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2007年9月16日
ポルトガルGP2日目となった9月15日のエストリル・サーキットは、一部の天気予報では午後に雨の恐れも伝えられていたが、幸い終日を通して明るい陽射しの晴天に恵まれており、午後のMotoGPクラスの予選は良好なドライ路面に恵まれている。
ここでは、エストリルでのMotoGPクラス予選後の続報と各ライダーのコメント、ならびに今週に入り若干動きのあった来期シートの情報などを紹介する(予選中の時系列的な流れはこちらの記事を参照)。
■来期シートの新着情報と噂、ヤマハがロレンソのチーム体制を発表
まず初めに、来期シートの情報について少し紹介しておきたい。今週のエストリルでのレースウイーク直前のプレスカンファレンスにおいて、来期はヤマハ・ワークスからMotoGPに参戦する事が決定している現250ccチャンピオン、ホルヘ・ロレンソの、所属チームとその体制がヤマハから正式に発表された。
(★より最新の図はこちらの記事を参照)
■ロレンソの所属チームはフィアット・ヤマハ
このヤマハの発表によれば、ロレンソは来期はロッシのチームメイトとしてMotoGPデビューを果たし、現フィアット・ヤマハ・チームのコーリン・エドワーズの後任ライダーとなる事が決定している。
■ヤマハ・ワークスは来期もミシュランを選択
またこの発表の際にヤマハは、フィアット・ヤマハは来期もミシュラン・タイヤを使用する決断を下した事も同時に伝えている。
■ダンティーンがギュントーリとの来期契約を正式発表
本日の9月16日にプラマック・ダンティーンチームは、現在TECH3ヤマハに所属する25歳のフランス人ライダー、シルバン・ギュントーリとの来期契約を正式に発表している。
■デ・アンジェリスがグレッシーニ・ホンダに決定?
その他の動きとしては、イギリスのロードレース誌であるMCN(www.motorcyclenews.com)は、現250ccライダーのアレックス・デ・アンジェリスが来期はグレッシーニ・ホンダからMotoGPに出場する事がほぼ確定したとの噂を、ポルトガルGP2日目の9月15日に報じている。
■もう1名のグレッシーニ・ライダーは中野選手か
この記事の中でMCNは、デ・アンジェリスのチームメイトとして有力視されているライダーの名前に、現コニカミノルタ・ホンダの中野真矢選手の名前をあげており、ホンダの熱心な要望により何らかの交渉がチームとなされている可能性を伝えた。
なお、現グレッシーニ・ホンダのライダーであるトニ・エリアスは夏休み以降、プラマック・ダンティーンへの移籍話が噂されているが、今回のデ・アンジェリスと中野選手の噂により、その情報がにわかに真実みを帯びる結果となっている。
■ポルトガルGP予選、転倒者や怪我人の情報
話をポルトガルGPにおけるMotoGPクラスの予選に戻そう。この日の予選では2名の転倒者が発生したが、特に深刻な怪我はなかった。
■中野選手とド・ピュニエが予選中に無傷の転倒
この日の予選ではコニカミノルタ・ホンダの中野真矢選手がセッション開始約15分のところで2コーナーの右カーブを通過中にフロントを失い転倒、カワサキのランディ・ド・ピュニエはセッション残り5分の4コーナーで同じくフロントを失い転倒しているが、幸い両者に怪我はなく、2名はともにスペアマシンに乗り換えて走行を継続している。
■ミサノ最終日の怪我で血の海を経験したカーチス・ロバーツ
先週のミサノ合同テストの参加は見送ったものの、今回のエストリルには初日から出場しているチーム・ロバーツのカーチス・ロバーツだが、サンマリノGP最終日にチームのホスピタリティ施設内で負った怪我は予想以上に大きかった様子だ。
ロバーツはミサノでのレース終了後にサンダルを履いてチーム施設内を歩いていたが、この時に鋭利な金属のようなもので右のかかとの動脈を損傷、辺りは血の海となったようだ。
「あんなに大量な血は生まれてこの方見たことがない」と述べるカーチス・ロバーツは、直ちにクリニカモバイルで傷口を10針縫う治療を受けている。なお、現在も傷口に痛みはあるようだが、本人のコメントによれば、ライディングに与える影響はそれほど大きくはないとしている。
■ポルトガルGP2日目、MotoGPクラスの予選結果
以下に、気温27度、路面温度36度、湿度41%のドライ・セッションで行われたMotoGPクラスの予選結果を示す。
1) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分36秒301
2) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 1分36秒341
3) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分36秒576
4) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分36秒736
5) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分36秒829
6) コーリン・エドワーズ USA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分36秒904
7) マルコ・メランドリ ITA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分37秒157
8) シルバン・ギュントーリ FRA ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分37秒189
9) トニ・エリアス SPA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分37秒246
10) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分37秒280
11) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 1分37秒296
12) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分37秒365
13) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 1分37秒530
14) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分37秒550
15) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 1分37秒733
16) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分37秒885
17) アレックス・ホフマン GER プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分37秒959
18) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分38秒271
19) カーチス・ロバーツ USA チーム・ロバーツ KR212V 1分39秒017
ちなみに990cc時代のエストリルの記録は、サーキットレコード(決勝)は昨年にケニー・ロバーツ・ジュニアが記録した1分37秒914、ベストラップ
レコード(予選)は昨年にバレンティーノ・ロッシが記録した1分36秒200。
■ニッキー・ヘイデンが今期初のポールポジションを獲得
今回のエストリルでもドゥカティーのケーシー・ストーナーが5回連続のポールポジション獲得を達成するかに見えたが、予選のセッション最後にストーナーからポールポジションを奪ったのは、シーズン前半は新型RC212Vのセッティングに苦しみ続けた昨年度チャンピオン、レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンだった。
■チームへの感謝の気持ちを伝えるヘイデン
念願だった今期初のポールポジションを獲得したヘイデンは、今回の結果は全てチームの努力によるものだとして、厳しいシーズンの中を過酷な労働でヘイデンの走りを必死に支援してきたチームのスタッフ全員に感謝の気持ちを伝えている。
■今年もエストリルでは優位に立ったミシュラン
今期はブリヂストンがレースタイヤと予選タイヤの両面において優勢を維持してきたが、絶好調のケーシー・ストーナーは相変わらずだが、今回の予選ではミシュラン勢が上位を占める結果となった。
2番グリッドを獲得したストーナーに続くブリヂストン・ユーザーは7番グリッドを獲得したグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリと、トップ6内に5名のミシュラン・ユーザーが占めており、今期の上位グリッドの常連となったリズラ・スズキ勢やカワサキ勢は今回影を潜めている。
■ヘイデン「こんなにすごいグリップは初めて」
ポールポジションを獲得したヘイデンが「ここまでグリップのいい予選タイヤはかつて経験した事がない」とコメントしている事からも、エストリルに向けて優れた予選タイヤをミシュランが用意してきた事は間違いないだろう。
■フィアット・ヤマハはギャンブル?
なお、ミシュランを履くフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシとコーリン・エドワーズの2名は、1本目は通常仕様の予選タイヤを履き、2本目にはミシュランが開発中の最新タイヤを試すというギャンブルに出たが、この試みは失敗に終わっており、ポールポジションを狙ったロッシは1本目の予選タイヤで記録したタイムで1列目3番グリッド、コーリン・エドワーズは2列目6番グリッドを確保するに留まった。
■玉田選手とダンロップの快挙
また、今回最も注目を浴びたライダーの1人はダンロップを履く玉田誠選手だろう。同じくダンロップを履くチームメイトのシルバン・ギュントーリがフリー・プラクティス中に予選タイヤで好位置につけるのは見慣れた光景になりつつあるが、実際の予選で4番グリッドを獲得するという、ダンロップがブリヂストンやミシュランと互角の戦いを予選で見せつけたのは、MotoGPクラスでは今回の玉田選手が初めてだ。
■予選では不調に終わったブリヂストン勢
不調に終わったブリヂストン勢だが、10番グリッドを獲得しているリズラ・スズキのジョン・ホプキンスは「マシンのセッティングは大丈夫だが、問題は自分のライン取り」と述べているが、そのチームメイトの4列目12番グリッドのクリス・バーミューレンは、初日に抱えたマシンのチャタリングの問題を2日目に入っても解消する事ができていない様子だ。
5列目14番グリッドに終わったロリス・カピロッシは「まるで悪夢のような予選。全く異なる結果を期待していた。今週は思うようにバイクに乗れていない。セッティングに問題を抱えており、特にエンジン出力特性が課題」とコメントし、1日目からマシンのセッティングが思うように進んでいない事を明かしている。
6列目18番グリッドという最悪な予選結果に終わったランディ・ド・ピュニエは、1本目の予選タイヤによるタイムアタックはコース上の混雑により失敗、2本目のアタック時には4コーナーで転倒し、その後はスペアマシンで3本目のタイムアタックを行ったがマシンから好感触が得られず、結局レースタイヤで記録した予選タイムを更新する事ができなかった。
■メランドリはセッティングを大改造して復調
また、初日の不調から脱する事ができたという7番グリッドのマルコ・メランドリは、この日はマシンのジオメトリ・セッティングを徹底的に見直し、ほぼ満足のいくバランスセッティングに辿り着く事ができたようだ。
■今シーズンの中では最も期待度の高い中野選手
今シーズンの中では今回のエストリルにおけるマシンの仕上がりが一番高いとするコニカミノルタ・ホンダの中野選手は、予選では転倒してメインマシンを失ってしまったものの、全体の仕上がり状況については悪くないとしている。
中野選手は、「セッション序盤に転倒してメインの速い方のバイクを失ってしまったが、それでも悪くない予選だったと思う。もしメインバイクで走れていたらかなりの順位を予選で確保できていたと思うが、転倒の影響により難しくなった」と、今回の予選での転倒を悔しがってはいるが、「重要なのは明日のレース。タイヤはすでに決めてあるし、メインバイクには満足できている」とつけ加えており、レースに向けての期待感は低くない様子だ。
また、コニカミノルタ・ホンダのチーム・オーナーであるジャンルカ・モンティロンは「シンヤは今日転倒してしまったが、彼が攻めの走りを見せればトップ5に入れる事は今日のセッション序盤に確認できた。レースタイヤでのマシンの状況は以前よりも良くなっているので、スタートさえ成功すれば、シンヤは第2集団のライダーたちには安定してついて行く事ができる筈」と予選後にコメントしている。
■各ライダーのコメント
以下に、1列目から4列目までの各ライダーの予選後のコメントを紹介する。
■1列目
●ポールポジション)ニッキー・ヘイデン レプソル・ホンダ RC212V
今年はすごく厳しいシーズンになりましたからね。だからまたポールポジションに戻ってこれて本当に満足ですし、とにかく嬉しい事ですよ。
今回のミシュランの予選タイヤの調子はすごく良かったです。こんなにグリップするタイヤは今までにも経験した事がありません。それとチームの全てのメンバーに心から感謝しています。彼らはレースウイークを通して本当に頑張ってくれたんです。
全てのセッションでそれぞれ0.5秒ずつタイムを縮めてきました。とにかく言っておきたいのは、これはチームがマシンの調整を本当にうまく進めてくれたおかげだという事です。その結果の全てが自分の走りに反映されました。
今年の厳しいシーズンは、自分のために働くみんなの仕事を本当に過酷なものにしてきました。だから彼らが笑顔になれるプレゼントが今回できた事を本当に嬉しく思います。
まだレースタイヤの面では色々改善点は残っていますが、それでもポジション的には悪くない状況です。
予選タイヤでのアタックがとてもうまくいきました。2本目の予選タイヤの時には1本目の時よりも0.5秒タイムを縮めましたが、1列目を確保するにはこのくらいの事をやらなきゃだめなんです。だから今日の内容と結果には、とにかく満足しています。
この勢いのまま、明日の戦いに突入できる事を祈ります。
●2番グリッド)ケーシー・ストーナー ドゥカティ デスモセディチ
今日の内容についてはすごく満足できていますし、レースウイーク全体を通しても同様に満足できていますから、自信はすごくあります。
チームが素晴らしい仕事を進めてくれたおかげですぐにいいセッティングが見つかりましたし、バイクの感触もすごくいいです。だからレースに向けての準備状況はかなりいい状態だと思いますよ。
今日は午前と午後の2回のセッションを通してレースの距離を2セットのレースタイヤで走りましたが、すごく速いラップタイムを維持できていますし、消耗したタイヤでも楽に走れますから、この点に関しても非常に期待の持てる1日でした。
このコースはタイヤへの負担が激しいので、レース終盤のタイヤの寿命はすごく重要なポイントになります。
今のセッティングにはとても満足できています。レース終盤にトラクションを得られるようにするにはもう少し理解を深め、明日の朝にも少し微調整が必要になりますが、その後は実際の様子を確認するだけです。
午後はポールポジションが狙えそうでしたね。結果もすごく僅差であと少しでしたから、今年は本当にすべてがうまくいっていると思います。
●3番グリッド)バレンティーノ・ロッシ フィアット・ヤマハ YZR-M1
ここまでの全てのプラクティス・セッションを通してここでは速く走る事ができましたし、いいリズムもつかめているので、状況はかなり明るいです。
1列目が確保できて良かったです。もちろん常に目標はポールポジションですが、一番重要なのは1列目を確保してチャンスを失わないようにする事です。
今日は新しいタイプの予選タイヤを試しましたが、それがうまく機能してくれなかったので実質のタイムアタックは1周きりになりました。ただ、運良くその時にいいタイムが出せたので良かったと思います。さらにもう1回アタックできれば、もっとタイムは上げられた筈ですけどね。
ミシュランの新しいレースタイヤはこのサーキットでうまく機能してくれています。他のミシュラン勢も速いですから、明日はストーナーに迫れるかもしれません。彼と戦える事を願っていますし、特にレースの序盤では抜き合いをしながら楽しみたいですね。
ここまでの作業内容にも、今回見つけたセッティングにも満足できています。自分たちのヤマハのマシンはこのサーキットのきついコーナーで性能を発揮しますから、明日のレースが本当に楽しみで仕方ありません。
■2列目
●4番グリッド)玉田誠 ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1
●5番グリッド)ダニ・ペドロサ レプソル・ホンダ RC212V
午後のセッションはとても順調に進みました。すごくいいセッティングを見つけることができましたし、レースタイヤで速いペースを維持する事ができましたからね。
ともて安定していいタイムを出せています。それに今の段階ではタイヤのい耐久性にも特に問題はありません。
残念ながら予選タイヤでは今日はあまり上位に食い込む事ができませんでした。タイムアタック中にマシンが振動する問題を抱えてしまったので、予選の内容についてはあまり満足できていません。
5番グリッドからのスタートはとくにひどい状況ではありませんが、本当はもっと上を狙っていました。明日にいいスタートができれば、トップ集団で戦えるチャンスは十分にあるとは思いますが、レースは28周ですし、他のライダーたちも速いぺースで走れていますから、当然のように上位につけるとは思っていません。
明日は面白いレースになる筈ですよ。自分のためにもチームのためにも、いいレースができる事を願っています。
●6番グリッド)コーリン・エドワーズ フィアット・ヤマハ YZR-M1
今日はスイングアームを変更し、自分たちが過去に経験済みの作業範囲に戻した事で、午後の終盤には大きく調子を取り戻す事ができました。バレンティーノとは数ミリ程度の微細な調整の違いですが、自分にとってはかなり大きな改善でした。
予選の作業は順調に進み、タイムアタックの時にも好感触が得られていましたが、新型タイヤの1本目を試したらそいつが全然使えなくて、大きく順位を落とす羽目になったんですよ!
だから2本目には手を出しませんでしたが、これはあまり予選の理想的な状況とは言えません。普通は1本目のアタックでしっかり自信をつけてから、次のタイヤで確実に決めたいところですからね!
いずれにしても、小さいシケインの部分で自分も1回ミスをしました。ただ、それほどタイム的に大きな影響はありませんでしたし、今週のここまでの状況を思えば、2列目という結果はそれほど落ち込みません。
レースは激しくなりそうですが、明日はひたすら必死に頑張るだけです。
■3列目
●7番グリッド)マルコ・メランドリ ホンダ・グレッシーニ RC212V
今日はチームが本当によく頑張ってくれました。昨日とは異なる解決策をいくつか試し、重量配分の調整作業に集中して午後には大きく改善が進みました。
まだエンジン・ブレーキの調整にはいくつか課題が残っていますが、全体的にバイクの調子は上がりましたし、レースに向けての走行ペースもかなり良くなりました。
路面温度が高い時のタイヤは本当に好調ですが、残念ながら、予選タイヤに関しては少し柔らかすぎて、その性能をフルに使い切る事はできていません。
レースに向けてはまだ作業を続けるつもりです。ただ、3列目が確保できた事については満足ですよ。ブリヂストン勢の中では2番目のポジションですからね。
●8番グリッド)シルバン・ギュントーリ ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1
●9番グリッド)トニ・エリアス ホンダ・グレッシーニ RC212V
体調的には昨日と同じような状態ですが、今日はバイクのセッティング作業に集中してトラクションの問題を改善する事ができています。
午後にはさらに調子が上がり、まだ一部に課題は残るものの、バイクの感触はだいぶ良くなりました。ブルノやミサノの時に比べればグリッドの位置もかなり上がりましたしね。
去年とは大きく違う状況なのは明白ですが、ここは大好きなコースですし、明日はいいスタートができると信じています。初めての勝利を去年に獲得する事ができたこのサーキットで全力を尽くし、いいレースができるように頑張ります。
■4列目
●10番グリッド)ジョン・ホプキンス リズラ・スズキ GSV-R
レースのセッティングに限って言えば、今日のセッションは問題なく進みました。レースウイークを通して最大限のタイムを出すことができていますし、バイクの感触も本当にいいんです。
マシンにいくつか調整を加えながら、自分の走行ラインも見直しましたから、レースタイヤに関しては全てがうまく噛み合っている状態です。第4区間についてだけはもう少し改善する必要がありますけどね。
バイクのセッティングに問題はありませんので、0.3秒から0.4秒の差は全て自分のライン取りの見直しなどで改善すべき部分です。これから一晩考えて、どうやったらさらにタイムを上げられるのか、色々考えてみるつもりです。
もし明日のレースがドライになれば自信はかなり持てますよ。28周を走りきるのにいいタイヤは見つけてありますから、いいスタートを切って先頭集団にたどり着けるかどうかは自分次第です。
午後の予選については今日は満足できませんでした。最後の予選タイヤで少し激しく攻めすぎてしまい、タイヤのエッジのグリップを潰してしまいました。まあでも、そういう事だってありますしね。
明日のレースはスタートで可能な限り順位を挽回するつもりですし、すごくいいペースで戦える事を約束しておきます!
●11番グリッド)カルロス・チェカ ホンダ・LCR RC212V
予選は常にギャンブルですが、まさに今日はそんな日でした。最後のタイムアタックでは1列目が狙えるタイムを目標に走りましたが、コース上が混雑しているところに出くわしてしまったんです。
おまけにリアのひどいチャタリングにも悩まされていました。これは今回使用した予選タイヤのソフトコンパウンドの問題ですが、自分たちの予選での弱点はこの部分でしょうね。
新しいタイヤにもマシンのセッティングにも好感触が得られているだけに、4列目からのスタートは本当に残念です。ただ、レースではもっと上の順位を狙えるのは確実だと思っています。
●12番グリッド)クリス・バーミューレン リズラ・スズキ GSV-R
4列目が自分たちの欲しかったポジションじゃない事は言うまでもありませんよ。おかげで明日のレースは厳しくなりそうですが、それに挑みたいと思います。
今週はハンドリングまわりに少し課題を抱えていて、少しチャタリングに悩まされています。ここのコースにはマシンが振動する所とそうでない所が把握できていない部分がいくつかあって、それが走りを若干難しくしていますね。
今年に入ってからこういう状況に陥るのは初めてです。でもトム(チーフクルー)とチームのメンバーたちは作業の方向性を把握できていますから、今日のデータを使えば明日に向けて問題は解決できる筈です。
明日はジョンと自分の両方共にすごく激しい走りが必要ですね。レースの序盤に少し攻撃的に出て、前の方の位置を確保したいと思います。
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