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■MotoGPクラス 【3日目の情報は随時ここに追加されます】
●MotoGP決勝レース
800ccクラスとなって初のMotoGP最高峰クラスのレースを制したのは、レースウイークを通して好調な走りを見せ、勝利を確信していたフィアット・ヤマハの2人ではない。追いすがるロッシをドゥカティーのパワーで完膚無きまでに叩きのめしたのは、最高峰クラス2年目の21歳、ケーシー・ストーナーだ。
シグナルが消えると同時に好スタートを見せたフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシはホールショトを奪い、そのままオープニングラップをリードしたが、2ラップ目の入り口ストレートに入るとドゥカティーのケーシー・ストーナーが手のつけられない程の過激な加速を見せ、余裕でロッシから1コーナーへの飛び込みを奪い去った。
レース序盤、ロッシは先頭のストーナーに追いすがり、低速コーナーが近づく度にブレーキングでドゥカティーに迫ったが、高速コーナーとストレートでストーナーが見せる劇的な加速にはついて行くのが難しそうな素振りを見せ続ける。順位は先頭からストーナー、2番手のロッシ、3番手にレプソル・ホンダのダニ・ペドロサ、4番手にグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリ、5番手にリズラ・スズキのジョン・ホプキンス、好スタートを見せたグレッシーニ・ホンダのトニ・エリアスが6番手に続いた。
4ラップ目、エリアスがドゥカティーのカピロッシに交わされて7番手に後退した頃、1コーナーの飛び込みではペドロサが前に出ようとロッシに並びかけて加速するが、どこまでもブレーキングを遅らせるロッシの前をペドロサは奪う事ができない。
5ラップ目に中速レベルの左コーナーでロッシはストーナーのインを奪い先頭に立つが、最終コーナーを曲がり6ラップ目のストレートで激しく加速するストーナーは大きくロッシのヤマハYZR-M1を引き離し、余裕で1コーナーに先頭で飛び込む。
再びロッシはストーナーの前を奪うが、ロッシの真後ろについて引き離されないストーナは、何度でもストレート加速でロッシの前を奪っては先頭のポジションから1コーナーに飛び込む。その2番手に下がったロッシの前を奪おうと3番手のペドロサが先に1コーナーへ飛び込もうとするのが、再びロッシがそれを阻止するという光景が、何度となく繰り返されていく。
カピロッシとカワサキのランディー・ド・ピュニエ、およびホンダLCRのカルロス・チェカがコースアウトを喫してリタイアした10ラップ目までに、先頭集団は後続から抜け出して4台に絞られた。ストーナー、ロッシ、ペドロサ、ホプキンスの4名はハイペースで後続を引き離し、その後ホンダのペドロサとスズキのホプキンスは過激なペースで前を奪い合うドゥカティーとヤマハの2台にはついていけなくなる。
その後もストーナーをロッシが追う形で接近戦は続き、イルモアのアンドリュー・ピットがトラブルでピットインした後の19ラップ目を過ぎて一度ロッシがストーナーのインをついて前に出る。
残り3ラップで逃げ切り体制に入るかに見えたロッシだが、ストーナーのペースはその後も落ちることなく、20ラップ目のストレートで再びストーナーは余裕の速さでロッシを追い抜き、1コーナーに先に飛び込んだ。
遙か後方でペドロサがホプキンスからの追撃を免れようと逃げる中、ストーナーがついに低速コーナーでもロッシとの距離を広げ始めた。タイヤが思い通りに機能しなくなったロッシのマシンはドゥカティーから徐々に引き離されていく。
激しくマシンを振るわせて最後のプッシュを始めたストーナーは、ロサイルのサーキットレコードとなるファーステストラップをこの最終ラップ中に記録し、なすすべのないロッシを3秒引き離して800ccマシンにおける初のグランプリレースで、誰よりも先に堂々のチェッカー・フラッグを受けた。この瞬間、ストーナーは最高峰クラスにおける自身初の勝利を手にしている。
2位表彰台を獲得し、あまり感情を顕わにしないロッシに続いてチェッカーを受けたのは、ストーナーと同じく最高峰クラス2年目のダニ・ペドロサだった。IRTAテストで負った手首の痛みに耐えたホプキンスは、ペドロサに続く僅差の4位と健闘している。
また、コニカミノルタ・ホンダの中野真矢選手は10位、TECH3ヤマハの玉田誠選手は16位でチェッカーを受け、開幕レースを終えている(その他のライダーの結果やレースのより詳細な内容はこちらを参照)。
・決勝時の気温は29度、路面温度は45度、湿度は11%、路面状況はドライ。
●MotoGP午前WUP
多くのライダーが決勝前の最後のマシン調整とタイヤの最終確認を行ったMotoGPクラスのウォームアップにおいて、トップタイムを記録したのはこのレースウイーク中に初めてタイムシート上の先頭に立ったレプソル・ホンダのダニ・ペドロサ(1分56秒522)。2番手タイム(1分56秒600)を記録したのはリズラ・スズキのジョン・ホプキンス。3番手タイム(1分56秒708)は昨日の予選で2番グリッドを獲得したドゥカティーのケーシー・ストーナー。
なお、昨日の予選終盤に激しく転倒して打撲を負ったジェレミー・マクウイリアムスは午前のウォームアップには参加していない。(その他のライダーやタイムは結果表を参照)。
・WUP時の気温は29度、路面温度は40度、湿度は16%、路面状況はドライ。
・過去のサーキットレコード(990cc)は2006年にロッシが記録した1分57秒305。
・過去のポールポジションレコード(990cc)は2006年にストーナーが記録した1分55秒683。
■250ccクラス 【3日目の情報は随時ここに追加されます】
●250cc決勝レース
オープニングラップの序盤でトップに立ったのは、今期から250ccクラスにステップアップした2005年125ccチャンピオン、エミー・カフェラテのトーマス・ルティー。マステルMVAアスパルのアレックス・デ・アンジェリスが集団の中でフォルツナ・アプリリアの昨年度250ccチャンピオンのホルヘ・ロレンソと接触しかけて順位を落とし、ロレンソはそのままルティーを追い上げて2ラップ目までには先頭に立った。
ロレンソがレース序盤から逃げの体制を形成し、それをルティー、ヒューマンゲスト・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾ、今期から250ccクラスを戦うKTMのミカ・カリオ、チーム・トースのエクトル・バルベラの4台が追った。
3ラップ目にKTM2年目の青山博一選手は8位を走行中に単独転倒、および昨年度の125ccチャンピオンであるアルバロ・バウティスタも高速右コーナーで6位を走行中にグリップを失って転倒し、2名はレースの継続をそれぞれに断念。
ドヴィツィオーゾがルティーを交わして2番手に浮上し先頭のロレンソを追う中、後方の5番手につけたデ・アンジェリスはペースを上げて前のトップ4台までの距離をゆっくりと縮め始める。
カンペテーラ・レーシングの関口太郎選手は11ラップ目にレース継続を断念しリタイア。
11ラップ目のホームストレート、ドヴィツィオーゾはルティーに交わされ3番手に後退し、その後はバルベラにも交わされ、後方から追いついたデ・アンジェリスにも続け様に抜かれて5番手に後退した。デ・アンジェリスはそのままの勢いでルティーも交わし、14ラップ目にはペースの続かなくなったバルベラも交わしてついに2番手にまで浮上。先頭のロレンソはこの時にデ・アンジェリスの2秒前方を悠々と走行している。
18ラップ目、4番手のルティーが表彰台圏内の3番手を走るバルベラの真後ろにつける中、先頭のロレンソは2番手のデ・アンジェリスとの間に3秒近い差を保ちながら残りの2ラップをそのままトップで走り抜いた。
ロレンソは2年連続の開幕勝利を達成し、続いて後方からの熾烈な追い上げを見せたデ・アンジェリスが2位表彰台を獲得。バルベラはルティーの追撃を最後まで抑えて3位でチェッカーを受けた。ホンダのドヴィツィオーゾは終盤にペースを伸ばせず5位に終わり、開幕戦での表彰台を逃している。7位を走行していたKTMのミカ・カリオは最終ラップを目前にエンジンのピストンが壊れてリタイア。
ヒューマンゲスト・ホンダの高橋裕紀選手は怪我からの復帰戦となった今回のレースで7位を獲得。レプソル・ホンダの青山周平選手は10位だった。(その他のライダーの決勝結果は結果表を参照)。
・決勝時の気温は28度、路面温度は47度、湿度は16%、路面状況はドライ。
●250cc午前WUP
午後の決勝に向けての250ccクラスのウォームアップ、トップタイム(2分0秒659)はマステルMVAアスパルのアレックス・デ・アンジェリス、2番手タイム(2分0秒858)はチーム・トースのエクトル・バルベラ、3番手タイム(2分1秒083)はマステルMVAアスパルのアルバロ・バウティスタが記録している。
日本勢は、KTMの青山博選手が5番手(2分1秒599)、ヒューマンゲスト・ホンダの高橋裕樹選手が6番手(2分1秒965)、レプソル・ホンダの青山周平選手は15番手(2分3秒466)、カンペテーラの関口太郎選手は25番手(2分5秒562)。その他のライダーやタイムは結果表を参照の事。
・WUP時の気温は30度、路面温度は36度、湿度は16%、路面状況はドライ。
・過去のサーキットレコード(250cc)は2004年にデ・アンジェリスが記録した2分3秒015。
・過去のポールポジションレコード(250cc)は2006年にロレンソが記録した2分1秒755。
■125ccクラス 【3日目の情報は随時ここに追加されます】
●125cc決勝レース
開幕戦のカタール、125ccクラスの第1戦はバンカハ・アスパルのチームメイト同士の争いとなった。2007年最初のレースを制したのはエクトル・ファウベルだ。
オープニングラップ中に集団の先頭に立ったのはエクトル・ファウベル、セルジオ・ガデア、ガボール・タルマクシというバンカハ・アスパルチームの3名。
レース序盤にファウベルはファーステストラップを連発して後続を1.5秒引き離し、それを第2集団となったガデア、ポラリス・ワールドのマティア・パッシーニ、タルマクシ、マルチメディア・レーシングのラファエレ・デ・ロサの4台が追う。
3ラップ目に入るとマシンにトラブルを抱えたパッシーニが突如スローダウンして最後尾まで順位を落とし、ファウベルを追う第2集団はタルマクシ、デ・ロサ、それに追いついたデルビのルーカス・ペセックの3台となった。
その後は先頭のファウベルを追う形でタルマクシが単独2位に抜け出し、その後続には3番手のペセックと、その背後に密着して走る4番手のデ・ロサ。その後続集団の先頭5番手はKTMの小山知良選手。
序盤に先頭集団を集団していたセルジオ・ガデアはエンジントラブルを抱えて極端に順位を落とした13ラップ目、タルマクシはペースを落としたファウベルの前を高速左コーナー進入で奪いトップに立った。その後タルマクシはファーステストを記録して2番手のファウベルを引き離しにかかった。
第2集団のペセックとデ・ロサが10秒後ろに離れた16ラップ目、ファウベルがタルマクシを抜き返して再び先頭に立ち、そのまま逃げ切ろうとするファウベルを2番手に下がったタルマクシが必死に追いかける。
最終ラップの1コーナーでファウベルに並びかけるタルマクシは、そのままゆっくりとファウベルの前に出ると激しく最後のプッシュを開始。再び先頭に立って逃げるタルマクシの後ろにけたファウベルは、チェッカーの待つ最後のメインストレートでしっかりとタルマクシのスリップストリームに入り、コントロールラインを目前にタルマクシの横に並びかけた。
ゆっくりと前に出るファウベルはタルマクシと僅か0.073秒の差で開幕戦最初のチェッカーをトップで受ける事に成功。タルマクシは僅差の2位となり、少し遅れて3位にはデ・ロサの執拗な追撃を最後まで抑えたペセックが入って3位表彰台を獲得した。
小山知良選手は第2集団から逃げ出したマルチメディア・レーシングのシモーネ・コルシを終盤に追い上げたが、僅かに届かず6位で開幕レースを終えた。(その他のライダーの決勝結果は結果表を参照)。
・決勝時の気温は28度、路面温度は45度、湿度は14%、路面状況はドライ。
●125cc午前WUP
決勝レース前の最後の調整となる午前のウォームアップ、トップタイム(2分6秒697)はバンカハ・アスパルのガボール・タルマクシ、2番手タイム(2分6秒701)はそのチームメイトのエクトル・ファウベル、3番手タイム(2分6秒912)はポラリス・ワールドのマティア・パッシーニが記録している。
KTMの小山知良選手は5番手タイムの2分07秒773(その他のライダーやタイムは結果表を参照)。
・WUP時の気温は21度、路面温度は26度、湿度は59%、路面状況はドライ。
・過去のサーキットレコード(125cc)は2006年にバウティスタが記録した2分8秒591。
・過去のポールポジションレコード(125cc)は2006年にバウティスタが記録した2分7秒453。
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