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2007年3月6日
イタリアのボローニャから、800ccマシンとなったドゥカティーのMotoGPマシンであるデスモセディチGP7が、カタールの砂漠のサーキットに到着している。
■若返るドゥカティー
2007年シーズンのドゥカティー・マルボロ・チームのライダー・ラインナップは、ドゥカティーがMotoGPに参戦して以来共に戦い続けるロリス・カピロッシと、昨年にホンダからMotoGP最高峰クラスへのデビューを果たし、今年からドゥカティーに移籍した21歳の若き才能溢れるライダー、ケーシー・ストーナーだ。
■レースペースに自信を示すドゥカティー
先月までのプレシーズンテストで何千キロもの距離を走り込んだ2名のライダーと、新型800ccマシンであるデスモセディチGP7のここまでの仕上がりは上々だ。先週行われたヘレスでのIRTAテストでは、ロリス・カピロッシが予選タイヤ装着時のセッティングに関しての課題を若干訴えてはいるものの、レースペースにおいては冬季シーズン中に好調だったヤマハに迫る勢いを見せている。
■開幕の舞台はドゥカティーと相性の良いカタール
また、開幕戦の舞台となるカタールのロサイル国際サーキットは、2名のドゥカティー・ライダーにとって相性のいいサーキットだ。ロリス・カピロッシは昨年のレースでは3位表彰台を獲得、ケーシー・ストーナーはデビュー2戦目となった昨年の予選でフレディ・スペンサーに次ぐ最高峰クラスで2番目の若さでのポールポジションを獲得しており、レースの結果は5位だった。
■カピロッシ「あと何年戦えるか分からないからこそ全力」
今年で33歳となるロリス・カピロッシがグランプリデビューを果たしたのは1990年のイギリスであり、入れ交わりの激しい世界グランプリにおいて、今年は17年目のフル参戦となるシーズンを迎える。
昨年までは何歳になってもグランプリで走り続けるとコメントしていたロリス・カピロッシだが、新しいチームメイトのストーナーの若さを身近で感じたのか、今年は年齢に関して少し控えめなコメントを発している。しかしながら、カピロッシの今年の勝利にかける意欲は、過去の16年間の中でも最も高いようだ。
「今年は自分にとって本当に重要なシーズンになります。もう自分が戦えるシーズンは今後それほど多くは残ってないでしょうからね。もうあと1シーズンか、2シーズンか、それ以上なのか、実際良くは分かりませんけど。」とカピロッシ。
「だから余計に今年はいつもよりも全力を尽くす意欲に燃えてますよ。そういう意味でも開幕レースはすごく重要ですし、カタールは数週間前にテストしたばかりですから有り難いです。」
「ここまでのテストではいい準備ができましたし、何回か行ったロングランの結果も良かったので、レースでは表彰台を争う事ができると思っています。ここのコースは自分たちのバイクやタイヤとの相性もいいですからね。」
「ここのレースで必要なのはフロントタイヤからしっかり感触を得る事ですから、カタールのテストではそれに真剣に取り組んできました。方向転換を素速く行う上でのマシンの機敏性も重要ですが、GP7は去年のGP6よりもその点が優れているんです。」
■転ばなくなるストーナー
MotoGP最高峰クラスの2年目をドゥカティー・ワークスで迎える事になったケーシー・ストーナーは、その速さにはデビュー当時から定評があったものの、昨年はレースウイーク中の転倒が目立ち、ヨーロッパのメディアなどに転びすぎる事を指摘されて不愉快な面持ちを顕わにする事も多かった。
しかしながら、このプレシーズン中に試したブリヂストンのフロント・タイヤの性能に自信を持ったストーナーは、今期は転ぶ事は少なくなるだろうと考えている。また、その他にも、ドゥカティー・ワークスは彼が転ばないライディング・スタイルを身につける為の専任アドバイザーもチームに用意しており、安定した速いペースでの走行を身につけた後の彼の成長に、大きく期待している。
■ストーナー「このチームは最高!」
冬季シーズン中はカピロッシよりも速いペースで走行し、初めて経験したブリヂストンのレースタイヤと予選タイヤの両方に好感触を示し、さらにマシンの仕上がりには絶対的な自信を示しているケーシー・ストーナーは、カタールでの開幕戦に向けて以下の通りコメントしている。
「このチームで戦える事以上に最高な事なんてあり得ないですよ。みんながすごいやる気だし、バイクも行く先々のサーキットでどんどん良くなりました。」とストーナー。
「かなり戦闘レベルは高くなりました。タイヤも同じようにすごいんですよ。先月のカタールでのテスト結果もとても良かったから、自信を持ってレースに入れます。あそこは過去のレース結果も悪くないのできっとうまくいくと思いますし、いいレースペースで走れてますからタイヤの問題もありません。」
「カタールで心配なのは路面コンディションだけです。不安定で変わりやすいし、ある日はすごく速く走れても、次の日には遅くなるって事も普通にありますからね。」
「すごく面白いコースかと言うとそうでもありません。路面がフラットでコーナーに角度もついていませんし、同じようなコーナーがいくつも連なっているって感じです。ただ、小さないいバトルをしながら前を狙えるので、レースには好都合ですね。」
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