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ヘイデンとペドロサの最悪な記憶
インテリマーク編集部
2007年9月13日

2007年も余すところ残り5戦となり、MotoGPの関係者は今週末のポルトガルからはシーズン最後の忙しいスケジュールに追われる事になる。今回の日曜日にレースを終えた各MotoGPチームは、休む暇もなく来週末の日本GPに向けての移動を開始しなければならない。
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■複雑な思い出を胸にエストリルに戻るレプソルの2名

その忙しいスケジュールを前に、レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンとダニ・ペドロサは、昨年は2名が揃って最悪な経験をしたエストリル・サーキットに、様々な記憶を胸に戻ってきている。

■ホンダにとっては惨劇とも言えた昨年のポルトガルGP

昨年のポルトガルGPは最終戦の1つ前のグランプリとなり、ニッキー・ヘイデンがバレンティーノ・ロッシとの緊迫したタイトル争いを演じていたが、その5ラップ目に、やはりまだタイトル獲得の可能性が残っていたダニ・ペドロサがブレーキングに失敗してチームメイトのヘイデンに追突、ノーポイントに終わったヘイデンが最後のバレンシアを前にロッシにポイントリーダーの座を奪われ、おまけに肩を骨折するという、レプソル・ホンダにとっては惨劇とも言えるレース展開だった。
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■笑顔でエストリルに戻れたヘイデン

最終戦のバレンシアではヘイデンが再びポイントを逆転、彼が年間タイトルを無事に獲得できたおかげで、多くの関係者に波紋を投げかけたこの騒動は円満に解決し、当事者たちの記憶からも削られたようだが、1年ぶりにエストリルに戻ってきたヘイデンとペドロサには、再び当時の思い出が蘇っている様子だ。ヘイデンに至っては、思い出すと笑顔になってしまうようだ。


■昨年とは異なる状況のレプソル勢

今年のレプソル・ホンダ勢は、昨年とはかなり異なる状況で今回のポルトガルGPを迎えている。昨年にタイトルを争っていたニッキー・ヘイデンにはすでにタイトル防衛のチャンスはない。また、現在ランキング3位につけるペドロサには今年もタイトルの可能性は計算上は残っているが、ストーナーが年間タイトルに王手をかけた今、その実現性は限りなくゼロに近い状況と言える。
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■不運のミサノでの結果を揃って取り返したいペドロサとヘイデン

しかしながら、ペドロサには18ポイント差のロッシからランキング2位のポジションを奪える可能性はまだ十分にあり、ペドロサは残り5戦の中でその目標達成に全力をつくす構えだ。先週のサンマリノGPではオープニングラップの2コーナーでカワサキのランディ・ド・ピュニエに追突され、トップ集団の中で戦う自信のあったレースが台無しになってしまっているだけに、エストリルではその分のポイントも取り返したいとペドロサは考えている。
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シーズン序盤の不調の影響から現在はランキング9位につけるヘイデンも、ペドロサと同様にミサノではオープニングラップの事故に行く手を阻まれ、グラベルに一度待避したことからその場で順位を最後尾に落とすという不運に苛まれたが、そのレース翌日のミサノ合同テストにおいては、ミシュランが用意した新しいレースタイヤを装着してレース中の自己ベストを1.5秒、予選中の自己ベストを0.2秒上回る好タイムを記録しており、エストリルでのポイント挽回に向けて高い期待と意欲を示している様子だ。


■ヘイデン「去年の事を思い出すと笑顔になってしまう」

今年は昨年のようなプレッシャーを感じずにエストリルを訪れる事ができたというニッキー・ヘイデンは、去年のペドロサとのアクシデントを思い出すと、今は笑顔になってしまうという。
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「去年の事を今思い出すと笑顔になってしまいます。転倒の影響で年間タイトルの夢が消えていくように感じたんですよ。だから今週末には、あの時の分を取り返せれば嬉しいでしょうね。」とヘイデン。

「今期はかなり苦しいシーズンになりました。色々な不運があり、自分たちにもミスがありましたからね。だから早くエストリルに行って、全ての作業を順調に進められるように頑張りたくて仕方がありません。」

「天候は常に不安定な場所ですから、木曜日のタイヤ選びがものすごく重要です。ミシュランタイヤはあそこの気象条件でも性能を発揮できると思いますし、自分たちはそれをさらに向上できるように頑張る必要があります。」

「金曜日の午前中にいいセッティングを見つけて、その後は微調整で済ませる事ができるようにしたいです。今年の自分たちのバイクは正しいセッティングを見つけ出すのにかなりの時間を要する事はすでに分かってはいますが、自分のメカニックたちはいい仕事をしてくれていますし、過去数戦ではいくつかの改善を進める事もできています。」

「今年は去年のようなプレッシャーはありませんから、自分が楽しめるように頑張り、日曜日にどこまでいけるかを楽しみにしたいと思います。」


■ペドロサ「悪い記憶は乗り越えた」

昨年はヘイデンよりも辛い状況に陥ったと言っても、考えようによっては過言ではないダニ・ペドロサだが、すでにその件については乗り越える事ができたと語っており、今週は通常と変わらぬ姿勢でレースウイークの作業に取り組みたいとしている。
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「エストリルでまたチームと一緒に働けるのが嬉しいです。」とペドロサ。

「前回のミサノの時のようなレースは非常にフラストレーションが溜まるんです。特に自分に降りかかる災難をどうする事もできないような場合ですね。ポルトガルでは本来の成績を取り返せる事を、チームも自分と同じくらいに願ってくれています。」

「このサーキットではあまり高い成績を残していませんが、ポールポジションは2回獲得していますので、レースウイーク中にいいセッティングを見つける事さえできれば、いい戦いができると思っています。」

「今回もまたタイヤがものすごく重要です。それに天候も大きく戦いに影響する筈です。あそこはよく雨の降る場所ですが、今年はすでに色んな気象条件を多く経験してきたので、今週末のポルトガルではもう雨には見舞われたくないですね。」

「もちろん去年の記憶はあまりいいものではありませんが、すでにその点は乗り越えてきましたので、今週は通常と変わらぬ気構えで取り組む事になると思います。」

「目標は年間ランキング2位のポジションに少しでも近づくように頑張り続ける事です。」


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