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2006年4月14日
4月13日、イタリアはミサノのSBK公式テスト最終日のセッションが行われた。初日のタイムを一気に縮めるライダーが多く現れ、1番手タイムから10番手タイムまでがほぼ1秒以内に入るという白熱した争いにとなり、トップから5人は1分33秒台を記録している。
■カワサキ勢が好調な2日目
ドゥカティーワークスは二日間を通して好調だったが、それ以外にもカワサキ勢の活躍が目立つ公式テストとなった。トップ10に3名のカワサキライダーが名を連ねている。
■心配されるキリの状態
また、初日に転倒して大怪我を負ったフランチェスコ・キリに代り、昨日の段階で代役起用を検討されていたジャンルカ・ナンネッリは、当日のWSSのテストと並行して早速DFXトリームのピットに入り、キリのCBR1000RRに跨って走行している。ナンネッリのSBK経歴は、2004年のフル参戦(年間14位)と、昨年2回のスポット参戦がある。ナンネッリのこの日のSBKテスト総合順位は24位に終っている。
DFXトリームの公式発表によれば、当日の午前中にナンネッリのテスト起用を決定したようだ。
尚、キリの状況だが、昨日は肋骨2本と骨盤の骨折という発表だったが、再検査の結果によると脊椎骨折をしている可能性もあるという。背中に激しい痛みを訴えていたキリだが、現在は病院で安定した状態にあるらしい。
■タイムアタック終盤にオイルが流出
当日最後のセッション終了の30分前、1コーナー付近に大量のオイルが流出した為、清掃処理後の路面がライダーのトラクションを奪い、終盤に飛躍的なタイム短縮を狙っていたライダーに影響が出てしまったようだ。
■2日目もトップタイムをマークし、自信を示すベイリス
ミサノの公式テストを制したのは、初日から突出したトップタイムをマークしていたドゥカティーのトロイ・ベイリスだ。目標としていた1分32秒台には突入できなかったものの、自身が2002年にミシュランタイヤで記録したファーステストレコードである1分33秒525を0.2秒上回る1分33秒317を記録した。
終盤のオイルによるタイムの影響はそれ程なかったとベイリスは語る。
「今日も全ていまくいきました。」とベイリス。
「あえて言えば、一回きりのロングランの最中に誰かがオイルをばら撒いて邪魔された事くらいです。まあコースの調子が元々変わってきてたのでそれほど大きな影響ではありませんが。」
「最後の15分は予選タイヤに履きかえたので、今朝より少しタイムが上がりました。32秒台もいけると思いましたがそれはダメでしたね。」
「士気が高まった状態でここを離れてバレンシアに行けます。2週間前のテスト以降、自信は常にありますよ。」
■コーサー「ミサノはツインに適したサーキット」
ベイリスと約0.5秒差の2番手には、アルスター・スズキの05年チャンピオンであるトロイ・コーサーがつけた。タイムは1分33秒824。2日目は終始速いペースでの周回を重ねたようだ。アルスター・スズキチームの第二戦までの問題だったクラッチトラブルは発生していない。
「この二日間は凄く仕事がはかどりました。一歩前進できたんじゃないかな。」とコーサー。
「サスペンションまわりの作業を多くして、リアは今までと違うピボットリンク(軸)を試し、フロントまわりのセッティングも変更しました。バイクは飛躍的に改善されましたよ。」
「コースは二日間とても安定してましたし、グリップレベルもずっと変わりませんでした。クラッチは自分が気にしているような部分で何も問題はなかったので、それが一番良かったです。」
「ピレリタイヤの新作「Big Tire (セクション径200)」を試しましたが、凄く気に入りました。最大リーン状態のグリップが良くなっています。方向転換は少し遅くなる感じですが、それほどタイムはロスしないでしょう。このテストは結構きつい仕事だけどね。」
「ミサノはいつもツイン(2気筒)向きのサーキットだからね。ベイリスを追っかける事になるとは思ってました。彼のバイクを見てると低速コーナーで力があるけど、それは2気筒の性質だから自分たちにはどうしようもないね。でも何か補完できるように対策は検討します。」
■安定した走行の芳賀選手
3番手タイムはヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手が記録した1分33秒870。2番手タイムのコーサーとは僅かに0.046秒差となり、初日から順調にペースを上げてきた。
4番手タイムはドゥカティーのロレンツォ・ランチが記録した1分33秒933。最終日は短めな走行しかしていないドゥカティーのロレンツォ・ランチだったが、効率的にタイムアタックを行い昨日と同じ4位の位置をキープしている。今後のランチの課題はレース中の安定性と言ったところか。
■カワサキ勢がトップ10に3名
5番手から7番手にはカワサキ勢が続く。5番手から、クリス・ウォーカー(1分33秒984)、レジス・ラコーニ(1分34秒085)、昨日は3番手タイムのフォンシニエト(1分34秒181)の順位だ。
5番手のクリス・ウォーカーは、1コーナーのオイル処理用にまかれたセメントがたまたま自分のラインから外れていた事を喜んでおり、今回タイムアタックに使用した予選タイヤとバイクの相性は非常に良かったとの事だ。
6番手のレジス・ラコーニは本日サスペンションのセッティングを行い、大幅な改善が得られたという。昨日は1分35秒台中盤の記録だったが、サスペンション調整後はレースタイヤでも1分34秒4を記録したようだ。
昨日の3番手から7番手に順位を落としたフォンシ・ニエトは、「昨日と同じくバイクは完璧な状態だが、予選タイヤで問題を抱えてしまった」との事だ。また、彼は1コーナーの赤旗中断によりタイムの影響を受けたライダーの1人のようだ。
■エンジンのセッティングに集中する加賀山選手
8番手タイムはアルスター・スズキの加賀山就臣選手が記録した1分34秒266。加賀山選手は、二日間を通して転倒がなく、バイクからも良い感触が得られた事に満足している。
「良い方向性でテストが進められましたし、いい仕事ができましたので満足です。」と加賀山選手。
「ミサノではエンジンに集中してテストを行い、色んなセッティングやマッピングを試しました。エンジン開発にもかかわり、今日の午後は新しいエンジンパーツも試しています。性能は高いと思いましたが、まだやるべき事がありそうです。今の段階では朝の状態のバイクの方が好きですが、それに適したいいセッティングも出来ましたので感じはいいですよ。」
「この二日間は特に問題も転倒もありませんでしたので嬉しいです。」
加賀山選手の後ろには、9番手のルーベン・チャウス(1分34秒315)、10番手のアンドリュー・ピット(1分34秒469)が続いた。
尚、アレックス・バロスは二日間を通して13位(1分34秒683)に終っている。
■なかなか上位にこれないノリック
残る日本勢は、ヤマハ・フランスのノリックこと阿部典史選手が1分35秒574の19番手、ノリックのチームメイト、中冨真一選手は1分35秒684の20番手で公式テストを終えている。
以下に2日間を通しての上位10人と日本人ライダーのタイムを示す。
−SBKミサノ公式テスト 2日間の結果−
1. トロイ・ベイリス (Ducati Xerox) 1分33秒317(2日目セッション2)
2. トロイ・コーサー (Suzuki) 1分33秒824(2日目セッション1)
3. 芳賀紀行 (Yamaha) 1分33秒870(2日目セッション1)
4. ロレンツォ・ランチ (Ducati Xerox) 1分33秒933(2日目セッション2)
5. クリス・ウォーカー (Kawasaki) 1分33秒984(2日目セッション2)
6. レジス・ラコーニ (Kawasaki) 1分34秒085(2日目セッション2)
7. フォンシ・ニエト (Kawasaki) 1分34秒181(2日目セッション2)
8. 加賀山就臣 (Suzuki) 1分34秒266(2日目セッション1)
9. ルーベン・チャウス (Ducati) 1分34秒315(2日目セッション2)
10. アンドリュー・ピット (Yamaha) 1分34秒469(2日目セッション2)
19. 阿部典史 (Yamaha) 1分35秒574(2日目セッション2)
20. 中冨伸一 (Yamaha) 1分35秒684(2日目セッション2)
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