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SBKモンツァ初日、好調の芳賀選手とノリック大転倒
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2006年5月6日
SBKの第4ラウンドが5月5日、イタリアのモンツァにて初日の第1予選を迎え、30人のライダーが走行している。天候は曇りで気温は19度。
ピレリタイヤは今回から、4月のミサノでテスト中だった新型タイヤのセクション径200を実戦に持ち込み、ミシュランタイヤの記録に真っ向から挑む。
■あまり良好とは言えない天候の初日に芳賀選手が好タイム
午後のセッション開始直後は若干の霧雨となった悪条件の初日、路面があまり濡れないうちにタイムを出そうと各ライダーは一斉にピットを飛び出し、予選開始から10分間のコース上は渋滞さながらの混雑だったようだ。
各ライダーが抑え気味に走ったと発言する中、この条件下において2003年にミシュランタイヤで当時ドゥカティーのニール・ホジソンが記録したファーステストラップの1分46秒981に迫るタイムが、3年ぶりにピレリタイヤで生まれている。
そのトップタイムである1分47秒007を記録したのは、ヤマハ・フランスの芳賀紀行選手だ。2番手のドゥカティー、トロイ・ベイリスのタイムを0.036秒抑えての暫定ポールとなった。3番手にはアルスター・スズキのトロイ・コーサーがつけている。
■ノリックが大クラッシュ、病院へ
3月末のバレンシア公式テストで背骨にひびが入る大怪我をしたテン・ケイト・ホンダのカール・マガリッジは今回からレースに復帰しているが、ミサノ公式テストで同じく大怪我を負ったフランチェスコ・キリに続き、モンツァ初日も病院に運ばれるライダーが出てしまった。
前回バレンシアでの2つのレースを両方4位の好位置で終えたノリックこと阿部典史選手は、今回の予選中盤に大きなハイサイドを喫して転倒している。轟音を響かせてマシンは大破。すぐに病院に運ばれたノリックに幸い骨折などの重大な怪我は確認されていない。転倒時点の記録により初日の予選順位は19位に終っている。
バレンシアではエンジンまわりの改善が進み、好調さをアピールした直後のノリックだけに1日目は残念な結果となった。2日目の予選2等への参加は、朝の本人の容態を見てから医師との相談の上決定されるようだ。
ノリックと同じフランス・ヤマハのセバスチャン・ジンバートは、前回のバレンシアはル・マン24時間耐久レースに参加の為に欠場したが、今回からは復帰してこの日は15位。中冨伸一選手は23位に終っている。
■バレンシアでの転倒をひきずる加賀山選手
アルスター・スズキの加賀山就臣選手は、前回バレンシアの2日目午後の転倒で負った右手の怪我が癒えていないようだ。ブレーキを握るのにしっかりと力が入らないため、1日目はあえてプッシュせずに14番手タイム。
尚、以前にモンツァからのスポット参戦が噂されたマックス・ビアッジだが、自身のホームページで本人が否定した通り、当然ながら姿はない。
■各ライダーのコメントと予選1の結果
トップタイムの1分47秒007を記録したフランス・イタリアの芳賀紀行選手は、チームのホームレースとなるモンツァ初日を暫定ポールで飾っている。現在ポイントランキング4位の芳賀選手は以下の通りコメントした。
「いいセッションでした。」と芳賀選手。
「セッティングにいくつか変更を加えたらここでもバイクの調子が良くなりました。チームが用意してくれた新しいスイングアームを試したら、少し良くない点もありましたが、いくつかいい結果が得られています。明日は最終決定をする上でもう少しテストがしたいですね。今でもバイクの調子は悪くないですよ。」
「トロイ・ベイリスと一緒に多く周回しましたが、お互いに抜きあって楽しかったですよ。バイクはレースまでにもう少し改善できると思います。」
「ここではチームのファンや応援してくれる人が多いし、今晩は日本から何人か友人も来る事になっています。みんなの為にもいい成績が残せるといいですね。」
2番手タイムは、ドゥカティーのトロイ・ベイリスが記録した1分47秒043。MotoGPから復帰して4年ぶりにモンツァを走る事になったトロイ・ベイリスだが、コースは全く忘れていなかったらしい。
「4年間モンツァには来ていませんでしたが、最初のコーナー出口が記憶ボタンを押したみたいで、全て克明に思い出しました。」とベイリス。
「また、バイクはストレートの調子が凄く良かったです。最初のセッションですぐに2002年の自分のタイムを上回れて良かったですよ。午後はいくつか試す事があったのですが、コースが少し雨で濡れていれて路面状況は今ひとつでしたね。でもレースシミュレーションをしたら結構速く走れました。」
「ノリ(芳賀選手)は私に前を走らせてずっとスリップストリームについてましたね。でも正直言ってあともう何人かが同じペースで一緒に走ってくれる事を期待していました。まあ、今日はまだ金曜日ですから、明日がどうなるか様子を見ましょう。」
ちなみに、ベイリスのチームメイトのロレンツォ・ランチは12番手タイムの1分48秒575だった。
3番手タイムとなる1分47秒591を記録したポイントランキング2位、アスルター・スズキのトロイ・コーサーは、湿った路面で初日にリスクを冒したくなかったと語る。
「午後の路面コンディションは少し要注意でした。成績は湿った路面でどれだけ勇気を見せられるからにかかっていましたからね。」とコーサー。
「午前とはセッティングを変えて、午後は調子よくタイムが出せるようになりました。でも危険を冒す意味はあまりありませんから、今日はできるだけ安定した走りを心がけました。」
「午後の予選が始まった時、殆どのライダーが同じ考えだったらしく、早めにタイムを出そうと急いでピットを飛び出して行きました。コース上に誰か速いライダーを見つけて一緒にタイムを伸ばしあうという状況でしたが、セッション中はとうとう自分と一緒に走ってくれるライダーを見つける事ができませんでした。」
4番手タイムは現在ポイントランキング3位のテン・ケイト・ホンダ、ジェームス・トスランドが記録した1分47秒751。バレンシアでの不調を一気に取り戻したいトスランドには自信の色が見える。
「凄くいい予選でしたよ。ちょっと雨に注意が必要でしたけどね。」とトスランド。
「そんなに濡れてたわけではありませんが、中途半端に気になる感じでした。4番グリッドならとてもいいですけど、週末の天気はあまり良くないみたいですね。もう2〜3箇所いじる必要はありますがドライのセッティングには自信がありますし、全体的な仕上がりは上々ですよ。」
「ここはウェットでもそんなに悪くないですね。すごくしっかりグリップします。」
5番手はカワサキ、ベテランのレジス・ラコーニ。タイムは1分47秒763。
公式テストや予選で調子を上げるカワサキ勢だが、そろそろ表彰台などのレース結果に結び付けたいところだろう。クリス・ウォーカーはこの日11番手、フォンシ・ニエトは20位に終っている。
バレンシアでは2レースともにトップ10入りが果たせなかったクラフィ・ホンダのアレックス・バロスだが、モンツァ初日は6番手タイムとなる1分47秒769を記録している。ポイントランキング5位のバロスは、以下の通り述べている。
「今日の天気は少し不安定でしたね。」とバロス。
「最初から崩れそうな雰囲気でした。どのライダーも雨を心配して予選の最初から飛ばしてましたし、少し雨が降り始めてからはコーナーが直ぐに滑りやすくなりました。ここの路面はあまりざらつきがありませんからね。」
「6番手は悪くないと思います。それと私がまだ新人だって事を忘れないで下さいよ。今日はいくつかミスをしてしまいましたが、ここの高速レイアウトはとても好きです。全体的に性能は高くなってますので、明日が晴れならチャンスですね。」
7番手タイムは芳賀選手のチームメイト、ヤマハ・イタリアのアンドリュー・ピットが記録した1分47秒793。初日のピットは高速コーナーでミスをしているが、2日目以降はさらに上位を目指す自信があるようだ。
「今日は新しいセッティングでモンツァに挑みましたが、ここまでの調子は悪くないですね。」とピット。
「バイクには自信が持てましたし、本来なら7位よりは上につけたでしょうね。自己ベストを出した周回の最初の2区間では調子が良かったんですが最後にミスしました。バイザーに水滴がついていて路面状況がしっかり確認できなかったので、多分コーナーに気軽に入りすぎたんだと思います。」
「でも今日の結果は嬉しいですよ。」
8番手にはステルリガルダ・ベリック・ドゥカティのルーベン・チャウス(1分47秒852)、9番手にはミサノ公式テストで大怪我をしたフランチェスコ・キリのチームメイト、DFXトリームのミッシェル・ファブリッツォ(1分48秒070)。
尚、モンツァでのピット入り(チームのアドバイザーとして)を頑固に宣言していたフランチェスコ・キリだが、痛みが取れずにどうやら今回の参加は断念したようだ。
10番手にはドゥカティー・SCカラーチのロベルト・ロルフォ(1分48秒334)が続いている。
初日14番手タイムの1分48秒828に終った加賀山就臣選手は、右手の痛みがある状態で無理をして、再び転倒という事態だけは避けたかったようだ。
「今日はあまりプッシュしてないので、特に言いたい事はそんなにないです。」と加賀山選手。
「バレンシアで怪我した右手がまだ痛みますので、シケインで方向転換するのが大変でした。少し湿った路面はみんなにとって難しい状況でしたし、またクラッシュしたくはないので無茶せずに走りました。」
23番手となったヤマハ・フランスの中冨伸一選手は、初日のコンディションの悪さからあまり周回を多く重ねられなかった事を悔やんでいるようだ。
「コースを学ぶために本当は多く周回したかったんですが、今日のコンディションは残念でした。」と中冨選手。
「明日の天気がどうなるか分かりませんが、どんな天候だろうともっと上に行く準備はできてるつもりです。」
以下に、SBKモンツァでの第1予選結果を示す。
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SBK モンツァ 予選1
1. 芳賀紀行 [JPN] [Yamaha Motor Italia] [Yamaha YZF R1] [1分47秒007]
2. トロイ・ベイリス [AUS] [Ducati Xerox] [Ducati 999F06] [1分47秒043]
3. トロイ・コーサー [AUS] [Team Alstare Suzuki Corona Extra] [Suzuki GSXR1000 K6] [1分47秒591]
4. ジェームス・トスランド [GBR] [Winston Ten Kate Honda] [Honda CBR 1000RR] [1分47秒751]
5. レジス・ラコーニ [ITA] [PSG-1 Kawasaki Corse] [Kawasaki ZX10R] [1分47秒763]
6. アレックス・バロス [BRA] [Team Klaffi Honda] [Honda CBR 1000RR] [1分47秒769]
7. アンドリュー・ピット [AUS] [Yamaha Motor Italia] [Yamaha YZF R1] [1分47秒793]
8. ルーベン・チャウス [SPA] [Sterilgarda - Berik] [Ducati 999F05] [1分47秒852]
9. ミッシェル・ファブリッツォ [ITA] [D.F.X. Treme] [Honda CBR 1000RR] [1分48秒070]
10. ロベルト・ロルフォ [ITA] [Team Ducati SC - Caracchi] [Ducati 999F05] [1分48秒334]
11. クリス・ウォーカー [GBR] [PSG-1 Kawasaki Corse] [Kawasaki ZX10R] [1分48秒530]
12. ロレンツォ・ランチ [ITA] [Ducati Xerox] [Ducati 999F06] [1分48秒575]
13. マックス・ノイキルヒナー [GER] [Team Pedercini] [Ducati 999RS] [1分48秒712]
14. 加賀山就臣 [JPN] [Team Alstare Suzuki Corona Extra] [Suzuki GSXR1000 K6] [1分48秒828]
15. セバスチャン・ジンバート[FRA] [Yamaha Motor France-Ipone] [Yamaha YZF R1] [1分48秒871]
16. イヴァン・クレメンティ [ITA] [Team Pedercini] [Ducati 999RS] [1分49秒226]
17. ロレンツォ・アルフォンシ [ITA] [Yamaha Motor France-Ipone] [Yamaha YZF R1] [1分49秒357]
18. ノリーニョ・ブリグノラ [ITA] [Team Guandalini] [Ducati 999RS] [1分49秒475]
19. 阿部典史 [JPN] [Yamaha Motor France-Ipone] [Yamaha YZF R1] [1分49秒497]
20. フォンシ・ニエト [SPA] [PSG-1 Kawasaki Corse 2] [Kawasaki ZX10R] [1分49秒578]
21. ビットリオ・イアンヌッツォ [ITA] [Celani Team Suzuki Italia] [Suzuki GSXR1000 K6] [1分49秒650]
22. カール・マガリッジ [AUS] [Winston Ten Kate Honda] [Honda CBR 1000RR] [1分49秒764]
23. 中冨 伸一 [JPN] [Yamaha Motor France-Ipone2] [Yamaha YZF R1] [1分49秒890]
24. ジャンルカ・ナンネッリ [ITA] [D.F.X. Treme] [Honda CBR 1000RR] [1分50秒183]
25. ロレンツォ・マウリ [ITA] [Spring Ducati] [Ducati 999RS] [1分50秒383]
26. ファビアン・フォーレ [FRA] [Team Alstare Engineering Corona Extra] [Suzuki GSXR1000 K6] [1分50秒711]
27. スティーブ・マーチン [AUS] [Foggy Petronas Racing] [Petronas FP1] [1分51秒183]
28. フランコ・バッタイニ [ITA] [Team Bertocchi Kawasaki] [Kawasaki ZX10R] [1分53秒164]
29. クレイグ・ジョーンズ [GBR] [Foggy Petronas Racing] [Petronas FP1] [1分53秒873]
30. マルコ・ボルチアーニ [ITA] [Sterilgarda - Berik] [Ducati 999F05] [1分54秒265]
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