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IRTAテスト250ccクラス最終日、カタールでも総合トップはバルベラ
インテリマーク編集部
2007年3月2日

MotoGP250ccクラスのIRTAテストが、カタールのロサイル国際サーキットにおいて3月1日に最終日を迎えた。プレシーズン中の全ての調整を終えた250ccクラスのライダーや各チームは、これで1週間後のシーズン開幕を待つのみとなる。
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■初日以上のテスト日和となった250ccクラス最終日のカタール

気温が初日よりも3度ほど下がり、前日以上の良好な走行条件となったこの日、初日の好タイムをさらに上回るライダーが続出したようだ。朝の10時から午後5時のセッション終了までの1日、ライダーの多くは開幕レースに向けてのレース・シミュレーションに集中し、マシンの仕上がりをぎりぎりの時間まで確認し、最後の調整を行っている。
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■フリアン・シモンは左肩の骨にひび

前回のヘレスでのIRTAテストにおいて左肩を脱臼し、靱帯の損傷などをバルセロナの病院で検査を受けていたレプソル・ホンダの250ccクラスルーキー、フリアン・シモンだが、レプソル・ホンダチームの公式発表によれば、超音波検査の結果として靱帯に深刻なダメージは見られなかったものの、脱臼した左肩周辺の骨ににわずかなひびが見つかったという。

■フリアン・シモン「開幕レースには痛み止めを打って出場」

写真フリアン・シモンは現在もリハビリを続けており、開幕レースへの出場はまず間違いないが、残り1週間での骨のひびの完治は難しいため、痛み止めを使用しての初戦となりそうな雰囲気だ。

「まだ体調は100%ではありませんが、カタール(開幕戦)では最高の状態になれるようにリハビリを続けています。」とシモン

「まだ少し時間はありますが、できる限りの準備を今から進めています。たった一週間で骨のひびが完治する事はあり得ませんから、開幕レースには痛み止めを打って出場する可能性が高そうです。」


■転倒者の情報

2日目のカタールは、良好なコンディションを利用して限界まで攻めるライダーが多かったようだが、その影響もあってか何名かのライダーが転倒している。

初日にトップタイムを記録したマステルMVAアスパルのアルバロ・バウティスタはこの日に3回転倒し、その他にもKTMの青山博一選手が1回転倒、カンペテーラのファブリツィオ・ライも夕方に転倒して軽く右足のひざをひねったようだが、幸いこの3名は深刻な怪我を負っていない。


■250ccカタールIRTAテスト、最終日の走行結果
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以下に、カタールで行われたIRTAテスト最終日の主要250ccライダーの走行結果を示す。この日の気温は25度であり、路面温度は高かったものの、理想的なテスト環境となったようだ。

1) エクトル・バルベラ SPA チーム・トース・アプリリア アプリリア 2分00秒258
2) アレックス・デ・アンジェリス RSM マステル-MVA・アスパル アプリリア 2分00秒315
3) アルバロ・バウティスタ SPA マステル-MVA・アスパル アプリリア 2分00秒322
4) ホルヘ・ロレンソ SPA フォルツナ・アプリリア アプリリア 2分00秒985
5) ロベルト・ロカテリ ITA スクアドラ・コルセ・メティス・ジレラ ジレラ 2分01秒004
6) アンドレア・ドビツィオーゾ ITA ヒューマンゲスト・レーシング・チーム・250cc ホンダ 2分01秒068
7) ミカ・カリオ FIN レッドブル・KTM・GP250 KTM 2分01秒251
8) 青山博一 JPN レッドブル・KTM・GP250 KTM 2分01秒430
9) トーマス・ルティ SWI エミー・カフェラテ アプリリア 2分01秒776
10) 青山周平 JPN レプソル・ホンダ・250cc  ホンダ 2分01秒924
11) マルコ・シモンチェリ ITA スクアドラ・コルセ・メティス・ジレラ ジレラ 2分01秒933
12) 高橋裕紀 JPN ヒューマンゲスト・レーシング・チーム・250cc ホンダ 2分02秒400
13) ファブリツィオ・ライ ITA カンペテーラ・レーシング アプリリア 2分02秒878
・・・・・・・
23) 関口太郎 JPN カンペテーラ・レーシング アプリリア 2分05秒034
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■ヘレスに引き続きカタールの総合トップタイムもバルベラ

前回のヘレスでのIRTAテストに続き、総合トップタイムを今回のカタールでも記録したのはチーム・トース(アプリリア)のエクトル・バルベラだった。バルベラは、カタールで自身が昨年のレースウイーク中に記録したベストラップである2分1秒748を約1.5秒上回り、初日のバウティスタが記録したトップタイムを3.6秒更新している。

■ワークスサポートの充実した今年のアプリリア

今期は昨年に比べてアプリリア勢はワークス車両を手にしたチームが大半だが、トップタイムのバルベラから総合4位につけた昨年度250ccチャンピオンのホルヘ・ロレンソまで、今年も相変わらず上位タイムを占めているのは、アプリリアの公式サポートを受けるライダーばかりだ。


■総合2番手と3番手につけて好調なマステルMVAアスパル勢

昨年度125ccチャンピオンのアルバロ・バウティスタが加わり、今シーズンは強豪アプリリア勢の中でもかなりの活躍が期待されるマステルMVAアスパル・チームは、順調に開幕に向けてマシンを仕上げてきたようだ。
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最終日は夕方のセッション最後にバルベラがトップタイムをマークするまでは、昨年度ランキング3位のアレックス・デ・アンジェリスが、タイムシート上のトップに立っていた。

■デ・アンジェリス「バルベラに負けて悔しい」

最終的にこの日の総合2番手となったアレックス・デ・アンジェリスは、最後にバルベラにタイムを抜かれた事は残念だが、開幕に向けてのマシンと自分の仕上がりは申し分ないとコメントしている。
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「今日は作業がすごくはかどったので、とても満足できています。」とデ・アンジェリス

「すごくいいリズムで走れました。バイクのいいセッティングを昨日見つけたので、今日は来週のレースに向けてのタイヤ選びに集中する事ができました。」

「あとちょっとでトップタイムでしたね。セッションの最後にバルベラが自分のタイムを上回った時には残念でした。それで今回は最終的には2位でしたが、重要なのは今の好調さを来週のここでの開幕レースに持ち込む事ですよ。」

■バウティスタ「カタールには自信がある」

初日はトップタイムを記録し、2日目のこの日はチームメイトに次ぐ3番手タイムを記録した好調の250ccルーキー、昨年度の125ccチャンピオンであるアルバロ・バウティスタは、プレシーズンを通して250ccマシンには好感触が得られており、開幕に向けても不安がないと語る。

「ヘレスとカタールではバイクにすごい好感触が持てました。」とバウティスタ
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「作業も順調に進みましたので、開幕戦には準備万端で挑む事ができそうです。かなり自信もつきました。ただ、あともう少しフロントまわりの改善は進めたいですね。」

「今日は3回も転んでしまいましたが、特に怪我はありませんでした。転倒の原因は特定できていますし、いいリズムと好感触をつかむ事ができていますので、カタールには自信が持てます。」

「今日は開幕レースに向けての作業に集中しましたが、昨日と同様に全くコーナリングに不安はないしリズムも良くなりました。」

「今週を通していいテストができたと思います。2006年はここでポール・トゥ・ウインを125ccで達成していますので、このコースレイアウトとの相性は言うまでもありませんしね。全力で戦えると思います。」


■ホンダの最上位は昨年ランキング2位のドヴィツィオーゾ

アプリリアが優位と言われる250ccクラスの中で、今年もホンダのマシンに乗って年間タイトル獲得を狙うヒューマンゲスト・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、昨年の自身の成績によりHRCからの直接的なサポートを勝ち取った今年のマシンには好感触を抱いており、今回の総合順位も6位と健闘している。
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■ドヴィツィオーゾ「もっと速く走れたけど時間がなかった」

写真この日のレースシミュレーションの結果に満足するアンドレア・ドヴィツィオーゾは、あと1回レースシミュレーションができていれれば、さらにタイムは上げられたとコメントしている。

「今日の結果には満足です。」とドヴィツィオーゾ

「バイクの調子に問題がありませんので、これが何よりですね。22周のレースシミュレーションを行った結果、2分01秒に近いタイムを安定して維持できましたし、その最後に記録した2分1秒06はかなりいいタイムだと思います。もう一回レースシミュレーションを行えばさらにタイムは縮まった筈ですが、セッションが終了してしまい今回は時間切れでした。」

「他のライダーのレベルにも満足ですね。かなり激しいシーズンが期待できそうですよ。」


■2日間を通してミカ・カリオが青山博一選手の上位に
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日本勢の中のトップは、雨となった前回のヘレスIRTAテスト最終日におけるトップタイムを記録し、この日の総合8番手となったKTMの青山博一選手だった。なお、今期から250ccにステップアップした青山選手のチームメイトのミカ・カリオは、カタールでの2日間に渡り青山選手のタイムを上回っている。


■青山周平選手、苦手なカタールに少し希望の光

昨年に引き続き、今年の開幕レースが行われるカタールには苦手意識を見せる青山周平選手だが、この日はマシンに比較的好感触を示し、兄の博一選手から0.5秒遅れの総合10番手タイムとなる2分01秒924を記録した。
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■周平選手「やっぱりカタールは苦手」

1日目はセッティングの方向性を見失い困惑していた青山周平選手だが、この日は思いのほかセッティングが順調に進み、開幕レースへの期待も持てるようになった様子だ。カタールはやはり苦手だとコメントする周平選手は、この日はロングランに集中して開幕レースに備えている(写真下はフリアン・シモンのスーツを着たメカニックと周平選手)。

「昨日よりはだいぶ良くなりました。」と周平選手
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「少しずつですが感触も良くなったので、ちょっとは楽観的になってきました。やっぱりこのサーキットはあまり好きにはなれませんが、最終的な結果としてはそれほど悪くなかったと思います。」

「バイクの調子には満足です。今日はタイヤを何本かとサスペンションのテストを行いながら、ロングランに集中しました。」


■負傷した足をかばわずに本格的な走行を開始した高橋選手

昨シーズンの最終戦が行われたバレンシアで右足を4箇所骨折する大怪我を負い、そのリハビリを続ける傍ら、この2月からはテストに復帰しているヒューマンゲスト・ホンダの高橋裕紀選手は、この日に今年初めて右足をかばう事なく彼の通常のスタイルでライディングを行い、見事に初日のタイムを3秒縮めて見せた。
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■高橋選手「こんなに速く走れるとは」

写真最終日の総合12番手となった高橋裕紀選手は、久しぶりのタイムアタックで得た結果に大変満足している。前日の最後に時間がなくて試せなかったという開幕戦に向けてのシャシーのセッティング変更についても、好感触が得られたようだ。

「昨日の最後に調整したフレームの調子はすごく良かったです。すごく乗りやすくなって、特にフロントまわりが良くなりました。」と高橋選手

「昨日のラップタイム(2分4秒907)を約3秒も縮める事ができましたし、去年のレースウイーク中のタイムよりも速くなりました。ここまで高い結果は期待していなかったので、今はみんなにひたすら感謝です。」

「16周のレースシミュレーションも行いましたが、エンジンの性能にはかなり満足しましたね。」


■カンペテーラ、足のトレーニングに集中する関口選手と好調のライ

過去2年連続して開幕戦で大怪我を負ったカンペテーラの関口太郎選手は、現在も昨年の怪我のリハビリを続けている。前回のヘレスのIRTAテストでは初日に転倒して周囲の肝を冷やしているが、今回はあまり無理をせずに、治療中の足のトレーニングに努めた様子だ。

なお、今年から250ccにステップアップして関口選手のチームメイトとなったファブリツィオ・ライは、公式にアプリリアからサポートが受けられないカンペテーラのキット車にもかかわらず、初日は7番手の好タイムを記録していたが、この日は転倒して1日目のタイムを更新できずに13番手に終わった。

■関口選手「開幕戦の目標はチェッカーを受ける事」

一日も早い足の回復が望まれる関口太郎選手は、今回のカタールでは無理をせずに、自分の身体を慣らす事に集中している。完治していない手術後の大腿骨にダメージを与える事は決して許されない。

「今回の2日間は、バイクの感触がもっとつかめるように、自分の足をトレーニングする事に集中しました。」と関口選手

「かなりの周回数(2日間計103周)を走り込みました。ただ、まだ転ぶ事が許されない状態ですから、それなりのラップタイムを狙い始めるのにはもう少し時間が必要です。」

「来週のここでの最優先課題はレースを最後まで走りきる事です。」

■ライ「あとは開幕を待つのみ」

転倒の影響で2日目にタイムを更新できなかったファブリツィオ・ライだが、開幕レースに向けての仕上がりは上々といった様子だ。

「硬めのフロントタイヤを履いてプッシュしてから、たった3周で転んでしまいました。」とライ

「今日は良好な気象条件にもかかわらず昨日のタイムを更新できませんでしたが、テストの内容には満足できています。」

「レースに向けてのペースはすごくいいので、後は1週間後のシーズン開幕を待つのみですね。」


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