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2007年2月13日
イルモアのジェレミー・マクウイリアムスが本日2月13日、カタールで行われているIRTAテストからついにテスト走行に復帰している。(写真下は昨年末のヘレス)
■マクウイリアムスが大事故から驚異的な速さで復帰
スペインのヘレス・サーキットにおけるメーカー合同テスト3日目となった昨年の11月30日、4コーナーで転倒したイルモアの2007年レギュラー・ライダーである42歳のジェレミー・マクウイリアムスは、左大腿骨と右鎖骨を骨折、左指の一部を失うという大怪我を負った。
その後3回の手術を受けたマクウイリアムスは開幕までの復帰を目指し、休みも取らずに忙しくリハビリに専念したという。この結果、今年1回目のIRTAテストとなった本日、アイルランド出身のベテランライダーは、昨年よりも新しくなったイルモアの800ccマシンにまたがって、3ヶ月ぶりのライディングを砂漠のサーキットで披露する事ができたようだ。
■苦悩するイルモア
今年1月のアルメニアでの単独テストと、2月にセパンで行われたメーカー合同テストにおいて、イルモアはマシンの開発に苦戦している。2輪の老舗メーカーが次々と990cc時代の記録を800ccマシンで塗り替える中、イルモアのマシンはなかなかタイムを上げる事ができていない。
イルモアにとって初の2輪グランプリへのチャレンジは何もかもが新しく、作業量は他のメーカのそれと比較してもさらに膨大だ。開幕レースはもう1ヶ月先に迫っており、今のままのタイムでは予選通過も危うい。すでにイルモアには時間はなく、開発は今後も休みなく急ピッチで進めなければならない。
■一刻も早く開発に復帰したかったマクウイリアムス
マクウイリアムスの事故後は、今シーズンの彼のチームメイトであるアンドリュー・ピットが1人でテスト走行を続けながら、大量の開発メニューをこなしていた。ピットはセパンでマクウイリアムスの復帰を心待ちにしていたが、マクウイリアムスも、一刻も早く開発作業に戻る事のみを考えていたようだ。
■マクウイリアムス「ヘレスまで開発は順調だった」
本日のカタールでのテスト走行を前にして、ジェレミー・マクウイリアムスは以下の通りコメントしていた。先週の金曜日に簡単な手術を受けたようだが、怪我の回復は順調のようだ。
「先週の金曜日に、負傷した側の足の小さな手術をアイルランドで受けました。トレーニングとテスト走行が楽にできるように、ひざを固定しているネジを調整してもらったんです。」とマクウイリアムス。
「ここ数週間の回復度合いは大きかったです。今は体力に自信もつきましたから、バイクに乗るのが楽しみでなりません。11月末から仕事を離れている間中、ずっとイライラしていましたね。チームやアンドリュー(ピット)とはずっと連絡を取り続けていましたが、実際にバイクに乗って作業を進めない事には意味がありません。」
「今、チームは現実的な問題に直面していると思います。イルモアにとって今の一番の問題は走行距離が足りない事です。シーズンの開幕は刻一刻と迫ってきていますからね。」
「自分がヘレスで事故に合うまでの開発進捗はすごく順調でしたから、マシンの改善がカタールとヘレスでは飛躍的に進んでくれる事を願っています。」
■マリオ・イリエン「一晩で奇跡が起こるとは考えていない」
イルモアのチーム・オーナーであるマリオ・イリエンは、前回のセパンでは全く思い通りに開発が進まなかった事を認めており、このタイミングで再び戦力として戻ってきたジェレミーの今回の復帰と回復の早さを心から歓迎している様子だ。
「ジェレミーの回復は驚異的ですよ。彼は迅速かつ安全な方法でリハビリに専念してきましたからね。本当に嬉しいです。」とイリエン。
「アンドリューは彼のいない間に1人でいい仕事をしてくれました。でも、コースに2名のライダーが揃って戻ってくるのは最高ですね。」
「前回のセパンのテストが少し残念な結果だったのは事実です。チームの誰もが必死に頑張っていますが、時には思い通りに作業が進まない事もあります。それでも、私たちには前進あるのみです。まだ開発という長い道のりの第一歩を踏み出したばかりですし、一晩で奇跡が起きるなどとは誰も考えていません。」
「ゆっくりでも、着実に目標に向かって進歩を続けるだけです。カタールでは2名のライダーの両方に期待しています。」
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