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2006年5月15日
5月14日、中国の上海サーキットにてMotoGP決勝レースが行われた。当初はレースウイークの3日間が雨になると予想された上海だが、実際にウェット宣言がされたのは初日の金曜日のみとなり、2日目の予選および最終日の決勝はドライ路面での走行が行われている。
3万2千人の観客が訪れたレース当日の上海サーキットは、MotoGPクラス決勝が行われる頃には軽く陽が射す天候となり、気温は31度まで上昇した。路面温度は26度、湿度は12%と快適なレース日和となっている。
■スターティンググリッド
この日の1列目、ポールポジションは自身初となる予選でのトップタイムをマークしたスペイン人ルーキー、レプソル・ホンダのダニ・ペドロサだ。特に意識した訳でもなく、自然にポールが取れてしまったと述べるペドロサだが、過去3戦はスタートが上手くいかずに序盤からの熾烈な追い上げを強いられているだけに、今回はスタートからの逃げ切り体制に入れるかどうかが注目される。
2番グリッドにはリズラ・スズキのジョン・ホプキンスがつけた。スズキチームは前回のトルコGPでもホプキンスのチームメイトのクリス・バーミューレンがポールポジションを獲得しておりマシンの開発は順調のようだ。
ホプキンスはトルコGPでは2位走行中のレース中盤にタイヤトラブルが発生してピットインするという不幸な事態に見舞われたが、今回選んだブリヂストンのレースタイヤには自信があるようだ。
1列目最後の3番グリッドには、今シーズンはチャタリングに悩み続けるキャメル・ヤマハのコーリン・エドワーズが今期最初のフロントロースタートとなった。チームメイトのバレンティーノ・ロッシは予選タイヤでチャタリングが増大する傾向を訴えており、13番グリッドまで順位を落としている。
2列目4番グリッドには、初日のウェット路面ではZX-RRのマシンパワー制御に苦しんだが、2日目のドライ環境では好調な予選アタックを見せたカワサキの中野真矢選手、5番グリッドはレプソル・ホンダのニッキーヘイデン、6番グリッドにはドゥカティーのセテ・ジベルナウが続く。
開幕から順位が上がらず、中国からの調子回復を宣言したコニカミノルタ・ホンダの玉田誠選手は4列目11番グリッドスタートとなった。
■1列目の3名が好スタート、エドワーズとホッパーがレースをリード
シグナルが消え、レプソル・ホンダのダニ・ペドロサは1番グリッドから好スタートを決めた。ほぼ同時にペドロサと同じくフロントロースタートのコーリン・エドワーズ、ジョン・ホプキンスの3台が並んで1コーナーに飛び込む。2列目の中野選手とセテ・ジベルナウも好調にスタートをきめて集団に加わっていく。
オープニングラップの1コーナー争いを制したのはコーリンエドワーズ。先頭に立ったエドワーズをホプキンス、ジベルナウ、中野選手が追い、その後ろ4番手には1コーナーでやや押し出されたペドロサと、3列目7番グリッドからスタートしたLCRホンダのケーシー・ストーナーがつけている。
続いてニッキー・ヘイデン、フォルツナ・ホンダのマルコ・メランドリ、ドゥカティーのロリス・カピロッシ、10番手の玉田選手が列をなして先頭を追う。そのすぐ真後ろにつけていたバレンティーノ・ロッシが玉田選手を交わして10番手に浮上した。
2周目の1コーナー、5番手と6番手のペドロサとストーナーが4番手の中野選手を捕らえ、中野選手は6番手に後退。コース中盤までにヘイデンにも中野選手は交わされ、その後ろにカピロッシが迫る。9番手を走行するメランドリの後ろでは10番手のロッシがパスのタイミングを窺っている。
ロッシの後ろの玉田選手はトニ・エリアスに抜かれ、スタティンググリッドと同じ11番手に後退。
■セテにブロックされて前に出れないストーナー
3周目に入るとカピロッシが中野選手を交わして7番手に。先頭から全ライダーが長い列を形成し始める中、トップを行くエドワーズが2番手のホプキンスを引き離そうとややペースを上げている。ひたすらメランドリに密着するロッシ。
3周目後半、2番手のホプキンスから約1秒遅れで走行するジベルナウをペドロサが抜きにかかるがセテは壁のように前を開けない。ペドロサの真後ろにはストーナーとヘイデンが迫っている。
4周目のストレートでペドロサがセテと並び、そのまま次のコーナーでセテを抑えて3番手に浮上。続けてヘイデンもセテを交わすが、ストーナーはセテが壁となり前に出れない状態となった。
■クリス・バーミューレンが転倒、メランドリに不快感を示すロッシ
同じ頃、リズラ・スズキのクリスバーミューレンは自身のミスからランディー・ド・ピュニエに追突しそうになり、それを避ける為に転倒。白い砂煙が舞う。バックストレートはバーミューレンのチームメイトのホプキンスが、一度は逃げかけた先頭のエドワーズの真後ろにぴたりとつけるが抜く事はできない。
バレンティーノ・ロッシの追走を受け、その時9番手のメランドリが激しく抜かれまいと抵抗し続けている。ロッシはレース後、「レース序盤には意味のない行為」とメランドリに不快感を示している。
5周目に入った時点の順位は、先頭からエドワーズ、ホプキンス、1.7秒開けてペドロサ、ヘイデン、ジベルナウ、ストーナー、カピロッシ、続く8番手に中野選手。中野選手の後ろ9番手にはメランドリを交わしたロッシが迫るが、中野選手はカピロッシをパスして7番手に逃げ込む。すぐにカピロッシとバレンティーノ・ロッシが熾烈なポジション争いを展開するが、ロッシがこれを制して再び中野選手の後ろにつけた。
3番手のペドロサはホプキンスの1.5秒後方を走行。
6周目、ロッシに執拗につけまわされた中野選手はロッシのブレーキングに押されて8番手に後退。5番手を行くジベルナウの後ろには、なんとか前に出たいストーナーが密着して走行している。ペドロサはホプキンスの1.3秒後ろに近づく。
■ドゥカティー勢はタイヤ選択ミス、それでもストーナーの壁となるセテ
7周目、タイヤの選択を完全にミスしたと認めるドゥカティーの2名が揃ってペースを落とし、ジベルナウは4番手のヘイデンから2.1秒後ろに離されるが、ストーナーにはパスする隙を全く与えない。ストーナーの後ろには7番手のロッシが迫っている。
8周目、ついにエドワーズの真後ろを走る2番手のホプキンスとペドロサとの差が無くなった。ペドロサの後ろにはチームメイトの前に出たいニッキー・ヘイデンが追走しており、先頭集団はエドワーズ、ホプキンス、ペドロサ、ヘイデンの4台体制となった。
■追い上げるロッシ、トップを狙うペドロサを追うヘイデン
同じ頃、ロッシはストーナーを交わしジベルナウの後ろの6番手に浮上。
ロングストレートでペドロサは2番手のホプキンスに並ぶが、ブレーキングでホプキンスが粘りペドロサを抑える。後方では同じようにストーナーがロッシの真横に並ぶが、ストレートエンドぎりぎりでロッシがストーナーを抑えた。
9周目の1コーナーではついにペドロサがホプキンスを交わし2位に浮上した。ペドロサを追いかけたいヘイデンは3番手のホッパーの隙を狙う。後方ではロッシがジベルナウを交わし5番手に浮上。
ペドロサはトップを行くコーリンにぴたりとつけ、ストレートで2台は並ぶがブレーキングでエドワーズがペドロサを抑える。ヘイデンはホッパーを交わして3番手となり、ペドロサに向けての追い上げを開始する。
■ルーキーの初優勝を阻止したい優勝経験1回のみのエース
10周目、ついにペドロサはホームストレートでトップのエドワーズを交わして先頭に立った。3番手のヘイデンは同じレプソル・ホンダチームのルーキーを捕らえたい。キャメル・ヤマハのコーリン・エドワーズを追いかけるレプソル・ホンダのヘイデンと、それを追うリズラ・スズキのジョン・ホプキンス。
10周目中盤、トップを快走してペースを上げるペドロサを追うニッキーは、コーナーでインを閉めるエドワーズのさらにインに入って2番手に浮上し、全力走行を開始した。初優勝目指して逃げるレプソルのルーキーと、それを必死で追うMotoGP優勝経験1回のみのレプソルエース。
■セテと玉田選手が接触、中野選手はカタールやトルコの問題再発
13周目、玉田選手は10番手を走行し、中野選手はカタールの時と同じくZX-RRの出力過多に悩みリアタイヤをスピンさせており、その後ろの11番手まで順位を落としていた。玉田選手は8番手と9番手のカピロッシとジベルナウの間に割り込むが、セテは決して玉田選手にイン側を譲らない。何度もコーナーで接触するセテと玉田選手。
ドカティー2名の前にはフォルツナ・ホンダのマルコ・メランドリが走行している。
2番手のヘイデンはファーステストを記録して先頭のペドロサを追いかけるが、ペドロサとの1秒弱の差が縮まらない。後方で3位争いをするエドワーズとホプキンスは、ヘイデンから3秒もの差を開けられている。
14周目、再び玉田選手がジベルナウの前に出ようとするが頑強にインを開けたがらないジベルナウ。またも二人は衝突を繰り返している。
■トップのペドロサとの1秒の差に苦しむヘイデン
15周目、先頭集団はペドロサとそれを1秒後方で追うニッキー・ヘイデンの2台となり、その5秒後方の第二集団はエドワーズとホプキンス、それにロッシを加えた3台体制となった。
ロッシがホプキンスの後ろからプレッシャーを与えている頃、ロッシの後ろのケーシー・ストーナーはミスによりコースアウトを喫し、10番手に後退した。それを受け、カピロッシは6番手、セテを最終的に交わした玉田選手は7番手に浮上。
16周目、ニッキー・ヘイデンは自身の予選タイムである1分59秒574に迫る1分59秒793を記録しペドロサに迫るが、同じようにペドロサもペースを上げる。
■ロッシにタイヤトラブル、リタイアへ
ここで後方の第二集団に加わっていたバレンティーノ・ロッシが突然ペースを落とし、ジョン・ホプキンスの4.6秒後ろに後退した。自身のバイクのリアを振り返って確認するロッシ。
ここでロッシは一度ピットに戻り、リアタイヤを交換するが、再びコースに戻ってから彼は初めて実際はリアではなくフロントタイヤに生じた問題だと気がついたようだ。ロッシは落胆した様子のまま1周のみ走行して再びピットイン、リタイアしてしまう。
表彰台は確実という勢いの追い上げだっただけにロッシは落胆している。
18周目、ヘイデンはペドロサとの1秒の差がどうしても縮められない。2番手のヘイデンの7秒後方にはエドワーズに食らいつくホプキンス。そのさらに9秒後方にはカピロッシを交わした玉田選手の姿が現れる。
■追加のトップスピードを欲しがるジョン・ホプキンス
バックストレートエンドではホプキンスがエドワーズに執拗なアタックをかけるがエドワーズはブレーキングでホプキンスを前には出さない。ホプキンスはGSV-Rのトップスピードがもう少し欲しいとコメントしている。
19周目、ペドロサとの差を縮めたいヘイデンは会心のファーステストを記録した。自己の予選タイムを0.3秒上回る1分59秒474で周回したヘイデンは俄かにペドロサに迫る。
しかしながら、20周目入り口で記録されたペドロサのラップタイムはニッキーの記録をさらに0.15秒上回る1分59秒318だった。どうしてもルーキーとの差をつめられないレプソルエースのライディングに少し乱れが見えてくる。
後方では玉田選手を交わした5番手のストーナーと6番手のメランドリが接触しながら前を争っている。
■復活か?玉田選手が順調に上位へ
残り2周の21周目、ホームストレートでのペドロサとヘイデンの差はやはり1秒。後方では玉田選手がメランドリを交わしストーナーの後ろにつけ6番手に浮上している。
ファイナルラップ22周目のホームストレート、先頭にはペドロサ、1.2秒後方にペドロサを追う2番手のニッキー、その11.4秒後方は3番手のエドワーズ、さらに1.8秒後方には4番手のジョン・ホプキンスという4台がファイナルラップに突入した。遅れて5番手のストーナー、玉田選手、メランドリ、カピロッシがホームストレートに現れる。
次々と抜かれて後退するセテ・ジベルナウ。
■動じないルーキーに焦るエースのヘイデン
安定してミスをしないペドロサの後ろをニッキーが必死に追いすがるが、コーナーにやや焦りが見え差は1.5秒まで広がった。最終コーナーを前に後ろを振り返ってニッキーとの差を確認したペドロサは、コントロールライン目指して最後のアクセルを開けた。
チェッカーが振られ、MotoGPルーキーの今年初となる優勝、ダニ・ペドロサのポール・トゥー・ウインが決定した。普段は喜怒哀楽を表に出さないペドロサが、感情を抑えられないという様子で何度もヘルメットのバイザーを両手で叩きながら歓喜に満ちたウイニングランを開始した。
2位にはペドロサのチームメイトのニッキー・ヘイデン、3位には開幕から不調が続いたキャメルヤマハのコーリン・エドワーズが嬉しい表彰台を獲得した。
自己のMotoGP経歴で最高位となる4位を獲得したジョン・ホプキンスは表彰台は逃したものの、開幕からマシンやタイヤトラブルに泣いたリズラ・スズキチームにとって今後に大きな期待が持てる結果を残した。高々とウイリーするジョン・ホプキンス。
コニカミノルタ・ホンダの玉田誠選手はホンダLCRのケーシー・ストーナーに続き6位となり、中国GP前にチームが公式リリースで述べた「復活宣言」が嘘ではない事を証明している。
4番グリッドスタートのカワサキ、中野真矢選手は10位で中国GPを終えている。
■笑うプーチ
パルクフェルメではアルベルト・プーチが温かくペドロサを迎え、その横には昨年の250cc時代のチームメイトであり、今回の中国GPを3位表彰台で終えた青山博一選手もペドロサの祝福に訪れた。
また、上海サーキットを訪問していたホンダの福井威夫社長もその場に現れ、ペドロサの初優勝を称えている。
今回で8回の連続表彰台を達成したニッキー・ヘイデンだが、表情には悔しさが見え隠れする。
■各ライダーのコメント
以下に、中国GP終了後の各ライダーのコメントを示す
優勝 ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム
今回の結果はパーフェクトです。自分にとってもレプソル・ホンダチームにとっても素晴らしいレースでした。
両方のライダーがいい成績を取れましたから、厳しい仕事を頑張ってくれたチームを思うと嬉しくなりますね。
ペースが速くて厳しいレースでしたが、今日のコース状況はとても良かったのでいいリズムがつかめました。タイヤもすごく機能してくれてミシュランには感謝しています。
今回はスタートには成功しました。でもブレーキが遅れて少し大回りになり、いいラインがキープできずに2つくらいポジションを落としましたので、順番に一つずつ挽回する事ができて良かったです。
一度先頭に立ってからは、ひたすらピットサインのゼロ・コンマ何秒にのみ集中しました。リードを広げようとしたんですがニッキーが次から次へと激しくプッシュしてくるので簡単じゃありませんし、タイヤのグリップも少し落ちてきました。
優勝はいつも特別ですが、レベルの高いMotoGPでの優勝ですから今回はさらに特別です。
2位 ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム
毎周回少しずつペースを上げてダニを焦らせるつもりでしたが、全然動じないんですよ!ダニは強力にレースをリードしてましたから最後はもう認めるしかなかったですね。
ペースを上げ続けられた時はいい気分でしたが、全然十分じゃありませんでした。ダニに近づいた時にはもう危ない事はしたくなくなってたんです。
自分に関係するスタッフだけじゃなく、レプソルホンダチームに関わる全ての人を祝福したいです。みんな凄い仕事をしてくれました。
これからのレースやセッションでもずっと安定した成績を保ちたいです。ポイントも表彰台もいいけど、本当は勝ちたいんですけどね。優勝もそんなに遠い話じゃないと思います。年間ランキングに少し差が開いたのはいい事ですが、まだ時期的に考えるのは早すぎるね。
ホンダは真剣にこのチャンピオンシップを戦っています。早く勝ちたいし、次のル・マンも楽しみです。
3位 コーリン・エドワーズ USA キャメル・ヤマハ・チーム
スタートが凄く上手くいったんでオープニングラップを出来る限り速く走ろうと思いました。2〜3箇所で転びそうになりましたが、今日はそれでもいいから表彰台のチャンスを優先しようと思ったので後戻りはできませんでしたね。
チャタリングもあり激しく攻めるのは簡単じゃありませんでした。2分0秒7くらいで走るとチャタリングが出て余計に遅くなるので限界はありましたが、とにかく頑張るしかないって感じでした。
ダニとニッキーの貨物列車が通過して行ったけど、あれについて行くのは無理です。あの二人は速すぎですよ
今週はいくつか問題を抱えていたので表彰台は期待しませんでしたが。戦えるレベルにバイクを頑張って仕上げてくれたチームとヤマハとミシュランに感謝します。
4位 ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP
これはもうエクスタシーですよ!レース全体を通して好調でした。
白線を飛び出してからはレースの最後まで真剣でした。他のバイクの後ろでタイヤを温存しなきゃいけない事はわかってましたので、コーリンの後ろにくっついて引っ張って貰う事にしました。
ニッキーとダニにパスされましたが、信じられない速さでした。あれにはとてもついて行けませんよ。その後はコーリンの後輪にしがみついて最後まで行こうと思ってました。最後の数周は激しくプッシュしたんですが、(マシンの)限界を既に超えてましたね。でも最後は前から更新したかった自分の最上位記録を伸ばせたんです!
全てのチームスタッフに大感謝です。みんな今週は最高の仕事をしてくれました。彼らなしでは僕はどこにも行けませんね。自分がスズキにいる最大の理由ですよ。今日のブリヂストンタイヤも最高でした。今回はコーリンよりもエッジのグリップ力やレース終盤の持久性が高かった事が分かりましたしね。
今日は最高に嬉しいです。それとママにハッピーバースデーを言わせて下さい。それとついでにアメリカの母の日のお祝いも一緒に。ママがこの結果を喜んでくれてるといいな。
5位 ケーシー・ストーナー AUS ホンダLCR
スタートには成功しましたが1コーナーで周りに押された感じになってしまいました。それでずっとセテ・ジベルナウの後ろを走る事になってしまい、レースは台無しでした。
ジベルナウはコーナーの出口が自分より上手いしブレーキを凄く遅らせるので全然抜けませんでした。コーナーの途中ではリアタイヤのグリップにも問題がありましたが、これはダニとニッキーを除くワークス以外のホンダ勢が全て抱えていた現象です。
タイムを稼ごうとしてブレーキで少しミスしてしまいましたが、これがなければエドワーズと戦って表彰台にも挑戦できたと思います。自分のバイクは終盤で凄く調子が良かったんです。
6位 玉田誠 JPN コニカミノルタ・ホンダ
今日は今シーズンの中で自分のライディングの特徴を活かして走れた初めてのレースです。
スタートは成功しましたが、1周目に少し順位を落としてしまいました。長い間先頭集団には加わっていませんでしたので、勘を取り戻すのに何周か必要でした。最終ラップには自己ベストの感覚もわかるようになりましたけどね。
レース中のバトルは本当にいいですね。この感覚が戻ってきて今は最高です。
7位 マルコ・メランドリ ITA フォルツナ・ホンダ
天候に惑わされて難しい週末になりましたね。セッティングを探すのに苦労して、結局最後まで解決できませんでした。
3列目からのスタートだったのでポジションを挽回しようとしましたが、満タンの燃料に苦しみましたし、マシンの感触も良くないので、今日は出来るだけ多くポイントを獲得する方向に切り替えました。
今回は残念でしたが意欲を失ったわけじゃないですよ。来週のル・マンには自信があります。正直、今週の事はもう忘れたいですね。
初日からトラブルを抱えてましたし、頑張ったのに解決策も見つかりませんでした。雨が事態を悪くしましたね。今日は全力で戦いましたが、思い通りにプッシュはできていません。
8位 ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティー・マルボロ
難しいレースウイークでしたね。ウェットでは速く走れたのにドライのコースを試す時間があまりなく、ブリヂストンが持ち込んでくれた新しいタイヤの中から正しい選択をする事ができませんでした。
ウォームアップで使った新しいリアとフロントをレースでも使いました。リアは最初の1周だけは問題ありませんでしが、すぐに少しグリップが無くなってしまったのでいい選択ではなかったと思います。もう少し時間があれば違うタイヤを選んだと思いますね。
でもポイントは少し獲得できましたのでランキングはまだ2位ですし、これから走るサーキットは自分たちにとって得意なコースになります。
今もブリヂストンには絶対の信頼をおいていますよ。カタールとヘレスみたいに以前に苦しんだサーキットでも速くなりましたからね。これからも信頼して頑張るだけです。
セテと一緒に先頭グループを走り、勝てる日は必ず来ると信じてます。今後の戦闘準備はいつでも整ってますよ。
9位 セテ・ジベルナウ SPA ドゥカティー・マルボロ
ここでの天候やいくつかの問題もあり、タイヤ選択を間違えました。これは自分たちのミスです。
今週はいくつかトラブルも抱えていて、午前のウォームアップの時も小さな問題があり上手く行きませんでした。それであまり良く知らないタイヤをいくつか選んでしまったんです。リアの左側が温まらず苦労しました。でもまあ、自分の責任ですから仕方ないです。
何人かとのバトルは凄く厳しい争いでしたが、どのライダーもフェアな走りでしたよ。自分にとっては楽しむ余裕などありませんでしたけどね。
今後の数レースも、ひたすらしっかり学習して前進を続けるだけです。
10位 中野真矢 JPN カワサキ・レーシング・チーム
スタートには成功してバイクもいい感じでした。プッシュもできたし順位争いも楽しめましたよ。でも集団に抜かれた後、その後ろについて数周行くうちにリアがコーナーでスピンし始めて後退しました。
イスタンブールの時にも似た問題があり、その時ほど今回は悪くありませんでしたがタイムを落とすには十分でしたし、前のグループについていけなくなりました。終盤にはフロントのグリップも無くなってきて、ある場所では完全にフロントが使えませんでした。
仕方ないのでエリアスとは距離を置いて、ポイントを取る方向に作戦を切り替えました。フラストレーションが溜まりますね。でもこれは解決できる問題だと思いますので、1週間しかありませんが次のフランスGPまでには解消される事に期待します。
11位 トニ・エリアス SPA フォルツナ・ホンダ
今週はずっとセッティングに苦しんで大変でした。頑張ったわりにバイクの感触を良くする為の解決策も見つかっていません。
ウェットとドライの両方に苦しみ問題もありますが、今はそれを前向きに解析する時だと思います。自分たちの実力は分かっていますからル・マンを楽しみにします。今はあまり気分は良くありませんが。
レースを楽しめるような正しいセッティングの方向性が今回は掴めませんでした。試行錯誤を繰り返して、かなり時間をロスしています。結果も期待外れでした。
12位 ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム
1コーナーに飛び込む時にしっかりギアを2速に入れられずスロットルを戻すはめになり、頭を上げた時に前の集団はもう遥か先でした。
遅れを取り戻せるように出来る限りプッシュしたんですが、リアのグリップがなくなり始め、その後の10周でどんどん悪化しました。イスタンブールの順位より下がってしまい残念です。あれ以上プッシュしたら多分転んでいたと思いますから、ベストはつくしたと思います。結果にはがっかりですが、これでまた一つレースの経験は増えました。
来週はホームレースのル・マンですから楽しみです。チームにも自分にとってもいい結果が得られるといいですね。
13位 ケニー・ロバーツ Jr USA チーム・ロバーツ
毎周回をできる限り激しく走るようにしました。
2分1秒台前半までプッシュする事はできましたが、そこまででしたね。コーナーでは今までと違う直線的な走りも試しましたが、余計に遅くなりました。250ccみたいな走り方をすると速いんですが、すぐに限界がきて横滑りするので結局同じようなタイムです。
今はル・マンが楽しみです。新しいシャシーの改良が進んでいる事を期待しています。
14位 カルロス・チェカ SPA TECH3ヤマハ
今週もチームは頑張りましたね。まだ難しい状況に違いはありませんが、チームの任務は大きな意味で第二集団を走っているバイクたちとの差を縮める事です。
今はレースタイヤを最後まで持たせられるレベルに近づきましたが、今後の目標はレースの距離を走ってもラップタイムを確実に改善できるようにする事です。まだ今はコーナーの途中でスピードを上げる事ができませんし、特に加速時の性能に問題がありますが、タイヤの耐久性は改善されつつありますので、より速く長距離をペースを維持しながら走れるようにする必要があります。
ここまでの4レースでダンロップが実現した事を見て、自分たちが必要とするレベルまで到達できる自信につながりました。ラップタイムはさらに縮まり、前の集団に追いつく事も可能になる筈です。
後ろ向きに物事を考えるのは好きではありません。タイムが出ない時は誰でも心配になるでしょうが、初めてチームに来た時のダンロップの現状を知っていますから全然驚きませんよ。この現状を打破する為に、私はまだ戦い続けます。
諦める訳にはいきません。目標をつかむ為には他の誰よりも努力し、働くだけです。
15位 アレックス・ホフマン GER プラマック・ダンティーン
今回はレースウイーク中ずっと全開でしたし、今日はあれ以上の成果は絶対無理でした。残念なのはダンロップライダーの中でトップになれなかった事です。それが今の最大の目標ですからね。
いずれにしろ、チームはいい仕事が出来ましたし、冬季シーズンから比べれば格段に進歩しています。やっといい方向性も掴めましたので今は楽観的ですよ。
今日は運悪く選択できるタイヤの枠が二つしかなかったのが災いしました。レース中は100%出し切って走り、ライン取りやブレーキングを色々試しましたが、自分の期待通りの成果は出せませんでした。
でもまたポイントが獲得できたのは嬉しいし、今週頑張った甲斐があったと思います。
16位 ジェームス・エリソン GBR TECH3ヤマハ
タイヤの耐久性はだいぶ改善できましたが、代りに側面のグリップ力がすっかり低下しました。中国みたいにタイヤの側面を長時間酷使するコースではレースへの影響が大きすぎます。気にしながら走ると希望のラインが通れませんからどんどん前から離されてしまいますよ。
誤解しないでくださいよ。今までにタイヤの安定性はとても改善されてるんです。ただレース終盤になるとコーナーで望みどおりのスピードが出せません。バイクにもタイヤにもやるべき事が多くあるのは確実ですし、パッケージ全体でうまく機能させる必要があります。
ルマンではダンロップの新メンバーがたくさん投入されます。今までも凄く頑張ってくれていますから、楽しみですね。
17位 ホセ・ルイス・カルドソ SPA プラマック・ダンティーン
完走できて良かったです。金曜日から土曜日は雨や転倒であまり走れていませんのでレースが心配でした。そんな訳で結果には満足しています。
最初の12周から13周にかけてはプラクティスの時よりも感じよく乗れてリズムも掴めました。間違いなく今後に期待が持てます。最終ラップではタイヤに問題が出たり、土曜日の転倒で負った怪我の影響で気分が少し悪くなったりしましたが。
チームには今回も御礼を言います。また、昨日優しく診察してくれたクリニカ・モバイルの皆さんにも感謝しています。彼らの親切な対応のお陰で体調が戻り、レースに参加する事ができました。
DNF バレンティーノ・ロッシ ITA キャメル・ヤマハ・チーム
今日はスタートも悪くなく最初から多くのライダーを抜きましたが、メランドリとバトルになってしまい時間をロスしました。
彼の動きはとても強行でした。最終ラップでのトップ争いなら意味はわかりますが、序盤の8番手争いでやる事じゃないですよ。
その後はバイクの調子も良くて2分0秒1のペースに入ったんですが、突然バイクの様子がおかしくなったんです。その時はリアタイヤのトラブルだと思いました。
リアタイヤをピットで交換してからコースに戻り、そこで初めて実はフロントタイヤのトラブルだと分かったんです。あそこまでのペースなら少なくともホプキンスとエドワーズは抜けるペースでしたし、表彰台と16ポイントが取れれば今週抱えたトラブルの中なら上出来と思っていただけにがっかりですよ。
ポイントランキングもだいぶ離されてしまい今は本当に落ち込んでますが、まだ先は長いですからね。
DNF クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP
この結果は望んでませんでしたね。完走もできずポイントも獲得できないなんて最悪ですよ。今週は天候と新しいコースを覚えるのが大変でした。
バイクの調子はレースでも良くて誰とでも戦える気分でした。ランディー・ド・ピュニエの後ろで少し抑えられ気味だったんですが、自分のミスで少しプッシュしすぎになり彼の後ろから衝突しそうになってフロントを失いました。でもこれがレースってやつですよ。
今回のミスから学習して二度と同じ事を繰り返さないようにしたいですね。ジョンとチームのみんなに最大の祝福を送りたいです。リズラ・スズキにとっても最高の結果でしたね。
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