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大量データの分析を急ぐイルモア
インテリマーク編集部
2007年2月8日

2007年シーズンから初めてMotoGPに出場するF1の名門エンジン・サプライヤーとしても知られるイルモアは、彼らにとっては今年1回目となるメーカー合同テストでの走行テストを、昨日の2月7日に終えた。
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■心待ちにしていた今回のセパン合同テスト

イルモアは先々週のスペインのアルメニアでも、単独でサーキットにおける走行テストを実施しているが、真冬の2月初旬のスペインは、あまりロードレースにおけるテスト期間としては適しておらず、この時は雪のちらつく中での厳しいテストとなったようだ。

昨年末のヘレスでの合同テスト参加時よりも、大幅にエンジンの仕上がりが良くなった事をアルメニアでの走行後にアピールしたイルモアGPチームのメンバーは、今回のマレーシアにおける暖かい気候の中でのテストを心待ちにしていたとう。


■過酷な作業をこなし、少しでも多くのデータを収集したいイルモア

グランプリバイクの開発経験がほとんどないイルモアにとって、初参戦となる今年のプレシーズンテストの重要性は言うまでもない。いかに4輪グランプリにおける名門エンジンサプライヤーと言えども、ゼロからグランプリバイクのエンジンを設計を開始した彼らにとって、実際にサーキットでのレーシングスピードによる走行を重ねて分かるコーナリング時の4輪と2輪の遠心力の方向性や内部流動の違いなど、今後の開発に必要なデータ採取の課題は山のようにある事は容易に想像がつく。タイヤの構造も全く別物だ。

現在イルモアが必要としているのは、こうしたエンジン改良やシャシー開発に役立つ1つでも多くの情報を採取する事だ。今回のセパンでの最終的なラップタイムはタイムシート上の総合トップタイムから大きく7秒も離される結果に終わったが、彼らがタイムを意識するようになるには、あともう少し時間が必要だろう。
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■正念場となる次回のIRTAテスト

彼らにとっての勝負は、ここまでのテストで採取した大量のデータを、残り2回のIRTAテストでマシンの新パーツ開発などに急ピッチで反映し、2007年シーズン開幕までに、少しでも他のメーカーのマシンに迫る戦闘力を身につける事だ。言い換えれば、2月13日のカタールでのIRTAテストは、彼らにとっての正念場だと言える。

今回のセパンでイルモアは、アルメニアで確証を持ったエンジン精度の向上策を試し、同時にミシュランから提供された新型タイヤのテストを行っている。直接的にタイムに反映される事はなかったが、最終日には今後の開発に有益な情報を多く収集する事ができたという。


■アンドリュー・ピット「少し休憩したい」

こうした慌ただしい状況の中、イルモアのレギュレー・ライダーの一人であるジェレミー・マクウイリアムスが年末のヘレス合同テストで大怪我を負った事から、今回のセパンでは、もう一人のライダーであるアンドリュー・ピットが、一人で予定の膨大なテストメニューを3日間通してこなした様子だ。

思うように改善が進まなかった最初の2日間と、ここまでの大変な忙しさを嘆くピットだが、マクウイリアムスが復帰する次回のカタールでは2人揃ってテストを進められるようになるので、今からそれが楽しみだという。

「前日までの2日間は厳しい状態でしたね。全員ですごい長時間をかけて働き続けたのに、期待通りの成果があまり得られなかったんです。」とピット
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「今はメンバーの全員が加速度的に学習速度を高めているのは間違いありませんが、ここまで忙しいと辛い気持ちを抑えるのがなかなか難しいですよ。」

「チームは確実に前進しつつありますから、カタールのテストまでに何日かは休憩したいですね。次回からはジェレミーと作業を分割できるから嬉しいです。」


■マイク・ジェーンズ監督「開幕までの作業は膨大」

昨年まではF1のコスワースでチーフ・エンジニアを務め、今年からはイルモアのMotoGPチーム監督となったマイク・ジェーンズは、なかなか思う通りにマシンの開発は進まないとしながらも、チームのメンバー全員が、開幕を目指して膨大な作業を精力的にこなしている事に感謝している様子だ。

「ここセパンでのミシュランとのタイヤテストには、とても明るい結果が得られました。フロントまわりの改善内容には大変満足できますし、ミシュランのおかげでタイヤについて深く学習する事ができました。ミシュランとの協力体制もこれで整いましたから、今後に期待が持てます。」とジェーンズ監督

「いくつか異なるタイヤのセッティングを試しましたので、今はやっとタイヤの種類別にバイクの特性を設定できるようになりました。なかなか自分の思い通りの速度で改善は進みませんが、この3日間に大きくセッティングを変更した事で、数箇所の点ではいい成果も得られています。」

「シーズンが始まるまでに、まだまだ多くの作業をこなさなければならない事を全員が良く理解しています。マリオ(チームオーナー)と私は、残りの時間内に達成できる目標設定については現実的ですが、他のメンバーは次のカタールで最大限にテスト時間を活用して、レースまでに出来る限りの準備を進めようと必死です。」

「期待が持てるのは、この3日間はチームに過酷な労働を強いる事になったにもかかわらず、メンバー全員が非常にうまく力を合わせてくれている事ですね。」


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