|
2007年3月15日
MotoGPの2007年シーズンが開幕し、今年は5大バイクメーカーにF1のエンジン・サプライヤーとしても有名なイルモアが加わるなど、各ワークス間におけるマシン開発競争
が近年になく白熱しそうな雰囲気の800ccマシン初年度となったが、ここにきて来週末のスペイン・グランプリ(ヘレス)を前に、残念なニュースが飛び込んできている。
■イルモアが次のスペイングランプリを欠場し今後の参戦を保留
初の2輪グランプリ参戦を今期から開始したばかりのそのイルモアが、スポンサー難の問題から、次回のヘレス以降は資金繰りが解決するまではグランプリ参戦を保留する事を、本日3月15日に公式発表している。
イルモアのチームオーナーであるマリオ・イリエンは、現在のチームの持つスポンサーだけでは年間シーズンを通してのレース活動ができない事を認め、MotoGPの運営元であるDORNAに対し、来週ヘレスで行われるスペイン・グランプリには参戦しない事を申し入れ、これが受諾されたようだ。
■プロジェクトは継続するが、スポンサー難のために参戦目処は立たず
イルモアは今後もV4エンジンプロジェクトは継続し、将来のグランプリ参戦に向けての活動は続ける事を今回発表しているが、今シーズン中にグランプリに復帰できるという目処は現在も立っていない様子だ。イルモアは、ここまでの参戦に向けての準備活動およびシャシーとエンジンの開発を通して、1年間のフル参戦には莫大な費用が必要であると判断したため、キーとなるスポンサーを獲得できるまでは参戦を見合わせると述べている。
■マリオ・イリエン「難しい決断だった」
今回の参戦保留の決定に際し、イルモアのチーム・オーナーであるマリオ・イリエン氏は、以下の通り声明を発表している。
「チーム内では慎重に検討を進めましたが、この大変に難しい決断をせざるを得ない状況である事が判明しました。」とイリエン。
「あらゆる可能性を検討しましたが、現段階においての最良の方法は、レース活動を保留するという決断を下す一方で、開発は今後も継続する事だという考えに至りました。」
「DORNAとIRTA、それにFIM、および多くのテクニカル・パートナーやサプライヤーのここまでのご支援、並びに今回の事態に対してのご理解を深く感謝いたします。私の気持ちは、多くの一般の方々や世界中のメディアから大変に支持を頂いたこのチームに、まだ強く残っています。」
「また、この短期間で私たちが成し遂げた仕事の大きさには誇りを持っています。素晴らしい人たちと共に、過去何ヶ月かを懸命に働いて参りました。その非常に過酷な開発フェーズにおいて、私たちの2名のライダーでるジェレミー・マクウイリアムスとアンドリュー・ピットは全力を尽くし、私の想像を遙かに超えた働きを見せてくれました。」
「これからの数週間は、私たちのプロジェクトとチームの将来についての重要な検討会議を行い、考えられるすべての可能性についてを協議し、最良の結論を導きたいと考えております。」
|
|