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ヘレスIRTAテスト250ccクラス初日、体調不良のバルベラがトップ
インテリマーク編集部
2007年2月20日

MotoGP250ccクラスにおける今年初の公式セッションとなるIRTAテストが、スペインのヘレス・サーキットで2月19日に1日目を迎えた。今回の250ccクラスのIRTAテストは2日間の日程で行われており、初日は雲の多い1日になったものの雨は免れ、終日ドライ路面に恵まれている。
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■250ccクラス全レギュラー・ライダー+1名が参加

年末から現在までに何回かのメーカー合同テストが行われているが、現在までに今年の250ccクラスに参加を表明している25人のレギュラーライダーが全員揃うのは今回のヘレスが初めてだ。

この日はアプリリア・ワークスのテストライダーであるアレックス・デボンを含む合計26名のライダーが、気温がまだ10度前後の肌寒い2月のヘレスにおいて、時間を惜しんで来月の開幕戦に向けての調整を進めたようだ。


■ヘレスIRTAテスト250ccクラス初日の走行結果

以下に、2月19日にスペインのヘレスで行われた250ccクラスのIRTAテスト走行結果を、各ライダーの自己ベストタイム順に示す。
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1) エクトル・バルベラ SPA チーム・トース・アプリリア アプリリア 1分43秒451(93周)
2) ホルヘ・ロレンソ SPA フォルツナ・アプリリア アプリリア 1分43秒525(93周)
3) アンドレア・ドビツィオーゾ ITA ヒューマンゲスト・レーシング ホンダ 1分43秒848(96周)
4) アレックス・デ・アンジェリス RSM マステル-MVA・アスパル アプリリア 1分44秒001(77周)
5) トーマス・ルティ SUI エミー・カフェラテ アプリリア 1分44秒038(91周)
6) フリアン・シモン SPA レプソル・ホンダ・250cc  ホンダ 1分44秒282(50周)
7) 青山周平 JPN レプソル・ホンダ・250cc  ホンダ 1分44秒321(65周)
8) アルバロ・バウティスタ SPA マステル-MVA・アスパル アプリリア 1分44秒379(89周)
9) マルコ・シモンチェリ ITA スクアドラ・コルセ・メティス・ジレラ ジレラ 1分44秒544(80周)
10) 青山博一 JPN レッドブル・KTM・GP250 KTM 1分44秒692(109周)
11) ロベルト・ロカテリ ITA スクアドラ・コルセ・メティス・ジレラ ジレラ 1分44秒713(-周)
12) アレックス・デボン SPA フォルツナ・アプリリア アプリリア 1分44秒934(-周)
13) ミカ・カリオ FIN レッドブル・KTM・GP250 KTM 1分45秒144(-周)
14) ファブリツィオ・ライ ITA カンペテーラ・レーシング アプリリア 1分45秒595(-周)
15) アンソニー・ウェスト AUS チーム・シシリア アプリリア 1分45秒875(-周)
16) イムレ・トース HUN チーム・トース・アプリリア アプリリア 1分45秒920(-周)
17) 高橋裕紀 JPN ヒューマンゲスト・レーシング ホンダ 1分45秒992(59周)
18) アレイックス・エスパルガロ SPA ブルセンス・アプリリア アプリリア 1分45秒997(-周)
19) ディルク・ハイドルフ GER キーファー・ボス・ソティン アプリリア 1分46秒525(-周)
20) アレックス・バルドリーニ ITA キーファー・ボス・ソティン アプリリア 1分46秒700(-周)
21) アルトゥロ・ティソン SPA ブルセンス・アプリリア・ジャーマニー アプリリア 1分46秒781(-周)
22) カレル・アブラハム CZE カルディオン・AB・モーターレーシング アプリリア 1分47秒137(-周)
23) ラタパー・ウィライロー THA タイ・ホンダ・PTT-SAG  ホンダ 1分47秒199(-周)
24) ジュール・クルーセル FRA アンガイア・レーシング アプリリア 1分47秒235(-周)
25) ユージェーヌ・ラバティ GBR ホンダ・LCR ホンダ 1分47秒768(-周)
26) 関口太郎 JPN カンペテーラ・レーシング アプリリア 1分48秒130(26周)



■フリアン・シモンが午後に転倒し左肩を脱臼

初日は今年から250ccクラスにステップアップしたレプソル・ホンダのフリアン・シモンが午後のセッション開始直後に4コーナーの左カーブで転倒し、左肩を脱臼するという大怪我を負っている。
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転倒後すぐにシモンはクリニカ・モバイルに運ばれ、肩の骨の位置を正しい位置に戻す治療を受けているが、この怪我の影響で2日目の走行は断念せざるを得ないようだ。この日の午前中にはタイムシート上の2番手タイムに位置し、午後にはさらなるタイムアップも期待されたシモンだけに残念な結果となったが、幸い骨折は免れており、カタールの開幕戦には参加する予定だという。


■IRTAテスト初日のトップはバルベラ

初日から2001年に加藤大治郎選手が記録したヘレスのサーキットレコードである1分44秒444を1秒上回る好タイムを記録したのは、昨シーズンはトレーニング中の怪我によりタイトル争いから離脱し、今年はワークスチームのフォルツナ・アプリリアを離れてチーム・トース(アプリリア)に移籍したばかりのエクトル・バルベラだ。

なお、今回は8番手のアルバロ・バウティスタまでがサーキット・レコードを上回るというハイペースの戦いとなっている。

■バルベラ「まだインフルエンザが完治していない」

バルベラは先週からインフルエンザにかかって現在も体調を崩しているが、今回の結果には非常に満足しており、2日目への自信を示している。

「この結果は本当に嬉しいです!」とバルベラ

「新しいチームにはすごく好感が持てます。ここ1週間はずっとインフルエンザにかかっていてまだ完治していない状態ですが、明日はもっと調子が良くなってさらに弾みがつく事を期待しています。」


■昨年度チャンピオンは元チームメイトに続き初日の2番手タイム

今年もアプリリア勢はIRTAテストから好調のようだ。バルベラに続いたのは昨年度チャンピオンであり、フォルツナ・アプリリア2年目のホルヘ・ロレンソだ。ロレンソもバルベラと同様に、1日目から加藤選手のサーキット・レコードを1秒近く上回る1分43秒525の好タイムを記録してタイムシート上の2番手につけている。
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■ロレンソ「まだ改善の余地がある」

初日の結果に満足するロレンソは、雨が心配される2日目の天候を気にしている。

「今日のテスト内容には満足です。」とロレンソ

「今もタイムは悪くありませんし、まだ改善の余地も多分にあります。だから明日は雨になって欲しくないですね!」


■今年は最初からアプリリアを好位置で追うホンダ勢

好調のアプリリアの2名に続いたのは、昨年は最終戦までロレンソのタイトル獲得を脅かしたヒューマンゲスト・ホンダチームのアンドレア・ドヴィツィオーゾだった。
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ドヴィツィオーゾは昨年からのマシンの大幅な改善状況を喜び、自らが昨年の功績で手にしたチームへのHRCからの直接的な開発支援の効果に満足しているとのコメントを今回発表している。

また、その他のホンダ勢では、怪我を負ったフリアン・シモンが6番手、この日は午前中にクラッチのトラブルが発生した青山周平選手が続く7番手と、レプソル・ホンダチームの2名も順調に初日からタイムを伸ばしてきている。シモンの怪我が惜しまれるところだ。
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■2006年の最終戦で初優勝を遂げたデ・アンジェリスは4番手

ホンダのドヴィツィオーゾに続いたのは、この日の4番手タイムの1分44秒001を記録したマステルMVAアスパル(アプリリア)のアレックス・デ・アンジェリスだ。
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■デ・アンジェリス「まだセッティングが不完全」

昨年度の最終戦で初優勝を遂げ、KTMの青山博一選手との年間ランキング3位争いを制したデ・アンジェリスは、この日はアプリリアから提供されたエンジンと、チームの新型シャシーを同時に初めて試したが、まだセッティングには時間のかかる状態だとコメントしている。

「今日はアプリリアが用意してくれたエンジンと、新型シャシーのテストに集中しました。」とデ・アンジェリス
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「まだマシンのセッティングに少し調整がいりますし、今日トップから0.5秒も離されたのはそれが理由です。今の作業の方向性は正しいと思いますしタイムも縮められると思いますが、明日もし雨が降ったら計画はかなり狂う事になりそうですね。」


■125ccクラスからのステップアップ組が好位置に

今年は昨年の125ccクラスの競合ライダーが多く250ccクラスにステップアップしており、多くのライダーが好調な走りを披露している。
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エミー・カフェラテ(アプリリア)のトーマス・ルティーは5番手、レプソル・ホンダのフリアン・シモンは6番手、昨年度125ccチャンピオンであるマステルMVAアスパルのアルバロ・バウティスタは8番手、KTMのミカ・カリオが13番手、カンペテーラ(アプリリア)のファブリツィオ・ライが14番手と、初めて経験する250ccクラスの公式セッションから揃って好位置につけたようだ。
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昨年度の125ccチャンピオンであるマステルMVAアスパルのアルバロ・バウティスタは、まだセッティングについては完全に納得はしていないものの、乗り換えたばかりの250ccクラスには素速く適応し、すでに乗りやすく感じている様子だ。この日に新型シャシーを初めて試したバウティスタは、以下の通りコメントしている。

■バウティスタ「前から乗っているマシンみたい」

写真「今日は新しいシャシーを中心にテストしましたが、まだまだセッティングには多くの作業が必要です。」とバウティスタ

「特にリアまわりですね。フロントまわりに関してはかなり気分良く乗れるようになりましたが、もう少し改善はできると思います。」

「明日のテストが終わったら次はカタールで今の作業を続けますが、新型シャシーの挙動さえ去年のマシンと同じようにできれば、そこからは順調にセッティングは進んでくれる筈です。」

「でも、正直言えば今の状態には満足ですよ。コースに出る度にタイムは上がっていますし、改善は順調に進んでいますからね。マシンの感触も昔から何度も乗ってるバイクみたいに感じたので、自信にもつながりました。」

「旧型シャシーと新型シャシーの挙動の違いは、今後進めるべき改善の方向性を明確に示しているので有り難いです。」


■その他の日本勢
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写真上記以外の日本勢では、レプソルホンダの青山周平選手の兄であるKTMの青山博一選手が10番手。昨シーズンの最終戦のバレンシアで足を4箇所骨折するという大怪我を負い、2月前半のメーカー合同テストからテストに復帰して、足の回復状況を確認しながら走行しているヒューマンゲスト・ホンダの高橋裕紀選手が17番手につけている。

また、過去2シーズン両方のヘレスでの開幕戦で大怪我を負い、2年間を通して苦しんだカンペテーラ・レーシングの関口太郎選手は、鬼門とも言えるヘレスでのテストを初日は無理をせずに行い、26番手タイムでこの日の走行を終えている。

なお、昨年は全日本の250ccクラスで活躍したタイ人のライダー、今年はタイ・ホンダからMotoGP250ccクラスにフル参戦を果たすラタパー・ウィライロー選手は、初日の23番手だった。


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