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2008年9月9日
ベルギーGP決勝レースにおいて最初にチェッカーを受けたものの、その後のスチュワードの審議により25秒加算のペナルティーが科せられ、その結果としてルイス・ハミルトンの勝利は覆される事になったが、ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス・チームは今回の処分内容に異議を唱えている(レース全体の流れと最終的な公式結果についてはこちらの記事を参照)。
■マクラーレンはハミルトンへの処分を不服としFIA国際控訴法廷に提訴の予定
レース翌日の9月8日にマクラーレン・チーム代表のロン・デニスは、今回のハミルトンの処分に関する審議内容を不服とし、FIA国際控訴法廷に対し提訴する旨を公式に発表した。
■レース終了直後、質疑に応じるハミルトン「不正は一切なかった」
ここでは、優勝が取り消しとなる直前に行われたハミルトンへの公式記者会見の内容を、FIAが9月7日に公開した内容より抜粋して以下に紹介する。レース終了直後、ハミルトンはフェラーリのキミ・ライコネンとのトップ争いの中にルール違反に該当する行為は一切なかったとの意見を、以下の通り主張していた。
●最終シケインでのショートカットと、その後に1コーナーでキミ・ライコネンを追い抜くまでの流れを説明していただけますか。
自分が縁石に乗り上げそうだった時に後ろから彼が激しく攻めてきていたので、そのまま衝突されるのを待つか、自分がエスケープゾーンに逃げるかしか選択肢はありませんでした。だからエスケープゾーンに逃げたんです。
彼を一度前に出さなければいけないのは理解していたので、ちゃんとそうしました。彼の真後ろにつけたら左右に車を揺さぶってきたので、自分も同じようにしながら前に抜け出し、何とかインを奪う事ができました。
コーナーを曲がりきったところで彼には後ろからぶつけられましたが、そこからは自分が思っていた以上に引き離せたので良かったと思います。
●スチュワードがあなたとキミとの戦いに関して審議に入っているのはご存じですね。何かルールに抵触する行為がご自分に思い当たりますか。
全くありません。まずは雨が降り始めてからの事を説明しましょう。
彼を一度前に出さなければいけない事は知っていましたし、チームも無線でキミに追い抜かせるよう指示してきたので、ちゃんとそうしました。
あそこであまりに大きな差を開かれては不公平ですから自分も加速はやめませんでしたが、幸い彼のスリップストリームにまた入る事ができたんです。そこで彼が車を左右に振ってきたので、その彼を避けてから前に出てコーナーのイン側に飛び込んだんです。
その直後に後ろから追突されて危うくスピンするところでしたが、幸い持ち直して走り続ける事ができました。
すばらしいバトルだったと思いますし、特にあの場面で何か不正があったとは考えていません。ルールには相手を前に出すように明記されていますし、それには従いました。
●もしあなたがスチュワードから何か罰則を科せられるような事があれば、あなたは驚きますか。
もう絶対に驚くでしょうね。これはれっきとしたレースですし、今回もしペナルティーが科せられるような事があれば何かが間違っている証拠です。先に最終シケインに進入していたのは自分ですから、その後の件で自分が有利になった事は何一つありませんから。
その次のコーナーに向けてもレースは続いていましたが、そこで彼に前を一度渡しましたので自分はフェアな戦いだったと思っています。罰則が発生するようなら絶対に何かがおかしいと思いますよ。
ただ、彼ら(スチュワード)がどんな風かはよく分かっているので、今後の状況を見守る必要はあるでしょうね。
●あなたはライコネンを一度前に出したと説明しましたが、確かにタイムチャート上はそうなっているかもしれませんが、実際にはライコネンとの距離を十分に広げる事なく、あなたはその後も加速を続けました。あれでライコネンを前に出したと言い切れるのでしょうか。
自分がショートカットをした直後は加速していません。キミが自分の死角を通過している時にはゆっくり走り続けて、彼が視界に入って来るのを待ちました。
ただ、前を彼が走り去って行くのをゆっくり待つ気はありませんでした。まだレースは続いていましたからね。彼が横にきてから加速に入るのが見えたので、ああこれで大丈夫だと思い、最初はゆっくりとですが自分も加速を始めたんです。フルスロットルにはしていませんよ。彼が加速してこっちを追い抜くまで待ちました。
それ以外に何か自分にするべき事があったとは思えません。
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