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バレンティーノ・ロッシ「カタールでは勝ちたい」

2006年4月4日

2004年に1000人の労働者によって建築され、各ピットや観戦施設にエアコン設備を持つ近代サーキット、カタールのロサイル国際サーキットにMotoGPチームの機材が次々と到着している。冬季テストのロサイルで今年のヤマハ勢の優位を誇示したキャメルヤマハチームも例外ではない。



カタルーニャでのIRTAテストまでは好調なテスト結果を残したバレンティーノ・ロッシとコーリン・エドワーズだが、ヘレスに入った途端、ロッシのバイクの振動問題とコーリン・エドワーズのチャタリング問題が発生した。最初は楽観的だった各ライダーも、IRTAテストだけではなく最終予選当日までこの問題を払拭できないまま決勝を迎える事となり、「不安」というコメントをレース前に残していた。

開幕戦は振動問題の改善状況を確認するまでもない最悪とも言える結果に終わった。バレンティーノ・ロッシはファーストラップの第1コーナーでフォルツナ・ホンダのトニ・エリアスに追突され転倒。曲がったハンドルと欠けたブレーキレバーのまま全周回を走りきり14位。チームメイトのコーリン・エドワーズは転倒したロッシを避けた為に最後尾まで順位を落とし、結果は11位に終わっている。

嫌な思い出のヘレスとは一刻も早く離れ、冬季テストで順調だったロサイルに戻りたいとコーリン・エドワーズはコメントしていたが、冬季テスト時のセッティングがそのまま今週のカタールでも良い結果をもたらすかどうかが、今期序盤のキャメルヤマハチームの調子を左右するのは事実だろう。コーリンはカタールでは全ての問題が解決すると信じているようだ。昨年のコーリンのカタールでの決勝結果は4位だった。

「正直言って、月曜の午後にヘレスを離れるのが待ちきれませんでしたよ。あそこは悪夢でしたね。」とエドワーズ

「最初から上手くいきませんでしたし、レースでは運からも見放されてたようです。でもそろそろ次のページを開かないとね。バイクとチームには絶対の自信を持っていますし、カタールでは風向きを変える事ができますよ。」

「バレンティーノの様子をガレージ越しに見て、振動は自分のライディングスタイルの問題じゃない事だけは確認していますから、個人的には凄く自信がありますし、自分のベストな走りが出来ると信じています。」

また、コーリンはロサイルの特徴について以下の通り語っている。

「ロサイルは滑らかなコースレイアウトなので、理想的なラインをキープしながらリズムを崩さず走る事が重要です。ここ2年間でグリップは飛躍的に良くなりましたしね。ただ、路面に砂が散らばってるのでコースを外さないように注意深く走る必要はあります。」

バレンティーノ・ロッシは、ヘレス開幕レース翌日の公式テストで、05年型のバイクと06年型バイクを乗り比べて振動問題の改善策を探っている。06年型の改善の方向性が明確になったとするロッシは、カタールに向けて06年型バイクのセッティングを若干変更したようだ。昨年ロッシはカタールで優勝しており、転倒に終わった04年に比べて改善された路面コンディションを喜んでいた。

「開幕では良いスタートが切れなかったので、カタールで悪い記憶を消せると良いね!」とロッシ

「冬季テストでカタールを走った時のバイクの調子は最高でした。今回それが再現できると良いですね。まだ小さな振動があるのは事実ですが、ほんの2〜3箇所でしか症状は出なくなっていたし、対処可能な範囲だったんです。いずれにしろ自分たちのバイクはカタールでは初日から凄く速かったので上手くいく筈ですよ。」

「去年のカタールでの勝利は昨シーズンの中で一番満足のいくレースだったと思います。最後まで限界走行だったし、メランドリとのバトルは最高でした。今年も面白いレースを期待しています。もちろん自分の勝利で終わりたいし、タイトル防衛戦を再開したいね!」

「カタールは暑くて疲れる厳しいレースですが、コースは好きだし楽しむつもりですよ。」

カタールのコースの難しさは、その気象条件以外に、クイックなコーナーを抜け出したすぐ後にゆるやかな低速カーブが続くコースレイアウトにある。コーナリング性を重視したマシンのバランス、ブレーキの安定性、最大限のリーンアングル(バイクを傾ける角度)の実現がメカニックに要求される。

MotoGPで提供されるミシュランタイヤ単体でのドライ路面における最大リーンアングルは60度、ウェットでは45度だ。

(写真提供:ヤマハレーシング)


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