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2007年3月11日
年末最後のメーカー合同テストでは総合トップタイムを記録し、今年に入ってからの数々のテストでもバレンティーノ・ロッシを始めとるフィアット・ヤマハ勢を圧倒する走りを見せたレプソル・ホンダのダニ・ペドロサは、今回のカタールでの開幕レースで3位表彰台を獲得している。
初戦からロッシとペドロサの新旧バトルが期待された800cc時代の幕開けは、新旧バトルには違いはなかったものの、旧王者ロッシと争った新鋭はペドロサではなくドゥカティーのケーシー・ストーナーだった。
■旧王者に対抗するペドロサの課題とストーナーの課題?
開幕前に、最高峰クラスに来てから感じている課題は追い越しテクニックだと述べていたペドロサだが、今回の第1戦での1コーナーにおける追い越しで、ロッシの深い飛び込みに抑えられていた姿は、昨年のマシンよりもコンパクトとなり、自身にとって乗りやすくなった800ccマシンでも初戦を見る限りでは同じであり、今後も彼のよりレースで勝てるライディングスタイル完成への取り組みは続く様子だ。
なお蛇足ではあるが、今回優勝したストーナーにとっても、アクセルを開けてから急激にブレーキレバーを握る見方によってはリスキーとも取れる彼とドゥカティーのスタイルが、ほとんどブレーキを使わずにスムーズにコーナーを攻めているロッシに対し、他のサーキットでどこまで通用するかが、今シーズンの課題となるのかもしれない。
■ナンバー1に言い訳は不要
また、冬季テストでのカタールから今回のレースウイーク中を通してフロントまわりのセッティングが仕上げられずに苦しんだ昨年度990ccチャンピオンのニッキー・ヘイデンは、8位に終わった開幕レースの後は、厳しい表情のままピットに戻り、そこでは笑顔を見せていない。
言い訳はしたくないというヘイデンは、ここまでに自分のためにマシンを必死に調整してくれたホンダのスタッフに対して感謝の言葉を述べ、次のヘレスでのレースに向けて気持ちを新たにしている様子だ。
■3位)ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ RC212V
レース前半は先頭のストーナーとロッシを3番手のポジションで追い続け、何度かロッシにも並びかけたダニ・ペドロサは、後半に最終コーナーでミスを犯し、その後はリズムを崩したという。背後に襲いかかるホプキンスから逃げる事のみに終盤は集中したようだ。
「今日の結果には満足ですね。シーズンを3位でスタートできれば満足ですし、今週は少し問題を抱えていたので表彰台に乗れただけでも良かったと思っています。」とペドロサ。
「スタートはうまくいきました。このレースウイークを通して1番のできでしたね。その後、レースに入ってからは限界まで攻める事だけを考えていました。」
「最終コーナーでミスをして先頭集団のスリップストリームにつけなくなりました。コーナーでのホイールスピンも激しくなり、それで少しリズムを崩して差を縮める事ができなくなったんです。」
「レース終盤はバイクの横滑りがかなりひどくてジョン・ホプキンスの前をずっと維持するのが難しい状態になっていました。ずっとホプキンスは背後から襲いかかってきていましたからね。」
「今シーズンはバイク、タイヤ、ライダーのどれをとっても厳しい戦いになりそうな雰囲気ですからすごく楽しみです。次のレースがとても重要ですね。ヘレスはいいサーキットですから、今日の勢いをそのまま持ち越して高い結果を残しておきたいです。」
■8位)ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ RC212V
シーズン開幕のレースウイークを不調続きのまま終えたディフェンディング・チャンピオンのニッキー・ヘイデンは、本日の3月11日に行われているメーカーテストでマシンを改善し、次回のヘレスではトップとの差を縮めたいとコメントしている。
「今回のレース中はできる限りたくさんの事を学習しようと思っていました。」とヘイデン。
「自分のできる限り最大限の走りはできたと思います。何人かといいバトルもできて、最後にはバーミューレンをとらえる事はできました。レースが進むにつれてタイムも良くなり、ラスト2周で自己ベストを記録できたのは悪くないですね。」
「レースウイークを通して大変な状況でしたが、愚痴や言い訳をする気はありません。予選が9番手、決勝が8位と、トップのライダーたちに差を広げられる結果に終わりました。フロントに自信を持てていないのが最大の原因ですね。思い通りに走れないんです。」
「ここまで厳しい作業を続けてくれているチームのみんなに御礼を言いたいと思います。明日もここに残ってテストをする予定ですが、改善をできる限り進めて、次のヘレスのレースではもっと差を縮めたいですね。」
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