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ヘレス冬季テスト初日、ロッシはブリヂストンに好感触
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インテリワン編集部
  2007年11月29日

MotoGPクラスの年内3回目の冬季テストが、スペインのヘレス・サーキットにて11月27日に初日を迎えている。ここでは、冬季テスト禁止期間に入る12月を目前に控え、3日間の日程で行われているヘレス冬季テストの初日の各チームの作業内容、ならびに前回のセパン合同テスト以降の新着トピックなどを紹介する。


■青山周平選手のSBKフル参戦が決定

2006年から今年までの2年間、レプソル・ホンダよりMotoGP250ccクラスに参戦していた青山周平選手が、来年の2008年シーズンからはSBK(世界スーパーバイク選手権)に参戦する事が正式に決定した。
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青山周平選手や玉田誠選手など、日本のモータ・スポーツ選手をマネージメントするSpeed of Japan(株式会社アクロマティック)は、周平選手がSBKのアルト・エボリューション・ホンダ・レーシング・チームと契約を交わした事を11月26日に同組織の公式サイトであるhttp://www.speedofjapan.com上において伝え、周平選手が2008年はSBKにフル参戦する事を正式に報じている。


■晴天に恵まれたヘレス冬季テスト初日のMotoGPクラス

MotoGPライダーにとっては冬休みとなる冬季テスト禁止期間前の年内最後のMotoGPクラス合同テストが、11月27日より3日間の日程で開催されている。
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ヘレスでは先週も125ccクラスと250ccクラスの冬季合同テストが同じく3日間の日程で行われており、この時は豪雨により2日目の走行がキャンセルされるなどの悪天候に見舞われたが、今回のテスト初日の11月27日は終日晴天に恵まれており、参加したMotoGPクラスのライダーたちは午前の低い路面での走行は敬遠したものの、正午近くにはほとんどのライダーがコース上に姿を現したようだ。

■参加チームは8チーム

今回のヘレス冬季テストに参加しているチームは、ドゥカティー・マルボロ、レプソル・ホンダ、フィアット・ヤマハ、カワサキ・レーシング、TECH3ヤマハ、ホンダLCR、グレッシーニ・ホンダ、JiRチーム・スコットの8チーム。

■リズラ・スズキはこっそり単独テスト
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リズラ・スズキとプラマック・ダンティーン(2008年からはアリーチェ・チームに改称)、ならびにまだ2008年度の参戦体制が決定していないチーム・ロバーツの3チームは今回のヘレスには不参加だが、リズラ・スズキ・チームだけは同日の11月27日より2日間の日程でオーストラリアのフィリップ・アイランドにて密かに単独テストを実施した様子だ。


■各チームのレギュラー・メンバーが参加、ロッシもテストに復帰
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初日には参加全8チームのレギュラー・ライダーの14名全員が顔を揃えており、この日は正午近くまでにほとんどのライダーが走行を開始している。

写真2007年シーズン最終戦のバレンシアで右の手のひらを骨折し、ここまでにバレンシアとセパンで行われた2回の冬季テストをキャンセルしたフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシも、予定通り今回のヘレスからは姿を現しており、ヤマハYZR-M1の2008年型プロトタイプにブリヂストンタイヤを装着しての初の走行を披露する事ができたようだ。

■テストライダー4名を含む総勢18名

レギュラー・ライダー以外には、ホンダからはHRCの開発ライダーである岡田忠之選手の1名、ドゥカティーからは開発ライダーであるヴィットリアーノ・グアレスキと2007年シーズン中はSTK1000にドゥカティー・ゼロックス・ジュニア・チームから参戦していたニッコロ・カネパ(写真右)の2名、ブリヂストン(ドゥカティー)からは伊藤真一選手という合計4名のテスト・ライダーも参加しており、総勢18名のライダーが初日のタイムを公表している。


■ドゥカティーがデスモセディチGP8をお披露目

今回のヘレス冬季テストにはドゥカティー・ワークスが2008年型マシンのデスモセディチGP8を初めて正式投入しており、これで5大ワークスから2008年シーズンを戦う新型マシンが全て出そろった事になる。
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なお、各メーカーのサテライト勢は今回のヘレスでも2007年型マシンを使用しているが、ヤマハのサテライトであるTECH3以外の各チームは、年明けのセパン合同テストからは2008年型マシンが各メーカーから供給される予定を明かしており、1月中旬のテストに向けて期待を高めている様子だ。

■初日の転倒者、ストーナーが新型マシンで高速転倒

この日は午後3時頃にドゥカティーのケーシー・ストーナーが高速走行中に転倒、赤旗が提示されてしばらくセッションは中断されたが、ドゥカティーの最新マシンであるGP8は大破したもののストーナーは幸い全くの無傷だった。


■ヘレス冬季テスト初日の走行結果

以下に、11月27日に行われたヘレス冬季テスト初日の走行結果(非公式タイム)を示す。 この日は終日青空に恵まれており、気温は22度と過ごしやすく、朝方に低温だったアスファルトも温かい陽射しに照らされて昼頃には20度近くまで上昇している。
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1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ GP8 1分40秒221(35周)
2) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分40秒355(60周)
3) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分40秒514(49周)
4) コーリン・エドワーズ USA ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分40秒790(38周)
5) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分40秒923(63周)
6) アレックス・デ・アンジェリス RSM グレッシーニ RC212V 1分41秒111(58周) 
※予選タイヤ
7) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分41秒230(91周)
8) 中野真矢 JPN グレッシーニ RC212V 1分41秒277(58周)
9) ランディ・ド・ピュニエ FRA ホンダ・LCR RC212V 1分41秒313(79周)
10) ジョン・ホプキンス USA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分41秒414(41周)
11) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分41秒776(58周)
12) マルコ・メランドリ ITA ドゥカティ・マルボロ デスモセディチ GP8 1分41秒889(62周)
13) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA JiR・チーム・スコット RC212V 1分42秒033(60周)
14) ニッコロ・カネパ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ 1分42秒666(50周)
15) 岡田忠之 JPN HRC RC212V 1分43秒051(34周)
16) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分43秒576(60周)
17) 伊藤真一 JPN ドゥカティ・ブリヂストン・チーム デスモセディチ 1分44秒530(45周)
18) ヴィットリアーノ・グアレスキ ITA ドゥカティ デスモセディチ 1分44秒588(42周)


ヘレスのサーキット・レコード(990cc)は2005年にバレンティーノ・ロッシが記録した1分40秒596、ベスト・ラップ・レコード(990cc)は2006年にロリス・カピロッシが記録した1分39秒064。

ちなみに2007年の800ccマシンでの記録は、レース中のファーステスト・ラップはバレンティーノ・ロッシが記録した1分40秒905、ポールポジション・レコードはダニ・ペドロサが記録した1分39秒402。


■新型マシンでいきなりコースレコードを上回ったストーナー

初日のトップタイムは、この日に正式公開されたばかりの2008年型プロトタイプ、ドゥカティー・デスモセディチGP8に乗って初めてサーキットを走行した2007年度ワールド・チャンピオン、ケーシー・ストーナーが記録した1分40秒221だった。
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この日にストーナーは、すでにヘレスのサーキット・レコードを0.375秒も上回っており、新型マシンの乗りやすさに1日目から上機嫌だ。ちなみにGP8の外見は2007年型マシンであるGP7とほとんど変わっておらず、ストーナーは乗り味もGP7とほとんど変わらなかったと、その第一印象をコメントしている。

■冷静に新型マシンの評価を進める2番手のペドロサ

ブリヂストンを履くストーナーに次ぐ2番手タイムは、ミシュランを履くホンダの2008年型RC212Vプロトタイプを駆るレプソル・ホンダのダニ・ペドロサだった。ペドロサも初日からヘレスのサーキット・レコードを0.241秒上回っており、バレンシアのテストではあまり納得のいっていなかった2008年型RC212Vについて、まだ課題は残るものの長距離を走っても問題のないレベルになったと1日目の感想を述べている。
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■ロッシは初のブリヂストンタイヤで好タイムの3番手

今回のテストで世界から最も注目を浴びているのは、ヤマハのMotoGPマシンにとっては史上初となるブリヂストンタイヤの使用を決断したバレンティーノ・ロッシの動向だ。

■右手の回復状況は9割程度

写真ロッシはまだバレンシアで骨折した右手の具合は9割程度の回復状況であり、特に激しいブレーキング時には痛みを感じるとしながらも、ストーナーとペドロサに次ぐ3番手タイムの1分40秒514を記録しており、まだ結論を述べるには時期尚早とつけ加えながらも、ブリヂストンタイヤからは最初から好感触が得られたとコメントしている。

ロッシもトップの2名と同じく自身の持つヘレスのサーキット・レコードを初日から0.082秒更新しており、骨折のハンデを負い、ブリヂストンに合わせた全く新しいサスペンションまわりの基本セッティングを探りながらの1日目の結果としては、チームとしても上出来だと考えている様子だ。

■エドワーズとヘイデンも上位に

ロッシに次ぐ4番手には、2007年シーズンまでのロッシのチームメイトであるTECH3ヤマハのコーリン・エドワーズ、5番手にはレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンというミシュラン勢2名がつけており、ペドロサが2番手という事を考えても、2007年シーズン中はブリヂストンに大敗を喫したミシュラン勢全体の調子は、ヘレスの1日目の内容に限れば決して悪くはない様子だ。

■デ・アンジェリスは予選タイヤを使用

なお、この日に6番手タイムを記録したアレックス・デ・アンジェリスは自己ベスト記録時にブリヂストンの予選タイヤを装着しているが、その他のライダーのほとんどは終日レースタイヤを使用して初日の作業を行ったとしている。


■初日の各チームの概況

以下に、ヘレス冬季テストの1日目を終えて、その作業内容を公式発表している各チームの概況やコメントなどを紹介する。

■ドゥカティー、GP7と外見上あまり見分けのつかない新型GP8

あまり2007年型のマシンと外見上に大きな違いのないドゥカティー・デスモセディチGP8での走行を初めて経験した2007年度チャンピオンのケーシー・ストーナーは、今年のレースウイーク中と同様に、当然のごとく今回のテストでも初日からトップタイムをマークしている。
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また、ストーナーの新チームメイトであり、2008年シーズンからドゥカティー・ワークスで戦う元グレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリは、冬季テストに入ってからは乗り慣れないデスモセディチを自分のライディング・スタイルに合わせるのにやや苦戦気味だ。いくつかスタイルに合うセッティングが見つかってきたというこの日のメランドリは、レギュラー14名中の12番手だった。

■ストーナー「転倒さえなければ完璧だった」

GP8の感触は今年のGP7とほとんど変わらなかったために、最初から速く走る事ができたと上機嫌のケーシー・ストーナーは、この日の午後には高速走行中に一度転倒している。転倒がなければ全て良好だったのにと1日目の走行を終えたストーナーは以下の通りコメントしている。

「GP8の初日はかなりの好感触でしたね。シーズン中に乗ってきたマシンの感触にものすごく近いので、バイクにはすぐに慣れる事ができました」とストーナー。

「3月にここのレースで走った時よりも今日はすごく速く走れました。レースの時はこのサーキットにマシンを合わせるのに少し苦労していたので、この進歩はかなり大きい出来事だと思います。それにすごくいいベース・セッティングも見つかったので、これは他のサーキットでも役立つ筈ですよ」

「今日は2007年仕様のタイヤを使いましたが、明日からはブリヂストンの新型タイヤを試していくつもりです」

「今日の良くなかった唯一の点は午後の転倒です。まあ、こういう出来事はいつでも起こり得る事ですし、怪我はなかったので、全て順調だと言えると思います」

■メランドリ「今は学習を進める事が重要」

写真新チームメイトのストーナーと同様にこの日から2008年型マシンのGP8に乗り換えたマルコ・メランドリは、まだ多くの作業は必要だとしながらも、バイクについての学習を進める事が今は重要だと語った。

「今日はシャシーのジオメトリを変更して、バイクを自分のライディング・スタイルに合わせるところから作業に着手しました」とメランドリ。

「いいセッティングもいくつか見つかりましたしたが、その一方であまり自分に合わないセッティングもあります。ただ、この調整過程の中でバイクについて学習が進んでいますから、今はそれがすごく重要な事だと思います」

「今日の終盤にはさらに気に入るセッティングも見つかっています。まだ楽に乗れるというレベルではありませんけどね」

「まだ多くの作業を行う予定ですから、現状については何も心配していません」


■レプソル・ホンダ、さらに改良された2008年型プロトタイプ

今回からは、前回のニッキー・ヘイデンのみが参加したセパン冬季テストの時よりもHRCが改良を進めたという2008年型RC212Vプロトタイプで走行を行ったレプソル・ホンダの2名のライダーは、バレンシアで初めて試乗した時よりも新型マシンの調子が良くなっている事を揃って実感する事ができた様子だ。特にエンジン・ブレーキまわりの電子制御システムが改善されているという。
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2008年型プロトタイプのみでこの日は走行し、2番手タイムを記録したダニ・ペドロサは、新しいマシンのシャシーのセッティングを何種類も試す中で、改良された点は評価しながらも、まだ改善を進めていくべき点を初日から数箇所指摘しているという。

また、ペドロサと同様に今回からは2008年型マシンでのみ走行しているニッキー・ヘイデンは、前回のセパンからの改善点を評価しており、この日はマシンの多くの部分にセッティング変更を加えながら全体の性能向上を狙い、その結果にも満足できたとしている。初日のヘイデンは全体の5番手だった。

■ペドロサ「電子制御まわりに改善が見られた」

バレンシアの時よりもバイクが乗りやすくなったと述べるペドロサは、2日目以降の新型のミシュランタイヤを導入していけばさらに改善は進む筈だと、その自信を示すコメントを残している。

写真「今日は新しいバイクのテストのみ行い、バレンシアの最初のテストで抱えていた問題が解決されているかどうかを確認しました」とペドロサ。

「出力特性とエンジン・ブレーキを調整するエンジンの電子制御部分には改善が見られ、マシンが自分にとって乗りやすくなりましたし速く走れるようにもなりました。シャシーの感触もすごくいいです。ただ、自分の走り方に合うように調整を今後も続けていく必要はありそうです」

「バレンシアの時は多くの周回を走れるほどにバイクの状態は整っていませんでしたが、今日はあの時よりも多く走り込む事ができました。ただ、いくつかの分野に進歩は見れらますが、まだ多くの作業を必要とします」

「今日はシャシーのセッティングに調整をいくらか加えましたので、明日はさらに改善が進められると思います。今のところはまだ1本も新型タイヤを試していませんが、タイヤもラップタイムを縮める上で重要な部分になる筈ですので、今回のテストを終えるまでには大きく調子を上げる事ができる筈です」

■ヘイデン「レスポンスが良くなり走りやすくなった」

この日からは2007年型マシンと新型マシンの比較評価は行わず、2008年型マシンでのみ終日のテスト作業を行ったニッキー・ヘイデンは、ピットに戻ってシャシーのセッティングを大きく変更した事でコースに戻って走り込む時間は減ったが、新型マシンについて役立つ多くの情報を学ぶ事ができたとコメントしている。

「全体を通してすごく順調な1日でした」とヘイデン。

「過去2回のテストの時よりもマシンが扱いやすくなるように、今日はエンジンにいくらか調整を加えてみました。まだ十分と言えるレベルではありませんが、マシンのレスポンスが良くなり少し走りやすくなった気がしています」

「他にもオフセットとかのシャシー調整をいくらか試したのでコースを走る時間が少し削られましたが、今はそれよりもマシンの理解を深める事の方が重要ですからね」

「2008年マシンにのみ集中して作業をするのは今回が初めてですが、おかげで1日を通してかなり有意義だったと思います。今日は珍しくテスト初日としては完璧と言える内容にはなりませんでしたが、今後に役立つ事をいくつか学びましたし、これからの励みにはなりました」

「残り数日間でどれだけ進歩が得られるか楽しみですし、それを目標にしたいと思っています」


■フィアット・ヤマハ、ロッシがブリヂストンで初走行

右手の回復具合はまだ9割程度であり完全ではないとするものの、この日より2008年シーズンに向けての冬季合同テストに初めて参加したフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシは、2008年型YZR-M1プロトタイプに初めて装着したブリヂストンタイヤに最初から好感触を持つ事ができた様子だ。ロッシは自身の990cc時代の自己ベストを初めて経験するブリヂストン・タイヤで上回り、初日の3番手につけている。
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なお、使用するタイヤはブリヂストンとミシュランで異なるものの、フィアット・ヤマハの2008年度のレギュラー・ライダー2名がヤマハ・ワークスのガレージに揃ったのは今回が初めての事だ。

初日のこの日、ロッシはブリヂストンの技術者からタイヤについての説明を受けながら、ヤマハのMotoGPバイクに初めてブリヂストンタイヤを装着する上で、どのようにセッティングを調整していくのがベストなのかを理解するのに努めたという。

■ロッシ「ブリヂストンへのスイッチに満足できる」

ブリヂストン・タイヤからは最初から好感触が得られたとするバレンティーノ・ロッシは、チームの士気が高く、新しい挑戦に高い意欲を持って挑む事ができるとコメントしている。また、2007年シーズン終了間際にロッシはヤマハ発動機の技術統括部長である古沢政生氏の現場復帰を熱望していたが、今回ロッシのその願いは叶った様子だ。

「タイヤについての最初の感想ですが、とても良好ですよ。それに今日はタイムの面とバイクの感触の面の両方から見てもすごくいい1日だったと思います」とロッシ。

「特にブレーキングの時にまだ手が少し痛みますが、それでもペースは全然悪くありませんでした。今の体調は90%くらいの状態と言えそうです」
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「自分がした(タイヤの)選択にはとても満足できていますし、この取り組みへの意欲はものすごく高いですよ。それに今日のチームのメンバーの集中力はものすごく高いレベルでしたから、おかげでさらに自分の意欲が高まる感じがします」

「残りの2日間があるので結論を出すにはまだ早すぎると思いますが、初日の内容には満足できています。それに今回は古沢さん(ヤマハ発動機の技術統括部長)が現場に来てくれているので、この事からもトップに戻ろうとするヤマハの決意を感じますしね」

「明日がどうなるか様子を見たいと思いますが、今日よりも高い結果が得られる事を期待しています」

■ブリビオ監督「まずはブリヂストンの技術者との交流から」

2008年シーズンはブリヂストン・フィアット・ヤマハのチーム監督を務めるダビデ・ブリビオは、初日はブリヂストンの技術者とヤマハの技術者間での交流を深めており、今後の作業に向けての下地作りは整ったとしている。

「今日は私たちが待ちに待った非常に重要な1日でした。自分たちの選んだ方針が正しかったのかどうかを確認する最初の日でしたからね」とブリビオ監督。

「それにバレンシアで転倒してからその後のバレンティーノの体調も気がかりでした。テストの開始直後は少し痛みに苦しんでいましたが、時間が経つにつれて具合は良くなっていった様子です。まだ100%の状態でない事は私たちも理解していますが」

「ブリヂストンと新しい仕事を始めたという部分については、今日はいい1日目だったと思います。終日を使ってお互いの事を良く知るように努め、私たちのエンジニアと彼らの技術者が円滑に交流できる下地を作りました。同時に、新しいタイヤを正しく機能させるにはどのような調整をバイクに施す必要があるのかを理解するための作業も進めています」

「技術面での作業は当然ながらタイヤに全面的に集中し、バレンティーノが感触について述べる言葉を注意深く理解するよう努めています」

「今日はいい時間を過ごす事ができたと思いますので、このままの調子で明日と木曜日も作業が進む事を期待しています」


■フィアット・ヤマハ(ミシュラン)、精力的に走り込むロレンソ

ロッシがブリヂストン・タイヤに好感触を示す中、ミシュランを履くもう一方のフィアット・ヤマハ・チームのMotoGPルーキーであるホルヘ・ロレンソは、MotoGPマシンに乗り換えて3回目の冬季テストを地元のスペインで迎えている。
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この日に7番手タイムを記録したロレンソは、今回も前回のセパンまでのテストと同様にライディング・ポジションなどの一般的なセッティング調整を行い、MotoGPとミシュラン・タイヤに慣れるためにできるだけ多くの周回数を走り込んだとしている。

■ロレンソ「マシンが身体の一部になってきた」

写真早期にマシンに馴染めるように今は走行距離を増やし、同時に多くのデータをチームに提供する事が重要だと述べるホルヘ・ロレンソは、この日はマシンが身体の一部に感じる程にMotoGPマシンにも慣れてきたとコメントしている。

「今日はセパンの時よりもバイクの感触がかなり良くなっていました。走る度に快適さが増す感じですね。それに今は以前よりもマシンを身体の一部のように感じる事ができますから、明日と明後日も、このまま調子が上がっていくのが本当に楽しみです」とロレンソ。

「今日は91周回を丸1日かけて走り込みましたが、明日も今の作業を続けながら改善を進めるつもりです。自分とチームにとって、今は走行距離を増やしていくのが重要だと思いますし、できる限りの情報量をチームには提供したいですからね」

「そうしていけば、この冬季テストを通して最大限の改善が進められるようになると思います」

■ロマノーリ監督「今回もロレンソは高い集中力を発揮」

2007年シーズン中はコーリン・エドワーズのチーフ・メカニックを務め、現在はミシュラン・フィアット・ヤマハのチーム監督としてロレンソの走りを支援する立場のダニエーレ・ロマノーリは、今回のヘレスからは新パーツの導入によりロレンソのライディング・ポジションがセパンの時よりも良くなり、全体の調子が上がったと述べる。

「今日はセパンで試したセッティングとジオメトリの再確認をホルヘと一緒に行いましたが、その結果、今の作業が正しい方向性で進んでいる事を認識できました」とロマノーリ監督。

「今日はホルヘ用の新しいライディング・ポジションも見つけました。タンクに新しく取り付けたスペーサーがうまく機能してくれたおかげで、ホルヘは常にバイクから好感触が得られているようです」

「彼は今回91周を走りましたが、これは彼にとってもチームのスタッフにとっても大変な努力を要するものでしたので、関係者の全員に非常に感謝しています。ホルヘは1日を通して非常に高い集中力を発揮し、データや感触のコメントなど、大量の情報を私たちに提供してくれています」

「明日も再びセッティング作業を行いますが、今日の調整内容がうまく反映される事を祈っています」


■グレッシーニ・ホンダ、2名のライダーは揃って好感触

写真前回のセパン冬季テストは参加を見送ったため、今回のヘレスが中野真矢選手とアレックス・デ・アンジェリスの新ライダー体制となって2度目の冬季テストになるグレッシーニ・ホンダ・チームは、2007年型RC212Vを使用して2008年シーズンに向けてのブリヂストン・ホンダ・パッケージのセッティングの方向性を確認しており、2名のライダーは揃ってマシンから好感触が得られている様子だ。

午後には予選タイヤを装着してこの日の6番手タイムを記録したMotoGPルーキーのアレックス・デ・アンジェリスは、バレンシア冬季テストに引き続き今回もホンダのMotoGPマシンとミシュランタイヤに慣れる事に集中し、前回のテストよりもマシンから好感触が得られるようになったとしている。

また、この日の8番手タイムを記録した中野真矢選手は、午前から午後にかけて安定してタイムを縮める事ができており、バイクのバランス調整が済んでからはレースタイヤでさらに速いペースを維持する事ができたようだ。

■デ・アンジェリス「マシンに特に大きな調整は加えていない」

バレンシアではMotoGPマシンの電子制御まわりの完成度の高さに驚いていたアレックス・デ・アンジェリスは、今回はさらにMotoGPマシンでの走り方に慣れ、大きくセッティングを変更する事なくマシンから好感触が得られたとコメントしている。
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「初日の内容にはとても満足しています。周回を重ねる度にバイクの感触を高めていく事ができました」とデ・アンジェリス。

「今日はバイクのセッティング調整から作業を始めて、トラクションを改善するための解決策をいくつかテストしました。それほど大きな変更をセッティングに加えた訳ではありませんが、自信を持って走れるようになってきたので、今はこのバイクに乗るのがすごく楽しいですね」

「今日の自己ベストは予選タイヤで記録しましたが、それでもこの結果は嬉しいです。フロントのチャタリングとリアのトラクションが少しずつ改善されてきたので、今日の作業内容には満足です」

「明日からは何本か新しいフロントタイヤのテストを開始する予定です」

■中野選手「コースに戻る度にマシンの感触が上がる」

この日はマシンのバランスやエンジン・ブレーキの調整を行い、コースに戻る度にマシンの感触が上がっていったと初日の内容に満足する中野選手は、2日目以降はブリヂストンの技術者と作業を行う事で、さらに調子が上げられる筈だとコメントしている。
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「ここでの初日の内容には満足ですし、今日はいいスタートが切れたと思います」と中野選手。

「最初はマシン・バランスのセッティングに集中してこのサーキットに合った荷重配分を調整しました。その作業が済んでからはごく一般的なシャシーのセッティングを行い、同時にスリッパー・クラッチのセッティングを調整して減速時の感触が良くなるようにしています」

「今日は65周回をずっとレースタイヤで走り込みましたが、この1日を通してバイクの感触は上がりました。コースに戻る度にマシンの感触が上がっていくので今はすごく嬉しいですね」

「明日はブリヂストンの技術者の方々と一緒に作業を行いますので、さらに調子は上がると思います。今日はまだ新しいタイヤのテストは1本もしていませんが、テストメニュー通りに進めば、明日は何本か新しいフロントタイヤを試す事になります」


■ホンダLCR、初日はリアのグリップが得られず苦戦

バレンシアとセパンの前回までの2回の冬季テストでは、初めて経験するホンダのMotoGPマシンとミシュランタイヤに素速く適応し、常にタイムシート上の上位につけてホンダLCRへの移籍に満足していたランディ・ド・ピュニエは、この日は終日リアタイヤのグリップ改善に取り組み、最終的に初日の9番手タイムを記録している。

■ド・ピュニエ「マシンの感触自体はすごくいい」

写真今回のヘレス初日はリアタイヤのグリップ不足に苦しみ、終日サスペンションのセッティング調整とミシュランタイヤのテストに集中したというド・ピュニエは、マシンの感触はすでに悪くないので、リアのグリップさえ改善できればタイムは縮められる筈だとコメントした。

「今日はリアタイヤのグリップを改善するためにリア・サスペンションのセッティングを中心的に調整しました。ヘレスをホンダのマシンで走るのは今回が初めてですから、ミシュランのスタッフと一緒にリアの感触を高められるように頑張っています。初めてという意味では、今日の内容はそれほど悪くなかったと思っています」とド・ピュニエ。

「エンジンのパワーは申し分ありません。ただ、スロットルを開ける度にマシンが横滑りしたのであまり激しく攻め込む事はできませんでした」

「今日は終日リアのグリップを得るのに苦労したので、それが原因で速く走る事はできていませんが、マシンの感触自体はすごくいいので、その解決策さえ見つかれば状況は良くなってくると思います」

「今日は基本セッティングに集中するために予選タイヤは使用しませんでした。明日はもっと改善が進むように期待しています」


■JiRチーム・スコット、苦手のヘレス

250cc時代からスペインの2つのサーキットを苦手とするJiRチーム・スコットのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、前回のマレーシアのセパンではマシンから好感触が得られるようになり、3日間を通してタイムシート上の4番手につけていたが、今回はバレンシアよりもさらに苦手意識の強いヘレスという事もあり、この日の順位はレギュラー14人中の13番手に後退している。
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しかしながら、ドヴィツィオーゾは前回からの課題としているエンジン・ブレーキまわりの調整にこの日は問題を抱えていたものの、マシンの感触そのものは悪くなかった様子だ。チーム全体としても、まだ大きなセッティングの調整を初日は行っていない事から、2日目以降はブレーキまわりのセッティングに調整を加えて大きな改善を狙いたいとしている。

■ドヴィツィオーゾ「特に心配はしていない」

ドヴィツィオーゾは、苦手なヘレスでは慣れないMotoGPマシンにテスト序盤は苦労したが、特に心配はないと説明している。好調だったセパンに比べてヘレスはコース特性が全く異なるため、ブレーキを多用するヘレスに合うマシン・セッティングを残り2日間で行いたいとドヴィツィオーゾは語る。

写真「今日はそんなに悪い日ではなかったと思います」とドヴィツィオーゾ。

「バイクには随分慣れてきました。今回のヘレスもあまり好きなサーキットではありませんので、最初は速く走るのにちょっと苦労しましたけどね」

「今日のラップタイムはあまり良くはありませんし、あと1秒は縮める必要があると思いますが、このバイクで走り込んでさらに学習を進めていけば速く走れるようになると思いますので、特に心配はしていません」

「MotoGPバイクでここを走るのは初めてですから、初日は電子制御系のセッティングを少しこのサーキットに合わせたくらいですね。まだ全体的にそれほど大きな変更は加えていません。ヘレスはセパンとはかなり特性が違うしサーキットも小さいので、電子制御系に調整を加えるまではリアがスピンして仕方ありませんでした」

「今日もエンジン・ブレーキにはずっと問題をいくつか抱えていました。最も大きな課題はストレートでのブレーキング時にマシンが安定させる事ですが、ヘレスはブレーキを多用するサーキットですので、残りの2日間でこの分野の改善が進められるように頑張りたいです」

「また、今日はサーキットの学習が主な内容でしたが、明日はミシュランと一緒にタイヤのテストも何本か行う予定です」

■ムラローニ監督「今回もまずはマシンに慣れるところから」

JiRチーム・スコットのチーム監督を務めるチラーノ・ムラローニは、今回も前回のセパンに引き続き、テストの最大の目標はドヴィツィオーゾに4ストロークのMotoGPマシンに慣れてもらう事だとコメントしている。

「今日はいい1日でしたし、内容も安定していました」とムラローニ監督。

「初日の目標はアンドレアに4ストロークMotoGPマシンでヘレスを走るのに慣れてもらう事でした。今後はどのサーキットに行っても彼にとっては初めての経験ばかりですからね」

「明日はさらにセッティングの変更を加えながら、ミシュランタイヤのテストを増やしていく予定ですので、今日と同様のいい天気が続く事を願っています」

■ベルティ「ドヴィツィオーゾの苦手意識を克服したい」

JiRチーム・スコットの技術責任者を務めるジャンニ・ベルティは、ドヴィツィオーゾが苦手意識を持つヘレスでもMotoGPマシンとコースレイアウトに馴染めるようなセッティングを探る事が、今回のヘレスでの目標だと語る。

「アンドレは250ccの時からこのサーキットは苦手ですから、彼があんまり楽しんでいないのは隠しようのない事実だと思いますね。とは言うものの、MotoGPマシンではこのサーキットに慣れてもらう必要がありますし、今回のチームの目標はそれができるようにする事です」とベルティ。

「今日はシャシーと電子制御まわりのセッティングを若干変更し、ここのコースで楽に走れるような調整をバイクに施しましたから、アンドレアもヘレスの特性に馴染む事ができると思います」

「初日は残りの2日間に向けて彼がRC212Vに慣れるための1日でした。明日はミシュランと一緒にタイヤのテストも開始しますので、今日よりもさらに忙しくなりそうです」

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