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２００８年６月７日
カタルーニャGP初日午後のフリー・プラクティス中に転倒したホルヘ・ロレンソの２日目以降のセッション欠場が決定した。なお、この日の前日のカタルーニャ・サーキットは夜通しの豪雨に見舞われており、路面が汚れて滑りやすくなっていたという。
■ヘリコプターでバルセロナ市内の病院に搬送されたロレンソ
6月6日に行われたカタルーニャGPのMotoGPクラス初日午後のフリー・プラクティス２において、走行５周目の１１コーナーにおいてフロントを失い130km/hの速度に乗った状態で転倒、そのままグラベルに激しく飛び込んだフィアット・ヤマハのホルヘ・ロレンソは、その後すぐに担架に乗せられてクリニカ・モバイルに運ばれている。
この時のクリニカ・モバイルの初見によれば、中国GPにおいてロレンソが負った両足首の怪我に新たなダメージなどは一切見つからなかったが、頭部を強打している事などからさらなる精密検査が必要と最終的には判断され、ロレンソはヘリコプターでバルセロナ市内のデシェウス病院にそのまま搬送される事になった。
■主治医のミール医師はグランプリ出場不可を断定
なお、デシェウス病院はロレンソが今年の中国GP前に腕上がり症（アームパンプ）の手術を受け、中国GPで負った怪我の治療も継続的に受けている彼のかかりつけの病院であり、今回のロレンソの怪我の診断と治療を担当しているのも彼の以前からの担当医、MotoGPライダーの外科治療の権威として知られるハビエル・ミール医師だ。
デシェウス病院での検査の結果、ロレンソは数日間の経過観察が必要とされる衝撃を頭部に受け、右手の薬指と小指にも深い傷を負っている事が判明しており、ミール医師はロレンソのカタルーニャGPへの参加継続は不可能と断定した。
■ハビエル・ミール医師「頭部には72時間の経過観察、右手には皮膚移植が必要」
 今回のロレンソのカタルーニャGP出場キャンセルを決定したミール医師は、この日の診療結果を以下の通り説明している。
「今回の診断の結果、ロレンソが今週の残りのセッションに出場するのは無理である事を断定しました。デシェウス病院での検査の結果、彼は頭部を強打しており、意識を失っていた事が判明しています」とミール医師。
「これまでにCTスキャンとMRIスキャンを用いて神経系の精密検査を行い、頭部に血腫や内出血などが特に存在しない事は確認できていますが、これから48時間から72時間、症状が今後どう変わるかの経過観察を受ける必要が彼にはあります」
「また、彼は右手の薬指と小指も負傷しており、一部の皮膚を失い、指を伸ばすための腱も少し傷ついていますので、この怪我についても検査を続けなければいけませんが、今見る限りでは小さな皮膚移植が必要になりそうです。他には打撲とすり傷が何ヶ所にもあります」
■ロマノーリ監督「回復にきちんと時間を使う事が重要」
フィアット・ヤマハのミシュラン体制側のチーム監督を務めるダニエーレ・ロマノーリは、今回ロレンソが怪我をするまでの経緯と今後の方針について以下の通り説明した。
 「残念ながらロレンソは今日も再び転倒する事になりました。今の彼に運がない事だけは明白でしょう」とロマノーリ監督。
「午前中は大変にいいセッションを過ごす事ができており全てが順調でした。今後の作業の方向性を決める上でいいベースとなるセッティングも見つかっていたので、チームはそこまでの進展状況には大変満足していました」
「午後にも順調なスタートを切りましたが、残念ながら４周回を走行した直後の１１コーナーでロレンソはフロントを失い今回再び転倒しています。事故当時は130km/hのスピードが出ていたので大変な高速転倒になりました。その後にデータを調査していますが、特に彼がミスをしたような形跡は見つかっていません」
「午前とは異なる何種類かのタイヤとセッティングを試している最中でしたが、作業の進み具合にはとても満足ができていましたので、これは非常に残念な結果でした。幸い彼の両足首の怪我が悪化するような事はありませんでしたが、頭部に衝撃を受けた以上は一定期間の経過観察と休養が必要になりますし、リスクを冒すような事は一切禁物です」
「ホルヘにとっては非常に気の毒ですが、今の時点で最も重要な事は彼がしばらく静養する事と、回復にはきちんと時間を使う事です」
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