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2007年6月1日
前戦のルマンではレースが雨という悪天候に見舞われただけに、本日から開催されるイタリアGPでは晴天を望む声が各ライダーから多く聞かれるが、どうやら今週末のムジェロ・サーキットの空は非常に不安定であり、雨模様のグランプリとなる可能性が出てきた。
■ルマンに引き続き悪天候が予想されるムジェロ
レプソル・ホンダ・チームのニッキー・ヘイデンとダニ・ペドロサも、毎年お祭りさながらの独特の雰囲気の中での白熱のレースが各クラスに期待できるムジェロでは晴天に恵まれる事を祈っているが、今のところレースウイーク中に眩しい陽射しに恵まれる可能性は低くなってきている。
■ヘイデンは昨年のムジェロで3位表彰台を獲得
毎年イタリア人が大活躍する事でも知られるムジェロで、レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンは、昨年は地元ライダーであるマルコ・メランドリとのレース後半のバトルを制し、悠々と3位表彰台を獲得している。
■ルマンでの転倒時の怪我は回復
前回の雨のルマンは、今期の最高位となる筈だった4番手を走行中のレース終了間際に転倒してノーポイントに終わり、ランキングをプラマック・ダンティーンのアレックス・ホフマンと同ポイント(30pt)の11位まで落とした昨年度チャンピオンのヘイデンは、転倒は自分のミスとして認め、チームの頑張りを台無しにした前回の埋め合わせを今回のムジェロで行いたいとしている。
なお、ルマンでの転倒時に強打して痛めたヘイデンの肋骨まわりのダメージは現在ではほぼ回復しており、ムジェロには万全の体調で挑める様子だ。
■ドゥカティー勢を警戒するペドロサ
また、ヘイデンのチームメイトであり、前回の雨のルマンではミシュラン勢がのきなみ後退する中で4位を獲得し、苦手な筈のウェットコンディションで予想外にいい走りができたと喜んでいたダニ・ペドロサは、今週はムジェロのロングストレートでのケーシー・ストーナーをはじめとするドゥカティー勢の優勢性を警戒しているようだ。
ムジェロはドゥカティーのテストコースである事から、今期は比較的にエンジンパワーの不足に悩むホンダ勢が、ドゥカティーが得意のコースでよりパワーアップを遂げる可能性に懸念を示すのも無理はないところだろう。
■年間ランキングの観点でも落とせないヨーロッパラウンド
現在ペドロサのランキング3位につけており、トップのケーシー・ストーナーやランキング2位のバレンティーノ・ロッシからまだ大きな差はつけられていないが、その僅か1ポイント差のランキング4位には、前回のルマンで2位表彰台を獲得したグレッシーニ・ホンダのマルコ・メランドリが迫っており、今回のムジェロではできる限りその上位ライダーたちよりも前のポジションでチェッカーを受けたいところだ。
■ヘイデン「前回の埋め合わせをムジェロで」
レインセッティングがあたり、好調な走りを見せていただけにレース終盤のルマンでの転倒は残念だったとするニッキー・ヘイデンは、今週は好みのサーキットのムジェロで、前回に失ったポイントを可能な限り多く挽回しようと考えているようだ。
「実際に経験するまではムジェロの雰囲気は想像もつかないと思いますよ。今からすごく楽しみです。」とヘイデン。
「ファンがすごく熱心ですし、MotoGPのレースがやってくるのを毎年待ちかまえているんです。だからここで走るのは自分たちにとってもすごく楽しいんです。」
「ここのコースはちょっと何から何まで揃っていてすごすぎますね。勾配があり、重要な抜き所になるのでいつもレースを白熱させる長いストレートがあり、ラップタイムを縮める上で大切な素速い切り返しが要求されるコーナーもあってと言った感じです。」
「路面は少しすり減った感じででこぼこしていますから、衝撃を吸収できるようなセッティングをバイクに施しておく事が重要です。その他にも、方向転換を行う中でものすごく激しく攻められるようなマシンに仕上げる必要があります。今年は少し安全面の対策も取られたと聞きましたから嬉しいですね。」
「ルマンの結果は本当に残念でしたが、チームには自分の失敗が原因だと話しました。だから今回はみんなへのその埋め合わせとしても、いい成績が残したいです。ムジェロでは自分たちの力を発揮するのが楽しみです。」
■ペドロサ「一部のチームが速さを見せつけてくる」
ホームでのさらなるパワーアップが予想されるドゥカティー勢を警戒するダニ・ペドロサだが、エンジン出力の向上を狙った新パーツのテストを行ったルマン翌日からの2日間の合同テストの結果には自信を示しており、今回のムジェロでは自分たちのパッケージの性能アップにも期待が持てるとしている。
「ムジェロはいつも走っていて挑戦しがいのあるコースですから、今回初めて800ccマシンで走った時にどんな印象を持てるかが楽しみです。」とペドロサ。
「去年はMotoGPマシンでムジェロを初めて走りましたが、ライダーの立場からすると年間シーズンの中で一番体力が要求されるコースなのは確かです。すごい高速走行中にマシンの切り返しが要求されますからね。」
「去年はそれほどトップ集団から離されずに5位を獲得しましたが、あれはいい成績だったと思います。中国と同じように、長いホームストレートは今回もトップスピードが重要な要素になりそうです。一部のチームはこのサーキットで多くのテストをこなしていますから、特にここのストレートではまた速さを見せつけてくるでしょうね。」
「ルマン翌日のテストではいくつか進歩がありましたし、2日間でいい情報をたくさん集める事ができましたから、自分たちのパッケージ性能がさらにもう少し向上していい結果につながる事を期待しています。」
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