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ベルギーGP決勝、マッサが繰り上げ優勝、ハミルトンの勝利は取り消し 元のページに戻る
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  2008年9月8日

2008年度F1グランプリ第13戦目となるベルギー・グランプリが、9月7日のスパ・フランコルシャン・サーキットにおいて決勝レースの日を迎えた。
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■ハミルトンの優勝は取り消し、公式上の勝利者はマッサへ

残り6周のところで雨が降り始めるという大波乱となったレースで最初にチェッカーを受けたのはマクラーレンのルイス・ハミルトンだったが、その後ハミルトンには残り2周の42ラップ目に行った最終シケインでのショートカットに対し25秒のペナルティーが科せられており、繰り上がっての勝利者となったのはフェラーリのフェリペ・マッサだった。
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ここではベルギー・グランプリの決勝結果、ならびにそのレース概況などを紹介する。


■第13戦ベルギー・グランプリ公式レース結果

以下に気温16度、路面温度は15度から18度、ドライ-ウェット宣言がなされた9月7日午後のスパ・フランコルシャン・サーキットにて行われたF1ベルギー・グランプリの公式結果を示す。
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1) フェリペ・マッサ BRA フェラーリ F2008 1:22:59.394(44周)
2) ニック・ハイドフェルド GER BMWザウバー F1.08 1:23:08.777(44周)
3) ルイス・ハミルトン GBR マクラーレン・メルセデス MP4-23 1:23:09.933(44周)
4) フェルナンド・アロンソ ESP ルノー R28 1:23:13.872(44周)
5) セバスチャン・ベッテル GER トロ・ロッソ STR3 1:23:13.970(44周)
6) ロバート・クビサ POL BMWザウバー F1.08 1:23:14.431(44周)
7) セバスチャン・ブルデー FRA トロ・ロッソ STR3 1:23:16.129(44周)
8) マーク・ウェバー AUS レッドブル RB4 1:23:42.170(44周)
9) ティモ・グロック GER トヨタ TF108 1:24:06.439(44周)
10) ヘイキ・コバライネン FIN マクラーレン・メルセデス MP4-23 1:20:58.715(43周)
11) デビッド・クルサード GBR レッドブル RB4 1:22:45.088(43周)
12) ニコ・ロズベルグ GER ウィリアムズ FW30 1:22:47.042(43周)
13) エイドリアン・スーティル GER フォース・インディア VJM01 1:22:49.057(43周)
14) 中嶋一貴 JPN ウィリアムズ FW30 1:22:58.340(43周)
15) ジェンソン・バトン GBR ホンダ RA108 1:22:59.886(43周)
16) ヤルノ・トゥルーリ ITA トヨタ TF108 1:23:40.609(43周)
17) ジャンカルロ・フィジケラ ITA フォース・インディア VJM01 1:24:49.083(43周)
18) キミ・ライコネン FIN フェラーリ F2008 1:17:42.833(42周)
-) ルーベンス・バリチェロ BRA ホンダ RA108 TIMEH:37:00.084(19周)
-) ネルソン・ピケ BRA ルノー R28 TIMEH:24:51.976(13周)
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■ポイントランキング

ベルギー・グランプリ終了直後のポイントランキングは以下の通り。レース終了直後はランキング2位のマッサから8ポイントのリードを奪ったかに見えたポイントリーダーのハミルトンだが、その後に科せられた25秒ペナルティーにより今回のレース結果が3位に降格した事から、マッサとのポイント差は僅か2ポイントとなった。

1) ルイス・ハミルトン [GBR] [マクラーレン・メルセデス] 76
2) フェリペ・マッサ [BRA] [フェラーリ] 74
3) ロバート・クビサ [POL] [BMWザウバー] 58
4) キミ・ライコネン [FIN] [フェラーリ] 57
5) ニック・ハイドフェルド [GER] [BMWザウバー] 49
6) ヘイキ・コバライネン [FIN] [マクラーレン・メルセデス] 43
7) ヤルノ・トゥルーリ [ITA] [トヨタ] 26
8) フェルナンド・アロンソ [ESP] [ルノー] 23
9) マーク・ウェバー [AUS] [レッドブル] 19
10) ティモ・グロック [GER] [トヨタ] 15
11) ネルソン・ピケ [BRA] [ルノー] 13
12) セバスチャン・ベッテル [GER] [トロ・ロッソ] 13
13) ルーベンス・バリチェロ [BRA] [ホンダ] 11
14) ニコ・ロズベルグ [GER] [ウィリアムズ] 9
15) 中嶋一貴 [JPN] [ウィリアムズ] 8
16) デビッド・クルサード [GBR] [レッドブル] 6
17) セバスチャン・ブルデー [FRA] [トロ・ロッソ] 4
18) ジェンソン・バトン [GBR] [ホンダ] 3


■レース概況、序盤は湿った難しい路面コンディション

20名のドライバーがスターティング・グリッドについた決勝レース直前のスパ・フランコルシャン・サーキットは、レース前の雨の影響により路面が全体的に湿り、空は曇に覆われていたが雨は完全にやんでおり、当分天候が崩れるおそれはなかった事から、全ドライバーはドライ・タイヤを装着して44周回のレースをスタートした。
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■ホールショットはハミルトン、トゥルーリは怒濤のポジションアップ

タイヤが滑るのを気にしてドライバー全員が慎重にスタートを切り、その中で11番グリッドからスタートしたトヨタのヤルノ・トゥルーリが怒濤のストレートでの追い抜き劇を見せて4位近くに急浮上する中、ホールショットを奪ったのはポールポジションからスタートしたマクラーレンのルイス・ハミルトン。2番手にはフェラーリのフェリペ・マッサがつける。
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■コバライネンはスタートに失敗

3番グリッドからスタートしたコバライネンはスタートから1コーナーにかけての加速が伸びずに10番手付近にまでポジションを落とし、3番手には4番グリッドからスタートしたフェラーリのキミ・ライコネンが浮上。


■快進撃を見せたトゥルーリを無情にも押し出すブルデー
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ここで最初のアクシデントが発生。4位のポジションから1コーナーに進入しようとしたトゥルーリのマシンの後部に9番グリッドからスタートしたトロ・ロッソのセバスチャン・ブルデーが追突。幸いこの2台の車はピット作業が必要なほどの大きなダメージは受けなかったが、1コーナー脇に押し出される事になったトゥルーリはスタートと同時に見せた最高の順位挽回もむなしく最後尾に後退してしまう。

■騒然としたがオープニングラップ中の致命的ダメージはフィジケラのみ
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トゥルーリとブルデーのアクシデントの影響もあり、5番グリッドからスタートしたBMWザウバーのニック・ハイドフェルドを含む後続の多くの車もそれぞれに接触しながら1コーナー周辺のエスケープゾーンに大きくはみ出すなど事態は騒然となったが、オープニングラップの終了時にピット作業が必要なほどのダメージを受けたのは、この中でウィリアムズの中嶋一貴選手と接触したフォース・インディアのジャンカルロ・フィジケラの1台のみ。
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■ライコネンが2台を交わしトップに浮上、そのままレースをリード

ハミルトンがリードを広げる中、、ライコネンはチームメイトのマッサとサイド・バイ・サイドの形となり、そのままマッサを交わして2番手に浮上。2ラップ目にはトップを走行していたハミルトンがミスをしてスピン、すぐに走行は再開したが、後方から追い上げてきたライコネンとの距離を一気になくなり、3ラップ目までにライコネンがハミルトンを交わしトップに立った。
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トップを争うライコネンとハミルトンの後方には3番手のマッサ、4番手にはルノーのフェルナンド・アロンソ、5番手にはブルデー、6番手にはレッド・ブルのマーク・ウェバー、その背後には7番手を争うルノーのネルソン・ピケとBMWザウバーのロバート・クビサ、さらに後方にはハイドフェルドとトロ・ロッソのセバスチャン・ベッテルが続く。
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■ウェバーを押し出したコバライネンにピットスルー・ペナルティー

ライコネンがハミルトンを1秒引き離した11ラップ目、ポジションを7番手に挽回していたコバライネンがストレート後にウェバーから右コーナーのインを後方から奪いにかかり追突。ウェバーはスピンを喫して大きく順位を後退、コバライネンは続くコーナーをショートカットする形で5番手につけたが、審議によりコバライネンにはピットスルー・ペナルティーが科せられて結果的に14位にまでポジションを落とした。


■12ラップ目以降にQ3進出組が最初のタイヤ交換、ピケは14ラップ目にリタイア
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12ラップ目にはハミルトン、13ラップ目にはライコネン、続く14ラップ目にはマッサとアロンソおよびコバライネンという順番で、その後もQ3進出組が次々と1回目のピットストップを実施。

なお、14ラップ目にはルノーのネルソン・ピケが12コーナーでスピン、バリアに衝突してフロントとリアを大破し、このレースの最初となるリタイアを喫している。
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■バリチェロはギアトラブルによりレース中盤にリタイア

ほとんどの上位陣が最初のピット作業を終え、ホンダのルーベンス・バリチェロがギアトラブルによりリタイアした後の21ラップ目、トップを行くライコネンは2番手のハミルトンから6秒の差を開き、3番手のマッサはハミルトンの4秒後方を走行。アロンソは単独4番手となり、後方5番手のブルデーをクビサが追う。
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■26ラップ目、トップのライコネンと2番手のハミルトンが2度目のピットストップ

26ラップ目には先頭のライコネンとハミルトンが、両者ともに2ストップ作戦となる2回目のピットストップを実施。この直後からハミルトンがライコネンとの距離を徐々に縮めていく。
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全ドライバーが当初計画回数のピットストップを全て実施した35ラップ目の上位8名の順位は、先頭がライコネン、2番手はその2.3秒後方に迫ったハミルトン、3番手はマッサ、4番手はアロンソ、5番手はブルデー、6番手はベッテル、7番手はハイドフェルド、8番手はクビサ。


■39ラップ目に振り始めた雨、一気にアドバンテージを失うライコネン

残り6周の39ラップ目、ここで突然小雨が降り出し、ドライビングに苦しみ出したライコネンの1秒後方に一気にハミルトンが接近。41ラップ目にハミルトンは最終シケインで軽くスリップしてライコネンに再びその差を2秒まで広げられるが、路面の濡れ方が激しくなると再び距離を縮めてライコネンの背後に迫った。
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■ハイドフェルドが誰よりも早くレインタイヤに交換

コース全体の雨が目立ち始めた42ラップ目、ハイドフェルドは予定外のピットストップを行いここで誰よりも早くレインタイヤを装着。


■トップに立ったハミルトンが最終シケインをショートカット

路面が水滴に覆われ始めた42ラップ目の終盤、最終シケインでついにハミルトンがライコネンを交わしトップに立つが、ここで2台は数回接触してハミルトンは最終コーナーをショートカットする事になる。ハミルトンは続く43ラップ目のストレートではライコネンにやや前を譲る形を取りかけたが、ブロックするライコネンを振り切って1コーナーには先に進入した。
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■FIAはハミルトンへのペナルティーとして25秒を加算

なお、FIAはその後の審議により、ハミルトンが明らかにレースでのアドバンテージをこの時のショートカットにより得たと判断し、ハミルトンに対する25秒加算のペナルティーをレース後に決定している。


■アロンソが残り2周でタイヤを交換、トップ2はスピンしながらの激しいバトル
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アロンソがレインタイヤを装着しにピットに戻った残り2周、バックマーカーが大量に現れる中、ハミルトンがコースを外れて湿った草の上を走行。コース外のハミルトンを交わしながら再びライコネンはトップに立ったが、この時の加速時にタイヤを滑らせてスピン。

■ライコネンが最終ラップを残しまさかのクラッシュ
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そしてハミルトンが再び先頭のポジションからコースに戻ったその直後、ハミルトンを真後ろから追い上げるライコネンは壁になったバックマーカー数台とハミルトンの合間でまたしてもスピンを起こし、この時には壁に激突しマシンは致命的なダメージを負ってしまった。


■歓喜の中で最初のチェッカーを受けたハミルトンは3位に降格
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続く残り1周を走りきったルイス・ハミルトンは最初にチェッカーを受け、スパ・フランコルシャンにおける初の勝利を達成したかに見えたが、先の25秒加算のペナルティーがその後に科せられた事により公式記録は3位となっている。

■ライコネンは18位完走扱い、あまりにも痛い2戦連続のノーポイント
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キミ・ライコネンは壁への激突時にフロント・ウイングを失いリタイア、18位完走扱いにはなったが、タイトル2連覇を狙うライコネンにとってはあまりにも厳しい2戦連続のノーポイントとなった。


■繰り上げ優勝はマッサ、レインタイヤ交換に成功したハイドフェルドは2位
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ハミルトンに続き2番手でチェッカーを受けたフェリペ・マッサは、ハミルトンの3位への降格により今回のベルギー・グランプリの正式な勝利者となった。同様に繰り上がりの2位はレース残り3周の時点でレインタイヤに交換するという判断が功を奏したニック・ハイドフェルド。
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■今期初の表彰台を目前に逃したアロンソ

またハイドフェルドとは対照的に、今年初の表彰台が目前だったフェルナンド・アロンソは、レインタイヤへの交換タイミングを誤り4位でレースを終える結果となった。


■グロックにも25秒ペナルティー、ウェバーが繰り上げ8位となりポイント獲得
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その後のポイント圏内のチェッカーは5番手がセバスチャン・ベッテル、6番手がロバート・クビサ、7番手がセバスチャン・ブルデー、8番手がティモ・グロックの順となったが、グロックはライコネンが43ラップ目にリタイアした際のイエロー・フラッグ提示中に追い抜きを行った事からハミルトンと同じく25秒加算のペナルティーが科せられており、公式上の最終結果は8位がマーク・ウェバー、9位がグロックの順に改められている。

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