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転倒者が相継いだカタルーニャGP初日のトップはペドロサ |
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2008年6月7日
前回のイタリアGPにおいてHRCの岡田忠之選手が実戦データを収集したニューマチック・バルブ・エンジンの使用を今回のカタルーニャGPでは見送ったレプソル・ホンダのレギュラー2名だが、ダニ・ペドロサはこれまで通りのスタンダード・エンジンで迎えた地元グランプリ初日のフリー・プラクティス2回の両方をトップタイムで終えている。
■初日の総合トップはペドロサ、チームメイトのヘイデンはやや不調
ペドロサが好調な初日の滑り出しを地元で見せる一方、チームメイトのニッキー・ヘイデンは午前中には14番手タイムと低迷したが、マシンのセッティングを施した午後のセッションでは9番手タイムを記録して初日の2回のセッションを終えた。
■劣悪の路面コンディションとなった初日、転倒者と怪我人が多発
なお、初日2回のフリー・プラクティスはドライ宣言がなされ、この日の天候は午前中が曇り、午後には晴天に恵またものの、前日までの豪雨の影響から路面は終日汚れており、コース脇の一部は終日湿ったままの滑りやすいコンディションだった事から多くの転倒者が発生している。
MotoGPクラスでは午前のFP1の3ラップ目にアリーチェ・チームのトニ・エリアスが激しく転倒、ドゥカティーのケーシー・ストーナーも午前中に2回のコースアウトと1回の転倒、午後のFP2ではセッション序盤にフィアット・ヤマハのホルヘ・ロレンソが11コーナーで時速130キロの速度で転倒、同じ頃にカワサキのジョン・ホプキンスが2コーナーでハイサイドを起こし転倒、ホンダLCRのランディ・ド・プニエは午前と午後の両方に1回ずつ転倒している。
■ペドロサも午後のセッション終盤に転倒したが無傷
また、この日の総合トップを記録したペドロサもFP2のセッション終盤には下り坂の低速左カーブである5コーナーで軽い転倒を喫しているが、幸いペドロサに怪我はなく、自力で歩いてパドックに戻り、スペアバイクに乗り換えてセッションを最後まで走りきった。
■頭部強打のロレンソは出場をキャンセル、ホプキンスは2日目午前に再検査
今回の転倒者の中には深刻な怪我人が発生しており、ホルヘ・ロレンソは頭部を強打して一時的に意識を失い、右手の薬指と小指の筋肉に傷を負って2日目以降のセッションを正式にキャンセルしている。また、ジョン・ホプキンスはフロントの滑ったバイクをひざで立て直そうと頑張ったが、結局リアが滑ってハイサイドを起こしバイクの前方に投げ出されて背中を強打している事から、2日目以降の出場は早朝のクリニカ・モバイルでの再検査の内容によって判断したいとしている。ホプキンスは背中以外にも左足と尾てい骨付近を打撲した。
■両手を軽く痛めたド・プニエ
また、それほど深刻な怪我ではないようだが、ランディ・ド・プニエは午前中の転倒で右腕を打撲、午後の転倒では左手の小指を痛めた事から、現在は両手がとても痛いそうだ。
■小排気量クラスではラバトが頭部を強打し2日目以降のセッションを欠場
他にもこの日は小排気量クラスでも転倒者が目立ち、125ccクラスではレプソルKTMの地元スペイン人ライダーであるエステベ・ラバトが午後の予選で激しく転倒して頭を強打、転倒当時は意識があり事故の様子を詳細に本人の口から説明していたものの、その後に運ばれたカタルーニャ総合病院で突如を意識を失った事から、現在はICU(集中治療室)に入り改めて精密検査を受けている。幸い現在までの検査結果では特に深刻な怪我はラバトに見つかってはいないが、頭部への衝撃が大きかった事からラバトの地元グランプリ欠場はすでに決定している。
■ペドロサ「F1の影響で路面がでこぼこ」
MotoGPクラスのライダー14名が総合タイムシートの1秒以内に入るという僅差の争いの中で初日のトップに立ったペドロサは、この日の作業内容と路面コンディションの悪さを以下の通り説明している。
「午前のプラクティスはムジェロの時のセッティングから開始しました。それから多くのセッティングをシャシーに試し、さらにレースに向けて何種類かのタイヤも試しています」とペドロサ。
「午前中のアスファルトはひどく汚れていて、午後に入り少し路面コンディションは改善されましたが、それでも走行ライン以外はまだ汚かったですね。おまけにこのサーキットはF1による走行の影響でアスファルト表面がすごくでこぼこしているんです」
「午後の終盤には5コーナーで転倒しました。アスファルトにつなぎ目があり、そこのくぼみにタイヤをぶつけてフロントを失ったんですが、幸い怪我はなかったのでその後も走行を続ける事はできています」
「今日は2回連続してドライ・セッションに恵まれたのは良かったですね。明日はセッティングに微調整を加えて、レース用タイヤのテストを続ける予定です」
■ヘイデン「リアのトラクション改善に取り組み中」
カタルーニャGP初日の内容はあまり順調ではなかったと述べるニッキー・ヘイデンは、今回のレースウイーク中はリアのトラクションを重視したセッティングを行いたいと以下の通りコメントした。
「あんまり順調な1日だったとは言えません。ここはロングコーナーがたくさんあるのでリアのトラクションをもう少し改善しようとしていますが、今のところの作業はそんな感じですね」とヘイデン。
「今日はいくつかの事を試しました。午後はセカンドバイクにも試したい事があったんですが、その時には作業時間をロスしています」
「ここでは過去数日間に雨が降り続いていたので、今朝は走行ライン以外が湿っていて縁石にも少し水が溜まっていました。おかげでものすごく滑りやすかったです。午後の天候は完璧でしたが、路面は走行ライン以外はやはり滑りやすかったですね」
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