダーとして参戦しており、前回のバレンシア戦では2位表彰台、日曜日に行われたテンケイトのホームレースとなったオランダ戦でも同じく2位表彰台を獲得したばかりだ。

「バレンシアでアンドリューがハンスプリー・テンケイト・ホンダのために高い成績を残した事を、大変に嬉しく思いました。彼は私たちが今でも信じる才能と高い実力を発揮してくれましたね。」とイリエンは続ける。
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「アンドリューとジェレミーの2名は、難しい状況にもかかわらず、揃ってイルモアのために素晴らしい仕事をこなしてくれました。彼らの前進あるのみの姿勢、忍耐力、ならびに私たちへの理解に心から感謝を述べたいと思います。」

「もし全てが計画通りに進み、2007年シーズンへの復帰に向けて財政的な問題から解放された時には、もちろん2名には揃ってライダーとしてチームに戻ってもらう事を心より願っています。」


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